2008年6月30日月曜日

Business Process Outsourcing for International Competitiveness

Business Process Outsourcing for International Competitiveness:コクヨ岡本礼三取締役、NTT小畑哲也財務部門部長、ローソン塚原今朝雄ディレクター補佐、三洋電機・中村 淳・総務人事部長ほか計11名(経済産業省研究会)
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 来る10-1国際石油開発帝石新発足・探査・環境・保安技術(20080629記事)
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog  経済産業省の骨太方針対応(20080629記事)

 エネルギーや食料の資源小国性が社会経済に反映し、国際競争力強化の必要が一層痛切であるが、経済産業省は競争力対策の一環として、BPO(業務プロセスアウトソーシング)研究会を構成して業務プロセスの合理化を考究し、その結果を発表した(20080627)。広く全分野にわたる関心事であるので、内容(SANARI PATENT要約)を考察する。

1. 総務・経理。人事
1-1 欧米企業を中心として、非コア業務のビジネスプロセスをIT活用により外部にアウトソーシングするBPOが、積極的に利用されている。これに伴いグローバルレベルでBPOサービスの市場が拡大している。
1-2 一方国内では、グル-プ企業内でのみビジネスプロセスをシェアする形態での利用にとどまっている。BPOベンダー企業に着目すると、外国企業がグローバルプレヤーの大半を占め、日本企業はBPOベンダーとしても高い国際競争力を有していない。
2 世界のBPO市場
2-1 英国の調査会社Business Insightsによれば、世界のBPO市場は2004年から年平均成長率約8.8%で伸長し、2008年には1441億ドル(14.4兆円)に達する。特に財務・会計・人事分野において高成長が見込まれる。
2-2 The International Association of Outsourcingによれば、アウトソーシング全般のThe Global Outsourcing 100の7割弱を米国企業が占め、インド企業が15社、中国企業が6社、ランクインしている。

3 日本のBPO市場
3-1 IDC JAPANの調査によれば、わが国のBPO市場は、世界のBPO市場の成長速度に及ばないが、今後、年平均5%で成長し、2006年に8246億円であった市場規模が、2011年には1兆650億円規模に達する(SANARI PATENT注:矢野経済研究所によれば、成長率は高いが、実数をIDCより少なく見ている)。
3-2 インド企業の評として、日本企業は業務を個人別に任せ、ノウハウの他者移転が困難である。さらに日本企業は全てをコア業務と考えて囲い込む傾向がある。
3-3 日本企業には、アウトソーシングによる余剰人員の発生やセキュリティへの不安がある。サービスに対する要求水準が高く、自社内で制御できないと不安に思う。
3-4 外国BPOベンダーから見ると、日本では社会保険制度など、特に人事分野の法制度が複雑である。

4.SANARI PATENT所見
この研究会は、「先行してBPOを活用しているグローバル企業は、BPOの戦略的活用により間接部門の生産性を向上させ、経営資源をコア業務に集中指せて競争力を強化している」とし、「BPO産業の成長によって潜在労働力が活躍する場を提供することも可能になる」と指摘している。経済産業省は今次報告に対し、更に考究すべき課題として、「規模の経済の追求(SANARI PATENT注:自治体ごとに存在する提出様式の差異などを問題としている)」「BPOベンダ企業の競争環境」「ユーザー企業とベンダー企業の連携」を掲げ、取組むべき方向性として、「産業活力再生特別措置法の適用」「対象業務プロセスの標準化」などを指摘して、更に検討を深めると述べている。SANARI PATENTとしては、内閣知財戦略本部や総務省が推進しているSaaSやASPによる合理化との比較をも検討対象とすることを要望する。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
BPO、SaaS、コクヨ、NTT、ローソン、三洋電機

ラベル:

2008年6月29日日曜日

SINKO Utilize NEC Electronics’ Super 20,000 Patents

SHINKO-SJ Electronics Trading Utilize NEC Electronics’ Super 20,000 Patents : 新光商事(東証1部)とNECエレクトロニクス(同)の協業による中国民生品市場展開
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog 特許庁がPATENT出願のTREND報告(20080629記事)
別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ スパ・サービスを経済産業省調査(20080628記事)

 今次各社事業報告では、増収減益が目立つが、「3期連続での増収増益を達成するに至りました」と述べたのは新光商事の北井暁夫社長である。
 新光商事さらに、「NECエレクトロニクスとの協業推進により、トータル・ソリューション力を強化し、自動車電装市場および中国民生品市場への積極的展開を推進します」と宣言しているが、特に注目されるのは、「中国市場で加速する最先端技術へのニーズに応えるため、独自技術に関する保有PATENT数2万件超を誇るNECエレクトロニクスとの協業体制を強化し、広範囲なカテゴリーを構成するNECエレクトロニクス製品の拡販に取組む」としていることである。

1. 新光商事の今次報告(SANARI PATENT要約)
1-1 新光商事の事業環境は、娯楽機器業界が好調を維持し、自動車産業や設備産業においても、おおむね堅調に推移した。連結売上高2063億円で前年度比13.2%増、当期純利益44億円で8.5%増である。
1-2 北米での売上高は20億円で40%増、東南アジアにおいてもタイ・ベトナム等でエレクトロニクス民生機器、半導体組込ソフトウェア、システムLSI事業を拡大している。
1-3 成長市場での先行優位性確保を目的として、NECエレクトロニクスとの協業体制を強化する。液晶パネルや制御用ICの分野にコンピタンスを確立する新光商事として、カーエレクトロニクスの専門組織を拡充し、NECエレクトロニクスとの協業体制のもとで、センサー、表示デアバイスなどの高付加価値ビジネスを推進する。

2. 特に中国市場について(1.と同)
2-1 新興国への市場拡大が大きな課題であるが、特に中国においては民生用電子機器産業の成長が著しく、2004年の売上高は496億ドルに達し、米国Global Sources社では「中国の民生電子機器は、その後も年平均20%以上で成長し、2007年に940億ドルに達する」と予測してきた。

2-2 中国市場ではホームシアターシステム、MP3プレヤー、PDAを含む8民生機器分野で各メーカーが高性能製品の生産を加速している。従って、新光商事はエレクトロニクス専門商社としてメーカー、ベンダー、仕入れ先とのアライアンスを強化し、高次元の顧客サポート体制を構築する。

2-3 特に、中国市場で加速する最先端技術のニーズに応えるため、PATENT
数2万超を有するNECエレクトロニクスとの協業体制を強化する。

3. SANARI PATENT所見
  中国市場向けの各社体制はいずれも強化されているが、例えばDellの本日サイト中国向けには新製品が、「多媒体技術 全新娯楽電動」「震感遊戯体験」「娯楽影音」「完美体験」などの中国文字跳躍のもとにLaptopその他が映像され、アラビア語など約30国語サイトが即時表示されて、グローバル意欲を示している。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.Com に送信下さい)
SHINKO-SJ、NEC Electronics、中国、ベトナム、タイ、Dell、PATENT

ラベル:

2008年6月28日土曜日

NEC Takeovers USA NetCracker

NEC Takeovers USA NetCracker Co. for Innovating Communication Industry : NECが米国 ネットクラッカー社を買収
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog 中東3国における甘利経済産業大臣(20080627記事)
別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ マルハニチロの世界魚食変動対応

 NECのサイトは、「NEC Empowered by Innovation」で始まるが、「NEC
Innovating ICT」の方がふさわしい発表が昨日の「通信サービス向けソフト・サービス事業の強化について」(20080627NEC発表)である。以下その内容(SANARI PATENT要約)を見る。

1. 買収の目的
NECは、通信事業者向けソフトウェアビジネス領域の強化と、海外でのソフトサービス事業強化のため、米国のソフトウェア会社「NetCracker Technology Corporation」を買収する。

2.NetCracker社のノウハウ
   NetCracker社は、通信サービス事業者向けOSS-Operation Support
System (運用支援システム)の優れたノウハウを有する。運用支援システムは、顧客管理、リソース管理など、通信事業者のサービス提供上、経営資源効率化の不可欠なシステムであり、NGN(Next Generation Network)やLTE(
Long Term Evolution:第三世代移動通信システムの高速化規格)の展開に即応して、IPTV、トリプルプレイなどによ革新サービス実用の高度システムを、迅速に構築するものである。

3.NetCracker社の技術力
  運用システム領域でNetCracker社はトップクラスの製品力・技術力を有し、海外主要通信サービス事業者向けに多数納入実績を有する。特にFulfillment
Service(サービス導入支援:サービス内容の設定、受注、販売状況に至る管理・運用する導入支援システム)の領域において、競争力の高いソフトウェア製品とSystem Integration力を有する。

4.NECにおける買収効果
  NetCracker社買収によりNECは、運用支援システムという成長性の高い領域において海外展開の拠点を新たな拠点を構築し、NECの「情報技術・ネットワークソリューション」とNetCracker社の「製品・技術」の組合せによるシナジー効果を発揮して、新たな事業機会を創出し、同社と共同で新規顧客をも開拓する。

5.SANARI PATENT所見
 NetCracker社の現在の経営体制は買収後も継続するので、その既存事業も更に拡大される。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
NEC、NetCracker社、NGN、LTE、通信事業者、IPTV

ラベル:

2008年6月27日金曜日

Environment Policy of the Tokyo Metropolitan Government

Environment Policy of the Tokyo Metropolitan Government:東京都環境確保条例の可決(20080625)について経済産業事務次官の所見(20080626)
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog  日本金銭機械株式会社貨幣技術のグローバル価値(20080626記事)
別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/  企業競争関係の二つの報告を経済産業省発表(20080626記事)

 経済産業事務次官の定例記者会見(20080626)の主要な内容を見る(SANARI PATENT要約)。

1. 東京都の環境確保条例
1-1 質疑
 昨日、東京都で環境確保条例が可決され、大規模事業者に排出量取引を認めたが、経済産業政策上の所見はどうか。
1-2 応答
1-2-1 東京都の特殊性
 東京都での実験的取組ということで関心を持つが、一面、東京都は非常に特殊な事例である。財政力も公務員数も、このような実験に耐え得る。
1-2-2 中小企業を除外
 中小企業は規制の対象外ということで、1300ほどの大規模排出事業所を対象として実験的なことを行うものである。
1-2-3 対象の主体は業務用ビル
 一般に大規模排出源というと、電力、鉄鋼、セメントなどが想起されるが、東京都については、業務用ビルからのCO2排出が多く、経済産業省の平生の問題意識とは別な意味でのCO2対策になると考える。経済産業省が直接所管していない業界が大半を占め、それら業種に属する人々の意見も色々発言されている。
1-2-4 民生・業務のCO2
 民生・業務もカバーしなければCO2対策にならないから、その関係の事業者とどのような検討・調整をしてゆくのか、注目する。
1-2-5 「公平」の重視
 CO2排出量取引の問題については、公平なものになるのかということが最大のポイントであるが、どのようにして公平さが確保されるのか、また過度の規制にならないか、東京都においても工夫されるよう希望する。

2. SANARI PATENT所見
日本国内でも、日本海側の果樹地域では、温暖化による新たな生産分野(桃など)の成長を望む声が、TV放映されている。マスコミも、島嶼国の沈没傾向とアフリカの砂漠拡大を温暖化の弊害として掲げる場合が多いが、世界諸国の産業発展の立場を十分に認識したCO2対策が望まれる。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Metropolitan Government、CO2、排出量規制、業務ビル、経済産業事務次官

ラベル:

2008年6月26日木曜日

METI Guides Effective Use of Information Technology

METI Guides Effective Use of Information Technology : ITベンダーの選定も含めてIT経営のガイダンス(経済産業省20080625発表)
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 特許庁の研究会における途上国の属地主義対策(20080625記事)
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog 日立キャピタルのモノ特異的金融機能(20080625記事)

1.「IT経営ガイド」の運用開始(20080625経済産業省発表)
  発表の内容(SANARI PATENT要約)
1-1 中小企業庁では、中小企業の経営上の目標や課題に対応する効果的なIT導入、利用をどのように進めればよいか、規模。業種。業態別に理解し易くまとめたサイトを公開する。
1-2 このガイドの特徴は次の通りである。
1-2-1 多様なニーズに対応
 中小企業にとって典型的な経営課題や、日々の業務において改善した様々な「悩み」を選択肢として用意した。その選択により、自社の課題解決に適合する具体的ITのシステムおよびその導入と活用法のイメージを提示する。
1-2-2 具体的事例の紹介
 同じ経営課題を持つ同業総規模企業の成功事例を参照できる。
1-2-3 導入手順と国の施策の活用
 専門家のアドバイスの活用、地域力連携拠点利用の指針を示す。

2.IT化の7つの機能
  ガイドの冒頭に次のように述べている。
2-1 経営戦略とIT戦略の融合
2-2 現状の可視化による業務改革の推進と、IT活用による新ビジネスモデルの創出、ビジネス領域の拡大
2-3 標準化された安定的IT基盤の構築
2-4 ITマネジメント体制の確立
2-5 IT投資効果の仕組みと実践
2-6 IT活用の人材育成
2-7 ITに起因するリスクへの対応

