2008年12月31日水曜日

IP for Global Supply and Demand Problem of Food 

農産品需要のエネルギー・食料競合など知財戦略が対処すべき課題
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 バイオエネルギーの知財開発は、今年前半の原油価格高騰により刺激されると共に、バイオ原料の食料・エネルギー両需要の競合という新たな問題を顕在化させた。原油価格の低落にかかわらず、バイオエネルギーの開発は長期的見地から促進しなければならないが、その先行課題として「世界の食料問題解決への日本の貢献」がなければならない。
 来年度農林水産省予算案に計上された内容(SANARI PATENT要約)を先ず考察する。
 政府開発援助予算として47億1300万円が計上されたが(2008年度45億4100万円)、対策のポイントは、「開発途上国の食料問題解決に貢献するため、日本の得意分野である稲作に係る技術開発や人材育成の技術協力を通じた生産性向上、生産増大を支援すること」である。

 すなわち、小麦、とうもろこし、大豆、コメの国際価格は、史上最高値を更新し、一昨年秋ごろと比較して2倍以上に高騰し(SANARI PATENT考察: むしろ「大幅に価格変動し」というのが年間を通じての動態で、従って、諸方策も「高騰」よりも「価格激変動」を前提とするものとなろう)、特にアフリカにおけるコメ生産拡大に向けた自助努力を支援する(SANARI PATENT考察: 自然環境の相違がコメ品種の適正選択を左右するし、選択した単一品種耕作が、不作となって従来の多品種耕作以上の被害をもたらした事例があった)。

 従って、日本および世界の食料安全保障を確保するため、低コスト・高収量が得られる持続可能な営農手法を実証し、その普及・体系化を支援する。
 水稲用水の需給ひっ迫への対応として、節水条件でも稲の収量を確保できるよう、技術開発する。
 またアフリカについては、土壌肥沃度や施肥効率に関する技術移転を行う。

 日本農林水産物・食品の輸出を拡大(2025年に1兆円規模:2007年実績は4337億円)するため、品目ごとのDNA分析技術を開発し、日本のオリジナル品種を保護し、輸出を促進する。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Food Problem、食料需給、稲作、アフリカ

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2008年12月30日火曜日

How to Measure the Results of IP Strategy 

知財戦略の成果をどのように計測するか
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 内閣知財戦略本部は、2009年度・知財推進計画の策定開始を控えて、12月に入ってから、本部会合を始め所属諸専門調査会の報告を集約している。
 改めて知的財産基本法の目的を見ると、「この法律は、内外の経済情勢の変化に伴い、わが国産業の国際競争力の強化を図ることの必要性が増大している状況にかんがみ、新たな知的財産権の創造およびその効果的な活用による付加価値の創出を基軸とする活力のある経済社会を実現するため、知的財産の創造、保護および活用に関し、基本理念およびその実現を図るために基本となる事項を定め、国・地方公共団体、大学等および事業者の責務を明らかにし、並びに知的財産の創造保護および活用に関する推進計画の作成について定めると共に、知的財産戦略本部を設置することにより、知的財産の創造、保護および活用に関する施策を集中的かつ計画的に推進することを目的とする。」
 そして特許法の目的は「産業の発達に寄与すること」、著作権法の目的は「文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もって文化の発展に寄与すること」、コンテンツ創造・保護・活用促進法の目的は「知的財産基本法の基本理念にのっとり、コンテンツの創造・保護・および活用の促進に関し、基本理念を定め、並びに国、地方公共団体およびコンテンツ制作等を行う者の責務等を明らかにすると共に、コンテンツの創造・保護および活用の促進に関する施策の基本となる事項ならびにコンテンツ事業の振興に必要な事項を定めること等により、コンテンツの創造、保護および活用の促進に関する施策を総合的かつ効果的に推進し、もって国民生活の向上および国民経済の健全な発展に寄与すること」である。

 知的財産基本法が平成14年に制定されてから既に6年余を経たのであるから、その実施成果は、特許出願件数・処理件数、知財高裁判決件数、デジタルコンテンツ数の変動等にとどまらず、「知的財産がわが国の国際競争力を強化すること」によって、わが国産業の世界市場における優位や国民所得の水準の向上がどのようにもたらされたか、ないしはもたらされようとしているか、具体例を極力示して報告されることが当然期待されるし、「内閣」の本部であるから、少なくとも「デジタルコンテンツの流通と著作権制限の調整」などについて、いわば「公約」した「2008年度中に結論を得る」はどうなったのか、流通促進の要素となる知的財産権の価値評価(特に定額的価値評価)基準の「確立」はどうなったのか、「請求項など特許出願文書をなるべく分かり易い表現・文脈として発明の理解と権利化を滑らかにする」趣旨はどうなったのか、経過報告がなすべきであると、SANARI PATENTは考える。

 内閣知財戦略本部の12月会合では、「これまでの成果」の確認が、上記の諸点について不充分であったとSANARI PATENTは認識する。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
IP Strategy、知的財産基本法、デジタルコンテンツ、著作権制限

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2008年12月29日月曜日

Innovation Creating Organization etc., 2009 New Government Projects 

新年度政府予算における新規計上事業
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 毎年度の政府予算における新規計上項目は、国民ニーズの変動に対応ないし先導しようとするもので、各省庁の存続・活動基盤を確保・発展させる予算活性化知財の成果でもある。政府全体では百件近い新規項目が予算計上されているが、順次その内容と実際を考察する。

1. イノベーション創造機構の創設 財投会計(投資勘定)新規400億円
資源価格の変動や金融危機等による国際競争条件の変化に対応して、中長期にわたる国富の増大を図るため、一定規模の長期のリスクマネーを供給すると共に、日本の叡智を結集し、企業・業種・大学の壁を超えて人材・ノウハウ・技術を組合わせ、革新的な経済産業構造への転換に資する新たなビジネスモデルを創造する仕組みとして、イノベーション創造機構を創設する。(SANARI PATENT考察: 資源価格の安定と共に激変頻発の現実を前提とすること、長期リスクマネーという民間不適の現実に対応すること、イノベーションの定義が革新的経済産業構造への転換として経済産業省にふさわしい表現を用いられる結果となったことに注目する)。

2. 地域中小企業知的財産戦略支援 新規3.1億円
地域中小企業に対して、一定期間、集中的に知的財産の専門家等を派遣し、知的財産コンサルティング事業を実施する都道府県等の中小企業支援センターの活動を助成する。また、中小企業が知的財産を戦略的に活用して知的財産経営を実現するための体制整備を支援する。(SANARI PATENT考察:「知的財産権経営」の要件を、特に財務基盤との関連において明示すべきである)。

3. 情報通信技術先進事業国際展開プロジェクト推進 新規0.2億円
情報通信技術重点分野の国際展開活動を加速すると共に、わが国の高度な情報通信インフラを活用した新規分野における国際展開を戦略的に進めるための実証実験を実施し、国際標準化活動や海外普及活動の一層の推進を図ることにより、情報通信技術産業の国際競争力強化や成長力強化を推進する。(SANARI PATENT注: ITUのデジュール標準化体制に対する強力な協調ならびに先導の実力を発揮すべく、デファクト標準化を別途極めて強力に推進すべきである)。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
New Project、新規予算、知的財産、イノベーション、ITU、

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2008年12月28日日曜日

Japan Brand Policy Discussed by Cabinet IP Headquarters

Contents・Japan Brand Policy Discussed by Cabinet Intellectual Property Strategy Headquarters 内閣知財戦略本部(2008-12-24)におけるコンテンツ・日本ブランド戦略検討
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 先日の内閣知財戦略本部会議では、その専門委員会による「デジタルネット時代における知財制度の在り方」、「知的財産による競争力の強化」、「日本ブランド戦略の検討」報告と、経済産業省および農林水産省の提出資料、学識経験者委員からの提出意見が審議されたが、今次世界金融危機を契機とする国際経済激変下における日本ブランドの戦略の見地から、「コンテンツ・ブランド専門調査会」(会長・久保利英明弁護士)の「日本ブランド戦略の検討状況報告」(2008-12-24)の下記内容(SANARI PATENT要約)を考察する。

1. 本年度の内閣知財戦略本部知財戦略においては、「日本は、優れたライフスタイルから生まれる文化や良質なコンテンツなど、豊かなブランド価値創造資源が存在し、分野横断的な日本ブランドの世界への発信によって、対日イメージの向上とわが国の国際競争力につなげ得る」とし、「分野横断的な日本ブランド戦略の構築」と「関係省庁連携によるアクションプランの策定を課題とした。
2. 上記コンテンツには、アニメ、マンガ、映画、ゲーム、ドラマ、食文化、地域文化、ファッション、伝統文化が含まれる。
3. わが国の課題として、「発信」については、「発信力の不足」、「情報発信が断片的」、「有力地域への浸透不足」、「ネットの活用が不十分」、「海外向けコンテンツのプロデュース力・宣伝力の不足」が挙げられる。
4. すなわち、「日本ブランドの創造」については、「新しいコンテンツ等を創作し、海外展開し続けるための人材の不足」、「海外の優れたクリエーターの吸引力が脆弱」、「コンテンツ産業の伸び率の低迷(2006年:-0.3%, 2007年:+0.3%)」が問題である。
5. 従って、今後の「日本ブランド戦略」のイメージとしては、わが国の国際競争力強化のため、「対外イメージの向上」、「輸出の拡大(アニメ、マンガ、映画、ゲーム、ドラマ、食文化、食材、ファッション、工業製品など)、「幅広い産業への波及効果(観光、サービス、農林水産等)を柱とする。

SANARI PATENT所見
 上記5に「食材」が強調されたことは、味の素など日本の調味料や、眼には触れない世界チョコレート原料油脂のグローバルな浸透を具体的に認識しつつ、その拡大を見守るべきである(「拡大」は、各企業の仕事である)。
 また、「日本」を強調し過ぎて、諸国文化への日本ブランドの融合(南米の「すし天ぷら」、北米の「米国産日本酒と欧州チーズなど」を、「日本ブランドの融解」として疑問視することなく、意識されない浸透をも、真のソフトパワーとして賞讃すべきである。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
JAPAN Brand、久保利英明、日本ブランド、マンガ、味の素

