2009年9月30日水曜日

Problems Concerning Early Patent Examination

特許出願の早期審査と特許公開の前後関係
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117.(承前2009-09-28記事) 出願人の調査義務については、出願人と特許庁とのコストバランスを考慮して決定するのがよい。進歩性については、産業の発達という趣旨にかんがみ、状況に応じてレベルが修正されてもよい。(SANARI PATENT考察: 各国ともこの「レベル(の差)」という観念はない。進歩性があるか無いかの二者択一であって、その択一判断レベルという意味であれば、レベルの上下を区別する基準を示さなければ、提案ないし発言にならない。)

118. 裁判においても進歩性についての予見可能性が高まることが望ましい。(SANARI PATENT考察: 望む者が、先行技術を徹底的に研究するほかに、予見可能性を高める方法はない。)
119. 進歩性のレベルは、国際的に見て日本だけ厳しいということがあってはならない。(SANARI PATENT考察:「日本だけ優しいということ」もあってはならない。)
120. 中小企業支援施策をしっかり充実させて、出願人による先行技術調査の意義を知らしめておく必要がある。(SANARI PATENT考察: 中小企業者が、せめて自己出願能力を持つことが先決である。)

 次に、第三者の役割(公衆審査)の問題に移る。早期審査の増加に伴って、出願公開前に特許査定される案件は増加しており、今後の審査順番待ち期間の短縮により、公開前に特許査定される案件の更なる増加が予想されている。これらの案件については、権利付与前の公衆審査の機会が失われることに対する問題が指摘されている。また、意義申立制度の廃止により、瑕疵ある特許の有効性を争う簡易な手段が失われたことも問題である。他方、特許付与後の権利の有効性を争う簡易な手段の導入は、濫用による特許権者の負担増加と、ビジネスの予見性低下を招き、特許権者の適切な保護を阻害するとの指摘もある。
 これらの論点について次のように発言されている。
121. 公衆審査を確実にするためには、特許付与後に査定系の特許無効化手段を導入するのがよい。(特許無効化手続には、特許庁と出願人等との対立構造で審理する査定系手続と、特許権者と第三者との対立構造で審理する当事者系手続とが考えられる。なお、平成15年の改正により無効審判に統合された意義申立制度は、査定系手続である。)(以下次回)
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2009年9月29日火曜日

Bottom/Base of Pyramid (BOP) to be Studied by METI 

経済産業省が「BOPビジネス政策研究会」を推進
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経済産業省(担当:貿易経済協力局通商金融・経済協力課)が、「第2回BOP政策研究会」を来月2日に開催すると発表し(2009-0928)、議題は「BOPビジネス普及拡大に向けた課題と対応策の方向性について」と銘打っているが、BOPの用語自体が周知されていない。明日(2009-0930)、経済産業省は国連大学本部(渋谷区神宮前)で「BOPビジネスフォーラム」「発展途上国の可能性を探る~BOPビジネスによるネクスト・ボリュームゾーンへのアプローチ」を開催するが、その趣旨を次のように述べている(SANARI PATENT要約)。
「近年、アジア経済倍増へ向けた成長構想(SANARI PATENT考察: そのような構想があるのか。中国・インド2国だけでも現在人口25億人だが、50億人人口を想定するのか)やTICAD(SANARI PATENT考察: ここでもTokyo International Conference on African Developmentと付記しない不親切さ。「アフリカ開発会議」とのみ付記)の開催など、アジア・アフリカ地域を中心とした社会問題を抱える地域に向けた活動が活発になっている。この状況を踏まえて経済産業省は、BOP(Bottom/Base of the Pyramid)層といわれるアジア・アフリカ諸国を中心とした社会課題を抱える地域を対象とした低所得者向けの支援ビジネス(BOPビジネス)の可能性に着目している。しかしながらわが国においては、現在のところBOPビジネスに関する具体的な取組事例などは、欧米諸国と比較して未だ少ない。(SANARI PATENT考察: しかし、わが国はODA援助や災害援助は頻繁に行っている。アフリカ大陸には50の戦後独立国を含む国家数を数え、国連決議ではおれぞれ1票を有するから、その意味での措置でもあるが、最近はレアメタルを含む資源確保の意味も多い)。」
 
明日のフォーラムでは、住友化学の福林専務が「BOPビジネスの先進事例と今後の可能性」、野村総研の平本コンサルタントが「企業と事業の持続的成長に向けたBOP市場への社会課題解決型ビジネス」について話す。
なお上記標記研究会の第1回会合(2009-08-04)の内容については、Sub Site
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2009年9月28日月曜日

What means “the Quality of Patent” ? Who Bears the Responsibility of Prior Art Research ?

 特許の質を向上するとは、どうすることか
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 特許庁における「特許の質の向上に向けた出願人の役割」についての検討は、次のような視点からなされた。
出願人の役割(事前の先行技術調査)について:
出願人による先行技術調査の取組は、全体としては進んでいるものの、未だに拒絶理由通知後に出願人からの応答がないまま拒絶される案件は、全審査件数の約25%に上っている。また、古い引用文献や自社の文献に基いて拒絶される場合も散見される。出願人による先行技術調査が十分になされない場合には、出願人にとってもコスト等の無駄や、安定した権利の取得が損なわれるなどの問題が生ずる可能性がある。従って出願人は、自らの利益に資する意識をもって、先行技術調査に一層積極的に取組むべきである。

特許庁の研究会での諸発言
114.(承前2009-0927記事) 先行技術調査義務をより強力に出願人に課することが望ましい。(SANARI PATENT考察:「発明」であると主張して出願するのだから、現在の民度と情報水準においては、全面的に出願人に課することが適切である。)
112. 進歩性について現行制度の基準を変える必要はない。問題は審査官による判断のバラツキである。(SANARI PATENT考察: 容易想到性の判断であるから、バラツキ発生の可能性は現在の特許制度に本質的である。審査、審判、裁判の各段階でバラツキが発生することも当然で、「当業者」と目してよい3人の専門家がバラツある判断をする可能性があるところに、却って。真の意味の法的安定性が存在する)。
113. 審査基準について、外部の意見を取り入れて客観的なものにしようとする努力は評価できる。進歩性ノレベルについては、審査官の判断のみならず、裁判官もぶれのない判断ができるようにすることも重要である。(SANARI PATENT考察:「外部の意見」を取り入れるというのでhなくて、「外部のいわゆる学識者が、特許についてはいかに知見が浅薄かということを認識するために聴取すべきである。例えば「ぶれ」の実例を挙げさせるとよい。)
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2009年9月27日日曜日

Control of Patent Examination Onset Relates to Various Needs 

審査着手時期の多段階化
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 今回から「審査着手時期の多段階化」を検討対照とするが、問題の要点を特許庁は次のように述べている。
「出願人が特許審査を受けるに当たり、その審査着手時期には様々なニーズが存在する。早い権利化のニーズがあるものとして、iPS細胞に代表される国際的な競争が激化している研究分野における発明や、ライフサイクルが短い発明、早期に事業化を予定している発明などが挙げられる。一方、国際標準化に関連する分野、医薬品や基礎研究など、製品化・実施化に時間のかかる分野では、遅い権利化のニーズもある。」
「早い権利化のニーズについては、早期審査制度、スーパー早期審査制度により、出願人が望むタイミングでの迅速な審査着手が可能であるが、遅い権利化のニーズに対応する制度は、現在のところ設けられていない。」
「上記の観点から、遅い権利化のニーズに応える制度導入の必要性について、遅い権利化のイノベーションへの悪影響、出願人のニーズと第三者の監視負担のバランス、過去の制度改正の趣旨との整合性を考慮しつつ検討する必要がある。」

108.(承前2009-09-25記事) 実施ができるようになるまでに時間がかかる医薬品等については、費用がかかっても、審査着手を繰延べられる制度があることが望ましい。
109. 技術分野によってニーズに相違があるのではないか。
110. 繰延を導入すると、制度が複雑になる。
111. 出願人に、発明を権利化する意思があるかどうかを、第三者が見極められるようにすることが必要である。審査請求期間を長くするべきではない。
112. 審査着手時期の多段階化については、審査だけに限られない幅広い視点で、細部まで検討してみないと分からない。
113. ワークシェアリングの観点から、タイムリーな審査が重要である。審査着手時期をいたずらに延ばすことには疑問がある。
SANARI PATENT所見
 仮出願制度を望む一般の声のうちには、とにかく発明を他社に奪われたくないという願望と、出願に伴う公開を避けたいという願望などが混在している。
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2009年9月26日土曜日

