2009年9月21日月曜日

Endowments Required to Judges for Patentability Disputes

知財裁判官に求められる資質
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 特許査定・審決・裁判、いずれも「産業の発達と公共の福祉」の調和という法秩序の実現を目的とするから、法的判断が基本であり、技術的判断はそれを誤りないものにするために、完全であることを追求すると、SANARI PATENTは考える。
86.(承前2009-09-14記事)技術的知識を有する方が、技術的事項の理解が早いため、裁判官にも技術的バックグラウンドがある方がよい望ましいとは言えるが、現行の裁判制度は、特許訴訟以外の専門訴訟も含め、裁判官が専門知識を有することを前提としていない。裁判官は、当事者の主張等を理解する能力を有することを期待されるが、具体的な技術的知見(例えば出願当時の技術水準など)については、裁判である以上、むしろ当事者の主張・立証に委ねるべきである。従って、技術的なバックグラウンドの有無によって判断の質が変わることはなく、技術的知識がなくても的確な判断をくだせる裁判官は既に存在している。法曹資格を持たない技術系裁判官を認容する案には反対する。

87. 米国には技術・法律両面の知識を有する人材が多く、それゆえに機能している制度(専門家証人や、裁判所から任命され、裁判官に代わって手続を行うスペシャルマスターと呼ばれる制度等があるが、そのような米国の制度を、状況が異なるわが国にそのまま導入することは困難と思われる。わが国で現在活用可能な人材を使って公平な技術的知識を提示するための、わが国の実情に適したサポート制度を構築すべきである。
88. 米国の場合、わが国に比べて理系出身の法曹は多いが、裁判官を選ぶに際しては、理系のバックグラウンドを有していることが重視されているわけではなく、広い視野・知見を持っていることが重要視されている。対審構造である裁判においては、当事者に、相手方が提出した証拠について、相互に攻撃・防御する機会が確保されていることが重要である。専門委員や調査官が裁判官に対してどのような内容を伝えているのかを知る機会があることも、対審構造の観点から重要である。(以下次回)
SANARI PATENT所見
「当業者が先行技術に基づいて想到可能であったか」、「先行技術文献と特許出願の請求項と、用語が異なるが意味・内容は同一か」などが特許性の認否を決定するが、査定・審判・裁判の各段階で判断が異なる場合も多い。裁判の3審構造と同様に理解すべきである。
(コメントは sanaripat@gmail.com に御送信下さい)

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