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2008年12月27日土曜日

New Finance System for Middle Sized companies 

「商工中金を通ずる新たな融資制度」等について二階経済産業大臣の対記者説明・応答(SANARI PATENT要約)
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
Sub Site http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 高齢者を訪問するクレジット販売対策政令案
Sub Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog  商工中金の新融資制度
Sub Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat  医薬品ネット販売の利便

1. 商工中金を通じた新たな融資制度等
1-1 緊急保証制度は、昨日(2008-12-25)までに14万8000件、3兆4000億円の実績を挙げた。公庫や保証協会は30日まで対応、私も同日登庁する。
1-2 また、世界金融危機の影響などによって、中小企業のみならず中堅。大企業の資金繰りも厳しさを増している。「生活防衛策」において、中堅・大企業を対象とした資金繰り対策を発表したが、その一環として昨日、商工中金に対して、中堅企業等を対象とする「金融危機対応業務」業務を指示した。本日(2008-12-26)から相談を受け付ける。
1-3 (「貿易統計に続いて今朝発表の鉱工業生産統計にも、非常に厳しい数字が出ており、厳しい生産調整を迫られているが、所見はどうか」との質疑に対して)経済のあらゆる統計が、グラフに描くと直下型に低落している状況であり、適切な対応を要するが先ず、いま直ちには、経済の血液とも言われる金融の関係によって倒産に至る企業を少なくするため、全力を挙げなければならない。海外における日本企業に対しても、融資面で積極的に支えてゆく。
1-4 (「先手」の対策が必要ではないか、との質疑に対して)経済対策は本当の意味で先手、先手と打って対応しなければならない。年明け早々、企業、経済団体の生の声を直接聴いて、後手にならないようにする。

2. 電力料金値下げ
(電力料金が5月から下がる見通しと示されたが、所見はどうか)との質疑に対して)電力料金値上げに対しては、抑制的対応を電力業界に要請したが、今回は原油等の価格低下によるゆとりの部分を、ぜひ値下げに向けるようにとの経済産業省の願望に対して、応えられたものと評価する。家庭への影響も大きく、公益企業という立場をよく理解することを望む。(SANARI PATENT考察:「ゆとり」の内容が課題である。「願望に対して応える」よりも、制度上法的義務として、厳正原価対応の料金であるべきである)。

3. 先進国における日系企業の資金調達
本日(2008-12-26)の閣議により日本政策金融公庫施行令を改正し、わが国産業の国際競争力維持。向上に役立てる。

4. 貿易保険の拡充
設備資金に限定していた保険の対象を、運転資金にも広げる。(SANARI PATENT考察: 知的財産をパワーとする日本企業の海外活動に寄与するところ多大と考える)。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Middle Sized Companies、商工中金、貿易保険、電気料金

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PACHISURO(Pachinko Slot-machine)Patent Lawsuit at IP High Court 

パチスロ機器大手のアルゼ特許について、知財高裁がアルゼの請求を棄却(2008-12-25)
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 パチスロは「パチンコ式スロットマシーン」であるから、関連特許数もパチンコに関する特許公開2万2437件(2008-12-26現在)、スロットマシンに関する特許公開6544件(同)、パチスロに関する特許公開831件(同)に達し、意匠やコンテンツの関連知的財産権も同様に多数存在する高度の電子機器である。 アルゼが権利者である特許公開件数も1万件近い(2008-12-26現在9929件)。

 一昨日、知財高裁が判決を言渡した「平成20年(行ケ)10254号・審決取消請求事件は、アルゼの「遊技機の回転リールユニット」発明に関するもので、原告パチスロ、被告・特許庁長官、アルゼは弁護士9名、弁理士11名、計20名の訴訟代理人を擁して、特許庁審決の取消を訴求したが、知財高裁はアルゼの請求を棄却した。

 アルゼが平成16年に設定登録を受けた上記発明に関する特許について、パチスロは平成20年に訂正審判を請求し、特許庁が「請求不成立」との審決をしたので、アルゼがその取消しを知財高裁に訴求した。

 争点は、この「訂正」が特許請求の範囲の縮減を目的とする縮減と言えるか、新規事項の追加に当たるものでないか、進歩性に係る独立特許要件を満たしているか、の3点である。

 さらに今次知財高裁判決に至る経緯をみると、
(1)  アルゼは平成9年に、発明の名称を「遊技機の回転リールユニット」とする特許出願をし、平成16年に設定登録された。これに関しアルゼは、平成20年にこの特許の特許請求の範囲の縮減等を目的とする訂正審判を請求したが、特許庁は「この請求は成り立たない」と審決した。
(2)  なおアルゼの上記特許についてAが平成16年に特許無効審判を請求し、特許庁は平成18年に「パチスロの上記特許を無効とする」旨、審決した。
(3)  パチスロは同年、この審決の取消し訴訟を提起すると共に、訂正審判請求を行った。
(4) 知財高裁は同年、上記審決を取消す旨の決定をしたので、特許庁で特許無効事件の審理が再び続けられることとなった。
(5)  そこでアルゼは同年、訂正請求を行ったが、特許庁は、「訂正を認める。アルゼの上記特許の請求項1、2に係る発明についての特許を無効とする」旨の審決を平成19年に行った。
(6)  この審決の取消しをアルゼが知財高裁に訴求したのが、今次事件である。

SANARI PATENT所見
 特許請求の範囲の変更は、第三者に及ぼす影響が多大であり、「縮減」に該当するか、技術的に精確な判断が求められることは当然である。しかし、技術用語の定義は固定的でなく、新しい用語や語義が付加される場合を認めることを、米国特許審査基準(MPEP)は明定している。
 進歩性の判断については、多様な見解が続出することは、SANARI PATENTがしばしば述べたところである。
Slot Machine、パチスロ、アルゼ、知財高裁、特許無効

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2008年12月26日金曜日

Enormous Expenditures of Money for Economic Recovery 

経済対策で世界諸国の巨額比較
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 知財立国も経済の健全が前提だから、33兆円の来年度赤字国債発行もやむを得ないと考えられ、かつまた、日本の知財立国も世界経済の正常(意味は多様だが)を前提とするから、諸国の経済対策予算規模も関心の的である。

 しかし、米国ではオバマ政権発足前で、経済対策予算額としては表明されていないし(ただし300万人雇用創出を約しているが、わが国の失業者数とほぼ同数である)、「財政支出を伴う事業予算規模」とか、単に「経済対策事業規模」とか呼ばれたりして、中身が比較に適するか疑問であるが、TV東京WBS(2008-12-24)では、「全世界の経済対策費」を先ず8兆ドル(720兆円)と示し(以下括弧内はSANARI PATENTが換算)、第二次世界大戦の世界戦費3.6兆ドル(324兆円)と対照している。日本の経済対策費は8月決定の11.5兆円(0.13兆ドル)、10月に追加の26.9兆円(0.3兆ドル)、12月の生活防衛費43兆円(0.5兆ドル)で75兆円(0.9兆ドル弱)示した。しかし単に3か月合算では81.4兆円で0.9兆ドル強)になるが、いずれにせよ全世界の11.3%に当たる額で、対照が不十分としても、肯ける比率と額である。
 この75兆円に金融機関からの株式等買取20兆円、定額給付金2兆円、雇用対策費1.1兆円が含まれている。
 英国の総額200億ポンド・2.7兆円(0.03兆ドル)は付加価値税率の引き下げ(17.5%→15%)による額のみである。中国は4兆元、≒53兆円、0.6兆ドルと称している。
 フランス3.3兆円、ドイツ6.4兆円を英国の2.7兆円と合算してTV東京WBSは(欧洲)12兆円(0.13兆ドル)と示したようであるが、流動的数値と解すべきである。

 しばしば引用されるのが、「日本の個人金融資産は総額1500兆円(16.7兆ドル)」という金額で、日本銀行の金融資産残高統計2008-6-30現在の1504兆円を指しているから、精確な数値と考えられる。しかも現金・預金に分類された額が784兆円(8.7兆ドル)に達するから、上記の諸数値と対比しても、その実力を高評価し、自信をもってわが国の知財開発・経済発展に寄与したい(ただし、上記16.7兆ドルの6割は日本の高齢者が所有し、また米国の個人金融資産は総額44.3兆ドルだから、「日米同盟」の意義も再認識されよう)。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Economic Recovery、個人金融資産、日本銀行、オバマ

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2008年12月25日木曜日

Financial Problems of Japan Enterprises Overseas 

先進国における日系企業の資金繰り対策
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 知財戦略を海外で展開している日系企業にも、今次金融危機による資金繰り対策の必要性が波及している。二階経済産業大臣は記者会見(2008-12-24)で次のように述べている(SANARI PATENT要約)。

1. 国際協力銀行(JBIC)融資の活用について、法制的なハードルが幾つかあるようだが、はならずしも法律改正する必要はなく、清麗でも対応できると、私は考えている。経済産業省の貿易経済協力局と財務省の国際局との間で、打合せを既に始めている。
2. (資金活用開始の時期的な目途はいつか、との質疑に対して)急速にピッチを上げて対応する。年末が目前だから、少々のことは政治的判断して早く進めたい。年内にそういう方針を決めたい。
3. (実施は年明けか、という質疑に対して)私は、年内にもやりたいと、本日(2008-12-24)の閣議でも重ねて述べた。まだ閣議後、事務当局にも会っていないが、これから事務当局に閣議の内容・方針等を詳しく伝え、財務省と話しを進めてゆく。
4. これはもともと総理の指示を受けて、中川大臣が私の留守中ではあったが、 経済財政諮問会議で、経済産業省としては高市副大臣が出席していて、その場で発言があった。その発言を受けとめて私が今日は閣僚懇で整理しておいたので、これからは積極的に対応できるようになったわけだから、ピッチを上げて年内にも実施できれば万点だが、これは拙速でも難しいので、やるのだという意思は内外に明らかにしておきたい。

SANARI PATENT所見
 予見可能な問題ではなかったのか。世界情勢の変動が今後も続発するから、派生問題に対して、先見著増対処が望まれる。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
JBIC、日系企業、資金繰り、先進国、二階経済産業大臣

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2008年12月24日水曜日

UNIQLO Generates a Large Jump in Both Revenue and Profits 

ファーストリテイリング・ユニクロの続伸、グローバル化・グル-プ化・再ベンチャー化の浸透
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
Sub Site http://blogs.yahoo.co.jp/patenttrend タイの丸山・農機生産工場、新春操業開始
Sub Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog 経済産業省が中小企業の排出権取引を支援
Sub Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat 介護市場展開のアロン化成(東亜合成系)