Japan Patent Office Cooperates with the IP Office of Federal Republic of Brazil 

産業急成長下のブラジルとの知的財産分野協力
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 BRICsの柱石として、資源大国ブラジルの世界経済における地位は急速に向上し、バイオ技術や輸送技術をわが国が提供する余地も多い。経済産業省(担当:特許庁総務部国際課)は、「知的財産分野である。ブラジルとの協力関係を強化~日ブラジル特許庁長官会談において両庁のさらなる協力を合意」と題して下記(SANARI PATENT要約)のように発表(2009-09-25)した。

1. ジュネーブで開催(2009-09-25)された日ブラジル特許庁会談において、両庁は、知的財産分野において両庁の協力開発をさらに深めることに合意した。今後、わが国特許庁との協力開発により、ブラジルにおける知的財産制度に係る環境整備の一層の進展が期待される。
2. その背景として、近年、ブラジルの急速な経済成長に伴って、わが国企業のブラジルへの事業進出が進むと共に、特許出願も増加している。このため、今後、ブラジルにおいてもわが国企業の知的財産が適切に保護されるよう、知的財産制度に係る環境整備が求められている。
3. わが国特許庁とブラジル産業財産庁は、これまでも人材交流を中心に30年余りの協力関係を築いてきたが、今年2月および今月15~16日に開催された日伯貿易投資促進合同委員会・知的財産ワーキンググル-プ等では、わが国特許庁とブラジル産業財産庁は、知的財産の重要性の高まりについて共通の認識を得ると共に、両庁の知的財産分野における更なる協力の可能性について協議を重ねてきた。
4. 2009-09-25にジュネーブで行われた細野日本国特許庁長官とアビラ・ブラジル産業財産権庁長官との会談において、両庁は、以下の内容を含む両庁の協力を進めることを合意した。
4-1 実務者派遣や知的財産研修などの人材育成分野での協力
4-2 知的財産制度に関する等や統計データ等の情報の交換
4-3 知的財産政策や管理体制についての情報の交換
SANARI PATENT所見
 ブラジル連邦共和国の面積はわが国の22.5倍、人口は1億9400万人(国連統計2008)、GDP1兆3335億米ドル(同)、経済成長率5.1%(IMF 2008)である。例えばバイオ資源を開発しても、その搬出にコストを要する現状であるから、輸送開発についての協力も先行しなければならない。
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2009年9月25日金曜日

Harmonization of Patent Application Procedures all over the World 

特許出願の全世界急増に伴う諸問題
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 企業活動における知的財産の重要性の増大や、経済のグローバル化を背景として、技術を権利化する動きが世界規模で活発になり、特許出願件数は世界的に急増している。このような出願件数の急増は、各国の特許庁において審査順番待ち期間や、審査の最終処理までの期間の長期化を惹起している。また、より多くの国々で特許を取得するケースが増え、出願手続が各国様々であることや実体制度が異なることによる時間的経費的負担増が顕著になっている。これらの課題を解決するため、各国特許庁間のワークシェアリングによる審査の効率化、手続の調和、実体面の調和が必要とされている。下記103.の発言は上記に関連している。

103.(承前2009-09-24記事) 特許法条約(PTL)(各国で異なる国内出願手続の統一および簡素化による出願人の負担軽減を目的とし、さらに、手続上のミスによる特許権の失効を回復する等の救済を規定した条約で、2000-06に採択され、2005-04に発効しているが、わが国を含む多くの主要国は未加盟である)加盟に向けた検討については、わが国の手続は他国と比べてかなり厳格であり、PLTには早く加盟することが望ましいが、当面はPLTに対応した出願要件の緩和があれば十分である。

104. 仮出願制度(後に正規出願を行うことを前提としてなす特許出願ができる米国特有の制度で、仮出願は公開されず、実体審査も行われない。仮出願から12月以内に、対応する正規出願がなされない場合、自動的に放棄したものとみなされる)について、PLT準拠の出願制度と仮出願制度とを併存させることは、特許制度を複雑にするので適切でない。
105. 大学の立場では、常に使う制度として仮出願が必要というわけではないが、論文発表の競争が激しい技術分野ではニーズがあると思う。
106. 仮出願は一見よさそうだが、論文をそのまま出願すると、後で困る場合がある。
107. 大学の出願支援は、仮出願の導入によってではなく、大学のスタフや弁理士等による人的支援により対蹠すべきである。(SANARI PATENT考察: 大学卒で、本人出願能力がないこと自体が問題である。)
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2009年9月24日木曜日

Various Problems Concerning Patent Right Invalid Decision by Patent Office 

特許権無効審判の諸態様とその問題点
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98.(承前2009-09-23記事)無効審判の確定審決の第三者効(特許法167)について、これまでこの制度は当然の前提として受け入れてきており、改正の必要はないと思う。
99. 無効不成立審決が確定した審判の証拠に、一つでも違う証拠を加えれば、「同一の証拠」とされずに、再度の無効審判請求は可能と思われ、現実にはこの制度により問題は発生しないと思う。
100. この制度を変えるそれ程大きなニーズはないようだが、考える。残すニーズの有無も分からない。また、この規定が維持されたとしても、無効不成立審決が確定した審決と同一の事実および同一の証拠に基づいて、侵害訴訟において特許法104-3の無効の抗弁を主張できるなら、実害はあまり生じないだろう。しかし、この規定導入時のモデルになったオーストリアにおいては、同規定は違憲としてすでに削除されているにもかかわらず、わが国で同規定を維持することが適切であるのか、国際的にみて良い状況であるのか疑問がある。(SANARI PATENT考察: オーストリアでの規定をモデルとした理由、同国で削除されたのにわが国ではそのままとした理由などを、特許庁事務局が十分説明すべきである。)また、侵害訴訟において無効の抗弁が認められ、実質的に権利行使ができなくなっている特許権について、この規定があるために、無効の抗弁が成立した無効理由に基づいて、特許権の登録を抹消すべく無効審判請求をすることが許されない事態が生じ得る状況を看過してよいのか、検討すべきである。

101. 同一の証拠等に基づいて何度も無効審判が請求されることとなると、特許権者の対応負担は大きい。大企業が対応できても、中小企業や大学にとっては難しい。
102. 特許法167の条文で、無効不成立審決が確定した審判の証拠に、一つだけ別の証拠を加えたというだけで、「同一の証拠に該当しない」と解することは、解釈として奇異である。この解釈を前提として、憲法問題を回避(SANARI PATENT注:上記100参照)していると思うが、再検討すべきである。(以下次回)
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2009年9月23日水曜日

Patent Right for Each Unit of Claim Contains Various Practical Problems

 権利を特許単位で考えるか、請求項単位で考えるか
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94.(承前2009-09-22記事)権利を早く確定させることが適切であり、現行法の解釈からしても、結論としては、部分確定で良いと思う。ただし、国際的な制度調和にも配慮すべきである。
95. 米国では、全ての請求項について判断が確定した段階で公報により最終的に確定した権利状態が公示されるが、公報発行までの間も、特許性が認められ争いがなくなった請求項については、その段階で部分確定して行き、部分確定した権利の内容は、誰でも閲覧可能な経過情報を辿れば確認できるようになっている。本来は、経過情報を閲覧可能とするだけでなく、部分確定するごとに、部分確定した請求項の内容を直接確認できる形の公示が望ましい。

96. 迅速性の観点からは部分確定が適しているが、分かり易さという観点からは、特許全体で確定することが適する。大企業ならどのような制度でも対応できるだろうが、一般的な人にとっては部分確定は複雑で対応が困難かも知れない。部分確定の方が現実的であると思うが、どのようなレベルの人をターゲットにするのかを考えて、制度構築すべきである。(SANARI PATENT考察:「どのようなレベルの人」を考えるかが、制度調和の観点から極めて重要である。米国の特許審査基準には、「当業者」の技術水準についても、業界によりレベルの差があることに留意すべきであるとの定めがある。これは想到可能性の有無の判断にも決定的に影響する。更に国際比較を考えると、制度調和は極めて慎重になされなければならない)。

97. この問題は、権利を特許単位で考えるのか、請求項単位で考えるのかという、特許制度の本質論と関係する。特許単位で考えるとするならば、訂正請求の一部が認められないために全ての訂正請求が不認容となるという権利者にとって酷な事態が生じ得るから、権利者の防護ために予備的な訂正請求を可能とするかどうかという難しい論点が生ずる。請求項単位で考えるのであれば、このような論点に入らなくて済む。また、請求項の訂正に併せて、明細書の訂正の拒否判断、確定・公示の取扱など、関連する論点が多い。
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2009年9月22日火曜日