3.行動指針
  次の20項目を掲げている
「IT戦略の意思決定プロセスを積極的に行う」、「IT新利用の可能性を検討する」、「新規テクノロジー、ソリューションの現状、将来動向を把握する」、「IT戦略の意思決定プロセスに経営層が積極的に関与する」、「ITの動向を把握し、定期的に意見交換する」、「標準化された安定的なIT基盤を構築する」、「全社的視点からIT投資の実行を推進する」、「全社横断的なIT戦略の立案・決定・管理のプロジェクトチームを組織する」、「役割を江井各にした上で組織体制を構築する」、「ベンダーの選定方針や評価基準を定め、取引の透明性を高める」、「対社内に、IT投資の考え方や判断基準を定め、必要性を説明する」、「IT投資の効果を測定する」、「IT投資の効果を事前事後にサイクルとして分析する」、「社員のITスキルを向上する」、「IT部門の人材を客観的に評価する」、「経営とITを架橋する人材の要素を明確にする」。

4.SANARI PATENT所見
  この指針自体が、今後継続的に整理・革新されると予測する。これはIT利用者に対する指針であるが、ITベンダーに対する指針も必要である。最近は、
SaaSを推奨する行政動向もあり、中小企業が自前のITシステムを自己構築することなくソフトウェア利用できる点で、中小企業者にとって簡便であるが、現在は大企業を主たる相手先としてSaaSシステムを推進しているNECや日立ソフトウェア、さらにKDDIを含めて、中小企業指向が望まれると共に、多くのITベンダやITコンサルも、この指針を十分に具現されるよう期待する。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
METI、NEC、日立ソフトウェア、KDDI、IT経営、中小企業庁

ラベル:

2008年6月25日水曜日

IPTV FORUM JAPAN Starts

IPTV FORUM JAPAN Starts: インターネットテレビ・ジャパン・フオーラム(有限責任中間法人)発足の意義→ 放送・通信の融合とその標準化
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
このサイト http://sanaripatent.blogspot.com/ IPとITで小企業から東証1部へ(20080625記事)


 IPYV FORUM JAPANの設立が発表された(20080624)。次世代ネットワークの機能の核心をなす「放送と通信の融合」が、「移動と固定」すなわち「ケータイ・テレビ・パソコン・固定電話」融合の基盤上に急速かつ高度に実現すると共に、その標準化が担保されるものとして、極めて意義深く画期的な発表である。先ずその内容を要約・考察する。

 なお設立当初の参加者には、主要な通信・放送事業者、家電メーカーが糾合されている。

1. 設立の趣旨・背景
1-1 光ファイバの普及とデジタル放送への完全移行によって、放送と通信の連携が実現する。
1-2 そこでIPTV関係者として、標準規格によるIPTV(SANARI PATENT注:Internet Protocol Television)サービスを提供するため、IPTV受信機とサービスの規格化と、その普及・高度化を推進する団体としてIPTV FORUM JAPANを設立した。
1-3 PC向け動画配信は既に普及しつつあるが、ハイビジョン映像を市販TVで流通可能とし、コンテンツ供給者・コンテンツ利用者双方の便宜を促進すべく、基本機能・基本サービスを共通化し、技術・サービスの開発を促進する。
1-4 IPYV FORUM JAPANは、IPTVサービスに関する技術仕様の策定、技術仕様の維持・更改、技術仕様の頒布、技術仕様の実用化に向けた試験への協力、IPTVサービスの普及・利用促進・広報を行う。

2. SANARI PATENT所見
2-1 IPTVは、広帯域高速回線によって、専用のインターネットプロトコルネットを利用して映像・音声を送受信するサービスであるが、初期段階のIPTV方式の複数並立が普及のネックとされてきた。
2-2 一方、ITU(電気通信国際標準化機構)では2006年7月にFocus Group IPTVを設置したが、SANARI PATENTが従来述べてきたように、国際標準化は各国・各国連合(EU)、グローバル企業、そのグル-プが世界市場の覇権をめぐるデファクト標準化を戦わせる場というのが実態と考える。
2-3 総務省は、上記の諸動向に対処し、今年1月にIPTV特別委員会を発足させており、その成果が極めて注目される。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
IPTV、総務省、IPYV FORUM JAPAN、ITU、標準規格

ラベル:

From Small To Big, by IP and IT

From Small To Big, by IP and IT: 知財と情報技術で小企業から大企業へ:
CORE(東証1部)とCCC(同)の事例:「IPビジネス」と「ITネット」
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT


 中小企業庁は毎年、モノ作りの優秀中小企業300社のリストを発表して、その知財や情報技術の活用成果を示し、全国50万・中小製造企業と、これからの製造起業者を元気づけているが、さて、中小企業庁は「中小企業を対象とする機構」であるので、優秀な中小企業で中小企業にとどまっているものは300社に列挙されるが、大企業にまで成長してしまうと、経済産業省などの本省に籍が移ってしまう。

 中小企業のままで優秀企業であることは勿論貴重であるが、大企業に成長して優秀性を発揮することも勿論貴重である。ここには中小企業庁の300社対象を超えて東証1部企業として活躍している事例を、それらの今次事業報告によって見る。

1. 株式会社コア
1-1 野村証券・東洋経済の会社四季報最新号によれば、コアは、「携帯電話や情報家電向け組み込みソフト開発が主力。金融向けシステム強い。電子テロップも。組み込みソフトはFA、携帯端末向けに好調。高感度GPSのライセンス提供開始。ASP式IT管理ソフトは銀行向けにパソコンベースで20万以上のライセンス目標。
1-2 日刊工業新聞社主催の20050331産業人クラブ座談会では、「中堅・中小企業のトップ3氏」の一人であったが、その後3年余の成長も著しく、今次報告では、連結売上高262億円、経常利益117億円、資本金4.4億円、従業員数約1500名の第企業であるが、創業者の種村良平氏と種村姓の親族、および株式会社タネムラが計36.42%の議決権比率を有する。
1-3 上記1-2での紹介では、種村良平氏(現会長)は防衛大学卒。1973年コアグル-プ設立。
1-4 今次報告では、「コアグル-プのIP(知的財産)ビジネスの取組」と題して次のように述べている(SANARI PATENT要約)。
1-4-1 高感度GPSチップによるIPビジネスの確立
1-4-2 全国ネット放送局・地方放送局、公共施設向けに各種電子テロップシステムを開発・提供
1-4-3 企業のPCなどの資産管理・脆弱性管理・検疫管理を行う統合IT資産管理ソリューションを提供
1-4-4 製造業全般の設計・製造情報から保守管理情報まで、技術情報管理を一元管理する「製品ライフサイクルマネジメントシステム」を提供
1-4-5 行動分析製品→ 世界130国2000組織以上で採用。膨大・複雑なデータから、その因果関係を解析し、時間軸により可視化。

2. カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(CCC)
2-1 野村証券・東洋経済の会社四季報最新版によれば、CCCは、「レンタル、CD販売TSUYAYAをFCで展開。ネット、カード事業育成。
2-2 増田宗明氏(現在CCCの株式の24%)が1982年に枚方駅前ビルに喫茶店兼貸レコード店を開業。翌年、TSTAYA1号店「蔦屋書店」をオープン。フランチャイズ展開。ビデオ、CD、書籍などのあらゆるパッケージソフトを便利に入手可能というコンセプトの「マルチパッケージストア」を開始。米国の経営者向け雑誌の日本語版発行開始。衛星放送に進出。ゲームソフト、ディレクTV、DVDレンタル、インターネット利用サービスなどを次々に開始。
2-3 ローソンおよび新日本石油と、2003年に、ポイント業務提携。
2-4 TBSと2005年に、DVDコンテンツ企画・制作・販売のエンタメ会社設立。
2-5 デジタルコンテンツクリエータスクールを開始(2005)。
2-6 レンタル用映像商品のPPT事業拡大(2006)。
2-7 当期において、連結売上高2377億円。連結経常利益151億円。資本金317億円。従業員数約3600名。

3. SANARI PATENT所見
東証第1部の大企業に至るまでにも、波乱が見受けられるが、知財とITと新たなビジネスモデルの開発にエネルギーを集中してきたことが、小から大への成長を駆動したと考える。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
CCC、コア、組み込みソフト、種村良平、増田宗明、ポイント

ラベル:

2008年6月24日火曜日

HITACHI MAXWELL vs. PIONEER: Importance of

HITACHI MAXWELL vs. PIONEER: Importance of Non Functional Design: 機能部分外デザインの重要性、ただし機能部分にも発明考案
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog 東邦テナックス、ドイツで炭素繊維増産(20080623記事)
別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ iPS細胞の生産性著増発明(米国
NATURE)(20080623記事)

1. 消費者の志向・嗜好が合理化
1-1 生活基礎商品の価格が高騰して、生活防衛意識が高まると、知財専門家のデザインに対する意識も変えてゆかなければならない。外国製ブランド品の価格が低下していることは既に報道されているが、しかし、電子機能製品の高度化への即応は、青少年や現役世代を通じて生活必需であり、これにデザインの創意を加えることが、差別化のポイントである。これは平均寿命が永い高齢者についても同様である。
1-2 その意味で先ず、今朝のmycom.comが伝えたの新ヘッドホンを見る。
 
2. 日立マクセルの新ヘッドホン
Mycom.co.ニュースの内容(SANARI PATENT要約)は、
2-1 日立マクセルが23日、「大粒のスワロスキーが輝くカナル型ヘッドホン」
(Crystallized Swarovski Elements)を推定市場価格2480円前後で、7月25日に発売する。
2-2 この製品はジェリー感覚で楽しめる女性向けモデルで、ハウジング部分(SANARI PATENT注:要するに耳に入れる部分の外装である)には、大粒のカットクリスタルであるCRISTALLIZED-Swarovski Elementsを使用し、耳元を華やかに演出するという。

2-3 機能面では、密閉性と遮音性を高めるために、ポート部分には「オーバル型ポート」を採用し、リハウジング部分は、突起を少なくして、ピアスに当たらないように配慮している。イヤピースには殺菌作用がある銀イオンが含まれ、耳に触れる部分を清潔に保つことができるとのことである。
2-4 ボディの色は、カットクリスタルと相性の良い10色を展開している。

2-5 なお、機能面では、2-3のほか、ケータイやポータブルオーディオに接続できる平型変換コネクタと、イヤピースSS/S/Mの3種類を付属している。

3. パイオニアの集音器
3-1 高齢化性難聴と壮年期突発性難聴の増加で、補聴器の広告が連日掲載されるが、「目立たないように」という「耳穴式」補聴器は、ほとんど低中度難聴向けで、また、増幅度調節で結局は「目立つ」ことにもなる。

3-2 パイオニアは「集音器」という名称で増幅幅の大きい補聴器を拡販しているが(連日広告)、耳に装着する部分の金色が豪華で、壮年・高齢者向けにも美観がある。従来の同種他社製品に比べると、機器全体として、小型化かつ美麗化しており、会議や会合主催者者がマイクを準備する必要もなくなるので、会議・会合場所の選択を広くする。

4. SANARI PATENT所見
機能の発明とデザインの感性適合の双方が必要であり、専らデザインブランドに依存する製品価格の高価格化は難渋する「生活防衛・機能追求・デザイン感性」の三位一体が繁栄する現在である。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
日立マクセル、パイオニア、ヘッドホン、補聴器、感性

ラベル:

2008年6月23日月曜日

LOTTE Takeovers Belgian Guylian Known as

LOTTE Takeovers Belgian Guylian Known as The World’s Favorite Choco;
ロッテがグローバル企業に飛躍:ベルギー・キリアン社買収による知財取得
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog  帝人の耐熱バイオプラスチック(20080623記事)
このサイト http://sanaripatent.blogspot.com/ NTTデータ、グローバルITイノベータに(20080623記事Ⅰ)
別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ バルブロ酸添加でiPS生産効率の著増(20080623記事)

  ロッテが本日、「グローバル企業として更に飛躍を果たすべく」、ベルギーのプレミアムチョコレートメーカー、キリアン社の買収に合意したと発表した。
Guylian社は、イタリアのFerrero Rocher社、スイスのLindt社と並んで、世界3大プレミアムチョコレートとしてのブランド価値を誇ってきた。
ロッテの発表の内容(SANARI PATENT要約)を見ると、

1. 発表
1-1 株式会社ロッテ(日本)は、ロッテ製菓(韓国)と共同で、The World’s Favorite Chocolates のキャッチコピーで知られる、ベルギーのチョコレート製造販売会社Guylian社の株式を100%取得することに合意した。買収金額は約1億1000万ユーロを予定しているが、ロッテとロッテ製菓の出資比率は未確定である。
1-2 この契約によりロッテは、Guylian社の生産法人1社、海外販売法人9社、フランチャイズ法人1社を傘下に入れる。
1-3 Guylian社は、べるぎー国内の工場においてタツノオトシゴや貝の形の、独特なチョコレートを製造し、海外販売法人9社によって年間130億円の売上高を有する。
1-4 今回の契約により、ロッテが従来進出していなかった贈答用プレミアムチョコレート市場に参加が可能となった。
1-5 また現在、ベルギーのアントワープなどでテストを展開しているGuylian Chocolate Caféを、日本、中国、韓国で展開するなど、今まで培ってきた販路の拡大とブランド価値向上をこれら国域で実現する。
1-6 一方、全世界に向けて、Guylian社の販売ネットワークを活用し、ロッテブランド製品を拡販する。

2 SANARI PATENT所見
わが国では、ロッテほか製菓業界で培養した「日本文化チョコレート」も多様に発達しているから、そのグローバルな発信にも寄与されるよう期待する。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
LOTTE、Guylian、ロッテ製菓、プレミアムチョコレート、韓国ロッテ

ラベル:

NTTDATA as Global IT Innovator Supports UNIQLO

NTTDATA as Global IT Innovator Supports FASTRETAILING (UNIQLO):株式会社NTTデータ今次事業報告の「創立20周年」と「第3の創業」
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog  メディア多様化対応のコンテンツ(20080622記事)
別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/  伊勢丹の環境大展開(20080622記事)

 NTTデータの今次報告が届いた。受注高、売上高ともに1兆円を超え、営業利益も959億円に達して、創立20周年の成果を遂げ、第3の創業は、Global IT InnovatorのGLOBALに重点を指向する意欲に満ちている。株式会社ファストリテイリングとの「ECサイト構築契約」は、中国の13億人市場を始め、わが国産業のグローバル市場指向におけるIT Innovationの軌道を敷設するものとして、NTTデータのみならず、わが国次世代ネットワーク活用の方向性を示す事業として注目される。

 報告冒頭に、NTTデータ・山下 徹 社長が、「20年前にNTTから分離・独立した時のことを考えると、よくここまで来ることができたなというのが正直な感想です」と述べているが、当時はわが国電気通信体制の基本的改革期であって、同時期に郵政省、NTT、KDDIの出身者と共にJTEC(電気通信の国際協力機構)専務理事の職に在ったSANARI PATENTには、この大変動期の感触が充分理解できる思いである。

 それはさておき、ファストリテイリングとの「ECサイト構築契約」に関連する事項について、今次報告の内容(SANARI PATENT要約)を考察する。

1. NTTデータは3年前に、10年後の目指すべき姿として、Global IT Innovatorというビジョンを作ったが、その時に想定していたグローバル化の進展と、国内市場の伸び率の鈍化といった環境変化の方向性については、あまり変わっていないと認識している。しかし、環境変化のスピードは、予想以上に早くなっている(山下社長)。
2. 特にグローバル化に向けての変化のスピードが思ったよりも速く、3年前に10年後の姿として想定していた事態が既に現実のものになっている。例えば、当分競合しないと思っていたインド企業が、今や直ぐ隣りにいる(同)。
3. 特に法人分野ではグローバル化が緊急の課題である。金融業界も、外資系企業も国内参入など、国内においてグローバルな競争にさらされている。このような状況のもとで顧客が求めるのはグローバルなベストプラスティスの提案であり、その要望に応えるには、NTTデータも積極的にグローバル化を進める必要がある(同)。
4. NTTデータが提供するソリューションの事例として、ファストリテイリングのユニクロ電子商取引サイトのグローバル展開について、NTTデータは、国によって異なる商慣習をECサイトの使い勝手にどう反映させるかがポイントと考えている(NTTデータ野崎大喜担当課長代理)。
5. SANARI PATENT所見
ファストリテイリングは、カジュアル衣料専門店ユニクロを展開し、中国で委託生産も行っている。野村証券・東洋経済の会社四季報最新号によれば、海外戦略を加速中(現在の海外比率は10%)。シンガポールに合弁を設立し、2009年度内に出店する。中国は現在14店を、早期に100店体制とする。
ファストリテイリングは、NTTデータを選んだ理由として、次のように述べている(ファストリテイリング岡田章二執行役員)。
5-1 ファストリテイリングのビジネスを理解した上で、システムインテグレータの枠を超えて、システムを検討していただいた。
5-2 8カ月という短期間でシステムを構築できる体制と、コストパーフォーマンスの高さに着目した。
5-3 グローバルな対応について具体的提案を示した。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
NTTDATA 、Global IT Innovator、ファストリテイリング、ユニクロ、山下 徹

ラベル:

2008年6月22日日曜日

Attraction of KADOKAWA Stockholders General Meeting

Attraction of KADOKAWA Stockholders General Meeting :株式会社・角川グル-プホールディングスの業容展開
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog 中小企業研究開発政策を経済産業大臣説明(20080621記事)
別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 世界市場で高シェアの中小企業事例(20080621記事)

  各社株主総会が来る24日の集中しているが、角川は今日22日に招集している。総会後、「カンフーパンダ」(中国4000年の歴史を変えるニューヒーロー誕生!? 7月26日全国拡大ロードショー!)上映と案内されていて、角川にふさわしい行事である。

 角川グル-プホールディングスの角川 歴彦会長は、内閣知財戦略本部の有識者本部員(計10名)として、コンテンツ政策について多くの提言をされており、その意味でも角川の業容の展開ぶりに関心が持たれる。

 内閣知財戦略本部の知財推進計画2008は4日前に決定されたが、コンテンツ政策の動向と照合することも意義深い。

1. 角川の今次報告(SANARI PATENT要約)
1-1 コンテンツ業界全体の環境
1-1-1 出版業界が全体として厳しい経営環境にあり、販売金額は前期比で、雑誌97.1%、書籍96.6%、全体で96.9%と推定されている。
1-1-2 映画興行収入は、洋画は、ほぼ前期並みの99.0%であったが、邦画は95.4%で、全体では前期比97.3%となった。
1-1-3DVDソフト出荷額は、前期比95.8%であった。
1-2 角川の対応
1-2-1 総合メディア企業として、出版、映像、クロスメディアの3事業による高収益性のオンリーワン企業を指向し、ビジネスドメインごとに事業構造改革を推進し、傘下各事業会社の付加価値向上を企図している。
1-2-2 出版セグメントは、多メディア展開の源流となるコンテンツを創出する。
1-2-3 映像事業セグメントは、企画・制作・配給・興行・DVDのパッケージ販売、テレビへ権利販売という事業の垂直的展開と共に、統合によるスケールメリットとシナジー効果の最大化を進めた。
1-2-4 クロスメディアセグメントは、紙媒体とインターネットを組合わせて情報発信力を強化している。
1-2-5 当3月期の連結業績は、1507億8900万円(0.6%増)、営業利益51億3300万円であった。

2. SANARI PATENT所見
   通信、放送、テレビ、ケータイ、インターネット、ライブの各業界・各業態がクロスないし融合して次世代コンテンツを創出しつつある。なお、内閣知財戦略本部の2008計画については、
 別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog 2008コンテンツ政策
 (20080621記事)ご参照。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
KADOKAWA、角川歴彦、出版、映像、クロスメディア、カンフーパンダ

ラベル:

2008年6月21日土曜日

Economics of Environment Policy

Must Study Economics of Environment Policy Relating to International
Competitiveness:国際競争力強化と環境保全義務完遂有才の両立(議論の前提)排出量
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog Goldman Sacksと
Morgan Stanleyはアラブ会議参加か(20080620記事)
別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 「革新的技術推進費」を2009年度に創設(20080620記事)

 環境対策はグローバルな課題だが、企業の国際競争力強化を阻害することはないのか。経済産業省の「地球温暖化対応のための経済的手法研究会」は、今年3月に発足して、今月の会合に至るまでその検討に取組み、さらにこれを続行する。

 その座長は、財団法人・地球環境産業技術研究機構の茅 陽一・副理事長で、電気事業連合会の森本 宣久・副会長、日本鉄鋼連盟の関沢 秀哲・環境・エネルギー政策委員会委員長、経団連の永松 恵一・常務理事、読売新聞の安部 順一・東京本社編集委員など、座長を含めて12名のメンバーで構成されている。

 ここには、その6月会合における「検討の基本的視点と政策手法の在り方について」と題する資料を考察する(内容はSANARI PATENT要約)。要するに、様々な手法の効果比較と問題点指摘の域にとどまっていると見るべきである。

1. 政策手法として「自主的取組」と「規制措置」の効果比較
1-1 排出枠を強制して固定化するよりも、企業の自主的・柔軟な目標設定による方が実効性が高いのではないかという考え方に対して、自主的な目標設定では、高度な目標設定が難かしく、また、規制措置に比べて目標達成の蓋然性が低くなるのではないか。
1-2 また、規制措置の実効性を挙げるためには、目標の順守を担保するための罰則や監視のスキーム、勧告。命令等の行政措置も必要ではないか。
1-3 特に国内排出量取引制度は、罰則を伴う排出枠の設定を前提とするが、他方、自主行動計画の目標も、罰則はないが順守を前提とする社会的コミットメントであるとの指摘もある。従って、両者の差異は罰則の有無であるが、その効果はどの程度と考えられるか。
1-4 また、キャップとトレードとの効果を比較する場合、直接規制としてのキャップの設定が本質的に重要であって、トレードはそれを補完するに過ぎないのではないか。
2 規制対象について、「総量規制」と「原単位規制」の効果比較
2-1 排出量をより効果的に削減し、その結果を確実に担保するためには、企業のCO2排出量やエネルギー消費量などに対して直接「総量規制」すべきであるとの指摘もある。
2-2 他方、個別企業に対して総量規制した場合、特にエネルギー多消費産業の企業の経済活動が直接制約され、市場経済に馴染まず、カーボンリーケージを招き易いことから、電力、鉄鋼、セメントなど物理的原単位の概念が明確な業種においては原単位を規制対象とすべきであるという指摘もある。
3 SANARI PATENT所見
 以上は国際競争力強化と環境政策の両立(撞着緩和)を期するための前提議論であって、現在はその決着を急ぐ段階にある。

(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Economics of Environment、経団連、日本鉄鋼連盟、電気事業連合会、総量規制

ラベル:

2008年6月20日金曜日

Public Comment to PTO Proposal for Patent System

Public Comment to PTO Proposal for Patent System Innovation: 特許庁の意見公募(期限2008-6-26)に対するSANARI PATENT意見
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog/ 内閣知財戦略本部知財推進計画2008(2008-6-18)の特徴(20080619記事)
別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 情報通信基盤の活用(20080619記事)

  経済産業省(担当:特許庁)は、「イノベ-ション促進に向けた新知財政策」と題して、13項目の提言と報告を示し、意見を公募中であるが、SANARI PATENTは次のように意見提出した。

平成20年6月19日
特許庁総務部企画調査課 (PA0920@jpo.go.jp) 御中
      弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

「イノベーションと知財政策に関する研究会の提言(案)及び報告書(案)に対する意見」

意見
1. イノベーションと知財政策に関する研究会の提言(案)について
(意見)
「主要な政策提言13項目」の第1に、「ひとつの発明が、効率的にグローバルな知財となる「仮想的な世界特許庁」の構想を世界的に提言する。また、「仮想的な世界特許庁」の構築に向けて、効率的な保護をよりグローバルに実現するための取組を拡大する」と示されましたが、その「構想」・「構築」の内容(構想の骨格・世界特許庁構成の法的段取り、「仮想的」の語義)が一般に理解困難かと存じますので、次のように補完していただきたいと存じます。
「提言1: 世界特許システムの構築に向けた取組を強化する。このため、次の事項を的確・迅速に実施し、実質的に世界特許システムを実現すると共に、これによって、効率的な保護をよりグローバルに実現する。
(1) 国際的ワークシェアリングの拡大により、審査の世界的な迅速化を進める。このため、「特許審査ハイウェイに、米国・韓国・英国・ドイツ以外の国にも参加を求めること」、「わが国の早期審査結果を外国特許庁の審査に提供すること」、「引用文献の記載様式を国際的に」統一すること」、「審査の実質的な相互承認を実現すること」、「日米双方への特許出願に対する米国特許商標庁の審査結果を日本特許庁が承認するなど、相互承認をわが国が先行すること」を着実に推進する。
(2) 特許制度の国際調和をわが国が主導する。
(3) わが国主導で国際的な特許の電子システムを構築する。
(4) 日中韓における原語出願の導入(中国・韓国で、日本語・英語による出願の受理)を目指す。
(5) グローバル化の対応した国際的な商標制度を構築する。
 (理由))
   内閣知財戦略本部の知財推進計画2008(2008-6-18)と、表現を含めて整合していただくことが、民間において理解し易いと存じます。
2. イノベーションと知財政策に関する研究会の報告書(案)について
 (意見)
   報告書の冒頭に、「持続可能な世界の特許システムの実現」と題し、「仮想的な世界特許庁の構築に向けて」と副題されましたが、「世界の特許システム」と「仮想的な世界特許庁の構築」とは、未だ本質的に異なる概念であると考えますので、副題を、「実質的な世界特許の実現」、また、本文の「国際連携ネットワークの拡大」の副題「仮想的な世界特許庁の構築に向けて」を、「実質的な世界特許の実現」と、分かりやすいようにしていただきたいと存じます。
(理由)
上記1についての意見の理由と同趣旨であります。
(修正の御要求・ご意見等は、sanaripat.@gmail.com へ)
JPO、public comment、patent system、イノベ-ション、世界特許

ラベル:

2008年6月19日木曜日

Japan China Cooperation in the Eastern China Sea

Japan China Cooperation in the Eastern China Sea: 経済産業省・外務省共同発表(20080618付)の海底技術開発における意義
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog ダビング10問題決着の内容(20080618記事)
別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/  Zero Emission Houseの日仏競争(20080618記事)

 海底資源開発技術の高度化は、多様な鉱物資源の各国領域と公海海底における賦存の可能性確認と試掘・採掘の効率的実施のため、全世界の緊要な課題である。わが国の物理探鉱技術、特に流体資源に関する背斜構造探査技術の発揮をSANARI PATENTは期待する。