年末のトップメッセージに「サブプライム」・「金融危機」・「世界不況」などの時事用語が一切無いのがファーストリテイリング・ユニクロである。その内容(SANARI PATENT要約)を見ると、
(1)「グローバルワン」を実現すべく、3年目にして全社員に浸透した「グローバル化・グル-プ化・再ベンチャー化」の重要性が、成長の原動力となり、今年は確かな結果を残すことができる。
(2) 国内ユニクロ事業の順調な業績拡大によって、ファーストリテイリングの業績は大幅な増収増益を得ている。ユニクロ顧客の要望がデザイナーやマーチャンダイザーに共有され、商品に活かされた結果、ヒートテックインナー(SANARI PATENT注: ファーストリテイリングが東レと共同開発したポリエステル・アクリル・レーヨン等の特殊技術混紡による繊維による衣料で、東レ工場内に構築されたファーストリテイリング専用ラインで生産しており、軽く、暖かく、洗濯容易性が高評価されている)の大ブレーク、プラトップの大成功をもたらした。
(3) 英国・米国・中国・韓国・フランスと進出してきた海外ユニクロ事業は、全体として黒字化した。ニューヨークのグローバル旗艦店の成功により、グローバルプレヤーの一員として認識された。

 昨月(2008-11)のユニクロ国内売上高を見ても、昨年同月比で直営店748店計が35.8%の大幅増を示し、客単価も5.1%増であるから、消費者の選択が単なる減少ではなく、合理化かつ高度化していることを推知すべきである。

 ファーストリテイリングのアジア展開として注目されるのは、バングラデシュでの生産を目的とする合弁会社設立の合意(2008-11-28)である。ファーストリテイリングは中華民国のPacific社、バングラデシュ人民共和国のAnanta社との間で、CPAT社設立を合意した。
 グローバル展開を進めているユニクロ事業では、現在販売している商品の9割を中国で生産しているが、店舗展開のグローバル化に合わせて、生産のグローバル化を進めており、将来的には、ユニクロ事業の成長に伴って全体の3分の1程度を中国以外での生産とすることを目指している。

SANARI PATENT所見
 国内消費者の生活合理化・高度化にユニクロの寄与が多大であると共に、生産の著増が国内雇用の拡大には直結しないことも想定されるが、多角的に(海外需要の拡大効果や日本ファッションコンテンツの国策達成も含めて)総合評価すべきである。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
UNIQLO、ファーストリテイリング、増収増益、バングラデシュ、東レ

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2008年12月23日火曜日

Search Engine as Social Infrastructure 

内閣知財戦略本部のコンテンツ政策意見公募にSANARI PATENT応募
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
Sub Site http://blogs.yahoo.co.jp/patenttrend 多角経営ラサ工業の増収増益
 Sub Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat ニチコンと富士通
Sub Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog 自動車産業問題の日米相違

 知的財産戦略の見直し時期を迎えて、内閣知財戦略本部の政策項目のうちコンテンツ、特にその検索機能と著作権の関係に関する法的課題について、SANARI PATENTは下記の意見を提出した(2008-12-22)。
 記
該当項目
Ⅳ―1 コンテンツの創造・流通の促進
意見の要旨
「ネット検索サービスの適法性・インフラ性を認識し、その円滑な展開と高度化を促進する」旨を強調されるよう、要望します。知財推進計画2008の「(ネット検索サービスが円滑に展開されるよう)2008年度中に法的措置を講ずる」旨の記述は、今後、上記のように修正されるよう、要望します。
意見の全文
ネット検索サービスは、既にパソコン・ケータイ・テレビによるインターネット利用の全年齢層に至る普及に伴い、全世界において社会経済のインフラとなっており(グーグル、ヤフー等およびその日本法人、ならびに、ニフティなど「グーグルに依拠する」インターネット・サービス・プロバイダー等による)、文化審議会著作権分科会においても、このことが明認されております(注1)。
現にわが国におけるネット検索サービス利用の年間は695億件を超えたと推定されます(注2)。
わが国現行著作権法の権利制限規定に徴しても、ネット検索サービスは「私的使用」、「図書館における複製」、「引用」、「教科用図書等への掲載」、「学校その他の教育目的」、「身体障害者福祉」、「非営利目的」、「時事問題論説」、「政治演説」、「時事報道」、「裁判手続」、「行政機関情報開示」、「美術品所有者による展示」、「公開美術」など、「著悪権の制限」項目の各趣旨に総合的ないし複合的に適合します。
また、ネット検索サービスによる表示を受けることは著作権者の利益・願望に適合し、黙示の許諾を推定することが適切であります。
更に、上記ネット検索サービスにインフラ性(公共の利益性)に徴して、ネット検索サービスに対する権利者の権利行使は、権利濫用の法理により許されないものであります。
わが国の知的財産政策が国際調和を重要としていることからも、わが国著作権法の「目的」である「文化的所産の公正な利用」、「文化の発展への寄与」のため、米国著作権法の「公正な利用に対する権利制限」は、わが国著作権法においても同様に、「目的規定」および「権利制限規定」の技術進歩に対応する拡張解釈・条理解釈・類推解釈によって、適用可能であります。
従って、「法的措置」ではなく、「ネット検索サービスの適法性とインフラ性」の明示が、一部疑念払拭のため緊要であります。
(注1) 文化審議会著作権分科会法制問題小委員会・平成19年度・中間まとめ(2007-10-12)
(注2) コムスコア調査・2007年7月わが国全検索件数57億9500万件(2007-7は47億5400万件)より推定。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Search Engine、 Social Infrastructure、グーグル、ヤフー、ニフティ

ラベル:

2008年12月22日月曜日

Copyright Infringement as an Offence

Subject to Prosecution Only by Complaint 著作権侵害の非親告罪化案に対し著作権者側からも反対意見多数
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
Sub Site http://blogs.yahoo.co.jp/patenttrend 伊藤忠グル-プの生活支援業務展開
Sub Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat  NHKケータイ短歌の日本コンテンツ創造
Sub Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog 検索エンジンは社会経済インフラ(文化審)

 政府の知的財産基本計画案策定の時期に入っているので、いわゆる海賊版などの著作権侵害犯罪を、現在の親告罪から非親告罪に改正すべきか検討案についてのPublic Comment(対文化庁)を見たが、一見、法学専門的な親告罪・非親告罪の択一論点にについて、非常に多数の非親告罪化反対意見が提出されていることに先ず注目した。なお後述するように、「海賊版など」の「など」の範囲が最も問題であると、SANARI PATENTは考える。
 この反対多数現象が広く理解されるために、「著作権者として」、一見著作権の強化と思われる非親告罪化に反対する意見の内容(SANARI PATENT要約)を再読する。

「文化的表現は、そもそも本質的に、先行者の影響を受けつつ独自の表現を確立するものであり、特に初学者は、時として先行者のコピーと思われる作品すら世に出してしまうことがある。それは、違法コピーではなく創作における成熟の一過程であり、まねぶことを法的に阻害すれば、文化の発展に重大な支障を来す。」

「また文化の中には、本歌取り、パロディのような本質的にコピーと意味の読み替えを含む分野が存在し、最近のインターネットにおけるマッシュアップ(SANARI PATENT注: 取敢えず「各種コンテンツの組合せ」と定義しておく)もその一分野である。非親告罪化により、マッシュアップの可能性を閉ざすことは、日本文化の衰退にすらつながる。」

「文化は本質的に複製を楽しむという要素を有する。表現者は何人として、自分一人で表現者たるのではなく、先行する表現者の影響を受け、同時代の表現者と相互に刺激し合い、自分の創作物を生み出すものである。相互の影響は時に模倣の域に入ることもあり、独創と模倣は決して峻別できるものではなく、その境界線は曖昧に溶けている。法的規制に馴染むものではない。」(SANARI PATENT考察: 峻別ないし分別できる場合について、著作権者化による著作権保護強化の当否が別論となる)。

「非親告罪化に強く反対する。素人の著作者には有害である。私権である著作権の著作権者が不問に付することを希望しても、その意志を無視すれば、却って著作権の切り下げになる。」

「著作権侵害罪というのは、一般国民が知らず知らずのうちに日常的に犯している可能性が高く、著作権者としても、そのような日常的行為について通常は処罰を望まない。著作権者の意向を無視して発動される。
 
SANARI PATENT所見
 上記のほか多数の「著作権者化反対意見」のうちに、文化庁提示案における「海賊版など」の範囲が不明確であること」を挙げているものが多いが、犯罪の構成要件該当性が明確でなければならないことは当然である。すなわち、示された案には海賊版という語が多用されているが、結びは、「著作権等の侵害の罪を親告罪とすることを維持することが適当か否か、再検討する必要がある」としている。なお、特許権侵害が非親告罪とされたことが引用されているが、特許権と著作権との本質的相違が先ず認識されなければならない。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Copyright、海賊版、親告罪、非親告罪、マッシュアップ

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2008年12月21日日曜日

Public Comment For IP Strategic Program by the Cabinet 

内閣知財戦略本部に対する要望
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 今後の知財戦略策定に向けて、内閣知財戦略本部への要望を、SANARI PATENTは次のように提出した(2008-12-20付)。
 記
知財戦略策定に関する意見
該当項目
Ⅰ 知的財産の創造
意見の概要
戦略の重点事項として、「医療行為の特許性に関する審査基準による制限の撤廃と権利制限規定の新設」、「安全性を課題とする遺伝子組換食品の創造」および「知的財産のインターネット・オークション市場育成による個人創造の促進」の3項目を強調されることを要望します。
意見の全文
1.「医療行為の特許性に関する審査基準による制限の撤廃と権利制限規定の新設」要望について
1-1 わが国では特許審査基準によって、「人間を手術、治療、診断する方法」は「産業上利用することができる発明」に該当しないと解釈し、医療機器および医薬自体は物であり、「ww機器自体の作動方法」(医師の当該機器による治療行為の方法を除く)は「人間を手術、治療、診断する方法」に該当しないが、医師が当該機器を操作して治療する行為の方法は特許性を否定されています。
 しかし、既に重点特許戦略対象とされている誘導多能性幹細胞(iPS)による再生治療においても、例えば、「iPS細胞を分化して得られた神経細胞をヒトに移植する方法」は特許対象外と明示されております。
1-2 一方、米国や豪州では手術方法、治療方法、診断方法のいずれも特許対象と法定(特許対象規定および審査基準において特許付与対象から除外しない)し、例えば米国特許法第287条「Limitation on damages and other remedies」のc項において、「With respect to a medical practioner’s performance of a medical activity that constitutes an infringement, the provisions of remedy for infringement of patent shall not apply against the medical practitioner or against a related health care entry with respect to such medical activity」と明定して、先端治療行為の特許対象性と公益保護のバランスを保持している。
1-3 よってわが国においても国際競争力確保と国民福祉ため、同様効果の法制を緊急に整備すべきである。