Suggestions and Proposals for Stabilizing Patent 

特許権安定のための諸提案
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89.(承前2009-09-21記事)現在の日本の法曹教育では、様々な価値基準のもとで多角的な観点からものを考える訓練が行われていることにかんがみると、司法判断を下すのは法曹教育を受けた人が適切である。(SANARI PATENT考察:「司法判断」の定義が先ず問題である。社会的価値の比較考量が司法判断の本質であるとすれば、それに該当する判断に法曹教育が適することに異論ないが、純粋な技術同一性の判断、技術的想到可能性の有無の判断が、そもそも「司法判断」の対象に当たるのか、「司法判断」の定義から始めるすべきである)。

90. 特許発明は相当規模の投資を伴うものであり、いったん成立した特許が無効になりにくく、安定している状況でないと、その後の事業戦略や投資戦略が立たない。従って、ビジネスの観点から、技術的な判断を支援する制度の整備には賛成する。これに加えて、特許の安定性を担保する仕組みの工夫があれば、なお良い。(SANARI PATENT考察:「無効になる可能性」の判断、無効になることを防止する戦略、他社の特許を無効にする戦略を企業は活発に考究・実施すべきである。)
91. 技術の流れや相場観に関しては、特許庁の判断を尊重するという考え方が大事であり、これが権利の安定性につながる。(SANARI PATENT考察: 国際的な判断の調和が、各国特許庁間で成立かつ安定するというを前提とする)。

92. 近時の特許判例は、訂正請求については請求項ごとに許否判断し、部分確定させるという流れになってきている。現在はインターネットによる公示方法もあり、技術的にも難しくないから、凡例の流れに沿って、審決・訂正について部分確定させ、適切に公示するという方向で制度改正を進めることを望む。訂正審判についても同様である。
93. ビジネス安定化の観点からは、権利は随時部分確定させ、早急に活用可能にすることが望ましい。また、現行制度は外から見て権利状態が分かりにくいので、IT技術を活用するなどして、ユーザーにとって分かり易い公示制度となるよう、対策を講ずるべきである。
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2009年9月21日月曜日

Endowments Required to Judges for Patentability Disputes

知財裁判官に求められる資質
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 特許査定・審決・裁判、いずれも「産業の発達と公共の福祉」の調和という法秩序の実現を目的とするから、法的判断が基本であり、技術的判断はそれを誤りないものにするために、完全であることを追求すると、SANARI PATENTは考える。
86.(承前2009-09-14記事)技術的知識を有する方が、技術的事項の理解が早いため、裁判官にも技術的バックグラウンドがある方がよい望ましいとは言えるが、現行の裁判制度は、特許訴訟以外の専門訴訟も含め、裁判官が専門知識を有することを前提としていない。裁判官は、当事者の主張等を理解する能力を有することを期待されるが、具体的な技術的知見(例えば出願当時の技術水準など)については、裁判である以上、むしろ当事者の主張・立証に委ねるべきである。従って、技術的なバックグラウンドの有無によって判断の質が変わることはなく、技術的知識がなくても的確な判断をくだせる裁判官は既に存在している。法曹資格を持たない技術系裁判官を認容する案には反対する。

87. 米国には技術・法律両面の知識を有する人材が多く、それゆえに機能している制度(専門家証人や、裁判所から任命され、裁判官に代わって手続を行うスペシャルマスターと呼ばれる制度等があるが、そのような米国の制度を、状況が異なるわが国にそのまま導入することは困難と思われる。わが国で現在活用可能な人材を使って公平な技術的知識を提示するための、わが国の実情に適したサポート制度を構築すべきである。
88. 米国の場合、わが国に比べて理系出身の法曹は多いが、裁判官を選ぶに際しては、理系のバックグラウンドを有していることが重視されているわけではなく、広い視野・知見を持っていることが重要視されている。対審構造である裁判においては、当事者に、相手方が提出した証拠について、相互に攻撃・防御する機会が確保されていることが重要である。専門委員や調査官が裁判官に対してどのような内容を伝えているのかを知る機会があることも、対審構造の観点から重要である。(以下次回)
SANARI PATENT所見
「当業者が先行技術に基づいて想到可能であったか」、「先行技術文献と特許出願の請求項と、用語が異なるが意味・内容は同一か」などが特許性の認否を決定するが、査定・審判・裁判の各段階で判断が異なる場合も多い。裁判の3審構造と同様に理解すべきである。
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2009年9月20日日曜日

International Target of CO2 Reduction Stressed by METI Minister

 直嶋経済産業大臣の地球温暖化対策関連発言に注目集中
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 鳩山総理による「CO2排出量25%削減」目標は、わが国の産業と国民生活に大きな負担を課し、国際競争上の不利をも招くとの懸念が増大したことから、直嶋経済産業大臣の、「米国、中国、インド等がこの目標による枠組みに参加することが、わが国の義務発生の要件である」という発言が極めて重要とされている。
Q5(承前2009-09-19記事)地球温暖化に関する閣僚委員会を作るのか。
A5 今日の閣議(2009-09-18)では特段なかった。今どうするかという相談ではないと思う。
Q6 総理が国連総会出席の前に、地球環境問題についての打合せを予定しているか。
A6 具体的に日程を決めてはいないが、多少の相談はしたい。基本的な考え方は既に確認して、一同一致している。
Q7 現段階で経済産業大臣として(総理に)確認・要望したいことは何か。
A7 先ほど来の質問事項も、関わってくると思う。
Q8 各紙の世論調査で、温室効果ガス90年比25%減らすという政策について、7割前後賛成だという意見が出ているが、どう受けとめるか。
A8 その数字は大変有難いと思うし、国民の理解が反映していると思う。
Q9 副大臣2人を選んだ思いはどうか。
A9 お二人とも経験豊富である。松下さんとは、あまり直接のお付合いはそんなに長くない。増子さんは、ネクストキャビネットの経済産業担当大臣として、私が政調会長で一緒に仕事してきた。
Q10 副大臣の役割分担はどうか。
A10 これから相談する。
Q11 経済産業省の松下さんだけ民主党以外から選ばれているが、大臣自身が選んだのではなく、党との関係でこういうことになったのか。
A11 官房長官とよく相談して、そのキャリアをぜひ活かしていただくということである。
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2009年9月19日土曜日

METI Minister Comments on the Freezing of Supplementary Budget 

直嶋経済産業大臣の閣議後記者会見応答(2009-09-18)
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 経済産業大臣の閣議(2009-09-18)後・記者会見応答内容(SANARI PATENT要約)は多岐にわたった。
Q1 補正予算の凍結について、各省から10月2日までに報告するよう閣議で決められたが、経済産業省における該当事項は何か。
A1 どういうものが凍結対象になるかを含めて、今から整理するが、閣議における指示としては、独立行政法人を始めとするいわゆる基金について、特に執行について注意してチェックするよう指示された。
 また、一部既に公募したものもあるが、それらについても執行停止できるものは全て、10月2日まで停止する。
 改めて再述すれば、所管大臣は、以下の事業の執行の一時留保、あるいはその旨の要請をする・
(1) 基金事業: これは地方公共団体向けのものを除いたものである。
(2) 施設整備費: 独立行政法人、国立大学法人、官庁に関するもの。
(3) 官庁環境対応車購入、官公庁の地上デジタルテレビ整備などについて、所管大臣は慎重に執行し、その上で、全事業の執行の是非を検討するものとする。
特に所管大臣は、副大臣、大臣政務官に現場の確認を求め、検討結果を10月2日までに国家戦略担当大臣、官房長官等に報告することとされた。
Q2 確認ですが、執行停止されたものには、どんなものがあるか。
A2 個別にはこれから決めるが、エコポイントについては、既に今、動いているので、半月ぐらい執行を止めると支障を来すので、これは止めずにそのまま執行し、執行しながら効果等をよく見極める。
Q3 エコポイントを予定通り続けることを、改めて官邸に確認したということか。
A3 これは私の責任で、色々支障を来すと、また国民の利用者から不信感が出ても宜しくないので、本来の経済効果を発揮するため、継続すべきであると判断し、私の責任で先ほど指示した。
Q4 その点、官邸でも了承しているか。
A4 そこは大臣の判断で良いと思っている。(以下次回)(コメントは sanaripat@gmail.com に御送信下さい)