 今次日中合意の内容を政府発表の文言によって精確に把握しておくことが、今後の技術適用において必須である。

 以下、今次経済産業省・外務省共同発表を要約する。

1. この「東シナ海における日中間の協力について」(20080618付)は、日中共同プレス発表である。
2. 前文: 日中双方は、日中間で境界が未だ確定されていない東シナ海を平和・協力・友好の海とするため、2007年4月の達成された日中両国首脳の共通認識および2007年12月に達成された日中両首脳の新たな共通認識を踏まえた真剣な協議を経て、境界画定が実現するまでの過渡的期間において、双方の法的立場を損なうことなく協力することについて一致し、そして、その第一歩を踏み出した。今後も引続き協議を継続してゆく。
3. 日中間の東シナ海における共同開発についての了解(20080618); 双方は、日中間の東シナ海における共同研究の第一歩として、以下を進めることとする。
3-1 以下の座標の各点を順次に結ぶ直線によって囲まれる区域を双方の共同開発区域とする。
3-1-1 北緯29度31分東経125度53分30秒
3-1-2 北緯29度49分東経125度53分30秒
3-1-3 北緯30度04分東経126度03分45秒
3-1-4 北緯30度00分東経126度10分23秒
3-1-5 北緯30度00分東経126度20分00秒
3-1-6 北緯29度55分東経126度26分00秒
3-1-7 北緯29度31分東経126度26分00秒

3-2 双方は、共同探査を経て、互恵の原則に従って、上述の区域の中から双方が一致して同意する地点を選択し、共同開発を行う。具体的な事項については双方が協議を通じ確定する。

3-3 双方は、上述の開発の実施に必要なニ国間合意を、それぞれの国内手続を経て早期に締結すべく努力する。

3-4 双方は、東シナ海のその他の海域における共同開発をできるだけ早く実現するため、継続して協議を行う。

4. 白樺(中国名:「春暁」)油ガス田開発についての了解(20080618付): 
4-1 中国企業は、日本法人が、中国の海洋石油資源の対外協力開発に関する法律に従って、白樺(中国名:「春暁」)の現有の油ガス田における開発に参加することを歓迎する。
4-2 日中両政府はこれを確認し、必要な交換公文に合意し、早期に締結すべく努力する。双方は、その締結のため必要な国内手続をとる。

5. SANARI PATENT所見
「国間で境界が未だ確定されていない海域を平和・協力・友好の海とする」合意こそ、両国が共有する最大の知的財産であると、SANARI PATENTは考える。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Eastern China Sea、日中間協力、東シナ海、白樺、春暁

ラベル:

2008年6月18日水曜日

Info-Communication Speed Competitiveness,

Info-Communication Speed Competitiveness, Japan vs. China:中国における自動車生産について中国国務院新聞弁公室→China-Net(中国網)のスピード
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog 特許庁の仮想世界特許庁案(20080617記事)
別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 日本触媒のバイオディーゼル燃料(20080617記事)

1. 広州トヨタ自動車有限会社(Guangzhou Toyota Motor Co.,Ltd..)の広州市南沙工場第2ライン新設による同工場トヨタ・カムリの年産32万台計画(現在20万台)をトヨタが発表(20080617)したため、各社.comがその報道で賑わったが、日産自動車は、前日に「東風汽車有限公司」湖北省工場で日産ティアナの生産開始による年間9万6000台販売計画を発表(20080616)するなど、国内.comは、自動車各社の発表の都度、数十報道を並列させている観がある。

2. わが国では情報通信の速度が広帯域大容量光回線の伝送速度という物理面でのみ競われている観があるが、中国国務院指導のChina Netが実質予測報道ながら、日本の自動車各社の発表に先立って上記諸計画を報道しているのを見ると、情報通信の速度は情報通信の体制によって競われる要素が多いことを考えさせられる。

3.China Netは10日早く(20080606)、総合的に次のように報じている。
3-1 日本の自動車メーカーは、日本国内と米国での販売台数減少を背景に、急成長する中国市場に積極的に投資する。
3-2 スズキは重慶市に在る長安鈴木自動車有限公司の年産能力を20万台に増強する。
3-3 トヨタは吉林省に建設中の工場を合わせて年産100万台に達し、中国を第2の海外生産基地とする。

4.日本自動車工業会によれば、1~4月の国内生産台数は4,097,830台(うち乗用車3,527,862台)でったから、年産約1200万台であるが、中国自動車工業会によれば、1~5月の同国内生産が435万5000千台に達したから、上半期500万台超は確実で、年産台数は両年中に日本を超える。

5.なお、中国における乗用車のメーカー別販売台数上位10社は、上汽GM五菱、一汽フォルクスワーゲン、上海フォルクスワーゲン、上海GM、奇瑞、一汽トヨタ、長安汽車、北京ヒュンダイ、東風日産、広州ホンダと序列されている。

6.SANARI PATENT所見
  上記5の奇瑞汽車については、マレーシアで自動車生産を開始し、韓国ヒュンダイ(現代)の工場と隣接して生産し、東南アジア、更に英連邦諸国・欧州への輸出を計画していると保持られているが(news searchina20080424)、ブランドを含む知的財産競争と販売戦略において、諸国企業の特徴がどのように機能してゆくか、個別発表の紹介と共に全体像の把握と解明がマスコミにも要望される。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Guangzhou Toyota、フォルクスワーゲン、上海GM、奇瑞、スズキ、日産自動車

ラベル:

2008年6月17日火曜日

IP Related Energy Policy Referenced by METI Vice Minister

IP Related Energy Policy Referenced by METI Vice Minister: 海底石油開発技術、新エネルギー実用化等、 油価・エネルギー開発関係の政策(経産次官)
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ ファンド対策(2008-6-16記事)
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog 新日本石油の新エネルギー開発(2008-6-16記事)

 標記について、経済産業事務次官の記者会見(2008-6-16)内容(SANARI PATENT要約)を考察する。

1. 海底資源開発
1-1-1 質疑
  東シナ海ガス田開発は、今週中にも最終合意発表に至るのか。
1-1-2 応答
  細目を詰める作業の加速は一致しているが、できるだけ早期にということである。
1-2-1 質疑
  頂上が見えてきたという感じか。
1-2-2 応答
  ゴールが見えつつある。東シナ海を友好の海、協力の海、平和の海にするという、前向きキャッチフレーズが、事務的段階で早期に詰める段階にきている。
1-3-1 質疑
総論賛成、各論反対であったのが、相当前進しているというというか。
1-3-2 応答  
  細目を詰める段階まで来ている。

2. 排出量取引
2-1-1 質疑
 経済産業省はどのように関わっているか。
2-1-2 応答
産業技術環境局に研究会を設け、排出量取引も含めて様々な経済的手法について検討している。電力や鉄鋼など産業界と合意ができているわけではないが、部分的にも実験的なことをやれないか、議論している。実験的に一部でも進めば、排出量取引の問題点も挙がってくる。将来の色々な国際的な排出量取引の議論をする上で、そういう実験をしておけば、賛成・反対のどちらもあり得ると思うけれども、関連の業界と中身を詰め、議論してゆきたい。

3. 油価
3-1-1 質疑
 来る23日の産油国会合の参加者は具体化したか。
3-1-2 応答
 少なくとも、エネルギー閣僚レベルになるが、総理大臣レベルということにはなっていないと思う。

4. SANARI PATENT所見
  各種エネルギーもコストバランス、わが国の海底開発技術など、エネルギー変革に伴う知財問題の変革も著しいと予測する。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Vice minister、METI、油価、排出量、産油国

ラベル:

2008年6月16日月曜日

Results of G8 Science-Technology Ministers Meeting (2008-6-15)

Results of G8 Science-Technology Ministers Meeting (2008-6-15): G8科技大臣会合による低炭素社会実現対策
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog 諸社今次事業報告における買収防衛策付議と日本企業の海外企業買収(2008-6-15記事)

 今次一連のG8大臣会合のうち、知財専門家の関心に直結するG8科技大臣会合の成果について、NIKKEI NETは次のように述べている。なお文部科学省の発表はこれから行われるが、環境省HPの冒頭「G8環境大臣の結果」は昨月26日の会合に関するものである。

1. NKKEI NETの内容(SANARI PATENT要約)
1-1 G8科技相会合(2008-6-15)は、「食料を使わないバイオ燃料の開発優先」を合意した。
1-2 温暖化防止のため、低炭素社会の実現に向けて「すべての代替エネルギーで国際協働することが有効」であるが、バイオ燃料のうち、非食料バイオマス燃料の開発を優先すべきであるとの認識において、併せて一致した。
1-3 今次会合は、G8が開く初の科技相会合であり、「地球温暖化や感染症など様々な問題に横ぐしで関係する科学技術」が主役として議論されたと強調した(SANARI PATENT注:政策の諸分野で強い「横ぐし」が必要であるが、科学技術政策・戦略がその機能を果たすことが望まれる)。
1-4 議長総括には、上記のほか次の事項が盛り込まれた。
1-4-1 「環境モデル都市」の創設
   最先端の科学技術による成果を目に見える形で示すため、二酸化炭素削減に率先して取組む「環境モデル都市」を創設して実証する。
1-4-2 政策的・資金的手段の総動員
   民間の資金拠出や、クリーンエネルギー開発事業者奨励のため、政策・資金手段を総動員する。
1-4-3 途上国の低炭素社会研究協力も求める。

2. SANARI PATENT所見
今次会合では科学技術政策の「横ぐし」機能が強調されたが、低炭素社会の実現は、食料源バイオマスとの非競合という当面の課題のほか、エネルギー需給の想定、国土・都市シナリオなど、「縦ぐし」と「横ぐし」の総合に依存している。
例えば、「都市居住選好志向や利便性・効率性の追求から、都心部への人口・資本が集中する」シナリオと、「ゆとりある生活を求めて、都心から地方・農山村への流出が進み、人口や資本の分散化が進展する」シナリオの何れに諸国の政策や国民志向が向かうか、低炭素社会の実現数値を多様に変動させる。
このような、縦・横総合の政策・戦略が洞爺湖サミットでは付議されると期待する。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
G8、科技相、低炭素社会、二酸化炭素、バイオ燃料

ラベル:

2008年6月15日日曜日

Asahi News: Media-Contents Integration

Asahi News: Media-Contents Integration: 朝日新聞・asahi.com、TV朝日、知恵蔵、週刊朝日、くらべる一面など、メディア・コンテンツのクロスと融合
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATEN
別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 三菱電機WiMAX端末(2008-6-14)
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog OECDインターネット経済閣僚国際会議(2008-6-14)

 テレビ朝日の今次事業報告が届いた。Cross Mediaの展開が注目される。
 さらに、朝日新聞によるインターネットサイト「知恵蔵」の開始(2008-6-12)が全国民的好評を博し、わが国文化の多角的発展に寄与することは確実である。

1.株式会社テレビ朝日の今次(207-4-1~2008-3-31)報告(SANARI PATENT要約)
   朝日新聞がレテビ朝日およびインターネットのasahi.comとの一体的機能を強調し、また、テレビ朝日としては、コンテンツの創出を重視しているので、その観点から考察する。
1-1 大型コンテンツを多数放送した。「松本清張・点と線」は文化庁芸術祭テレビ部門ドラマの部で大賞を受賞し、視聴率も24%に及んだ。4時間超の特別番組「地球の危機」が、視聴者多数から大きな反響を呼んだ。
1-2 音楽著作権・音楽隣接権の管理事業は、楽曲の配信市場拡大により堅調に推移している。
1-3 音楽コンテンツ事業は、湖南乃風などがライブコンサートの1万人超入場と共に、いずれもヒットし、配信収入が好調である。
1-4 出資映画事業は、クレヨンしんちゃんなどが大ヒットした。
1-5 ケータイ向け会員制有料情報サービスは、放送連動コンテンツ配信の充実により、テレ朝コンプリートを始め、業績安定している。
1-6 番組連動データ放送は、平成23年の完全デジタル化に向けて、クロスメディア展開を進めている。
1-7 イベント事業は、ブロードウェイミュージカルなど多回・多数観客を動員した。
1-8 テレショップのブランド名を統一し、通信拡販した。
1-9 番組の二次活用として、ビデオ、DVD化、出版などのコンテンツビジネスを増強した。
1-10 自主運営のCS放送「テレ朝チャンネル」のの加入者数は、217万世帯を超えた。
1-11 要するに、テレビ放送事業、音楽出版事業に比べて、対前期比は、その他事業の売上高10.2%増、営業利益15.9%増が顕著である。

2.インターネット知恵蔵
  朝日新聞社発行「朝日現代用語辞典」のインターネット化は、朝日新聞読者の枠を超えて、メディアとコンテンツ融合の恵沢を豊かにするものである。
2-1 知恵蔵収容の1万語に、朝日新聞のキーワード6千語を加えた。
2-2 キーワード検索やジャンル別検索ができる。
2-3 前日に多く閲覧されたキーワードのランキング紹介をする。例えば2008-6-14のインターネット知恵蔵には「副都心線」がトップ紹介された。
2-4 ユーザ参加型である。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Asahi.com、cross media、知恵蔵、テレビ朝日、朝日新聞、くらべる一面

ラベル:

2008年6月14日土曜日

Tasks of Pro-Innovation Patent:Shift of Innovation Objects

Tasks of Pro-Innovation Patent:Shift of Innovation Objects:プロイノベーションの知財開発が志向すべき課題の流動→ 22日石油ハイレベル会合
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog 世界知財検索エンジンの提案(2008-6-13記事)
別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 完全子会社化による発展戦略が多業種に(2008-6-13記事)

 甘利経済産業大臣は昨日の定例記者会見で、来る22日の産油国・消費国ハイレベル会議を「その重要度は極めて高い」と述べた。石油の需給と価格の方向性は、イノベーションの方向性に直結し、従って、プロイノベーション知財開発の方向性を動かす。具体的には例えば、代エネ関係PATENTの産業上利用可能性に影響する。