2.「安全性を課題とする遺伝子組換食品の創造」について
2-1 省エネ・新エネ製造ための食用競合資源の大量消費、新興国・途上国の人口増加に対処して、遺伝子組換による食品の低コスト・大量生産を促進することが人類福祉ため急務である。
2-2 しかし、既存遺伝子組換食品について、安全性認識の確立が不十分であるため、普及が妨げられている。発明の課題に「安全性」を示す遺伝子組換食品の創造を、特許付与によって促進することを重点戦略として明示すべきである。

3.「知的財産のインターネット・オークション市場育成による個人創造の促進」について
3-1 内閣知財戦略本部発足以来、知的財産の評価方法の確立を戦略事項として掲げてきたが、定性的評価はできても、定額的評価方法については、多様な提案を総合勘案しているに過ぎない。
3-2 特に米国に見るように個人発明の盛行を刺激するためには、知的財産のインターネット・オークションの市場を助長し、その創造を換価可能性によって刺激すべきである。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
IP Strategy、遺伝子組換、医療行為特許、米国特許法、知的財産

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2008年12月20日土曜日

FTC Comments on KYOWA- Fermentation KIRIN Capital-Tie-Up 

キリングル-プと協和発酵グル-プの資本結合について公正取引委員会の見解
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 オ-プンイノベーションを促進する企業連携についても、独占禁止の見地からの規制が伴うが、キリングル-プと協和発酵グル-プの資本結合については、公正取引委員会が次のように見解を発表した(2008-12-19: SANARI PATENT要約)。

1. 公正取引委員会は、キリングル-プによる協和発酵グル-プの株式取得について、一部品目の取引分野における競争を実質的に制限するおそれがあるものの、両社が申し出ている問題解消の措置が確実に実施されるならば、独禁法に違反しないと判断する。
2. 本件は、医薬品事業を営む協和発酵グル-プと同業を営む協和発酵の合併を柱とする資本結合の一環として、キリングル-プが協和発酵の株式を段階的に50%を超えて取得したものである。両グル-プは、医薬品以外にも共通する分野が多いことから、今後順次、それら事業の統合ないし連携を進める。
3. 公正取引委員会は、競争に及ぼす影響が大きいと考えられる6品目について詳細調査した。
3-1 遺伝子組換型ヒト顆粒球コロニー形成剤刺激因子製剤
3-2 酒類原料用アルコール
3-3 清酒タイプ・みりんタイプ発酵調味料(業務用・加工用)
3-4 ワインタイプ発酵調味料(業務用・加工用)
3-5 グルタミン酸ナトリウム
3-6 複合うまみ調味料(業務用・加工用)

4. 独禁法上の評価
4-1 この企業結合により、遺伝子組換型ヒト顆粒球コロニー形成剤刺激因子製剤の市場におけるメーカー数が3社から2社に減少すること、新規参入の可能性が当分期待できないこと、隣接市場や需要者からの競争圧力も働きにくいことから、この結合グル-プと競争事業者との協調的行動によって、一定の取引分野における競争を実質的に制限するおそれがある。
4-2 しかしながら、この結合グル-プは、「協和発酵キリンが製造販売しているイノアップに係る権利等を第三者たる製薬会社に速やかに譲渡・利用許諾する」としているので、これによって、この結合前の競争状態はほぼ回復できる。

SANARI PATENT所見
 遺伝子組換型ヒト顆粒球コロニー形成剤刺激因子製剤以外の5品目については、「一定の取引分野における競争を実質的び制限することにはならない」と判断しているが、知財専門家としては知財共有の見地から、それら判断理由の的確な理解が必要である。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Fermentation、公正取引委員会、キリングル-プ、協和発酵グル-プ、協和発酵キリン

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2008年12月19日金曜日

Current Topics by METI Vice Minister MOCHIZUKI 

自動車産業、IPEEC、OPEC 、21年度予算
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 望月経済産業事務次官の記者会見(2008-12-18)応答を要約する。

質疑1.クライスラーが1カ月間の工場停止という異例措置に至ったが、それに係る日本への影響および日本自動車産業の現状についての認識はどうか。
応答1.自動車産業の低迷が米国において最大に顕れ、日本にも影響して減産が計画されている。世界経済減速の典型的な例として、今後どの程度の波及をもたらすか注視を要するが、世界自動車産業における日本企業の比重から考えて、ある程度大きな影響げ出て来ざるを得ない。企業によって深刻度は異なるが、クライスラーだけの問題ではない。

質疑2.わが国がホストであるIPEEC(国際省エネルギー協力パートナーシップ)など、今次ロンドンにおけるエネルギー会合(2008-12-18~)での経済産業大臣の主張は何か。
応答2.国際的省エネ協力の枠組みを合意したい。また、OPECサイドの意思決定を受けて、世界原油市場の安定化に関する双方の意思統一を得たい。

質疑3.OPEC減産に対応する受けとめ方、特にバイ交渉の進め方はどうか。
応答3.今月からの減産が220万バレルで、計4百数十万バレルの減産計画と見られているが、実態としての遵守状況を見守る。
 経済産業省としては、原油価格の変動が激し過ぎると、その消費産業の投資決定を渋滞させるににとどまらず、代替エネルギー産業への投資も困難になる。
 産油国・消費国双方にとって、価格安定化への共通認識を持つように、有意義な会合になることを期待している。

質疑4.来年度予算折衝における成長戦略は何か。
応答4.価格の乱高下にかかわらず実施しなければならない研究開発を、一定程度は実行するという意味では、市場の原理から外れた政策的支援も必要であり、省エネ・新エネともに、来年度予算は極めて重要である。

SANARI PATENT所見
 応答4が、経済産業省の存在価値である。

(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
IPEEC、OPEC、METI、望月経済産業事務次官、新エネ

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2008年12月18日木曜日

Pioneer Medical Treatment Patent Committee (Cabinet IP Headquarters)

内閣知財戦略本部・先端医療特許検討委員会(2008-12-22)予定
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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Sub Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat 新日鉄など円高による利益好転: セカイモンの円高商品

 医療技術の進歩が世界共通の願望であるのに、医療特許制度は日米欧間の相違が最も著しい分野である。一方、特許対象とすることが共通な分野については、特許競争が極めて熾烈で、電子機器分野のような包括的クロスライセンスまたはパテントプールという形態ではなくて、要すれば企業統合やM&Aに依る技術シナジーがなされる。

 来週22日の委員会は、テルモの片倉健男・研究開発センター首席推進役、アルプラストの北川 全・社長、アステラスの渡辺祐二・知的財産部長らによって構成され、委員長は慶応大学医学部・須田年生教授である。

 上記日米欧の比較として

1. 日本
1-1 「産業上利用することができる発明をした者は、別掲の発明を除き、その発明について特許を受けることができる」という特許法制に基いて、特許審査基準により、「人間を手術、治療、診断する方法は」は、「産業上利用することができる発明」に該当しないと解釈して運用している。(SANARI PATENT考察: かねて述べてきたように、人命に係る発明に対する特許権付与の有無が、「産業」の解釈によって、省令にも至らない審査基準で小部分にとどまる付与対象拡大を行ってきたこと自体、適切でない)。
1-2 しかしこのような審査基準改訂は平成17年4月14日、次のように行われた。
1-2-1 「医療機器の作動方法は、医療機器自体に備わる機能を方法として表現したものであって、特許の対象であることを明示した。(SANARI PATENT考察: 「明示した」というのは、上記のように読める発明内容の記述をし、そのように解釈できれば、従来も特許対象であった)と、遡及認識したというのが実態である。の機器操作行為が医師を主体とする記述をすると、特許対象にならない)。
1-2-2 複数の医薬の組合せや投与間隔。投与量等の治療の態様で特定しようとする医薬発明についても、「物の発明」であるので(SANARI PATENT考察:「あるのに」「そのように認めなかった」というに等しい)、「産業上利用することができる発明」として扱うことを明示すると共に、新規性・進歩性等の特許性の判断手法を明確化した(SANARI PATENT考察: それまでは明確にしなかった)。

2. 米国
2-1 手術方法、治療方法、診断方法、測定方法のいずれの発明も、特許対象である。
2-2 医師。www機関による特許侵害に対して免責規定がある。(SANARI PATENT考察: 公益と独占権の調整がなされている)。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Pioneer Medical Treatment、医療特許、慶応大学医学部、テルモ、アルプテスト、アステラス

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2008年12月17日水曜日

METI Minister’s Official Trip to London (Today~) 

「省エネ技術で世界をリードする」わが国の意気込み
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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Sub Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat ドル88円による新日鉄営業収支改善(ドル建て効果)
ドル商品オークション活況: OECDの諸国失業率(2008-10)比較
Sub Site http://blogs.yahoo.co.jp/patenttrend ストリートスナップとインターネット