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2009年9月18日金曜日

The First Press Conference of New METI Minister After Cabinet Meeting Sept.17

 直嶋経済産業大臣の閣議後記者会見(2009-09-17)
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 以下、質疑応答の内容(SANARI PATENT要約)を考察する。
Q1 政権交代し経済産業大臣就任の抱負を承りたい。
A1 国民の期待は、政治の仕組みの変革と共に、格差拡大への対策であり、そのため先ず、マニフェストの着実な実行である。就任に際して鳩山総理からは次の4点の指示があった。
(1) アジア全体を視野に置き、技術や人材など、日本の強みを最大限に生かすと共に、今後の経済を牽引する新たな成長産業を育て、雇用を創出するための戦略を構築すること。
(2) 資金繰り対策を含めて、中小企業を総合的に支援すること。
(3) エネルギーほか資源の安定供給を確保すると共に、再生可能エネルギーの一層の普及を促すこと。
(4) 地球温暖化対策を政府全体で推進すると共に、日本が国際的に主導的役割を果たせるよう、特に環境大臣、外務大臣と密接に連携すること。
以上4点に加えて、景気回復、雇用創出、中小企業支援が重要であり、更に、「無駄の撲滅」を徹底したい。

Q2 温暖化対策について、鳩山総理の1990年比25%削減目標に対して、前政権は達成困難と見ていたし、産業界・労働界の反発もあるようだが、どのようにして達成するか。
A2 鳩山政権が「2020年でマイナス25%」といっているのは、あくまでも米国や中国、あるいはインドなどの主要排出国の参加を前提とする。これらの国が参加しない中でCO2削減を。例えば日本とEUだけで取組んでも、その効果は極めて限定されるし、また地球温暖化対策そのものの対策としては成り立たない。この前提で、国民の理解のもとに、具体的政策を詰めていく。
麻生政権における「真水効果」との対比、海外での排出権取引の効果、森林吸収部分等の取扱の相違もに認識して議論すべきである。
いずれにせよ環境と経済を両立させることが前提である。(SANARI PATENT考察: むしろ、環境対策が経済成長を牽引するという見地に立っているが、実証的な説明が必要である。)(以下 http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog
2009-09-18)
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2009年9月17日木曜日

Administrative Vice Minister of METI Answers on the So-called Last KANRYOU Meeting

 鳩山内閣発足に先立つ「いわゆる最終」事務次官会議
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 今日(2009-09-17)は、事務次官会議の定例日だが、昨日、鳩山内閣の発足に伴って、開催されない。これに伴って、定例の事務次官記者会見も行われない。事務次官記者会見が各省とも週2回、少なくとも週2回の事務次官会議(毎週月・木曜昼)開催日の午後行われて、質疑応答が広汎に展開されたことは、知的財産に直接間接関連する諸行政の透明性を確保するために、極めて有用であったが、それが今後どのように代替されるか、現在のところ不明である。
 昨日の事務次官会議が「いわゆる最後」のそれになるかどうか、先にならなければ分からない。すくなくとも中断することは明らかである。従って、記者団の質問も熱意に満ちている。以下その内容(SANARI PATENT要約)を考察する。
Q1 新政権への期待はどうか。
A1 景気を始め、課題が多いので、果敢な政策がとられることを期待し、かつ「期待」というか、「一緒にやらなければならない」と思う。
Q2 事務次官会議を行わないことになるが、この会議の意義、行政の国民に対する説明責任の今後における果たし方をどう考えるか。
A2 会議開催の有無は、組織の運営の方法の問題で、本来的には色々なやり方があると思う。最終的にはトップが決めるべきことだが、国民のニーズに適合する行政を行い、その成果を挙げるために、どのような方法が適切かが、最も重要である。
 事務次官会議後の定例記者会見について、今後どうなるかは、私自身は直接伺っていないので、お答のしようがない。(SANARI PATENT注: 事務次官の記者会見自体を、鳩山内閣は、昨日の初閣議段階では、否定する考えのようである。)
Q3 これまで月曜日と木曜日の週2回、次官自身が記者会見を行ってきたが、その効果と役割をどう考えるか。
A3 誰が会見するかを含めて、行政の透明性を確保するために最も適切な記者
説明が行われるべきである。(SANARI PATENT考察: 鳩山内閣は、「記者会見」という用語について、官僚がなすべきではなく政治家固有の機能としているようである。)
SANARI PATENT所見
 記者団からは、事務次官会見の続行を実質的に望む意向・希望が熱心に示されたが、形を変えることは時流に即してやむを得ないにしても、適切な形で、存続することは極めて重要と、SANARI PATENTは考える。
 なお上記以外について、Sub Site
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2009年9月16日水曜日

The Republic of Chile Adopts ISDB-T Mode for Digital TV Terretrial 

チリ共和国が地上デジタルテレビ放送に日本方式の採用を決定
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 地上デジタルテレビ放送日本方式(ISDB-T方式)が2006年にブラジルで採用されて以来、日本政府は、南米各国に対して、ISDB-T方式の採用を官民連携して積極的に働きかけてきた。
 その結果、ブラジル、ペルー、アルゼンチンに引続き、今般、チリ共和国がISDB-T方式の採用を決定し公表したので、この旨を経済産業省(担当:商務情報政策局情報通信機器課)が発表(2009-0915)すると共に、「経済産業省は、日本とチリ共和国とのさらなる経済関係の緊密化に向けて、産業協力、人材育成などを支援していく予定である」と述べた。

SANARI PATENT所見
 国際標準化におけるわが国の努力の一環として、高く評価すべきである。高速鉄adcasting道など、重要な国際標準化課題が控えている折から、慶賀すべき発表である。
 ISDB-T、Integrated Services Digital Broadcasting Terrestrialは、日本の地上デジタル放送の規格であるが、その特徴は、13セグメント構造を持ち、セグメント単位で伝送パラメータ(各搬送波の変調方式)を設定でき、その組合わせは最大で3種類(3階層)可能であるから、チャンエル割当可能数が他の方式よりも多いことである。
 またISDB-Tは、マルチパス妨害(地上波放送では衛星放送と異なり、ビルなどの建物からの反射によって遅延波妨害が発生する)への対策として、直交周波数分割多重方式を採用し、周波数の有効利用上、有利である。
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2009年9月15日火曜日

Japan and the People’s Republic of China Agrees to Cooperate in the Training of IP Human Resources

Japan and the People’s Republic of China Agrees to Cooperate in the Training of IP Human Resources 日中で「知的財産人材育成協力覚書締結
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 近年、日中の経済的結びつきが一層強まっていることから、両国において知的財産が適切に保護される環境の整備が求められており、知的財産に関わる人材の育成が重要な課題となっている。このような状況のもとでわが国特許庁は、中国の国家知識産権局との間で知的財産人材育成について議論し、2008-12開催の第15回日中特許庁長官会合で、両国の知的財産人材育成機関間で協力関係を深めることで合意した。

 昨日(2009-09-14)開催された第2回日中人材育成機関間連携会合において、わが国の独立行政法人工業所有権・研修館と中国の知識産業トレーニングセンターは、知的財産に関わる人材育成の取組について意見交換し、以下を主な内容とする覚書を結んだ旨、わが国では経済産業省(担当:特許庁総務部国際課)が発表した(2009-09-14)。
 すなわち、
(1) 両機関における知的財産人材育成研修のカリキュラム等の情報を交換すること
(2) 知的財産人材育成研修を、両機関が連携して実施すること
(3) 知的財産教育用の教材の共同開発に向けた検討を行うこと

上記覚書の締結によって、両機関の協力を通じて、より効率的・効果的な知的財産人材育成が行われ、ひいては、両国における知的財産権保護のための環境整備が進展すると、経済産業省は期待している。

SANARI PATENT所見
 上記覚書には、「双方が協議した上で、適当と認める場合には、第三国に対する知的財産教育を実施する」という定めも設けている。世界の第二位・第三位のGDP大国である両国が、漢字国同士の隣国として、歴史的文化的に永く深い連携の利益を、アジア始め世界に及ぼすことが期待される。
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2009年9月14日月曜日

Legal and Technical Background Required for Judges of IP Courts 

知財訴訟の裁判官に必要な資質
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81.(承前2009-0913記事)技術的争点に関する的確な判断を支える制度の整備について、どのようなサポート制度を導入するかという議論の前に、技術的知識と法律的知識の両方を備えている人材がいれば問題は解決するのではないか。(SANARI PATENT考察:「両方を備えている」ではなく、「両方を理解できる」であろう。理解能力の前提としての知識の具備が求められる。複合領域については知識複合能力ある複数人材の協働が必要である。)しかし、わが国では理系・文系間の壁が高く、またロースクールの現状にかんがみても、そのような人材は育つ見通しが立っていない。(SANARI PATENT考察: 現実に知財高裁の活動は活発であり、米国始め海外での侵害訴訟にも対応している。必要に応じて理解できれば足ると考える。理系人も他の理系分野は必要に応じて理解するにとどまる。)