1. 甘利経済産業大臣会見(208-6-13)の内容(SANARI PATENT要約)
1-1 産・消国対話(産油国消費国の22日ハイレベル会議)
1-1-1 ハイレベルの目的について質問
22日予定の、産油国と消費国ハイレベル会合の内容は何か。
1-1-2 応答
 サウジアラビアの石油大臣から私に電話があり、OPECや主要消費国、国際機関、ファンド関連などの原油関係者による会合案を示され、参加を要請された。
 私は、あらゆる会議で原油価格の現状は異常で放置できず、産消両国で取組むべき課題であると主張し続けてきたから、今次サウジアラビア国王の呼びかけは時宜にかなったものとして歓迎する。
 即効性よりも、中長期に向けて明確に安定性ある成果を期待する。
1-2-1 出席者について質問
 総理大臣と経済産業大臣の出席予定はどうか。
1-2-2 応答
 総理に出席されたく、私も是非同向する。
1-3-1 元首出席について質問
 英国のブラウン首相は参加を表明とのことだが、元首クラスの会議になるか。
1-3-2 応答
 閣僚級以上になることは間違いないが、元首クラスになるか、未定。
1-4-1 会議の特徴について質問
 22日の会議の特徴は何か。
1-4-2 応答
 OPECの盟主であるサウジアラビア国の国王自身が呼びかける会議で、従来のOPECの定例的会議等と異なる、重要度の極めて高い会議と考える。
1-5-1 具体的議事について質問
 どんな点が議論されるか。
1-5-2 応答
 将来に向けてのファンダメンタルズを安定させることについて、メッセージを発することが最も重要である。すなわち、現在は石油の需給が合っている、供給ショーテージを起こしていないにもかかわらず、石油価格が高騰していることは、石油を増産してもだぶつくだけ、というのが産油国の主張である。しかし、ファンドは、現在は足りているけれども、将来は不足bと見越して先物買いしている。
 ファンダメンタルズというのは、将来にわったて供給不足を起こさない対応をとるということであるが、具体的には、増産、石油生産能力の拡大投資(設備能力の上限引上げ)により将来の不足懸念を除くことである。


2. SANARI PATENT所見
上記1-5-2の応答が、極めて重要である。述べられた意味でのファンダメンタルズが構築されれば、プロイノベーションの具体的目標も設定できる。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
OPEC、サウジアラビア、甘利経済産業大臣、英国首相、原油価格

ラベル:

2008年6月13日金曜日

NEC Releases Global News on GMI 2008 Global Interoperability

NEC Releases Global News on GMI 2008 Global Interoperability and Inner
News on Ad Hoc Terminal Paring(2008-6-13): NECの注目発表・対外「次世代ネットワークのグローバル相互運用性」と対内「特別端末ペア技術」
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog Google Yahoo検索広告連携(2008-6-13記事)
別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 完全子会社化による発展:紀文→コッコマン、エネサーブ→大和ハウス(2008-6-13記事)

1.NECのグローバルニュース(SANARI PATENT要約)
 今日NECは、グローバルニュースとして「グローバル・マルチサービス・フォーラム」のGMI2008参加を発表した。これは次世代ネットワーク(NGN)の国際標準化に即応して、そのオープンな機構の構築に参画するものである。

 GMI2008の目的は、広汎な企業から最新のデバイスを集積してグローバルな次世代ネットワークの国際標準化を構築することである。多数供給企業が存在する環境のもとで、相互運用性(interoperability)を確認することはNGNの核心要素であり、NECはこれに主導的役割を果たして、新たな高付加価値のネットワーク進展を創出する。

2.NECの対内ニュース(SANARI PATENT要約)
 同じく本日NECは、国内ニュースとして「アドホック端末ペアリング技術」の開発を発表した。「携帯電話と情報端末を連携させて同時に利用可能にする」と頭書きしているので、一般向けには、「ケータイ・ゲーム・パソコン・キオスク随時特別ペア形成テク」とでも呼んだらばどうかとSANARI PATENTは思うが、「アドホック」の語感が良いかも知れない。

 マスコミの解説よりも、NEC自身の次の説明が、この技術の価値を簡明に示している(SANARI PATENT要約)。
 「携帯電話と情報端末を同時に利用するためには、5つのポイントがある。
2-1 ケータイと情報端末の同時利用が何時でも可能である。
2-2 情報端末を利用するユーザーの認証が、直ぐ簡単にできる。
2-3 他人になりすまされることなく、どこでも安全にサービスを利用できる。
2-4 特別なハードウエアを用意しなくても、安価にサービスを利用できる。

2-5 携帯電話と携帯端末を同時に利用しても、安定したサービスを利用できる。

3.SANARI PATENT所見
3-1 グローバルNEWSのNGN Interoperabilityにおける主導性は極めて重要であり、ITUベースでのNECの活躍{寄書など}をも熱烈に期待するが、結局はデファクト標準化の問題であるとSANARI PATENTは考える。
3-2 NECの今次事業報告が届いたが、社長挨拶の「収益性」も重視のうち、個人向け機器・サービスは大幅な増益率を示した。今日の発表が、一般の歓喜をもって業績を増幅されることを予想する。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
NEC、NGN、interoperability、アドホック端末ペアリング、GMI

ラベル:

Strategy for M&A Explained by METI Vice Minister

Strategy for M&A Explained by METI Vice Minister: 経済産業省の企業価値研究会「買収防衛策」について経済産業事務次官が説明(2008-6-12)
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 第一三共のインド企業買収による複眼経営(2006-6-12記事)
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog グリーンエネルギー・パートナーシップ発足(ソニーほか)(2008-6-12記事)

 企業買収は、相手方企業の知財を含む一括取得で、わが国企業もかなり活発に外国企業を買収しているが、わが国企業が不当な買収対象となる可能性について、どのように対処すべきか、経済産業事務次官の定例記者会見(2008-6-12)における質疑応答項目の一つになった。

1. 企業価値研究会について(SANARI PATENT要約)
1-1 質疑
 昨日、企業価値研究会が買収防衛策を取りまとめた。発動の要件をかなり限定する内容だったと思うが、影響はどうか。
1-2 応答
1-2-1 買収防衛策検討の経緯
ま とめたということではなくて、報告書案について議論していただいた。座長一任という形になっていると思うので、これから整理して6月中にはまとまると思う。(SANARI PATENT注:記者団は、「今後本格化する株主総会への影響について」と質問したが、3月決算の株主総会は6月中に開催であるから、同着の形になるけれども、既に各社の報告書にはほとんど例外なく買収防衛策該当の事項が記載されている)。
1-2-2 ブルドックソース事件と対比
今年の株主総会を念頭に置いた作業ではない。昨年所見の10月からずっと審議してきた。ブルドックソースの最高裁判断が出たとか、企業買収策を導入する企業が多くなったことを踏まえて、色々な課題が出てきたので、企業価値研究会に審議を託した。ブルドックソースの件は、経済産業省で想定していた平時導入型ではなく、有事導入型であったが、個別の事件の判断としては株主総会の特別決議と、買収者に支払いをしてゆくということで、ブルドックソース側が勝訴したが、これはあくまで有事導入型の異例のケースと考えている。特別決議である必要はないと思うし、お金を払うことは、むしろ逆に買収者を引き寄せる結果になりかねない。
1-2-3 取締役の保身より責任
企業買収防衛策については、経営者の保身につながるという批判もあるが、全てを株主総会に任せるということではなくて、会社に対して善良な管理者の注意義務を負う取締役の責任という見地から議論を依頼してきた。

2. SANARI PATENT所見
  今次株主総会の報告案中に、「会社の支配に関する基本方針」と題して、「当社株式の大規模買付への対応方針」(買収防衛策)の継続承認を株主総会求める会社が非常に多い。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)M&A、METI、ブルドックソース、企業買収、企業価値研究会

ラベル:

2008年6月12日木曜日

METI Reports Examination Results of Quality Control in Steel Makers

METI Reports Examination Results of Quality Control in Steel Makers:経済産業省「高炉5社名による品質管理に関する総点検の結果」報告(6-11)
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/  ニフティの展開(2008-6-11記事)
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog 経済産業大臣・省エネ代エネ技術強調(2008-6-11記事)

 経済産業省は昨日、標記発表において次のように述べている(SANARI PATENT要約)。

1. 経済産業省の発表(2008-6-11)
経済産業省は、日本鉄鋼連盟に対して品質管理に関する総点検を要請したところ、今日までに次の報告があった。
1-1 高炉5社(新日鉄、JFE、住金、神戸鋼、日新鋼)については、新たに(SANARI PATENT注:新日鉄と日新製鋼以外にという意味。この2社については、
このサイト http://sanaripatent.blogspot.com/ 日本工業標準化法(JIS)違反2008-6-5記事Ⅱをご参照)報告されると共に、これ以外に問題になる案件はないとの報告を受けている。
1-1-1 株式会社・神戸製鋼所の子会社である日本高周波鋼業株式会社
  高速度工具鋼材について、日本工業標準化法で要求される硬さ試験を行わずにJISマークを付けて出荷し、検査証明書には要求値を満たす数値を記載していた。ステンレス鋼の一部については、企業間の協定で要求される引張試験等を行わずに、検査証明書に過去の検査数値を記載していた。
1-1-2 新日本製鐵株式会社の子会社である株式会社ニッタイ
 チタン管、ニッケル合金管について、企業間の協定で要求される水圧試験を行わずに、検査証明書に水圧試験に合格したと記載していた。
1-2 高炉5社以外の鉄鋼連盟加盟企業については、現時点で、下記2件の報告があった。
1-2-1 日本冶金工業株式会社の子会社であるナストーア株式会社
 ステンレス鋼管の一部について、日本工業標準化法で要求される水圧試験等を行わずにJISマークを付して出荷し、検査証明書に、水圧試験に合格したと記載していた。
1-2-2 日本金属工業株式会社の子会社である日金工鋼管株式会社
 ステンレス鋼管の一部について、日本工業標準化法で要求される水圧試験または非破壊検査のうち、非破壊検査は行っていたものの、検査証明書には水圧試験を行った旨を記載する等の検査証明書の記載の不具合があった(SANARI PATENT注:「不具合」という用語で発表しているが、「違法」と異なるのか、分からない)。
1-3 日本高周波鋼業とナストーア株式会社(日本冶金工業の子会社)の報告に関する日本工業標準化法上の問題の有無については、立入検査を実施する。

2. SANARI PATENT所見
 内閣知財戦略本部の計画では、「国際標準化活動を強化する」と題する章が設けられているが、国内標準化について問題の有無を検討・記述していない。「国際標準総合戦略」を実施すると、繰り返し述べているが、この「国際標準総合戦略」を付録する配慮もしていないから、国民の理解は極めて希薄であろう。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
JIS、Steel Maker、新日本製鉄、日新製鋼、神戸製鋼、日本冶金工業

ラベル:

2008年6月11日水曜日

METI Minister Stresses Compatibility of

METI Minister Stresses Compatibility of Economy Growth and Environment by Technical Innovation: 甘利 明・経済産業大臣の定例記者会見(2008-6-10)
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog 村田製作所(2008-6-9)
別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 農商工連携型地域中小企業応援ファンド第1号3県決定(208-6-10)

経済産業大臣が「技術革新による「経済成長と環境の両立」について、諸国際会議における発言内容を説明した(2006-6-10)。以下、SANARI PATENT要約。

1. OECD
技術革新による「経済成長と環境の両立」について、セクター別アプローチの重要性を説明した。

2. エネルギー閣僚会合
2-1 現在の油価は異常で、消費国・産油国双方の利益に反するとの懸念を共有した。
2-2 上流・下流を含む投資拡大、省エネ・代エネ促進、需給関係の実態究明、市場の透明性向上を合意した。
2-3 ファンドについて、G8財務大臣における金融関係議論を支持する。

3. IPEEC(国際省エネ協力パートナーシップ)
3-1 セクター別アプローチの重要性、原子力等・低炭素エネルギー革新の技術開発に関する国際協力を合意した。
3-2 特に原子力、および、CCS(二酸化炭素回収・貯留)について大多数の国から極めて強い支持が表明された。
3-2 英国は、「原子力発電設置について力強く踏み出す」と宣言した。
3-3 イタリアは、環境と経済の両立のため原子力が有効であり、イタリア政府も原子力に方向転換すると宣言した。
3-4 CCSの重要性について、途上国を含めて、世界中に賦存量最多エネルギーである石炭のクリーンな利用という意味で、CCSの重要性に対する認識を共有した。
3-5 省エネを最効率的な環境対策として、IPEEC国際省エネパートナーシップの立ち上げについて、全員から強い意思表示があった(SANARI PATENT注:IPEEC=International Partnership for Energy Efficiency Cooperation)。
中国・インドを含めて、技術移転、知見交流などの合意がなされたことに意義がある。

4. ファンドを2大別
4-1 市場扇動型と公的資金注入型に分別して対処すべきである。
4-2 一概にファンド性悪説に走ることは、冷静を欠く。
4-3 投資・投機資金は現在は300兆円の規模であるが、5年以内に1000兆円に達する。

5. 排出量取引
5-1 ハンドリングを誤ると、石油先物の二の舞になりかねない。
5-2 金融の餌食にされない制度設計が必要である。ハンドリングと設計を誤ると、二酸化炭素トン当たり価格が現在3000~4000円といわれているものが、3万円~10万円に、忽ちなる。