 二階経済産業大臣の昨日記者会見は特に内容豊富であるが、今日からの英国出張(2008-12-20まで)については(SANARI PATENT要約)、

1. 石油産消国の閣僚会議に出席し、併せて「国際省エネパートナーシップ閣僚会議」を、私が主催する。
2. ロンドンの石油産消国の閣僚会議は、同日(2008-12-17)開かれるOPEC臨時総会の直後開会であり、OPECの石油大臣が集まるハイレベルの重要な会議である。原油価格安定の維持を志向するわが国としても、積極的に議論に貢献したい。
3. IPEECは、国際連携で省エネを推進するための枠組みであるが、本年6月の青森エネルギー大臣会合で、設立に向けて調整することが合意されたものである。省エネで世界をリードするというわが国に意気込みが、G8に加えて中国・インド・ブラジルなども参加する閣僚会合を主催し、その成果を、翌日の産消国の閣僚会議に報告したい。
4. (記者の質疑「主な中東の国が集まるとのことだが、バイ会談は、どのような国と予定いるか。またその際、どのような話をするか」に対して)相手のあることだから、会議の日程等を調製しながら、5国ぐらいを相手として話し合いをしたいということで、出先を通じ各国に申し入れ中である。昨日はUAEの大使にも会ったので、「貴国のエネルギー大臣に連絡を」と依頼したところ、早速バイ会談希望の答があり、既に数国から話し合いの申し入れがあるので、資源外交展開の貴重な場と考える。
5. その場における話の内容としては、私も相手方も、石油価格の乱高下は決して好ましくない、産油国としても安定しないと困ると、盛んに言っている。中東の重要閣僚が私に対して、「日本は経済力ある国だから、そんなに急に抑制的に働かないで、もっと実力に合った対応をしてもらいたい」と語っており、そういう面も含めて話し合う。
6. それぞれの国が重要な課題を抱えており、例えば、対日航空乗り入れの強い願望を持つ国、教育・農業技術の連携を望む国などがあり、ギブアンドテイクで、日本の貢献可能事項と相手国の希望について十分話し合う。
7. (記者の質疑「今次OPEC臨時総会で大幅減産決定の見通しという報道があるが、どう対応するか」に対して)産油国が減産し、消費国が石油資源活用を節約すると、世界経済は縮小方向に向かう。そではないように、相互理解を深めたい。

SANARI PATENT所見
 上記7の、「消費国の石油資源節約」の現実の規模と効果が、消費国においても明確でなく、産油国は過大に想定するかも知れない。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
METI Minister、APEC、IPEEC、UAE、省エネ技術

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2008年12月16日火曜日

Changing Fundamental Conditions For IP Functioning 

知財が機能するための基礎条件の変動
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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Sub Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat 円高と失業率

 知財立国が独リ歩きできるものでないことは、今次経済危機でも超明白に実証され、先端技術集積企業の危殆化が相次いでいる。知財が機能する前提、すなわち、国際価格の相対的変動や商品の需給、為替の騰落等によって、知財は有価値とも無価値ともなる。知財自体が経済価値を生むという錯覚で研究開発の多額投資をした企業が、主としては他の要因のため存続ないし経営の窮地に陥る事例が、これからも続発すると、SANARI PATENTは予測する。

 WTOによる関税率の変動は、上記基礎条件の一つである。昨日(2008-12-15)の経済産業省記者会見における望月事務次官との質疑応答(SANARI PATENT要約)によって、国際状況を見よう。

質疑1.今後のWTO交渉立て直しに、経済産業省はどのように対処するか。
応答1.今週も現地では様々な会合が引続き代表ベースで行われている。体制立て直しの戦略を立てなければならない。

質疑2.保護主義の抑制について、既にロシアでは自動車に対する関税引き上げの動きがあるようだが、具体的にどう対処するか。
応答2.ロシアについては、WTO加盟前の問題だから、引続きロシアに対して各国から、関税率引き上げの取りやめを働きかけてゆくことが重要である。
 WTO加盟国の間では、とにかく1年間、関税障壁の新たな措置導入を取りやめることを誠実に守るよう、固く約定しているから、その上で、途中まで合意ができているわけだから、それについて、もう少し落ち着いた打開策を考えることになる。

質疑3.ロシアは、WTOはまだということは分かるが、ロシアが金融サミットとかAPECには入っており、そこで新たな障壁を設けないという約束をしているにも拘わらず、このような動きをしていることについて、所見はどうか。
応答3.加盟交渉の最中だから、その意味というのは、ロシア自身は十分自覚すべきである。そういう前提で各国が、将来加盟国としてのロシアということを頭に置きながら、ロシアに対して発言してゆくこととなろう。

質疑4. 政府はWTOと、EPAなどの2国間交渉を車の両輪として推進して」きたが、一方のWTOが進まない現況のもとで、EPAはどのように交渉するか。
応答4. 並行して進めるべきである。世界貿易が縮小しかねない時期であるから、来年に向けての明確な交渉予定を立てる必要がある、EPAについては、アジア、アセアンを中心に幾つかの進展があったが、他の優先的なところについても交渉進展を再計画する。

SANARI PATENT所見
 工業品については対新興国輸出、農産品については産業構造。国土構造、雇用構造について、自由・保護両主義の各国益が特に関連し、知財開発の方向性を現実に規定する結果をもたらす。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
WTO、EPA、保護主義。ロシア、関税障壁 

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2008年12月15日月曜日

See Through Technology at Real Space 

KDDI「実空間透視ケータイ」の開発
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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Sub Site http://blogs.yahoo.co.jp/patenttrend 知恵蔵から得る知財

 実空間は、「現実の空間、実在する空間」であって、それは「要素が実数である実ベクトルによって構成される空間」であるが、その「透視」とは何を意味するか、「透視」の語義が多様だから、米国の特許審査基準が言うように、発明者がその発明における意義を明示することが必要である。例えば特許庁による特許公開の「透視」をキーワードとする件数は10万013件(2008-12-14現在)に及ぶが、透視の語義は多岐にわたる。

 KDDIから贈られた「Time & Space」(2009-1号)には、「モノやヒトの状態を直感的に表示」と副題して、「実空間透視ケータイ」の解説がなされているが、新しい語義をIT社会のイノベーションと共に付加するものとして理解すべきであるとSANARI PATENTは考える。その内容(SANARI PATENT要約)を見ると、

1. このケータイ向けアプリケーションは、ケータイ端末周辺の実空間情報(地物や知人の状況)を、直感的なインターフェースで把握できるシステムである。
2. 「センサーを用いた直感的ヒューマンインターフェース技術」「複数のセンサーを複合的に用いたユーザーの移動状態と消費カロリーの自動推定技術」という二つの特徴を備えている。
3. ケータイに搭載されている6軸センサーとGPSの測位機能を使い、ケータイの位置、方位、傾きから、画面をかざした方向にある建物や人を逐次、画面に描き出す。

 解説の前文の「道に迷ったとき、目的の建物や人だけが抽出されたら、どんなに見つけやすいだろう」というくだりが、実空間透視の意味を簡単に示しており、新商品としての多機能説明の「おまけ」は、区別しないと、定義がぼやける。

 SANARI PATENT所見
  知財専門家としては、KDDIの「自由視点画像の生成方法」(公開日2008-9-18)、「局所領域分割による自由視点画像の生成方法、装置およびプログラム」(公開日2008-1-24)等を考究する必要がある。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
KDDI、See Through、実空間、透視、ケータイ

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2008年12月14日日曜日

Utility of On-Line- Drugs

 医薬品ネット販売促進協議会「一般用医薬品の通信販売の継続を求める要望書」(対構成労働大臣)の緊要性
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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Sub Site http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 遺伝子組換食品の安全性
Sub Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat 角川の中国コミック市場進出
Sub Site http://blogs.yahoo.co.jp/patenttrend ヤフーとグーグル

 国民の健康や福祉が、目立たない行政行動によって致命的に損壊される場合がある。厚生労働省が予定している「一般用医薬品のうち第1類医薬品と第2類医薬品の通信販売を来年6月から全面的に禁止する薬事法に係る厚生労働省令案」は、まさにその顕著な例を加えるものとして、必ず阻止すべきでものと、SANARI PATENTは考える。この意味で標記要望書(2008-12-11)に賛成し、賛同署名に加わった。
 この要望書の内容(SANARI PATENT要約)は、
1. 上記厚生労働省令案(SANARI PATENT注: 省令であるから、国会の議決も閣議決定も要しない)がそのまま確定し、実施されることになれば、通信販売で医薬品を購入することが不可欠な消費者にとっては、その手段が奪われ、健康維持上の重大な問題となる。医薬品のネット販売継続を求める署名が僅か3週間で10万を超えたことや、利用者の手紙を見れば明白である。このような状況を踏まえ、現状において問題なく行われている一般用医薬品の通信販売継続を要望する。(SANARI PATENT考察: ネット販売は、それが「不可欠」な消費者にとってのみならず、地域開業医等から取得可能な消費者にとっても、適切な選択肢として重要である。地域開業医等が医薬品、特に新薬等の高価格医薬品の過剰販売によって収益を増大する可能性は、消費者の賢明な選択によって回避できる。)
2. 一方、一般用医薬品はリスクを伴うものであることから、その販売に当たっては、健康被害防止の措置が必要である。(SANARI PATENT考察: このことは、医薬品の種類や流通経路、例えば地域開業医が販売する場合か否かの関係ない。医薬品には副作用の可能性が必ず伴い、これを明記した説明書を必ず添付する大病院に比して、これを省く地域開業医が相当数いると想定される。)
3. ネット販売など、一般用医薬品の流通に係る全ての業者が、今後も使用上の注意始め情報提供を充実させ、行政が一般用医薬品の適切な使用について啓発することが望ましい。(SANARI PATENT考察: 特にネット販売では、動画や医師の説明画面・諸データを付して、消費者の理解を深めることが、より容易である。)

 なお上記要望は、医薬品ネット販売推進協議会、NPO法人日本オンラインドラッグ協会、スアダン法人日本通信販売協会、ヤフー、楽天、インターネット先進ユーザーの会の連名に成るものであり、わが国有識者の見識を広く包含するものと認識さるべきである。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
On-Line- Drugs、厚生労働省、一般用医薬品、地域開業医

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2008年12月13日土曜日

Japan and The Republic of Korea Concludes Manufactures Safety Agreement

 製品安全に関する大韓民国知識経済部との協力ガイドラインを締結(2008-12-12)
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
Sub Site http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 遺伝子組換食品の安全性
Sub Site http://blog.goo.ne.jp/sanarishigenori/ カシオの高収益体質

 電気・電子機器の製品・部材その他、日韓の工業製品は双方向に活発な流通を加速し、日韓合作的商品もグローバルに輸出されている。日韓国民の安全性のもならず、世界消費者の安全を確保するために、両国の製品安全協力は必須である。

 経済産業省の発表(2008-12-12)によれば、同日、同省は大韓民国知識経済部と担当部局間で、ガイドラインに基づいき、製品安全に関する二国間協力をすすめてゆくことで合意した。その内容(SANARI PATENT要約)を見ると、

1.「両国の製品関連重大事故のリスク評価、、製品テスト」、「主要なリコール事例」、「法令の執行状況」など、製品安全に関し幅広く情報交換する。
2.両国の政府関係者および消費生活用製品の安全に携わる者のために、トレーニングプログラムの共同開発、人的交流を行う。