82. 専門委員には法律の知識は必ずしも必要でないと言われているが、委員経験者からは、法律や訴訟手続に関する知識が必須との声が多い。法律の知識が必要となる点については調査官制度と重複するので、その点での役割分担も含めて両制度の在り方について検討すべきである。専門委員は、現状では大学教員などが多いが、手当や勤務体系などを整備して、参加のインセンティブが生じやすい制度とすべきである。
83. 民事訴訟においては、当事者から提出された情報を基に判断することが原則であり、それ以外の情報をもとに判断することは許されない。専門委員や調査官はあくまで、裁判官をサポートするためのもので、その説明内容や調査結果は証拠にならない。(SANARI PATENT考察: 無審査主義の制度にするなら成り立つ見解である。)

84. 裁判官に技術専門性がどの程度必要なのか、よく分からない。技術的なバックグラウンドを有する裁判官を採用したとしても、法律系のバックグラウンドのみを有する裁判官とあまり差は生じないのではないか。技術専門性の有無にこだわり過ぎない方がよい。
85. 訴訟当事者がそれぞれ自身に有利な証拠を提出してくる中で、裁判官には、証拠の価値を見極め、取捨選択する能力が必要とされる。またその過程で、裁判官は調査官等を利用するが、利用する態様や程度は事案ごとに異なる。
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2009年9月13日日曜日

Problems Relating to Legal Stability of Patent Rights

 無効審判と無効訴訟の両立存在意義
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77.(承前2009-09-10記事)バランスが重要である。極端な事例に捉われて、無効にすべき特許を無効にする機会が奪われることのないようにするべきである。(SANARI PATENT考察: 当然の発言だが、極めて重要な発言である。先行技術との同一性判断、想到容易性の判断が無効審判や無効判決の決定理由になる場合が多いが、先行技術との同一性判断においては、語義の解釈が論点になる場合が多い。想到の容易・不容易は、当業者の一定の技術水準を前提とするが、現実には、審判官、裁判官またはその補佐者の技術水準によって代替される。これらの知見や水準は多様であるから、結局、複数の判断を経ることで満足することが安定である。)

78. 審決取消訴訟における審理範囲の限定(審決取消訴訟では、専ら、その審判手続で現実に争われ、かつ、審理判断された無効理由・拒絶理由のみが審理対象とされるべきであると解されている。最高裁昭和51-3-10判決・昭和2ツ28メリヤス編機事件参照)は、行政訴訟としては理解できるが、常識的には審理範囲を拡大して、できるだけ一回の紛争で解決できるように当事者に」きちんと主張してもらうようにする方が良いと思う。なお、無効審判請求の制限という方向性に対しては、ダミー(他人の名前で審判請求すること)のおそれがるといわれることもあるが、世の中の普通の感覚からすれば、ダミーを心配するあまり制度改正に反対することにはならないと思う。

79. 米国的発想からも、一つの手続で出せるものは出してもらって決着をつけるという方法が良いと思う。度重なる無効審判の請求において、実際に証拠として出されていた先行技術にそれほど大きな違いはあったのだろうか。米国の再審査制度のように、特許性について実質的で新たな問題を生ずるような証拠ではない場合には、審判請求できないとするのはどうか(SANARI PATENT考察:「新たな問題を生じないかどうか」が問題なのである)。
80. 世の中が何を求めているの化を把握するためにも、裁判所が公衆の意見を聴取することを可能とする手続の導入が望ましい。
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2009年9月12日土曜日

Mitsubishi Regional Jet Problem Commented by METI Vice Minister

 MRJについて望月経済産業事務次官が対記者応答
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 三菱重工業の子会社・三菱航空機は、同社が開発中の小型ジェット機MRJの仕様を変更するため、2013年に予定していた納期(全日空に)が2014年1~3月にずれ込むと正式に発表した(2009-09-09)。江川豪雄・三菱航空機社長は、「国内外の営業活動の結果、顧客の要望などを反映して、客室スペースの拡大や素材の一部変更を行うため」としているが、MRJは、経済産業省の推進事業であり、同省記者会見(2009-09-10)で、望月経済産業事務次官は次のように応答(SANARI PATENT要約)した。

Q1 開発の延期について、所見はどうか。
A1 多少の設計変更をしなければならないというのが、発表の基本だと思うが、基本的には、需要側のニーズに合うように間に合わせる話だと理解している。
Q2 今、「多少の設計変更:と言ったが、主翼の素材を変更することは、多少どころか、全く違う飛行機を作るという印象である。今さら機関部分の素材を変えて、なおかつ元々キャパシー的にどだったのだろうという、要は、もっと大きくしないと売れないという趣旨で、そういうことをするのだと思うが、そもそものコンセプト自体どうだったのか。
A2 今回のMRJのコンセプトというのは、最先端技術をできるだけ使いながら、特に燃費性能を省エネ型にするとか、そういう主要要素がセールスポイントになったと思う。そこのところについては、変えてしまうと当然、顧客を得られないので、今次設計変更に際しても、十分に当初の性能を維持できるということを最大限の目的として製造している。スケジュールが遅れると需要側のニーズに合わなくなるので、支障がないようぎりぎりのスケジュールで完工する予定に」なったと思う。
 主翼の素材については確かに、今回複合素材から今回、メタルに変更することになったようだが、結果として、他の色々な設計上の」工夫を加えることにより、元々追求していた燃費性能などの基本機能はあまり変えないと発表したと思う。従って、ユーザーとの関係でも問題は起こらないと思う。
Q3 確定受注がまだ、全日空の25機だけだが。
A3 民間側に、是非督促してください。
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2009年9月11日金曜日

METI, Science Ministry and NEDO Releases 2009 Special Research Themes

 経済産業省・文部科学省・NEDO「橋渡し研究推進合同事業」の採択課題決定
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 経済産業省(担当:製造産業局生物化学産業課)は、「文部科学省・経済産業省・NEDO「橋渡し研究推進合同事業」の採択課題の決定について」と題して、次のように発表した(2009-09-10)(SANARI PATENT要約)。

1. 経済産業省、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構および文部省は、先端的な医療技術を実用化・産業化し、国民への迅速な提供に繋げるために、密接な協力のもと、「橋渡し研究推進合同事業」で19件の課題を選択した。
2. {橋渡し研究}とは、大学や研究機関等で出した基礎研究の成果を、迅速に実用化・産業化へ繋げるための研究をいう。
3. 事業の概要は、基礎研究の成果を実用化に繋げるため、経済産業省とNEDOでは、「基礎研究から臨床研究への橋渡し促進技術開発」を、文部科学省では「橋渡し研究支援プログラム」を2007年度から実施していたが、2009年度は合同で募集・採択を行った。
4. 採択課題は次の諸件である。
4-1 胎児心電図実用化促進のための橋渡し研究
4-2 低侵襲手術支援システムの実用化開発と臨床研究
4-3 YO型T細胞を標的とした癌免疫療法の開発
4-4 虚血肢治療用低侵襲ナノ粒子製剤の実用化
4-5 アカデミアのTR拠点が創出する膵島移植確立のための戦略的アプローチ4-6 脳梗塞患者に対する自家培養骨髄間葉系幹細胞の静脈内投与による細胞療法の検討
4-7 患者心臓幹細胞と人工心臓の心不全臨床試験
4-8 卵巣癌を対象とした分子標的治療薬BK-UMの臨床開発
4-9 遺伝子組換えウイルスを用いた癌治療開発
4-10 多性能幹細胞フィーダーフリー培養基材の開発
4-11 人工アジュバントベクター細胞の開発
4-12 成熟血管新生治療のための徐放化DDS開発
4-13 「難治性疾患を標的とした細胞間シグナル伝達制御による創薬」特区:アルツハイマー病の根本治療を目指した新規治療法の研究開発
4-14 「複合癌ワクチンの戦略的開発研究特区」:癌特異的抗原受容体改変T細胞の輸注と癌ワクチンによる複合的癌免疫療法の研究開発
4-15 「次世代感染症ワクチン・イノベーションプログラム特区」:自然免疫を刺激する次世代トラベラーズマラリアワクチンの開発
4-16 「メディカルホトニクスを基盤とするシーズの実用化開発特区」:精神性疾患等の治療に貢献する次世代PETシステムの研究開発
(コメントは sanaripat@gmail.com に御送信下さい)METI, Science Ministry and NEDO Releases 2009 Special Research Themes 経済産業省・文部科学省・NEDO「橋渡し研究推進合同事業」の採択課題決定
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 経済産業省(担当:製造産業局生物化学産業課)は、「文部科学省・経済産業省・NEDO「橋渡し研究推進合同事業」の採択課題の決定について」と題して、次のように発表した(2009-09-10)(SANARI PATENT要約)。