6. SANARI PATENT所見
  上記各項目とも、技術革新との関連が深く、知財専門家による考究を要する。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Meti Minister、IPEEC、CCS、二酸化炭素、投機ファンド

ラベル:

2008年6月10日火曜日

Cost Target of New Energy Development: 新エネルギー開発のコスト目標としての原油妥当価格
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
このサイト http://sanaripatent.blogspot.com/ 大日本住友製薬の海外研究開発活発・国内ライセンス訴訟(2008-6-10記事Ⅰ)
別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ キッコーマンの米国新ラボ開設発表(2008-6-9記事)

 バイオ燃料、触媒、燃費、軽材料など、新エネルギーおよびエネルギー利用効率向上の課題を解決する発明・特許の開発は、その石油代替・石油利用削減におけるコスト比較によって「産業上利用可能性」の現実的判断がなされる。

 経済産業事務次官の定例記者会見(2008-6-9)では、原油脱価格の見解維持が重ねて示されているので、以下に質疑応答を要約しておく。

1. G8プラス3エネルギー相会合の効果
1-1 質疑
 国際的な省エネ協力の枠組みなど、具体的成果も見られたが、一方で原油価格が週末に139ドル第に上昇しているが、G8プラス3エネルギー相等の会合で合意された各種政策は価格抑制効果を発揮すると見ているのか。
1-2 応答
 現在の原油価格が異常であることについて、11国の認識が共通になった。また、省エネの重要性、クリーンエネルギーの開発、革新的技術開発の有効性は「青森宣言」となった。
 原油については、緊急時対応の備蓄増強の必要性、エネルギー投資の増大、省エネ・代エネ取組の必要性が共同声明された。
 原油価格の高騰は、基本的には需給問題があるが、現時点では投機筋の動きの影響が大きい。ただ、投機というのは何時までも続くものではないから、今次合意内容が少しづつ効果を発揮してゆく、投機の動きに対しては政策の動きは必ずしもミートしているわけではないが、いずれは効果が出てくると期待している。

2.投機資金対策における経済産業大臣と財務大臣
2-1 質疑
投機資金については次のG8・財務相会合での議論に期待するとして先送りされたが、今回なぜ投機資金の問題を十分議論しなかったか。
2-2 応答
 現在の原油価格の異常性の認識と議論はなされたが、価格の問題はファンダメンタルズだけでは説明できない(SANARI PATENT注:「需給」を「ファンダメンタルズ」と換言したと解する)。価格問題は、エネルギー大臣と金融大臣との双方の問題である。今次会合では、現在の価格水準は異常であり、この異常な価格は産油国・消費国の双方にとって有害であるということに意見の一致をみている。従って、投機資金の問題については、財務大臣に期待をもって委ねることとなる。経済産業省は、ファンダメンタルズで説明できるのは60ドルであると言い続ける。

3. SANARI PATENT所見
  上記2-2の「経済産業省は、ファンダメンタルズで説明できるのは60ドルであると言い続ける」という発言が、今後の戦略・政策にどのように作用してゆくか、注目すべきであるが、産業界・知財専門家はまた、その実際の効果予測について見解を持ち、発明・特許の産業上利用可能性を判断すべきである。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
G8、原油価格、省エネ、代エネ、投機資金

ラベル:

DS-Pharma Co. Reports on Oversea R&D and License Lawsuit:: 大日本住友製薬株式会社の今次事業報告における業績好調、開発費著増、開発訴訟経過
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog 村田製作所のセラミックコンデンサ(2008-6-9記事)
別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ キッコーマンの米国新ラボ開設発表(2008-6-9記事)

 大日本住友製薬の今次事業報告(2007-4-1~2008-3-31)が届いた。連結売上高が2640億円(前期比1.1%増)、当期純利益254億円(12.8%増)と順調であるが、SANARI PATENTの関心事としては、「ライセンス訴訟の経緯」と「海外研究開発の積極的展開」が先立つので、両項目の報告内容を要約・考察する。

1. 係争に関する報告内容
 「大日本住友製薬は、ニューキノロン化合物のライセンス契約の解除をめぐり、湧永製薬株式会社との間で係争中である。大日本住友製薬は1998-6に湧永製薬との間でニューキノロン化合物の開発、製造および販売に関する独占的ライセンス契約を締結し、抗菌剤としての開発に着手したが、2002-5に大日本住友製薬はニューキノロン化合物の開発中止を決定し、おの後、ライセンス契約を解除した。これに対して湧永製薬は2002-7-22に、大日本住友製薬がライセンス契約を不当に解除したとして、大阪地裁に50億円の損害賠償訴訟を提起し、大阪地裁は、1999-3-16に、湧永製薬の請求の一部を認容し、8億9千万円の支払いを大日本住友製薬に命じる判決を下した。大日本住友製薬と湧永製薬は、それぞれこの判決を不服として大阪高裁に控訴している。」(SANARI PATENT注:ニューキノロン剤は広域に抗菌力が及ぶとされてきた)

2. 海外における研究開発に関する報告内容
2-1 統合失調症治療剤の海外臨床試験が本格化(第Ⅲ相)した。
2-2 糖尿病・循環器、精神神経、炎症・アレルギー領域を研究指向領域として、独創性の高い国際的に通用する医薬品を開発すべく、国内外の大学を含む研究機関や革新的な技術を有するベンチャー企業とのアライアンスを進めている。
2-3 糖尿病合併症治療剤について、エーザイに海外の開発および販売権を付与しており、エーザイと緊密に連携して、世界で早期上市する。

3. SANARI PATENT所見
3-1 オープンイノベーションが現在、わが国を含めて先進諸国の経済政策・知財戦略であるから、ライセンスの活発化もその方向性に即応するが、研究開発戦略の臨機応変や基本戦略革新への新たな契約法的整備を、国内外にわたって必要とする趨勢にある。
3-2 大日本住友製薬は、米国での自販体制を構築するほか、動物用医薬(転用を含む)(わが国だけでも、子供の人数を上回るペット数と贅沢度)、機能性食品の開発に注力し、海外研究開発費の増加を上回る収益体制を構築している。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
DS-Pharma、大日本住友製薬、湧永製薬、統合失調症治療剤、糖尿病

ラベル:

2008年6月9日月曜日

FIB FUJITSU Co. for ICT-IP Development

FIB FUJITSU Co. for ICT-IP Development: 株式会社・富士通ビジネスシステムの中堅企業ICTビジネス
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog 武田薬品工業・田辺三菱製薬(2008-6-8記事)
別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 水着の発明(2008-6-7記事)

 富士通ビジネスシステム(東証1部)の今次事業報告(2007-4-1~2008-3-31)が届いた。報告書の表紙に先ず、「a Fujitsu Company」と大きくデザインされ、富士通比率52.5%の、富士通系SI首位企業(野村証券・東洋経済の会社四季報)である。軸足を機器販売・保守からソフト・サービスに移行中。中堅・自治体に強い(同)。
 知財政策と地域振興対策の面から現在もっとも関心されている一つのテーマは、今次国会で可決成立した「農商工連携法」に基づくICT企業と地域農業との連携であって、国会審議においてもその実例が幾つか紹介された。
 農商工連携に限らず、中堅企業のICT高度化はその知財開発に直結するから、富士通ビジネスシステムの今次報告を通じてその動向を考察する。

1. 今次富士通ビジネスシステムの報告(SANARI PATENT要約)
1-1 「Best Solution and Best Partner」を目指し、富士通ビジネスシステムが主力とする中堅企業や市町村自治体のIT投資における抑制傾向に対処しつつ、
自社ソリューションの強化、コンサル型営業の拡大、市場別戦略による事業推進に重点を置いて事業活動を展開している。
1-2 東京地区は堅調に推移したが、地域ビジネスは依然として厳しく、また官公庁ビジネスにおいて大型プロジェクトが延伸あるいは中止となったため、受注高は前期比10.8%減の1470億円、売上高は6.2%減の1489億円となった。
1-3 企業のITライフサイクルを総合的にサポートし、コンサルティング、システム運用、資産管理、ハード・ソフト保守などをワンストップで実現する「ITマネジメントサービス」については、本部を新設して体制を強化した。
1-4 新サービスとして、企画・導入から運用・評価までサポートする「ITIL運用管理サービス」をメニューに加えた。
1-5 アウトソーシングニーズの増加に対処し、FJB第二データセンターを開設した。
1-6 各企業に最適なWebサービスを実現する業務ソリューションについては、営業プロセスの効率化、人材派遣管理の効率化などのラインナップを拡充した。
1-7 中国大連・西安の2か所で人材のオフショア開発を開始した。
1-8 物流分野に特化したソフトウェアベンダーとのアライアンスにより、ロジスティックソリュ^ションの開発・販売を強化した。
1-9 コンストラクションサービスとして、通信システム、リニューアル、情報セキュリティ強化関連を拡販した。 
1-9 オープンソフトウェアやSaaS型グル-プウェアの提供を開始した。

2. SANARI PATENT所見
2-1 富士通ビジネスシステムの立場では、売上高総利益率は改善したが他の経営指標に問題があるとして、成長市場である東京地区民需ビジネスにおける市場拡大を、対処すべき問題の筆頭に掲げているが、「中小市場における新しいビジネスモデルの確立」を次に掲げており、地方農工商連携の諸般の対策(「農商工連携法」の関係政令案については、現在。経済産業省と農水産省が意見公募中)に即応することが望まれる。
2-2 地方にも、IT活用による農商工企業振興の実例が見られることは、国会審議においても例示されている。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
FIB FUJITSU、富士通ビジネスシステム、農商工連携、SaaS、オープンソフトウェア

ラベル:

2008年6月8日日曜日

KDDI in the Next Generation Network

KDDI in the Next Generation Network: KDDI・Global Info-Communication
Technology Solution Systemのseamlessな展開
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog 新日本製鐵・住友金属工業の事業環境(2008-6-7記事)
別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 水着の発明・特許(2008-6-7記事)

 新興国・産油国・人口大国・資源大国の急速な変容に起動されて、世界の生産・流通・金融の分布と流動が著変してゆく現在、わが国の企業も人材も、グローバルに進出・拡散・流動することが存続・発展の必須要件である。

 国際電気通信を基盤とするKDDIのNGN(次世代ネットワーク)における機能として、最も期待されてきたのが、その「グローバルICTソリューション」をシ-ムレスに利用できるサービスの整備である。KDDIのIC Magazine最新号が届いた機会に、その内容を考察する。(内容はSANARI PATENT要約)

1. KDDI Global Powered Ethernet拡大
1-1 KDDIは2006-9から、米国・香港・シンガポール・韓国・中国(北京・上海)において、大容量化する国際通信を、高品質で経済的な回線で利用できるKDDI Global Powered Ethernetを提供しているが、本年4月から英国でも提供を開始した。(SANARI PATENT考察:生産立国化・人件費水準・人材分布の関係で、インド・ベトナム・マレーシアへの日本企業の立地と移動が活発化しており、これら地域への拡大が望まれる)。
1-2 複数の海外拠点間を結ぶイントラネットを経済的に構築できるAny to Any構成であり、国内外拠点を同一セグメントのネットワークとして接続できるから、国内外シームレスなネットワークを構築できる。プロトコルフリーである。

2. Global ICT Solutionの一括調達可能
2-1 日本企業の世界展開に伴って国内外を合わせたICT分野での一括アウトソーシングのニーズが高まっている。KDDIはこのニーズに応えるため、海外で必要なICTソリューションを有機的にパッケージ化し、日本でのワンストップ提供を開始した。KDDIアメリカ、KDDI中国等のKDDI現地法人と連携し、今回のパッケージ商品提供に至った。
2-2 これにより海外に拠点を持つ企業は、グローバルネットワークだけでなく、グローバルデータセンターや、システムインテグレーション、グローバルICTソリューションを日本で一括して調達できるようになった。
2-3 その第1弾として、今年5月から次の2パッケージの提供を開始した。
2-3-1 Global Data Center Management Package: Global Data CenterとHub-router Network監視をセットした。
2-3-2 海外Area Network Management Package: 海外エリアネットワークに顧客宅内ルータとネットワーク監視をセットした。

3. SANARI PATENT所見
  アウトソーシングによる企業活動の合理化が、日本企業の国際競争力維持強化の要件の一つと考えられ、グローバルな次世代ネットワークにおいて、KDDIがその中核をなすものと考える。KDDIは既に国内でSaaS事業を開始しているが、海外に展開するわが国中堅企業のため、上記パッケージが更に、グローバルなSaaSとして機能するに至ることを期待する。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)KDDI、ICT Solution、KDDIアメリカ、シンガポール、韓国、香港

ラベル:

2008年6月7日土曜日

Competitiveness of Japanese Info-Communication Industry

Competitiveness of Japanese Info-Communication Industry:総務省が「情報通信国際競争力指標」を策定
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog フジTV・ TBS(2008-6-6記事)

  「国際競争力の強化」が、政府の政策においても企業戦略においても、合言葉のように頻用さるが、その評価基準は極めて曖昧である。総務省が「ICT国際競争力指標」を策定・発表(2008-6-3)したことを、SANARI PATENTは高く評価する。先ずその内容を見る。(SANARI PATENT要約)