 なお、大韓民国知識経済部は、韓国において消費者生活用製品の安全規制(品質経営および工産品安全管理法、電気用品安全管理法)の実施を所管する。

 経済産業省(担当:商務流通グル-プ製品安全課)としては、大韓民国知識経済部と協力し、国内のみならず海外における製品安全に関する情報を収集することにより、製品事故の未然防止と再発防止を図るとしている。

 わが国の「製品安全のガイドライン合意」は、米国、中国に次いで韓国が3番目である。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.Com に送信下さい)
Korea、大韓民国知識経済部、製品安全ガイドライン

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2008年12月12日金曜日

Integrated Resources Energy Study scheduled on 12 Dec.2008 

経済産業省「総合資源エネルギー調査会総合部会第6回政策小委員会開催予定
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
Sub Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog グリーンクリスマス
Sub Site http://blog.goo.ne.jp/sanarishigenori/ ソーラーシステム

 経済産業省設置法に基づく審議会調査会は11あって、総合資源エネルギー調査会はその一つだから、いわば位が高く、資源エネルギー庁には別途、低酸素電力供給システムに関する研究会(新エネルギー大量導入に伴う系統安定化対策・コスト負担検討小委員会を付置)、バイオ燃料技術革新協議会、省エネと省エネ産業の展開に関する研究会、Cool-Earthエネルギー革新技術計画有識者会議、地域振興構想研究会、エネルギー安全保障研究会、エネルギー情報研究会、電源開発促進対策特別会計の在り方に関する総合エネルギー調査会メンバーによる懇談会、エネルギー関連産業のアジア展開に関する研究会、資源戦略研究会、石炭安定供給施策研究会、クリーン・コール・サイクル研究会、高濃度アルコール含有燃料に関する安全性等調査委員会、燃料電池プロジェクトチーム、マタンハイドレート開発実施検討会、地熱発電に関する研究会、水力発電に関する研究会が設立されている。

 いずれも全額、国費・国税による機構であるから、各適時適切な経過報告と、総合機構による調整を経た総合報告が、国民に向けて随時迅速に報告され、世界動向の急変激変への対応に資するべきことは当然である。

 来週18日に開催を公表した「総合資源エネルギー調査会」の「総合部会」の、そのまた「政策小委員会」は、総合資源エネルギー調査会の総会を8月1日に開催してから、資源エネルギー価格が3分の1に急落という重大な変動にもかかわらず、開催していないことを補綴すべく企画されたものと、SANARI PATENTは解する。

 総会委員としては、新日鉄・三村 明夫会長(この調査会の会長)、出光興産・天坊 昭彦会長、日本ガス協会・野村 明雄会長、森 詳介関西電力社長らが加わっており、実務に即する具体的対応を随時明示されるべきである。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
資源エネルギー調査会、三村 明、天坊 昭彦、森 詳介

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2008年12月11日木曜日

Changing Fundamentals of Industrial Structure Policy 

3か月前に開催した産業構造審議会議事基盤の激変
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
Sub Site http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 理科学力国際比較の妥当性
Sub Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat ハウスカレーの時流適合

「原油147円から更に高騰に対処して立案された産業政策は、修正の必要がないのか」という数次にわたる記者会見質問に対して、40円を前後する現在に至っても政府側の明確な応答はない。対米ドル130円、対ユーロ180円の円レートが92円、119円になっても消費者還元は業者が実施しているだけで、電力料金低減の可能性にも言及されず、発足早々の観光庁に至っては、韓国・中国・オーストラリアからの韓国客が激減しているのに政策目標改訂に言及していない。

 経済産業省の場合は、8月27日に産業構造審議会を開催し、キャノン・御手洗富士夫会長(産業構造審議会会長)、丸紅・勝俣宣夫会長、DIC・河野栄子社外取締役、三菱重工・佃 和夫会長、三菱ケミカル・冨沢龍一会長、ナショナル・中村邦夫会長、東芝・西村泰三相談役、イプシ・マーケティング研究所・野原佐和子社長、三菱電機・野間口 有会長、オンワード・馬場 彰最高顧問、野村総研・村上輝彦シニア・フェローらが業界委員として加わっているが、下記(SANARI PATENT要約)のような議事の後、総会を再開していない。

1. 原油・原材料の価格動向と影響
1-1 わが国の輸出入額は共に伸びているが、原油輸入価格高騰により、輸入額は2005年57兆円(うち原油10.8兆円)、2007年73兆円(15.3兆円)と増大し続ける。
1-2 鉄鉱石などの資源価格や、米・玉蜀黍などの食料価格も急騰し、2000-4~2008-4に、原油は4.4倍、鉄鉱石は4.9倍、石炭は4.9倍、銅は5.2倍、玉蜀黍は2.6倍、大豆は2.6倍、小麦は3.4倍になった。
1-3 新興国の急速な経済成長を背景として、新興国の原油需要は大幅増大し、今後も増加するが、産油国の余剰生産能力は、ここ数年間低水準で推移し、中長期的需給逼迫が原油価格高騰の基調を形成する。先物市場に多額資金が流入している。
1-4 わが国は低炭素化社会に転向すべきである。

2. 上記について委員の発言
2-1 原油・原材料の高騰という時代認識については消費者も同じ認識である(SANARI PATENT考察: 婦人団体や労組の幹部も委員に入っているが、現  在の原油・原材料価格下落の消費者物価還元や、実質賃金の向上に向けた発言が開始して)いない)。
2-2 地球温暖化対策については、画期的削減策について社会としてのコンセンサスが得られておらず、覚悟が一致していない。各施策の経済への影響・犠牲をよく分かるような形で見せ、あえて実施する必要があるか、考えなければならない。省庁間でも、スタンスが一致していない(SANARI PATENT考察: 極めて重要な意見であるが、既に走り出した対策、例えば電気自動車については、石油需要削減の有利性に焦点を当て、電池、ITや規制緩和の対策と融合した対策として構築すべきである)。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Fundamentals、産業構造審議会、原油価格、大豆、玉蜀黍

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2008年12月10日水曜日

Popular Support for the Present Cabinet 

経済産業省記者団から、二階経済産業大臣への丁重な質問(2008-12-9)
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
Sub Site http://blog.goo.ne.jp/sanarishigenori/ 中国ピアノ市場の拡大

 知財立国の推進は、政策・政局両面のの安定と無関係ではあり得ない。

 昨日の標記質問は、「最近の内閣支持率の低下に関してなんですけれども、何か立て直し策ですとか、党や総理に、大臣としておっしゃりたいことを、何かあれば教えていただけますか」という丁重なものであった。
 二階経済産業大臣の答えも、次のように丁重になされた。
「内閣支持率をあげるためにという妙薬というものは、そう簡単に見つかるものではありませんが、内閣支持率は一応参考といいますか、厳粛に受け止めて、政局運営する必要はあると思います。いま麻生内閣に本当に求められていることは、今日の経済情勢について、国民の皆様の不安感、そして企業を営んでいる人達に対して、年末を控えて、資金繰りをどう乗り越えていくかということを、いま真剣な対策を講じようとして、それぞれ努力しているわけですから、政府が対応できる分は積極的に対応して支える。雇用の問題に対しても、不幸にして解雇というようなことになった場合に、いま住んでいる住宅も出て出て行かなくてはならないという、悲しいことがあってはならないということで、政府としてどういう対応ができるか、地方公共団体ではどういう対応ができるか、また、皆様ご承知の通り、政府が管理している住宅、あるいは今日まで雇用促進住宅のような性格の住宅も、まだまだあり得るわけであります。また悪やになっているものもあるわけであります(SANARI PATENT注: 全国では700万戸と推定される)。それらを総動員して、私はこの年末、厳しい状況に追い込まれる方々を一人でも少なくする努力は必要だと思います。
 また、経済界にも私も協力をお願いしなければならないと思っておりますのは、新規採用の取消というようなこと、これは若い諸君が希望を抱いて、これから社会へ旅立とうとしているときに、これは本当にそれぞれ皆様もわが身に置き換えてみれば、このことがいかに本人に挫折感を与えるかということを思うと、できるだけこういう事態を回避すること、そして悪質なこういうことをなさる企業等については、公表すべきであるということを言っているわけですが、できるだけ我々もそういう企業に対応だけではなくて、できるだけこういう事態に、企業もいままでの従業員の皆様の積極的な協力によって、会社の業績を挙げてきたわけですから、これらについての慎重な対応を特に要請したい。
 こういう具体的に今、対応しなければならない、いま政権を担っている側の与党の責任は、たくさん課題があり、私は、それに真剣に取組んで、いまの事態に対する国民の期待にこたえrていくことが大事と思っております」。

SANARI PATENT所見
 説明および質疑応答で、「中小企業に対する緊急信用保証の累計が1兆に及んだこと」、「社債やCP(コマーシャルペーパー)の発行額が減少して、銀行の貸出も消極的であるため、一部の中堅・大企業においても資金繰りが苦しくなっていること」などについて、対策増強の必要が述べてられている。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Popular Support 、CP、内閣支持率、空き家、内定取消

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2008年12月9日火曜日

Energy Productivity Stressed By METI Mochizuki Vice Minister

 経済産業省記者団との対石油価格変動質疑応答(2008-12-8)
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
Sub Site http://blog.goo.ne.jp/sanarishigenori/ 欧米貨幣処理機市場

 石油価格の特定値に基づいて企業計画を樹てることは、既存業界も新起業も同様だから、石油価格の適正値がどうか、さらには、そのようなものがあるのか、先ず経済産業省の所見が問われるのは当然である。以下標記内容(SANARI PATENT要約)を考察する。

1. WTI(West Texas Intermediate)40ドル
1-1 質疑:: エネルギー白書で50~60ドルが適正と指摘していたが、これだけ急激な下落の現状を、どのように受け止めているか。
1-2 応答(望月経済産業事務次官): 適正というか、原油の需給、実需を反映した価格というものを分析してゆくと、それぐらいの数時になるというのが、エネルギー白書を出した当時の見解であるし、それはそんなには変わっていないと思う。ここのところ少し、さらにそれを超えて原油価格が低下しているが、当面の金融危機に端を発した世界経済不況を前提として、先行きの原油の需給見通しは大変悲観的になっているところが大きいと思う。併せて丁度、IEA(International Energy Agency:国際エネルギー機関)の先行き原油見通しが出たところで、7月に出したものが下方修正されていることから、そちらに有利に振れていると思う。              
    短期の振れについては、価格だけ見れば今年に入って149ドルに達し、それから3分の1ぐらいになっているが、原油価格というものは、構造的な大きな流れの中で捉えていく方が良いと思う。ここのところの急激な変化は、原油の需給という観点からいくと、少しそれをオーバーシュートしているのかと思う。

2. 日本経済への影響
2-1 質疑: 変動の影響はどうか。
2-2 応答: 150ドルのときに比べれば、日本経済にとって、色々なマイナス要因が数多くあるなかで、ある面で唯一の朗報という気はするけれども、実需ベースで50ドルくらいのレベルでも、90年代から長期に20ドル弱くらいで安定した時期に比べれば、倍以上の数字になっているわけだから、高資源価格時代にあることは間違いないと思っている(SANARI PATENT考察: 何に比べて、または何時に比べて「高資源価格時代」と称するのか、また「高資源価格時代」と認識することによって40ドルの現在、どのような政策を採るのか、もっと下落を志向するのか、知りたいところである)。そういった点で、エネルギー資源生産性の向上が引続き重要である。ただ、全体として色々なものが高くなったり、」乱高下している中で、生活のコストを下げる意味では、良いことと思っている(SANARI PATENT考察: 電力料金認可等に反映させることが重要である)。
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WTI、原油価格、IEA、エネルギー生産性

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2008年12月8日月曜日

Public Survey on Patentability of Sophisticated Medical Cares 

再生医療など先端医療分野で特許対象とすべき発明の調査について公募
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
Sub Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog 円高チャンスに商権とシナジー獲得

 特許庁ではなくて、内閣知財戦略本部が「先端医療分野分野において今後特許対象すべき発明に関する調査へのご協力へのお願い」を、今週12日(正午)までを期限として、インターネット公募している。特許庁は経済産業省の外局だから、「特許政策」がいずれの所管か、特許性についての調査が内閣知財戦略本部に直結することが適切なのか、SANARI PATENTは大いに疑問と考えるが、ここでは論じない。

 とにかく、内閣知財戦略本部は先ず次のように述べているc(SANARI PATENT要約)。
「現在、わが国では、人間を手術、治療、または診断する方法の発明」(医療方法の発明)は、特許付与の対象外とされています(SANARI PATENT考察: 精確には、特許庁の特許審査基準により、特許要件としての「産業上利用可能性」を否定されている結果、付与対象外とされている:特許権の付与が審査基準改訂で左右されることの半透明性を、SANARI PATENTは不適切と主張してきた)。
「一方、海外においては、米国など、医療方法の発明であっても特許付与対象としている国もある、わが国では、「物」の用途発明等の形で、医療方法に関する技術思想について特許の保護を受けられる場合がある。すなわち、米国において「有効成分としてAを投与するB病の治療方法」のように、医療方法の発明として保護される技術思想は、日本では、「有効成分Aを含有することを特徴とするB病治療薬」のように、医薬発明という「物」の発明として特許取得が可能である(SANARI PATENT考察: B病のためA剤服用という、結果としては日米同一の治療態様が一般的である。A剤投与の投与経路や投与間隔、各投与量の相違による効果の顕著な相違を発明した場合などに、日米の制度相違が顕在化し始める。日本特許庁は、現行審査基準で極力間に合わせる意図とSANARI PATENTは推察するので、このような場合も次項の考え方で対応してしまうかも知れない)。

「また米国では、有効成分としてAとCを併用して投与するB病の治療方法のように、医療方法の発明として保護される技術思想は、日本では、「有効成分AとC を組合わせたことを特徴とするB病治療薬という物の発明として特許取得できる。

SANARI PATENT所見
 先端医療分野の発明を活発にするため、日本特許庁のように審査基準改訂や「方法を物と変換解釈」する便宜的、半透明な態度でなく、産業上利用可能性を全ての先端医療分野に認めることが日米調和のためにも、常識的にも適切であり、独占権による他の医師の利用差止行使は、米国と同様禁止して、特許権者以外も、福祉に役立てる制度とすべきである。
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Patentability、再生医療、先端医療分野.医薬、特許審査基準

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2008年12月7日日曜日

Patent Policy for Sophisticated Medical Treatment 

内閣知財戦略本部の「先端医療特許検討委員会」が発足
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
Sub Site http://blog.goo.ne.jp/sanarishigenori/ 中学理科教育増強の内容

 iPS(Induced Pluripotent Stem Cell)関連特許について特例的対策が講じられているが、医療行為関連特許の在り方について、内閣知財戦略本部は検討課題を指摘したまま、今日に至った。内閣知財戦略本部の「知的財産による競争力強化専門委員会」に、「先端医療特許検討委員会」が設置された(2008-11-17)ので、その活発な審議と迅速な結論導出を期待する。

 委員として、テルモ・片倉健男・研究開発センター首席推進役、アルブラスト・北川 全・社長、アステラス・渡辺祐二・知財部長、日本医師会・羽生田 俊・常任理事ら、先端医療行為関連特許に関する実務家が就任し、金沢一郎・日本学術会議会長が議長であると共に、慶応大学医学部の須田 年生教授が委員長代理として、総合大学慶応義塾大学医学部の総合性に立脚する知見を発揮されるものと期待される。

 この委員会発足の趣旨は次のように述べられている。
(1)  医療分野における特許保護の在り方については、産業構造審議会および知的財産権政策推進本部専門委員会において検討が行われ、特許保護対象の拡大が順次図れてきた(SANARI PATENT考察: 特許審査基準の改定を行ってはきたが、京都大学iPS関係発明発表後、いずれも全く開催されておらず、その再開をSANARI PATENTは再三要望したが、今般、別の組織を設けたわけである)。
(2)  昨今、医療分野においては、iPS細胞に係る研究の進展など、先端医療の実施に向けた世界的な研究競争が激化している。
(3)  先端医療技術の発展を図る観点からは、特許保護の拡大が求められている(SANARI PATENT考察: 米国では既に特許対象とされており、その独占権を限定している)。 他方、医療は国民の生命・健康に直結するので、特許保護の拡大については医療の特質や公共の利益への十分な配慮が求められる(SANARI PATENT考察: 国民健康保険制度との関係も明確に審議すべきである)。
(4)  このため「知的財産による競争力強化専門委員会」の下に先端医療特許検討委員会を設置し、先端医療分野における特許保護の在り方について調査・検討する。
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Medical Treatment、テルモ、慶応大学医学部、iPS、アステラス

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2008年12月6日土曜日

Solar System strategy Committee of METI Starts 

経済産業省、第1回ソーラ―システム産業戦略研究会を開催(2008-12-9)
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
Sub Site 日本データセンター協会設立(Clouding System)

太陽電池製品の世界市場シェアにおける日本企業の比重が著減するなど、諸外国の 官民戦略のソーラ―システム志向熱烈化に対して、わが国の現状には反省すべき多くの課題があると考えられる。

 このような状況下で経済産業省(担当:資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部・新エネルギー課)は、第1回ソーラ―システム産業戦略研究会を12月9日に開催すると発表(2008-12-5)した。議題を「ソーラ―システム産業検討の視点について」としているが、「この研究会は、委員各位による率直かつ自由な意見交換を確保する必要があることから、非公開で実施し、開催後、議事要旨を発表する」にとどめていることには、賛否両論あろう。

 太陽電池の世界生産量概数が2003年の800MWから、2004年1200MW、2005年180MW、2006年2400MWと累増して、2007年には4300MWのい達したと推定されるのに対して、世界生産量における日本メーカーの合計シェアは、2004年までの約5割から逐年減少し、2007年には約2割に下降している(SANARI PATENT注:野村証券・東洋経済資料を参考)。

 上記2005年の世界生産量1759MWにおいて、シェア順位はシャープ24.3%、ドイツQセルズ9.1%、京セラ8.1%が上位3位までを占めていたが、2007年の4279MWにおいては、ドイツQセルズ9.1%、シャープ8.5%、中国サンテック7.9%と著変している(野村証券金融経済研究所)。

 Weekly Toyo Keizai(2008-8-23)の表現によれば、「世界首位から陥落したシャープは今、シェア奪回に向け、文字通り社運を賭けた挑戦を始めようとしている。」

 上掲誌にはシャープ町田勝彦会長インタビューにおける、次のような応答(SANARI PATENT要約)が掲載されているが、このような貴重な発言をめぐって、標記研究会が迅速に結論を導出・公表(ノウハウ流出防止のもとで)されることを、SANARI PATENTは要請する。

(1)液晶の轍は踏まない。ノウハウの流出防止に細心の注意を払う。
(2)液晶ではシャープは、ノウハウの流出に寛容過ぎた。液晶の製造装置というのは、液晶の先駆者であるシャープが製造業者と共に作り上げたノウハウの塊である。装置メーカーの営業を通じて、それが海外に流出したので、亀山工場からはブラックボックス化したが、海外企業のそれまでのキャッチアップは急速だった。
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Solar System、ソーラ―システム、太陽電池、シャープ、液晶

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2008年12月5日金曜日

Oil Business World Enters into New Era 

東シナ海開発、新日石・新日鉱経営統合について経済産業事務次官所見
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
Sub Site http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 東洋紡ザイロン防弾ベスト・米国政府訴訟
Sub Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog Japan Data Center Council Starts

 昨日の望月経済産業事務次官記者会見の質疑応答(SANARI PATENT要約)内容を考察する。

1. 新日石と新日鉱の経営統合
1-1 質疑: その影響と、今後の業界再編について、所見はどうか。
1-2 応答: 「国家エネルギー戦略」においても、エネルギー産業が強靱な体質を持つことをキーとしており、歓迎すべき取組である。エネルギー産業を巡る環境は非常に厳しく、多様な環境が制約化している。特にエネルギー資源について輸入依存度が高いわが国においては、エネルギー企業による資源確保がエネルギー安全保障につながる。                       
 その面で、今回の経営統合に向けた動きは、単に二つの企業の経営強化ということを超えて、日本のエネルギー安全保障上の非常に意味あることであり、成功裡に進むよう見守る。

2. 東シナ海における資源開発
2-1 質疑: 日中ガス田の事務レベル協議の現状はどうか。
2-2 応答: 条約協定交渉の準備段階で、先ずはスケジュール調整を必要として行っている。月内にとか、そういう面での具体化には、まだ至っていないことになっている。早期開催について、日程が折り合わない状態にある。

SANARI PATENT所見
 新日石と新日鉱は、経営統合の三つの基本コンセプトを、次のように発表している(2008-12-4)(SANARI PATENT要約)。
(1)  両社グル-プは対等の立場で、各事業にわたる全面的統合を実現し、経営資源を結集して最大限活用することにより、石油精製販売、石油開発、および金属の各事業を合わせ持つ世界有数の「総合エネルギー・資源・素材企業グル-プ」に発展することを目指す(SANARI PATENT考察: 石油エネルギーに限定せず、広く資源を対象としており、この点についても質疑応答が望まれる)。
(2)  経営統合後のグル-プは、積極的かつグローバルに成長戦略を展開し、「ベストプラクティス」をキーワードにして、高収益部門に経営資源を優先配分し、企業価値を最大化する。
(3)  石油精製販売事業については、経営統合により初めて可能となる劇的な事業変革を早期に実現する(SANARI PATENT注:「劇的」の語が印象深く、その推移への関心が高まる)。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Oil Business、新日石、新日鉱、東シナ海、経済産業事務次官

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2008年12月4日木曜日

Grand Prize for Social Manpower Ability Competition 

「社会人基礎力グランプリ2009」の開催を経済産業省が発表(2008-12-3)
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
Sub Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat 「東洋紡ザイロンの防弾ベスト米国訴訟」「味の素アスパルテーム中国展開 」
Sub Site http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 小学校の英語教育

 大学の授業や活動によって学生がどれだけ成長できたかを競いあう「社会人基礎力グランプリ2009」の開催 について、経済産業省(担当:経済産業政策局・産業人材政策室)が次のように発表した(2008-12-3)((SANARI PATENT要約)。

1. ビジネスの環境が大きく変化し、現代の社会人には、基礎学力や専門知識だけでなく、「新しい価値創出に向けた課題の発見」、「異分野と融合するチームワーク」といった基礎的能力が求められる。経済産業省はこのような能力を「社会人基礎力」と名付け、その育成・普及に取組んでいる。平成19年度には、広く一般の大学を参加対象として、「社会人基礎力グランプリ2008」を開催し、好評を博した。
2. 社会人基礎力の要素は、
2-1 人との関係を作る能力: コミュニケーション、協調、働きかけ
2-2 課題を見つけ取組むrr: 課題発見力、実行力、創造力、チャレンジ精神
2-3 自分をコントロールする能力: 責任感、積極性、柔軟性
3. このような職場で求められる能力は、基礎学力と並ぶ重要な要素として、従来から企業に意識されてきたが、その能力の具体的定義や育成方法は常識レベルの事柄と見られ、自然に身につくべきものと認識されてきた。
4. しかし、90年代以降、企業の経営課題が「既存の成功モデルの踏襲」から「新しい価値の創出」に軸足を移すに伴って、新たな価値創出に向けた課題の発見、関係者からのアイデア収集、実現への試行錯誤などの活動を要する局面が著増している。またチームワークが求められる度合いも高まっている(SANARI PATENT考察: 特に、オープンイノベーションの普遍化に伴って今後更に著増する)。
5. 従って、「職場等で求められる能力」を、「職場や地域社会の中で多様な人々と共に仕事するため必要な基礎的能力」と定義し、その意識的育成と評価を行うことが必要である。

SANARI PATENT所見
 金融機能と情報・物流システムのグローバル化により、国際競争力の強化が益々緊要となるから、学校教育の段階から「社会人基礎力」の実際的能力を育むことを課程とすべきである。
Open Innovation、Manpower、社会人基礎力、価値創出

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2008年12月3日水曜日

Cold Tablet by Internet vs. Citron Tea by Crystal Sugar

 風邪薬インターネット販売規制への疑問と、柚子(ゆず)茶の効能
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
Sub Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat ミズノの体感テクノロジー

 医薬品製造事業には特許と薬事法許可が不可欠だが、健康食品ないし食養生については優秀なノウハウが不可欠である。さらに、これらの販売については、来春の改正薬事法施行を控えて、特に医薬品のインターネット販売規制の在り方が大問題となっている。病院や薬局に歩を運ぶのも困難な人々も多く、ネットによる医薬品販売はまさに福音というべきであって、安全な服用は、国民の科学水準の向上によって達成すべきではないか。

 しかし、平素の食養生は、もっと簡便な疾病予防である。冬至が近づいて寒気迫るこの頃、幼少の時に家族で柚子湯(ゆずゆ)入浴の香りを楽しんだことを思い出す。血行促進、風邪予防、凍傷治癒の効果があり、柚子の砂糖漬け(保存食)に熱湯を注いで内服の効能も併せ得たものである。
 最近また柚子茶が流行し、例えば、氷砂糖の製造販売で著名な名古屋の中日本氷糖が処方している柚子茶が、同社の懇切なホームページ
http://www.nakahyo.co.jp によって普及しており、これもインターネットの国民健康的利益である。
 「柚子」は、「融通」に通じ、金融危機の打開にも役立つと思うので、知財をテーマとするこのブログに記載する次第である。

付記: 柚子茶を作るのに、普通の砂糖ではなくて氷砂糖を用いる方が効能豊かと考えられる理由を、氷砂糖梅酒から類推すると、溶解速度の差による浸透圧の相対変化によるものと考える。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Cold Tablet、氷砂糖、インターネット風邪薬、柚子茶

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2008年12月2日火曜日

Tokyo Commodity Exchange as Inc. Starts 

東京工業品取引所が株式会社として発足(2008-12-1)
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
Sub Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat 「ミズノの体感テクノロジー」「オンワードのブランド戦略 」
Sub Site http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ レシップの電飾イノベーション
Sub Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog アラフォーの女性と男性

 エネルギーなど商品価格の変動が激しいが、昨日、東京工業品取引所が株式会社化したことについて、経済産業事務次官の記者会見(2008-12-1)では、記者側からのコメント要請に対して望月経済産業事務次官は次のように述べている(SANARI PATENT要約)。

(1)  私は、商品先物取引というのは、当業者を中心としてリスクヘッジをすることにも非常に重要なマーケットであり、特に最近では、様々な取引関係の中で、基準となる価格を形成する上で参考になるようなもののなってきていることから見れば、より透明で厚みのあるマーケットとして信頼を得ていくことが重要と思っている。
(2)  この意味で、今回の株式会社化は、その意義を発揮するよう、関係者の一層の努力を期待している。

SANARI PATENT所見
 現在、東京工業品取引所の上場商品は、金(標準取引、ミニ取引、金先物オプション)、銀、白金(標準取引、ミニ取引)、パラジウム、アルミニウム、ガソリン、灯油、原油、軽油、ゴムである。
 このうち原油に関連して、上記記者会見における質疑「週末にサウジアラビアの国王とナイミ石油大臣が、原油価格は75ドルがフェアとコメントしたようだが、同意するか」に対して、次のように述べてられている(SANARI PATENT要約)。
(1)  「価格がフェアである」というのは、よく意味がわからないけれども、私どもはできるだけ実需に基づいた実物マーケットの中で価格が適正に決められるということが、最も在るべき姿だと思っている。
(2)  この観点から、そもそも何ドルが適正かということを毎回私どもは言っているつもりはないけれども、過去で言えば、この春には実物の取引の需給関係を長期的にある程度分析して見ると、実力では50ドルから60ドルぐらいが。ある意味では実力で、そこから上については、当時その部分についてはプレミアムだということをエネルギー白書に分析したことがあるので、そういった受け取り方がまず一番分かり易い話ではないかと思っている。
(3)  従って、その時点よりも需給が悪くなっている現在、それよりも高いものがフェアだといわれても、なかなか根拠を聞いてみないと分からないと思う。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Commodity Exchange、東京工業品取引所、望月経済産業事務次官、金先物オプション、サウジアラビア国王

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2008年12月1日月曜日

TV Asahi etc. Wins at IP High Court  

講談社、テレビ朝日らが著作権侵害損害賠償請求事件・知財高裁勝訴(2008-11-27判決)
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 数零占いの簡易暦に関する著作権をめぐって、講談社・テレビ朝日らに対する損害賠償請求控訴が知財高裁に提起されていたが、知財高裁は控訴人(原告)の請求を認めず、講談社・テレビ朝日らによる著作権侵害を否定した(下注)。
 数零(かずたま)については、それと陰陽の関係をなすとも言われる言霊(ことだま)は、萬葉集に「言霊の幸おう国」として現れ、現在も流行している占星暦と同様、数霊占い術も、出版物やテレビで愛用されているようである。

 今次事件で原告Xは、その数零簡易暦に関する自著書籍の著作権が、講談社およびテレビ朝日の同様主題出版物によって侵害されたとして、侵害を認めない原判決の取消、1億数千万円の損害賠償、謝罪広告等を知財高裁に控訴してが、旧暦に基づく算出、命数の算出法、数零盤の数の展開、破壊数の説明、数字の印の付け方などについて、知財高裁は詳細に対比している。

 争点は例えば、原告は、「原告の著作物は命数の算出法というアイデアを、文章ではなく足し算の数式を用いる方法により、具体的に分かり易く表現している点で、表現上の創作が認められるが、講談社・テレビ朝日らの書籍にも足し算数式を用い、実質的に原告書籍と同一であるから、著作権侵害に当たるとし、被告講談社・テレビ朝日らは、「原告書籍と被告書籍の共通点の一つは、いずれも旧暦に従って毎年の立春から翌年の節分までを1年として区分することであり、これは、抽象的な方法またはアイデアに過ぎず、占いにおいて旧暦を用いることは、ありふれたことである」などと主張した。また被告は、「原告書籍の本質的特徴を、被告書籍において直接感得することはできない」と主張した。

 知財高裁は両書籍を対比し、被告著作の翻案性・複製性を否定し、原告の請求を斥けた。

SANARI PATENT所見
 今次争点を一般問題化して考察すると、パブリックドメイン化による再創造促進の課題に到達する。ネットワークによる1億総クリエータの時代には、星占いや数占いなども含めてパブリックドメイン化した思想を、表現の工夫によってコンテンツとしての価値を高めることへの評価がなされるべきであると共に、著作権対象とする表現の工夫は、保護に値する創作性を持つものでなければならない。
(注)2008-11-27知財高裁判決。平成20年(ネ)10058損害賠償等請求事件・原審 東京地裁平成19年(ワ)31919
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TV Asahi、講談社、IP High Court、数零簡易暦、著作権

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