1. 経済産業省、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構および文部省は、先端的な医療技術を実用化・産業化し、国民への迅速な提供に繋げるために、密接な協力のもと、「橋渡し研究推進合同事業」で19件の課題を選択した。
2. {橋渡し研究}とは、大学や研究機関等で出した基礎研究の成果を、迅速に実用化・産業化へ繋げるための研究をいう。
3. 事業の概要は、基礎研究の成果を実用化に繋げるため、経済産業省とNEDOでは、「基礎研究から臨床研究への橋渡し促進技術開発」を、文部科学省では「橋渡し研究支援プログラム」を2007年度から実施していたが、2009年度は合同で募集・採択を行った。
4. 採択課題は次の諸件である。
4-1 胎児心電図実用化促進のための橋渡し研究
4-2 低侵襲手術支援システムの実用化開発と臨床研究
4-3 YO型T細胞を標的とした癌免疫療法の開発
4-4 虚血肢治療用低侵襲ナノ粒子製剤の実用化
4-5 アカデミアのTR拠点が創出する膵島移植確立のための戦略的アプローチ4-6 脳梗塞患者に対する自家培養骨髄間葉系幹細胞の静脈内投与による細胞療法の検討
4-7 患者心臓幹細胞と人工心臓の心不全臨床試験
4-8 卵巣癌を対象とした分子標的治療薬BK-UMの臨床開発
4-9 遺伝子組換えウイルスを用いた癌治療開発
4-10 多性能幹細胞フィーダーフリー培養基材の開発
4-11 人工アジュバントベクター細胞の開発
4-12 成熟血管新生治療のための徐放化DDS開発
4-13 「難治性疾患を標的とした細胞間シグナル伝達制御による創薬」特区:アルツハイマー病の根本治療を目指した新規治療法の研究開発
4-14 「複合癌ワクチンの戦略的開発研究特区」:癌特異的抗原受容体改変T細胞の輸注と癌ワクチンによる複合的癌免疫療法の研究開発
4-15 「次世代感染症ワクチン・イノベーションプログラム特区」:自然免疫を刺激する次世代トラベラーズマラリアワクチンの開発
4-16 「メディカルホトニクスを基盤とするシーズの実用化開発特区」:精神性疾患等の治療に貢献する次世代PETシステムの研究開発
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2009年9月10日木曜日

Invalidation of Patent by Patent Office and/or the Courts 

特許無効審判と特許無効判決の競合と前後関係
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73.(承前2009-09-07記事)無効審判で無効とされる確率が低い場合には、当事者は審判を請求しない。無効審判請求が成功する可能性がかなり高く、かつ、再審で敗訴判決を覆せるならば、何度も無効審判を請求するというのは合理的な行動である。無効になる確率は、判断基準のばらつきと、新たな証拠の出現に依存する。後者が大きく影響しているなら、それを制限するという案もある。特許の質に大きく影響する可能性も懸念されるが、一回の紛争処理手続の中で無効理由が出せなければ、無効理由に関する証拠の後出しは認めないという整理もあり得る。
74. 侵害訴訟判決確定後に、被告であった者が無効審判を請求することは日常的にあり得る。確定判決が後に覆る可能性があるということは、侵害訴訟が安心感の無い紛争解決手段であることを意味し、紛争解決モデルとして問題があることを意味するため、再審は制限されるべきである。
75. 日本の特許権は、侵害訴訟で勝っても、後に特許権が無効化され、権利行使の結果が覆えされる潜在的なリスクが高いというイメージから、日本での出願を見送るという国際的な動きもあると聞いている。無効審判を廃止すべきであるとまではいわないが、侵害訴訟で徹底的に争ったら、それで紛争解決は終結し、再審にはならないとす方が良い。

76. 無効審決の効果は遡及すると定める特許法125条11を改正し、将来効のみとする案はどうか。その場合であっても、過去に命じられた差止めが、将来にわたって継続するという問題が残るが、それを無効にするための法律上の手当を行えばよい。権利が無効になっても、過去に支払ったライセンス契約のロイヤルティの返還義務はないとするのが有力説であり(SANARI PATENT注:「無権利であるのに実施料を受領したのだから、不当利得として変換義務があるという説など)、すでに特許が無効になったときの効果を将来のみに及ばせる考え方は存在する。

SANARI PATENT所見
 特許性具備の有無の判断が、査定、審判、訴訟の各段階で結果を異にする場合があることは、特許制度の本質ね根ざしている。例えば、「当業者にとって容易に想到できる」かどうかは、どれだけの前提条件の具備が「想到」を可能にするかの判断に依存し、審査官たる当業者、審判官たる当業者、裁判官たる当業者の各心理機能が合理的に作用しても、「想到できるか、できないか」の判断は、心理判断の説得力に帰着する。
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2009年9月9日水曜日

Global Warming Problem Commented by METI Vice Minister 

地球温暖化対策について経済産業事務次官の対記者応答(2009-09-07)(SANARI PATENT要約)
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Q1 温暖化についての今次鳩山氏発言は、ニューヨークでその旨を発表するというと、排出権をどうするかとか、森林吸収分をどうするかとか、詳細な詰めを早急にしなければならないと思うが、環境問題も含めて、事務引継作業の現況はどうか。
A1 引継のための必要な準備の要請が来たら、全面的に協力するので、今、待っているところである。
Q2 二酸化炭素排出削減の中期目標について、25%減によって産業界に与える影響、また景気回復、経済成長に与える影響をどう見るか。
A2 二酸化炭素の削減は、産業界だけでなく、国民全体に影響が及ぶ。従って、選択肢にうち、有識者会合でももっとも厳しい選択に相当する選択については、そのための対応が最低限必要であると国際報告書にも示されている。国民経済に非常に大きな影響を及ぼす政策であるから、国民全員がこれに耐えていくのだという覚悟が必要なものである。
Q3 この時期に、25%という数字を表明することによって、今後、国際交渉で日本が有利、不利となる部分は、具体的にどうか。
A3 わが国のみが目標を掲げても意味がない、あるいは中国・インド・米国などの全ての国が参加する、公平かつ実効ある枠組みが、日本のこの約束の前提条件だと(鳩山氏が)いったことは、そういう考えのもとで国際交渉に臨むということを言ったものとして、当然のことと思っている。
Q4 鳩山氏は、意欲的な途上国を支援する意向を表明したが、経済産業省としてはどういう支援をするか。
A4 途上国への技術移転、資金援助が重要であるが、途上国自身にもなにがしかの責任を果してもらうことを前提とする。特に資金援助は、最貧国を中心として支援する。
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2009年9月8日火曜日

Showa-Shell-Solar Accepts Hitachi-Plasma-Display’s Employee in Miyazaki

 昭和シェルソーラーのCIS太陽電池第三工場投資決定について特注目事項
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 鳩山新総理大臣が「二酸化炭素25%削減」を宣言(2009-09-07)して、大反響を呼んでいる折から、昭和シェルソーラーがCIS太陽電池 第三工場の投資決定を発表した(2009-09-07)。CIS太陽電池は、同社が説明しているように、銅、インジウム、セレンを主成分とし、シリコンを使用しない次世代型太陽電池である。今後シェアが大きく伸びると予測されている薄膜型太陽電池の中でも、最も将来性のある技術といわれており、現在薄膜系で最高レベルにある変換効率も、今後更に改善することが見込まれている。従来型の結晶系と比較して、原材料の使用量が少なく、生産プロセス数も約半分であり、低コストの製造が可能となる。

 今回昭和シェルソーラーが立地を決定した講座用の年産規模は900MW、投資金額は1000億円を予定し、現在稼働している第1および第2工場と合わせると、およそ1GW(1000MW)の年産能力を確立することになる。

Yomiuri Online(2009-09-07-19:42)によれば、「昭和シェルソーラーは、プラズマテレビ用パネルを生産する日立製作所の子会社から、工場の土地、建物を買収し、活用すると共に、工場従業員」の雇用も引き継ぐ。総投資額は1000億円で、世界最大規模となる年産900MWの太陽光発電パネル工場になる見込みだが、日立製作所宮崎工場のプラズマテレビ用パネル生産のノウハウは、太陽光発電パネルの生産にも活かせるといい、wwwは、日立の人材と余剰設備を活用して初期稼働に臨む」こととなる。現下産業情勢の見地から、極めて適切な計画と考えられる。
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2009年9月7日月曜日

Harmonization of Legal Stability and True Patentability

知財高裁判決と特許無効審決の相克事例
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68.(承前2009-09-04記事)特許法第4条の3が導入され、侵害訴訟で特許の有効性が判断できる現在の制度を前提にしても、事後の審決確定が再審事由に該当すると考えるべきか、または特許の有効性が判断された侵害訴訟の確定判決は、事後の審決確定によっても覆らないとすべきかという問題である。制度利用者は、どちらを望むのか。(SANARI PATENT考察: 制度利用者の「望む方」に、決定をゆだねること自体が適切でない。特許法の目的が産業の発達であることから、いずれが合目的的的かにより決定すべきである。)
69. 企業経営の安定性の観点からも、事後の審査確定によって確定済の侵害訴訟が蒸し返されることは許容できない。遡及効を制限することにはあまり抵抗しないが、むしろ法理論的に正当化できるかどうかが問題である。

70. 生海苔の異物除去処理装置最新事件(知財高裁平成20年7月14日判決、平成18年(ム)10002号事件)同10003号事件で、特許権侵害に基づく差止請求を認容した判決の確定後、特許無効審判が確定したことにより、再審請求を認め、確定判決を取消して、特許権者の請求を棄却した)のような極端な事例を受けて、制度を根本から変えることには違和感がある。
71.  侵害訴訟とその後の無効審判での異なる原因としては、(1)公知技術に関する新たな証拠の発見と、(2)侵害訴訟ルートと審判ルートとの純粋な判断齟齬による場合が考えられる。最終的には、(1)については後出しであるとして、また(2)については侵害訴訟で無効の抗弁を主張する機会が与えられていたとして、蒸し返しを制限するかどうかという価値判断の問題、公益tな側面と手続的な側面のいずれを強調するかという価値判断ともいえる。
72. 現行制度下では、訴訟で特許無効の抗弁および訂正の再抗弁(侵害訴訟において、被告(被疑侵害者)からなされた特許無効の抗弁に対して原告(特許権者)が「訂正により被告が主張する無効理由が解消され、その訂正がなされた後であっても、被告の製品がその訂正後の特許権の侵害になる旨を主張し返すこと」が主張できるから、損害訴訟判決確定後に再度争う余地を認める必要はない。(コメントは sanaripat@gmail.com に御送信下さい)(以下次回)

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2009年9月6日日曜日

Budget Business Accompanying the Government Change

 丹呉 財務事務次官の記者会見応答
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 当初予算と補正予算について、情報の開示、事業の決定、発注の連絡など、民主党への協力要請に関する標記応答(2009-09-03)を要約する。
Q1 財務省としては、どのように対応するか。
A1 民主党の岡田幹事長、直嶋政調会長から官房長官に対して、政権の円滑な移行について要請された(2009-09-02)。同日の事務次官会議で、これに対応するよう指示があり、財務省として当然、必要な協力を行う。
Q2 求められた情報開示や連絡のスェジュール感は、どの位で回答するとか、そういうのは今お持ちですか。
A2 昨日(2009-09-02)、事務方が準備の打ち合わせをしたので、それに基づいて対応する。
Q3 民主党は、予算管理の窓口を直嶋政調会長と決めたが(2009-09-03)、2010年度の予算編成について、現時点で民主党と何らかの協議予定はあるか。
A3 上述A3の協議にも予算の話が出ており、適切に協力する。
Q4 2009年度補正について、民主党が4.3兆円の基金の一部を凍結して来年度の予算に回す方が良いという話をしているが、現時点で財務省が把握している執行状況はあるか。
A4 今、主計局で、1次補正の執行状況を、各省からヒアリングしている。
Q5 交付決定された予算を取り戻すことはできるのか。
A5 交付決定、更に交付後、執行停止、場合によっては返還するためには、どのような問題があるか、執行状況と併せて現在、主計局で検討している。
Q6 全くできないわけではない、ということか。
A6 具体的に個々のケースによって、色々あると思う。
Q7 ヒアリングの結果は、いつ頃までにまとまるか。
A7 執行は日々行われているので、何日時点の状況という形で行わなければならない。民主党から具体的に要請がある場合に、その直前の時点で整理した場合にはこうであるということになろう。
Q8 基金について一般論として、実際に交付されたものを取り戻した例は今までにあるか。その際、どんな手続をしたか。
A8 これまでの例で幾つかの基金から返還を受けた例があるが、基金としてその額が必要ない(事業進捗の停滞など)というものについてである。
(コメントは sanaripat@gmail.com に御送信下さい)

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2009年9月5日土曜日

Suspension Problem of the Revised Budget Questioned by METI Press

 望月経済産業事務次官が補正予算執行停止案等について対記者応答(2009-09-04最終更新)
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 経済緊急対策としての補正予算において、経済産業省所管枠は大きな比重を占め、政権移行に伴う帰趨が注目される。9月3日事務次官会議(SANARI PATENT注:あと何回行われるか不明だが)後の経済産業省記者会見における望月事務次官の応答(SANARI PATENT要約)を考察する。
Q1 政権移行に絡んで、民主党側が、現在走っている補正予算の執行停止を求めていく考え方を内々表明しているが、経済産業省関連で中小企業対策や、既に執行が始まっているもの、止めることが可能なものなど、色々あると思うが、仮に執行停止という正式な支持が行われた場合の影響はどうか。
A1 具体的な各予算項目によって、影響は相当違うのではないか。今の景気対策に関するものが多いので、成立後、直ちにかなり執行したものが多いので、具体的に何を指示されるか分からず、何とも応答しようがない。かつ、今回、まだ直接聞いていないが、報道等によって民主党の考え方のようなものを見ても、とりあえず私どもで具体的に指摘されているものはないので、何を念頭に置いてそれを考えているのか、よく分からない。
Q2 新政権になって、まだ今のところ経済産業省行政全般が落ち着いているような印象を受けるが、その辺いかがですか。まだ嵐の前の静けさの段階ですけれども。
A2 落ち着いていると具合悪いですか。やはり色々な意味で今、行政というのは継続的に間断なく課題は常にあるから、それらに適切に対応することが行政庁の役割であり、やるべきことを的確にやるべきである。あまり慌てるべき話にはなっていない。
Q3 民主党から政府に、政権移行についての協力要請があったが(2009-09-02)、経済産業省にこの要請は来ているか。また、民主党が掲げる温室効果ガス90年対比25%減について、経済産業省に対して意見を求められたり、情報提供を求められた場合の対応はどうか。
A3 昨日(2009-09-02)、岡田幹事長と直嶋政調会長から、河村官房長官に対して、政権移行に」関連して協力要請の申入れがあり、今日(2009-09-03)の次官会議で協力方の指示があった。ただ、内容的には、当面緊急に対応が必要なxを中心にしての話であること、民主党から具体的に各省に直接要請があるので、それに協力する仕組みになっている。
 (温暖化対策については、2009-09-05の
http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog 記事ご参照)
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2009年9月4日金曜日

Criterion for Patentability Judgment Sometimes Differs Between PO and Courts 

特許の無効審判と無効訴訟の並存の意義
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65.(承前2009-09-01記事)無効審判への一本化は、キルビー判決以前の状態に戻ることを意味し、弊害が大きい。一方、侵害訴訟への一本化は、裁判所による技術的争点の判断に不安がある。結局は、裁判所と特許庁の役割分担の問題に帰着するが、技術専門官庁である特許庁の判断が何らかの形で介入することは必須である。制度利用者が希望する以上、特許庁による判断を得る機会は残しておくべきである。(SANARI PATENT考察:「特許庁による判断」は特許査定において示されているから、「特許庁による判断の再考」を求める機会である。査定において判断要素から漏れた従来技術の存在、想到可能性判断の相違など、査定段階における欠落を立証して特許庁の再判断を求め得る制度は、否定できないと考える。)その場合、特許庁の判断を裁判所がどの程度尊重するのかという基準の明確化が必要である。進歩性の判断においていわゆる「あと知恵判断」を防止する枠組みの洗練、精度向上が、信頼性の高い訴訟制度への重要な課題である。(SANARI PATENT考察:「あと知恵」であるか否かは、発明当時の技術水準によって判断するのであるから、発明当時の当業者の知恵がこのようであったということを、どのように裁判官が説得できるかの問題である。) 

66. 無効審判制度に存在意義はあるが、侵害訴訟で有効性判断をしている場合も敢えて全件について無効審判をすることに意味があるのか。(SANARI PATENT考察: 特許査定、特許審判、特許訴訟の3段階で、特許性についての判断の相違、現実には審査官、審判官、裁判官の判断の相違の有無を確認する意義を有するのであるから、透明性を確保するため、並行の意味がある。)侵害訴訟で特許庁の知見を活かすためにも、求意見制度などによれば足り、わざわざ無効審判を並走させる必要はない。
67. 最終的に決め手となるのは、再審の在り方をどうするかである。事後の審査確定が侵害訴訟の最新事由に当たることを認めるかどうかによって、今回議論している他の問題も全て影響を受ける。特許無効の審決の遡及効の考え方を徹底するのか、既存の紛争解決の結果を尊重するのかという現実的な問題であるのみならず、理論的には、特許の効力をどのように考えるべきかの問題である。(以下次回)
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2009年9月3日木曜日

Finance Minister Answers Press on G20(Sept.4~5) 

与謝野財務大臣が財務省記者会見(2009-09-01)でG20等について応答(SANARI PATENT要約)
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Q1 今次G20(2009-09-04~05)には、竹下副大臣が出席(与謝野大臣の出席については医師の全面的な賛同は得られなかったため)するとのことであるが、国際的な金融規制とか、国際的な景気回復に向けての協力の体制とか、どのような論点があるのか。
A1 バーゼルのファイナンシャル・スタビリティ・ボード関係の話が多いが、今回の会議で結論が出るという話ではなくて、年末に向けて結論を出していく。議論の一つは、昨年来の世界的金融危機に直面してから、金融対策、規制とかコントロール、そういうものを強化すべきであるという意見が世界的に大勢になり、これについて我々としては、日本の場合は規制を相当強化しているし、お付き合いできる範囲の話であるから、各国が合意するということを前提として日本も当然、参加する。
 もう一つは、金融機関の自己資本規制であるが、金融機関の健全性を維持するため、自己資本の内容、自己資本の比率、この両方を充実していこうという議論が出てきた。多くの国が、それはそうかも知れないが、今の時期にはいかがなものか、先ず世界的な金融が正常化した後にそういうことを議論すべきではないかと、多くの国がそういう意見である。すなわち、考えなければならないことが二つあって、ひとつには、そのような規制が信用収縮に繋がらないかということが1点、それから、そういうものを国際会議で決めて、日本の金融界の実情とマッチするような合意が得られるか、この両面を考えなければならないから、これは12月までに結論を出すので、金融庁長官も近くバーゼルに行くので、事務的な話し合いも積み重ねつつ、世界的な共通ルールを作ることとなる。
Q2 政府税調に加えて民主党は、租税特別措置法の改革も検討しているが、経済に対する影響はどうか。
A2 租税特別措置法の歴史は、不要なものをどんどん削ってきた歴史である。(SANARI PATENT考察:「必要とするものを、どんどん付加した歴史」でもある)。今残っている租税特別措置というのは、税制によって政策誘導しよう、あるいは立場の弱い方に配慮しようとか、色々な政策目的を明確に有している。従って、租税特別措置を全廃するという話ではなくて、ある特別措置が社会的に必要であるかどうかという判断をしなければならない。
SANARI PATENT所見
 自民党の今次選挙敗因としては、「2年前の参議院選挙の時から、社会の様子は変わっていたのに、自民党は機敏に対応できていなかったこと」など、長期的敗因と短期的敗因とを与謝野大臣は応答し、大敗を「悲しい限り」と嘆いている。    
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2009年9月2日水曜日

Mr. Mochizuki, Vice Minister of METI, Answers to Press on the Immediate Problems 

政権交代に伴う当面の諸問題について経済産業事務次官応答
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 政治行政の意思決定プロセスの変化、22年度予算編成など、直面する諸問題について、望月経済産業事務次官の対記者応答(2009-08-31、最終更新2009-09-01)(SANARI PATENT要約)を考察する。

Q1 衆院選挙結果についての所見はどうか。
A1 有権者の意思の、かなり明確な表示であり、私どもとしては、経済政策の一部を担当する立場から、私どもの政策にとって、一体どういう評価が行われて、どういう意味を持つか、これからよく考えたい。(SANARI PATENT考察:「私どもの政策」という用語自体が問題になるかも知れない。政治と行政の各機能を分画する適切な用語が求められる。)
Q2 新政権によって意思決定のプロセスが大きく変わってくるかと思うが、経済産業省はどのように取組むか。予算について、かなり見直しされる可能性があるが、まとめて早々の概算要求はどうなるか。
A2 現在提出している来年度予算要求については、閣議決定されたシーリングのもとに、そのルールに則って提出しているものである。法令によって8月31日までに提出しなければならないことになっているので、シーリングに沿って粛々と、私どもの来年度必要だろうと思われる政策を織り込んで提出しているのであるから、そのシーリングを作ったときの、政府全体としての考え方の基本というものについて変らなければ、そのままであるし、そこが変わればそれなりに何らかの見直しが行われるのではないかと思っているが、そこはまだ私どもは聞いていないので分からない。
 意思決定の仕方が変わるかについては、どんな組織でも、意思決定の仕方には色々なやり方があると思う。今の仕組みは、長年かかって積み上げられた、ある種のルールであろうと思う。ルールメイクされる為政者の方が、今度はこういう方法で石決定するのが国民のニーズであり、自分たちのやり方であるということであれば、そこを前提に物事を考えていくということだと思う。私どもとしては、特段こうあらねばならないというやり方というのは、今のところない。(SANARI PATENT考察: 憲法上、政治の機能と行政の機能とは分画されるべきものと考えるので、「私ども」の中身が問題である。)(コメントは sanaripat@gmail.com に御送信下さい) 

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2009年9月1日火曜日

How to Utilize Double Truck for Patent Invalidity Claim 

無効審判請求と特許無効訴訟のダブルトラックの効用と非効用
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Sub Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat  バス事業界の変容

59.(承前2009-08-31記事)ダブルトラックの問題については、米国での議論が参考になる。米国では侵害訴訟において、権利範囲の有効性が問題になる場合、特許庁に再審査(米国において、特許権成立後、他の特許又は刊行物である先行技術を証拠として、米国特許庁に、再度、特許の審査を請求する制度)を請求すれば、訴訟手続の中止が認められる。再審査で提出された主張や証拠には拘束力があり、侵害訴訟で再び争うことはできず、訴訟と同じ証拠・理由に基づく再審査を請求することもできない。従って、ダブルトラックだが判断齟齬が生じない。また、米国では、裁判所には技術専門性の問題があるため。特許法改正案審議において愛新サービス制度の改善について議論中である。
60. 産業界としては、現行のダブルトラックを無くするのではなく、改正する場合には無効審判の迅速化によって判断齟齬を解決することを希望する。
61. 紛争は本来的には、話し合いで解決されることが望ましく、訴訟になったとしても、時間・費用があまりかからず、信頼性の高い制度であるべきである。また、無効審判の機会を制限するようなことにはならない方がよい。(SANARI PATENT考察: 無効判断の機会が複数在ることを、法的安定性を損なうもののように考えるのは、全く誤りである。むしろそれは、真の意味で法的安定性を保障するものである。)
62. 当事者は、無効審判yりも侵害訴訟に力を注いでいる場合が多い。また、特許の有効性の判断は、侵害訴訟に集約する方が効率的であると考える。死力を尽くした侵害訴訟の結果については、現状よりも強い効力を当事者間に及ぼしてもよい。(SANARI PATENT考察: 精神論的な要素を導入することは適切でない。
63. 当事者として、無効審判で判断してもらいたいのは、(1)最先端技術分野について判断が必要な場合、(2)進歩性の判断に関して技術の流れや相場観が必要な場合である。侵害訴訟に一本化する場合には、何らかの形で専門的知識を取り込むことができれば、制度の信頼性も増す。
64. 米国では、裁判所が特許についてリードしている。日本もそういう方向に転換すべきである。産業界としては、無効審判の請求機会を減らすべきではないとの意見があるが、大学や中小企業の意見は異なるはずである。体力のない大学や中小企業が何度も特許を無効とされるリスクの回避に対応しなければならない状況は、イノベーションを阻害する。(SANARI PATENT考察: 視野の狭い見解というほかない。中小企業が無効を主張する場合も極めて多い。)(コメントは sanaripat@gmail.com に御送信下さい)

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