1. 総務省の策定趣旨
1-1 総務省は、わが国ICT産業の国際競争力強化を図るため、国際競争力を評価し、企業等の国際重視志向の浸透を図ることを目的として「情報通信国際競争力評価指標」を策定した。
1-2 ICT国際競争力強化のためには、強化目標を設定し、その成果を各製品・サービスごとに随時モニタリングし、進捗状況をチェックすることが有効であること、そのための指標は、各製品・サービスのグローバル市場への日本企業の展開度合を示すものであることが必要である。そこで総務省の「ICT国際競争力指標」では、「企業競争力」の観点から、各製品・サービスのグローバル市場シェアおよび利益額シェアを、「輸出競争力」の観点から、各製品におけるわが国の輸出額シェアおよび貿易特化指数を指標として選定し、わが国ICT産業の国際競争力を客観的かつ簡潔に評価している。
1-3 総務省は、この指標により企業や投資家が、「積極的な国際展開により、グローバル市場における製品・サービスの割合が高いことが企業の評価を高める」という意識を強く持ち、その結果、わが国企業の国内偏重が国際重視志向へ変わることを期待する。

2. 総務省によるICT国際競争力現状評価
2-1 日本の輸出競争力は、通信および情報端末機器において低い。端末機器分野では、携帯電話、ネットワーク機器、デスクトップPC、サーバ、ストレージの輸出額シェア3%に満たない。
2-2 端末機器の輸出額シェア(SANARI PATENT注:国内生産額のうち、輸出される額の比率である。ひらたく言えば、輸出熱心度であって、世界市場における日本企業の占有率を示す後記3.を先に見る方が良い。日本企業の現地法人生産額の取扱方が今後の課題である)は、携帯電話機0.5%、モバイルインフラ7.3%、ネットワーク機器2.1%、デスクトップPC0.5%、サーバ1.1%、ストレージ1.3%、コピー機9.7%、プチンタ11.2%、テレビ3.2%、ビデオ機器4.5%、デジタルカメラ30.4%、放送通信機1.0%である。
2-3 デバイスの輸出額シェアは、通信用機器デバイス6.8%、通信ケーブル4.6%、コンピュータ用デバイス3.0%、放送機器用デバイス15.8%、汎用半導体デバイスのうち、プロセッサ8.7%、メモリ10.9%、ディスクリート半導体17.3%、その他半導体デバイス9.5%、PC用ディスプレイ3.3%、テレビ用ディスプレイ9.6%である。

3. 総務省によるICT国際競争力の各国比較(SANARI PATENT要約)
3-1 携帯電話機の世界市場規模は11億5300万台であるが、市場シェアは、日本14.9%、日本以外のアジア太平洋26.3%、北米16.9%、欧州41.8%
3-2 ノートパソコンは、世界市場規模1102億ドルのうち、日本23.8%、日本以外のアジア太平洋29.7%、北米41.6%、欧州3.6%
3-3 プリンタは、世界市場規模189億ドルのうち、日本32.1%、その他アジア太平洋5.0%、北米57.3%、欧州5.6%
3-4 液晶テレビは、世界市場規模679億ドルのうち、日本43.91%、その他アジア太平洋38.3%、北米7.1%、欧州10.6%
3-5 プラズマテレビは、世界市場規模152億ドルのうち、日本51.3%、その他アジア太平洋40.1%、北米2.7%、欧州5.9%
3-6 デジカメは、世界市場規模9600万台のうち、日本72.9%、その他アジア太平洋12.2%%、北米14.9%、欧州0.0%

4. SANARI PATENT所見
総務省の貴重な資料の一部を上記要約したが、これらの数値の適切な解析が極めて重要であり、先ず関係業界が解析し、かつその結果に対する所見を示されるよう、要望する。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Competitiveness、総務省、携帯電話機、ノートパソコン、液晶テレビ、国際競争力

ラベル:

2008年6月6日金曜日

TOYOTA to Provide 78 Hybrid, Other Vehicles to G8 Summit

TOYOTA to Provide 78 Hybrid, Other Vehicles to G8 Summit: トヨタ自動車は、洞爺湖サミットにハイブリッド車等78台を提供(2008-6-6発表)
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog フジテレビとTBSの今次報告(2008-6-6)

1. ハイブリッド車等を提供の経緯
  トヨタ自動車は本日の発表で次のように述べている(SANARI PATENT要約)。
1-1 今次サミットでは、環境問題を主要テーマの一つとするので、政府はその準備・運営に当たっても、可能な限り環境に配慮する方針である。今回のハイブリッド車提供は、政府からエコカー提供の要請を受けたトヨタ自動車が、政府の方針に賛同し、このサミットに協力するものである。
1-2 各車両は、サミット参加各国の政府関係者の移動、政府・報道関係者の送迎や、サミット期間中に国際メディアセンタ内に設置される環境デモストレーションにおける次世代自動車の試乗に使用される。
1-3 車両の内訳は、各国政府関係者の移動用として、「LS600h/LS600L」11台、「クラウンハイブリッド」15台、「エスティマハイブリッド」43台、政府・報道関係者の送迎用として、水素で走る燃料電池ハイブリッド車「FCHV-BUS」(Fuel Cell Hybrid Vehicle Bus) 5台、環境デモンストレーション試乗に、家庭用電源からも充電でき、電動走行が可能な車種(Fuel Cell Hybrid Vehicle Advanced)4台を提供する。
1-4 上記以外にも、高圧水素タンクや定置式燃料電池を出展する。
1-5 今次サミット前に開催されるG8関連のエネルギー大臣会合や科学技術大臣会合にも、上記車両の一部を提供する。

2. SANARI PATENT所見
トヨタ自動車の今次事業報告が丁度届いたが、当期(2007-4-1~2008-3-31)連結業績は、売上高26兆2892億円で、対前期比9.8%増、営業利益2兆2704億円で1.4%の増であるが、野村証券の資産管理誌6月号によれば、2009-3期の営業利益は1兆6000億円、前期比30%現と予想されている。
トヨタ自動車は今次報告において、「世界的な環境意識の高まりによる環境規制の強化を背景に、技術開発や新商品投入が活発化するなどグローバルで厳しい競争が展開されている」と述べ、「顧客ニーズを先取りした市場創造型商品の投入」、「車への興味・関心の喚起」、「海外新工場立ち上げ」、「資源国・新興国需要に対応」、「自工程完結技術」、「プラグインハイブリッド車の実用化」、「いすず自動車と協力してディーゼルエンジン開発」、「バイオ燃料対応」、「燃料電池自動車開発」、「ロボット開発」、「サステナブルプラント活動」等に取組むとしている。今日の発表が海外需要の喚起にも資することを期待する。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
TOYOTA、Hybrid、G8、燃料電池、いすず、プラグイン

ラベル:

2008年6月5日木曜日

Some Steel Makers Violate Japanese Industrial Standards Law

Some Steel Makers Violate Japanese Industrial Standards Law:鉄鋼業界における工業標準化法違反について経済産業事務次官の見解
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog NTTの「フレッツ光ネクスト」「次世代サービス共創フォーラム」(2008-6-5記事)
別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ コスモ石油の技術開発(2008-6-5記事)

 内閣知財戦略本部は国際標準化戦略を強調しているが、国内標準化法である工業標準化法も「標準化」という用語を用いているので、「標準」の語義を明確に認識していない向きも多い。しかし両標準化とも、特許権との調整という課題を潜在あるいは顕在しているので、表題の事件が発生したこの機会に、工業標準化法(JIS)違反についての、経済産業省・事務次官の記者会見(2008-6-5)
における応答を考察しておく(質疑応答内容はSANARI PATENT要約)。

1.新日鉄、日新製鋼
1-1 質疑
鋼管のJISデータ偽造問題について、新日鉄に続き日新製鋼でも相次いで発覚しているが、JIS法違反の問題は鉄鋼業界に限った問題であるのか、それともJIS法もしくは「ものづくり」の根幹を揺るがす事態であるのか、どの位の重さで認識しているか。また、現行のJIS制度は事後チェック機能がそれほど強くない制度であると考えるが、これほどデータ偽造が起こる場合、今後もう少しチェックを厳しくするとか、法体系を含めて改善する余地があるのか。
1-2 応答
鋼管について、水圧試験を実施しないで出荷していた、それにJISマークが表示されていたという問題は、質疑の通り2件発生し、共に遺憾な事件である。鉄鋼連盟に対して鉄鋼業界全体として問題がないのか、チェックbように、所管の製造局で指導しているので、鋼管についてはその結果を待ちたい。
鉄以外に、国内全般に同様の問題がないのかという疑問については、産業技術環境局で問題意識をもっている。直ちにどうこうということではないが(具体的な行動については未だ聞いていないが)、他業界についても、問題可能性の意識(大丈夫かなという)は持っている。
それから、JIS法によるチェックが甘いのではないかという質疑について、これは日本工業規格という名称のように、B to B (SANARI PATENT注:Business to Business)の取引基準である。売る方も買う方も一応プロであるという前提で、その取引の目安ということであるからひかの消費者向けの規制とか、そういうものに比べれば厳しい規制をしているわけではない。むしろ規制緩和の流れで、自己規制を前提としている。従って、今次2件が発生したからJIS法を見直さなければならない、というものではないと思う。

2.SANARI PATENT所見
  応答のように、JIS法がB to Bの取引法の法域に属するとしても、対象物品は、国民の需要に応じてビジネスから国民生活に流通ないし密着するから、国民がJISマークに信頼して安全を信じていたことに伴う事故や不便の発生可能性を問題とすべきである(JIS標準の制定は主務大臣が行う)。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
JIS、B to B、標準化、日本工業標準、日新製鋼、新日鉄

ラベル:

Current Status of Japanese Popular CAZINO

Current Status of Japanese Popular CAZINO:パチスロ機業界のグローバル発展性と国内現況、特に特許関係
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
別サイト http://sanaripatent.blogspot.com/ 甘利経済産業大臣がアラブ資金について解説(2008-6-4記事)
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog 三菱マテリアルの電子材料・貴金属・複合垂直経営(2008-6-4記事)

 セガサミーホールディングス株式会社(SEGASAMMY Co.)(東証1部)の今次報告(2007-4-1~2008-3-31)が届いた。冒頭に次のような記述がある(SANARI PATENT要約)。
 「当連結会計年度後半から、わが国経済は先行きの不透明さを増している。このような状況下で、遊技機は「風俗営業法施行規則等改正」により2007-9-30までに、ほぼ全てのパチスロ機(SANARI PATENT注:商品分類の正式名称はパチンコ式スロットマシーン)旧基準機から新基準機に入れ替わるという大きな転換期を迎えた。パチンコホール数、参加人口は依然減少傾向にあり、遊技機メーカーは斬新な新基準機の積極的な開発により、またパチンコホールは低貸玉料営業の導入により、ユ-ザ-層の拡大に取組んでいる。」

1.パチスロ業界の規模
1-1 全国パチンコホールの売上総額は、年間13兆円ないし15兆円と推算されている。競輪・中央競馬、地方競馬、競艇、オートレース(これらは「公営競技」)の年間売上総額(2007年度)が5兆0963億円であったから、同じく公衆娯楽でありながら、パチスロ遊戯は3~4倍の売上規模で、消費税率の約10%に相当する金額である。
1-2 ラスベガスやモナコのカジノが、ルーレットやスロットマシーンで構成され、法律用語的には「偶然の結果による賭博」であるのに対して、パチンコやパチスロは技能習熟を要し、日本サラリーマンの勉学性に適合して普及したと見られている。SANARI PATENTが30ほど前にマカオのカジノに立ち寄ったが、未だポルトガル支配下で、「大小博打」のような中国的雰囲気のゲームもあったものの、純賭博であるのに対して、日本のパチンコホールは健全な公衆カジノであり、射幸心抑制という名目の規制を誤ることなく、アニメキャラクターのグローバルな好評も活用して、パチスロ機の世界普及(現在は韓国始め、アジアが主体)を、コンテンツ政策が指向すべきであると、SANARI PATENTは考える。

2.セガサミーの構成
2-1 子会社として、サミー株式会社(パチスロ・パチンコ遊技機の開発・製造・販売)、株式会社セガ(アミューズメント機器の開発・製造・販売、アミューズメント施設の開発・運営、ゲームソフトウェアの開発・販売)株式会社サミーレンタルサービス(遊技機のレンタル、保守管理)など国内14社と、米国・欧州内7社(アミューズメント機器の輸入・製造・販売、ゲームソフトウェアの開発・販売)を有する。
2-2 当期連結売上高は、4590億円であった。

3.パチンコ・パチスロ機器関係の特許
  特許公開件数(2008-6-5現在)は、パチンコ2万1526件、パチスロ754件である。セガサミーの今次報告には、サミー株式会社とアルゼ株式会社間のパチロ機関係特許紛争について、知財高裁における審理経過を記述している。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
SEGASAMMY、風俗営業法、パチスロ機、公営競技、セガサミー、CAZINO

ラベル:

2008年6月4日水曜日

Function of ICIEC Explained by METI Minister

Function of ICIEC Explained by METI Minister:経済産業大臣がICIEC (The Islamic Corporation for Insurance of Investments and Export Credits)の機能を解説

甘利 明・経済産業大臣は定例の記者会見(2008-6-3)において、「私の方から申し上げたいこと」として、「実はTICADⅣで私としては一番大事な点で、全く注目されていない点が一つあたります」と前置きし、「日本の貿易保険とICIEC(アイセック)との協力協定が結べたこと」の意義を強調した。
 
 SANARI PATENTの所見としては、イスラム金融のグローバルな流れが世界の知財開発資金にも大きく影響すること、また、日本貿易保険とアイセックの協定がわが国先端産業の必須金属等確保にも資することが重要であるが、ここには、甘利大臣の解説と感想を先ず要約しておく。

1. アイセック
「アイセク(ICIEC)というのは、イスラム投資・輸出保険機関であるが、日本の貿易保険(SANARI PATENT注:独立行政法人)とアイセックとの協力協定を結ぶことができた。これが特筆べきことである理由は、アイエックはイスラム金融による保険機構であるから、アフリカのイスラム系国が出資者になっている。アフリカの19カ国が、金額の大小は別として出資している。」

2. サウジとアイセック
「アイセックの本部はサウジに在って、サウジが最も多額出資している。アイセックが保護(SANARI PATENT注:法律的には保険の意味と解するが、実質的に「保護」である)した投資案件で焦げ付いたものは一件もない。その理由は、自分が出資しているから、そこの国に対する投資案について、難しそうになった場合、アイセックの関係者が自分の政府に泣きつく、すなわち、何とかして下さい、うちも株主だからという、そういう自助努力を図り得る仕組になっている。

3. 焦げ付き案件が零
「従って、焦げ付き案件が一件もないということは、特筆べきである。このアイセックとNEXI(日本貿易保険)が協力協定を結んでMOU(覚書)を交換した。共同して投資案件に対する保護をしてゆくということ、これは報道されていないけれども、私自身は最大成果の一つと考える。」

4. 今次スキームの重要性に要注目
「民間投資を進め、それに保険を付し、焦げ付きを未然に防止する最大限の努力をするスキームが、上述のように構築できたことは、投資倍増に向けて大きく前進する意義を持つ。これを報道しないのは、実はTICADをしっかり見ていないということか、経済産業省のPRが全然下手なのか、どちらかだと思っている。」

(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.Com に送信下さい)
ICIEC、NEXI、アイセック、日本貿易保険、甘利 明

ラベル:

2008年6月3日火曜日

Vice President of Google Mrs. M.Mayer Comments

Vice President of Google Mrs. M.Mayer Comments on Search Engine:グーグル・マリッサ メイヤー副社長に朝日新聞インタビュー:次の10年の戦略
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog ObamaとMcCainのパテント政策(2008-6-2の1記事)
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog ファミリーマートの増収増益(2008-6-2の2記事)

 「グーグル検索の未来は」と題して、朝日新聞が標記インタビューを報道した(2008-5-30)。ネット検索はケータイを含めて次世代ネットワーク社会の活動をグローバルに起動するインフラであることには、疑問の余地がない。わが国の知財政策においても当面の重要課題である(近日中に決定される内閣知財戦略本部2008計画参照)。

 世界のネット検索機能においてグーグルが占める地位を、SANARI PATENTは8割超の圧倒的比重と推定しているが、それだけに標記インタビューの内容は極めて重要であり、ここにその要旨をまとめて記録しておく。以下M.Mayer
副社長の朝日新聞に対する応答内容(SANARI PATENT要約)。

1. 今後10年のグーグル重点4領域
1-1 Mode(話言葉・概念による検索入力を理解し、最適検索結果を表示): 
現在の検索機構では、ユ-ザ-がキーワードを入力し、表示された結果一覧からユ-ザ-が自分の目的に近いと考えるぺージをクリックする.グーグルは、ユ-ザ-の質問を検索エンジンが理解して適切な回答を示す。
1-2 Media(ニュース・動画などをまとめて表示し、検索結果をメディア化): 
1-2-1 記述・写真・動画・地図など様々な検索結果(情報)を結集して表示する。
1-2-2 検索事項に該当する複数のサイトから、ユ-ザ-の需要に適合する情報を選択表示する。
1-3 Personalization(ユ-ザ-の特性・条件に適合する検索結果表示):
個々のユ-ザ-の検索語・検索歴(クリックしたサイト)によりユ-ザ-関連事項を理解し、ユ-ザ-ごとのニーズに最適化した検索結果を選択して示す。
1-4 Social Search(同一関心者、特定分野知識者との問答機能):
Google Co-opの形成により、特定分野の知識を有するユ-ザ-がその分野に関するサイトに注釈を付けて登録すると、別のユ-ザ-がそれを共有して検索結果に反映させることにより、自分が選んだその分野の専門家などの知識を活用できる仕組みを本格的に構築する。
2. 上記4領域の併進と総合
次世代検索エンジンに求められるのは、個々のユ-ザ-の所要情報を理解し、精確に選択結果を総合表示することであるが、そのためには、上記4領域の進歩が併進すると共に、4領域の組合せによる総合的機能の発揮が重要である。
3. グーグルの研究開発動向
3-1 画像検索の方向性:
映像物を判別し、顔の人物を認識し、動画や音声データを文字化する。
3-2 利便性の向上:
iGoogleにより、検索キーワード入力欄のほかに、ニュースやメールなどユ-ザ-が頻用する機能やコンテンツを選択し、自分用ページを組上げるサービスを提供する。例えば、アーティスト・アイグーグルにより、有名アーティストのデザインをもとにした商品をトップページに組込むことができる。
3-3 グーグル日本法人の独自開発:
日本・中国・韓国では、検索サイトに入力欄以上のものを求めており、グーグル日本法人は、トップページに,検索・ユーチューブ・ニュースなどへのリンクが表示される(SANARI PATENT注:実際、非常に便利である)。
4. SANARI PATENT所見
内閣知財戦略本部がネット検索と著作権との調整論に今更エネルギーを費やしていては、グローバルな次世代ネットワークの検索活用に遅れる。ニフティ検索がグーグルによりenhanceされて活動しているように、グーグル活用で優越する方策を推進すべきである。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Search Engine、Google、iGoogle、次世代ネットワーク、ケータイ検索

ラベル:

2008年6月2日月曜日

Strategic Tie-Up in Various Fields

Strategic Tie-Up in Various Fields : OKURA-ROYAL, AJINOMOTO-ITO HAM: :戦略的提携の多様・多業種間展開
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog 特許権不安定リスク対応(2008-6-1記事)

 「選択と集中」で、残す選択と捨てる選択を活発に断行する一方、総合力を「包容」をもって維持強化する 企業が混在し、また、企業間の統合・提携・合弁など、連携戦略も多様化して、多様な業種に及んでいる。その事例を考察する。

1.株式会社ホテルオークラと株式会社ロイヤルホテル
  両社は「戦略的提携(合弁子会社の設立)に関して」と題して、次のように発表した(2008-5-30)。(SANARI PATENT要約)
1-1 「宿泊分野のマーケティング・販売促進業務」統合するため、合弁子会社「株式会社オレンジマーケティングジャパン」を設立する。
1-2 両ホテルは東西日本を代表する有力シティホテルであり、「和のテイストの追求」、「新規分野進出の先進性」、「ホテルを事業として発展的に捉える積極性」を共通の企業文化とし、経営環境の変化に対する新しいビジネスモデル構築の必要性についても認識を共有している。こうした認識のもとで両社は、それぞれの強みを活かし、相互に補完し合う戦略的業務提携の機会を模索してきた。
1-3 今般、提携の第一歩として顧客の利便性向上と、業界でのプレゼンス強化のため、上記合弁会社設立を合意した。この新会社は新しいビジネスモデルとして、両社グル-プホテルのマーケティング機能をさらに強化すると共に、そのノウハウをホスピタリティ業界の様々な企業に提供するマーケティング・ソリューション・カンパニーを目指す。
1-4 新会社は、資本金9千5百万円、オークラ55%、ロイヤル45%で、本年7月に業務を開始する。国内では、国内ホテル等の新規加盟誘致、海外独立系ホテルの日本市場でのマーケティングサービス代行、海外では、海外チェーンホテルとの戦略的業務提携(相互送客)、新規加盟ホテルの海外販促を行う。

2.味の素株式会社と伊藤ハム株式会社
  両社は「業務提携に関するお知らせ」を次のように発表した(2008-5-30)。(SANARI PATENT要約)
2-1 味の素は2009年に創業100周年、伊藤ハムは2008年に創業80周年の節目を迎える。共に安全・安心、美味、健康の食文化を提供してきた。
2-2 しかしながら、資源エネルギー・食品原材料の需給構造はグローバルに大きく変化し、国内市場は成熟化が進み、顧客の安全・環境意識は厳格化している。
2-3 これらの課題に対処し、川上の原料から川下の製品に至る一連のバリューチェーンで相互の技術と知見を補完し、機能分担・協働化により、アミノ酸技術や食肉加工技術を融合し、顧客との情報共有を進めて、より高品質・低コストの事業運営を目指すことした。
2-4 業務提携の内容は、「原料調達に遡る製品付加価値の向上」、「発酵副製品の高度利用」、「両社国内外拠点の有効利用」、「互いの原料・素材を利用する商品開発と共同販促」、「調達・物流のコスト低減」である。

3.SANARI PATENT所見
 オークラとロイヤルは今後さらに、国内外ホテルとの提携による拡大グル-プの展開、人材相互派遣・相互研修、共同購入による価格交渉力強化を意図している。グローバルな日本発ホテルネットワークの構築が期待される。内閣知財戦略本部の「広汎な分野にわたる日本コンテンツの発信」のインフラになると考える。
 新緑5月末の同日に発表された「オークラ・ロイヤル」と「味の素・伊藤ハム」の両提携が、さらに期せずして提携し、特に海外においてわが国ホテル文化・食文化のソフトパワーをグローバルに発信・発揮することも必然的である。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
OKURA、ROYAL、AJINOMOTO、ITO HAM、Strategic Tie-Up

ラベル:

2008年6月1日日曜日

New IP Policy for Pro-Innovation:METI Requests Public Opinion

New IP Policy for Pro-Innovation:METI Requests Public Opinion :期限本月末:「イノベーションと知財政策研究会」の政策提言について
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog 著増が特許庁審決を取消の判決文(コカ・コーラ勝訴)(2008-5-31記事)

1. 特許庁が担当
1-1 経済産業省は、「イノベーション促進に向けた新知財政策―グローバル・インフラストラクチヤーとしての知財システムの構築に向けてー『イノベーションと知財政策に関する研究会』の政策提言および報告書」(原案)に対するパブリックコメント募集を発表した(2008-5-50)。(2以降は原案をSANARI PATENT要約)
1-2 随分長い公募題名であるが、特許請求項の長文に馴れていれば問題ない。担当は特許庁で、流石に専門的力作であり、本月末の期限までに多くの意見(今までの特許庁担当公募よりも多くの意見)が寄せられると期待される。
2 政策提言「グローバル・インフラストラクチヤーとしての知財システムの構築に向けて」(Intellectual property System as Global Infrastructure)
2-1 主要な政策提言
2-1-1 一つの発明が、効率的にグローバルな知財となる「仮想的な世界特許庁」の構築の構想を世界的に提言する。(SANARI PATENT考察:Virtual World Patent Officeの「Virtual」を「仮想的」ではなく「ネット世界特許庁」更には単に「世界特許庁」として提言することが望まれる。)また、「仮想的な世界特許庁」の構築に向けて効率的な保護をよりグローバルに実現するための取組を拡大する。
2-1-2 出願人の多様なニーズに応じた審査体制を整備する(メリハリの効いた特許審査迅速化)(SANARI PATENT考察:「メリハリ」の意味を詳述されたいと、国民は考える。)
2-1-3 米国と欧州の制度面の歩み寄りに向けて日本が働きかけることで、国際的な制度調和を推進する。(SANARI PATENT考察:「日本と米国」、「日本と欧州」の歩み寄りはどう行うのか。先発明主義、自然法則要件削除、医療方法発明の特許性、職務発明規定削除、欧州特許庁類似のアジア特許庁など。)
2-1-4 途上国における知的創造サイクルの確立に向けて、知財とビジネスの成功事例の共有を提唱する。(SANARI PATENT注:途上国の立場は模倣品による国内需要の安価充足、外貨獲得、伝統知財保護の当面利益を保護するため、特許制度の属地主義を貫くことが当面の国益・国民福祉に適合すると考える場合も多いから、その調整の説得力が先ず課題である。)
2-1-5 審査基準を恒常的に見直し、特許制度の安定性を高めるための透明で予見性の高い特許審査メカニズムを構築する。(SANARI PATENT考察:「安定性」とは、審査・審判・知財高裁の判断が相違しないことを意味することを希求するのか、明示されたい。)
2-1-6 パテントトロール問題への対応のためのガイドラインを検討する。(SANARI PATENT考察:米国では当面、「非自明性」要件適用の厳格化志向という方策、および、特許出願促進業的な出願代理人の代理資格剥奪で対処している。 )
2-1-7 イノベーション促進のためのインフラ環境を再構築する。
2-1-8 知財プロヂュース型ビジネスの設立を支援する。
2-1-9 標準化された技術に関する知財の利用を円滑化し、標準化戦略を推進する。(SANARI PATENT考察:別のことを一緒に言っている。)
2-1-10 シームレスな検索環境を実現する。
2-1-11 コミュニティパテントレビューの試行を開始する。
2-1-12 研究開発政策と知財政策との連携を図る。(SANARI PATENT考察:この項目が「新しい」政策だあることを解説されたい。)
2-1-13 知財プロヂューサ派遣事業を創設する。

2. SANARI PATENT所見
  今月初旬には内閣知財戦略本部で知財計画2008が決定されると予想するが、内閣知財戦略本部本部員としての経済産業大臣は、上記のうち、どの事項を強調されるのか、注目している。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Pro-Innovation、経済産業省、パブリックコメント、特許庁、医療方法発明、Virtual World Patent Office

ラベル: