2011年4月30日土曜日

イオン5兆円超売上高におけるデジタルビジネス事業・総合金融事業

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Riemann Shockの前後を通じて、イオンの年間売上高は5兆円超を緯持し、うち総合小売事業が4兆円超で主体をなすことは不変ながら、デジタルビジネス事業・総合金融事業などの「サービス等事業」も1兆円超の規模を拡大しつつあり、わが国産業動向の考察において注目すべき動向である。2011-05-19開催のイオン総会通知には、次のように説明している(SANARI PATENT要約)。
1. デジタルビジネス事業
1-1 イオンネットスーパー → 2008年に開始後、急成長を続け、業界トップクラスの展開規模となっている。
1-2 地域買物支援対策事業 → 経済産業省から支援認可を受け、ネットスーパーシステムを活用した宅配事業を推進している。
1-3 シニア層ターゲット通販 → 連結子会社デジタルダイレクトが、シニア層にターゲットを絞った通販事業を展開し、イオンカードホルダーへのカタログ販売や、テレビショッピングなど、イオンのグル-プシナジーを発揮した通販事業を展開している。
1-4 インターネット販売サイト → イオンショップのネットショッピングは、会員数120万人を超え、民放キー局や東京ガールズコレクションなど、各メディアとのコラボレーション企画により新たなネットマーケティングを展開している。
2 総合金融事業
2-1 クレジットカード事業は、会員数を順調に伸ばしている。
2-2 銀行代理業では、イオン銀行とのATM共同事業を推進している。
2-3 総合金融ポータルサイト「イオンの暮らしのマネーサイト」を開設した。
2-4 海外ではベトナム現地法人が、これまでの金利収入中心の事業構造を転換して電子マネー・銀行代理・インターネット事業などのフィービジネスを重点とし、黒字化を達成した。
2-5 イオン銀行は、イオンセレクトクラブなど小売業的な金融サービスを開発し、インストアブランチ店舗数は75、ATM1800台、預金口座数203万に達した(2011-03-31)。
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2011年4月28日木曜日

「アジアシフト」「大都市シフト」「シニアシフト」がイオンの中期計画

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イオンの株主総会通知が届いたが、2001~2013年度のイオン中期計画の説明が注目される。予定内容(SANARI PATENT要約)は、
1. アジアシフト→ 今後10年間で、日本を除くアジアのGDP規模は現在の2倍になり、アジアが世界の成長エンジンとして、世界経済を牽引すると予測されている。これらの国々では中間所得層が急増し、アジア新興国の小売・サービス市場は飛躍的成長を遂げる。イオンは、日本を含むアジア地域を一つのマーケットとして捉え、イオングル-プ全ての事業が一体となってアジア新興国市場で成長戦略を推進している。すなわち、中国では、既存の北京・天津・山東省・香港に加え、新たに複数のエリアで事業展開を開始する。また、アセアンにおいては、マレーシア・タイ・ベトナムに続き、インド・インドネシア・カンボジア・ラオスにおいて新たな事業展開を準備する。特定エリアへの過度の集中を改め、各エリアにおいて均衡した商品調達・商品開発体制を構築する。
2. 大都市シフト→ アジア新興国を中心に大都市への人口集中が加速し、2010年にはアジア全域で新たな都市居住者が4億人増え22億人になる。日本・韓国・中国など東アジア諸国では、2030年前後をピークとして人口減少社会となるが、日本では大都市圏ほど人口減少率は低く、特に東京都は、人口増加が継続する数少ない増加エリアになると予測されている(SANARI PATENT考察: 今次大震災を契機とする電力需給の見通しなどが、どのように影響するか、要検討)。イオンは、大都市への人口流入による大都市郊外の発展と、モータリゼーションの進展が同時に加速する中国・アセアン・インドにおいて、本格的なショッピングセンタ時代が到来すると認識し、ディベロッパー事業や総合スーパーマーケット事業、総合金融事業など、グル-プが持つ経営資源を組合せた成長戦略を推進する。国内でも、東京都市圏を中心として中京圏・京阪神圏・政令指定都市などを重点エリアと位置付ける。
3. シニアシフト→ 日本の65歳以上人口は既に全人口の23%を占め、2020年に3割に達する。イオンは、売り場の分かり易さ、商品の見易さ。接客などにおいて、シニア層のニーズに対応すると共に、シニア層を対象とする新たなサービス事業や専門店を開設する。
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2011年4月27日水曜日

世界の多様化(多極化)・グローバル化(境界再設定)と国家意識

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国内市場が成長しないので、各社計画は全てグローバル市場を目指し、「グローバル化」は業績報告書での最頻出用語になっている。同時に、生産や技術の海外流失による雇用の減少や国際競争力の喪失が、国家意識を再起動している。SANARI PATENTは、「国家」という用語は不適切で、「家」・「家長」という概念を脱却した「国民」という用語に統一すべきであると主張する。
原発・津波の被害回復が着工し、日本産業の将来を再構想すべき段階に入ったが、「僕たちはいま、どこに立っているのか」と副題した「国家論」(田原総一朗・姜 尚中・中島岳志3氏鼎談)が指摘した世界の多様化(多極化)・グローバル化(境界再設定)と国家意識についての論点を先ず確認すべきであると思うので、その要旨(SANARI PATENT要約)を摘記する。
1. 新世紀に入ってから日本ではグローバル化が盛んに言われてきたが(SANARI PATENT考察: 電気通信の分野では「21世紀に入る」10年前から、グローバル化・ボーダレス化が主テーマとなったが)、現時点で分かってきたのは、「グローバル化というのはボーダレスではなかった」ということだ。ボーダーを無くすのでなく、むしろ境界再設定である。
2. 現時点のチェンジは、東西冷戦終結後の米国中心化から、2008年金融破綻を期として世界多極化時代を迎えたことである。
3. 世界の変化に、日本は投げ出されたので、「国家」を論ずることを強いられている。
SANARI PATENT所見
特許についても、内閣知財戦略本部は世界特許を標榜して、制度や審査基準のグローバル統一化を志向し、特許ハイウェイ路線を拡充しているが、新興国の知的財産権制度属地主義を踏まえた実行動に直面している。
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2011年4月25日月曜日

映像メディアの将来像とコンテンツ変動

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生まれ落ちて直ぐから、母親が操作するスマートホーンの映像や産院控室のテレビ映像と親しんで成長する次世代の映像感覚まで見通して、映像メディアの将来像はどのように在るべきか。また当面、テレビ凋落と呼ばれる映像メディア業界に関係者はどう対処するのか。コンテンツ政策の第一歩であるはずだが、内閣知財戦略本部の計画はそこまで踏み込んでない。従って、奥村健太・藤本貴之両氏近著「映像メディアのプロになる」は、映像メディアの構造と技法を含めて、その将来像を真正面から考えた真摯な労作である。
同書は、「ここ数年、急激にテレビ産業の衰退が叫ばれるようになりました。テレビはもう死んでいる、という刺激的なタイトルが雑誌や書籍に載ることも珍しくなくなりました」という書き出しに始まって、先ず次のように指摘している(SANARI PATENT要約)。
1. 日本で、コンテンツ市場規模13兆8282億円(2008)の分野別は映像4兆7834億円(34.6%)、図書・新聞・画像・テキスト6兆1028億円(4.1%)(SANARI PATENT注:「映像」「画像」と区別していることに注意)、音楽・音声1兆7800億円(12,9%)(SANARI PATENT注:「映像」と「音楽・音声」が随伴するのが通常だから、この区分について別途理解することが必要)、ゲーム1兆1621億円(8.4%)である。また、流通メディア別のコンテンツ産業市場規模は、パッケージ流通6兆8079億円(49.2%)、放送3兆9420億円(28.5%)、インターネット流通7758億円(5.6%)、拠点サービス流通1兆7220億円(12.6%)、携帯電話流通5805億円(4.2%)(SANARI PATENT注: ケータイでインターネットを利用するから、上記とも重複計算が疑問)である。
2. 2009-03期連結決算でTBSを除く在京キー局4社が減収となり、特にテレビ朝日とテレビ東京が「初の最終赤字」を出したという衝撃的なニュースが大きく報道され、またTBSも2010-03期の業績予測では初の赤字転落を予測している。
SANARI PATENT所見
実際上、テレビ朝日の売上高は2010-03期2302億3600万円から2011-03期2360-03期2360億円、営業利益は72億1600万円から92億円に増額、テレビ東京も売上高は2011-03期1070億円、営業利益19億円と見込まれ、TBSも2011-03期の営業利益は84億円に達するから、テレビ業界の収益体質緯持は、経費の弾力性によって可能と、SANARI PATENTは考える。「ドラマと広告の融合」(ストーリ中に広告を織り込み、CM時間を消去する)、および、「フィクションを標榜するノンフィクション」のコンテンツ創出が、テレビの再盛況をもたらすと、SANARI PATENTは考える。
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2011年4月24日日曜日

データベースに関する著作権侵害事件で知財高裁判決

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高度情報社会でデータベースの活用は、企業にも生活者にも浸透しているから、同一目的についてのデータベースも複数事業体により提供され、事業体相互に著作権侵害訴訟が提起される場合も増加ビジネスと予想される。2011-04-19に判決が言渡された「平成23年行ネ10005号損賠請求控訴事件では、控訴人(原告)「銀行商品コム」が、被控訴人(被告)「財団法人住宅金融普及協会」に対して、「住宅ローン金利情報」のネット記載をめぐり、財団法人住宅金融普及協会が銀行商品コムのデータベースを無断複製したとして、差止請求および損賠(706万4000円)請求を求め訴求したが、知財高裁は銀行商品コムの請求を棄却した。銀行商品コムの訴求理由も熟読に値するが、ここには以下、知財高裁の判断理由のみ要約する。
1. 財団法人住宅金融普及協会の図表は、銀行商品コムの複製やデッドコピーとは言い難く、不法行為が成立ビジネス場合に該当しない(SANARI PATENT考察:「デッドコピー」該当要件について、東京地裁の原判決を再読すべきである)。
2. 銀行商品コム図表の特徴と控訴人が主張する「全国金融機関の住宅ローン商品について、金融機関名・商品名・変動金利・固定金利の各固定期間の順に配列することや、これらの情報をデータベース化し、抽出し、並び替えるといった機能自体は、公表されたデータで、しかも全国の金融機関といっても数が限られたものを整理するにとどまるものであって、ありふれたものであるから、これらの配列や機能に財団法人住宅金融普及協会の図表と共通する部分があるからといって、そのこと自体において、財団法人住宅金融普及協会の図表が銀行商品コムの複製と同視し得るものとは認められず、財団法人住宅金融普及協会の図表を掲載したウェブサイトの運営が銀行商品コムに対する不法行為に当たるとは言えない。
SANARI PATENT所見
財団法人住宅金融普及協会の公益法人性に関する争点についても、知財高裁が論及しているので、関心ある向きは参照されたい。
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2011年4月22日金曜日

興銀リースと東京センチュリーリース

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大震災と原発事故を超えて産業の創造的再生を遂げるためには、多様かつ弾力的な金融機能が求められるが、野村IR誌最新号で、肩を並べて紹介された興銀リースと東京センチュリーリースは、それぞれ独創的特色を持ちながら、共に「みずほ」的な政策積極性と弾力性を有すると、SANARI PATENTは解する。
例えば、興銀リースは「法人向け総合金融サービス会社」、東京センチュリーリースは「モノとファイナンスのソリューション提供会社」を旨とする。興銀リースは42年前に興銀が中心となって産業界を代表する企業の出資により設立され、東京センチュリーリースも興銀と同年に半年ほど早く、みずほグル-プ・伊藤忠商事・日本生命保険などの出資により設立された。
興銀リースの阿部 勗社長は、同社の特徴を次のように述べている(SANARI PATENT要約)。
1. 興銀リースは、リース・割賦といった物を融通する物融、船舶や不動産に対するファイナンスを対象とする金融、中古物件などを売買するフィービジネスの3分野を中心に事業展開している。
1-1 物融では、技術革新による陳腐化が高速な設備の加速償却、一時的資金負担が大きい設備の分割払いに相当する機能を営む。
1-2 金融では、定期的現金収入を見込む業種に対する実質的金融機能を営む。
2 海外では、中国・インドネシア・タイ・フィリピンに進出している。
また、東京センチュリーリースの浅田俊一社長は、同社の特徴を次のように述べている(SANARI PATENT要約)。
1. 東京センチュリーリースによるリース対象設備は、情報通信機器や産業・工作機械、商業・サービス業用機器、商用車・トラックなど、企業活動に必要な殆ど全ての動産を含み、最近ではIT分野のクラウド化に対応してデータセンタ向けのリースも多く取扱っている。
2. ショッピングモールなどの商業施設については、不動産リースで対応している。
3. 中国、シンガポール、マレーシア、台湾、タイなどに拠点を設けている。
SANARI PATENT所見
売上高と営業利益の規模は東京センチュリーリースが興銀リースの倍超だが、いずれも増益・続伸・積極策・着々と高評価されている(会社四季報)。
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2011年4月21日木曜日

新年度、バンダイナムコの跳躍体制

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バンダイナムコホールディングス(東証1部)は本月初(2011-04-01)、バンダイレーベル、ナムコレーベル、ハンプレストレーベルなど7公式サイトを「バンダイナムコゲーム公式サイト」に統合し、早速「ファミスタモバイル2011」と題して「プロ野球2球団の実名チーム、実名選手で遊ぶことができるファミスタモバイル2011の配信を開始し(2011-04-11)、同日、「ニンテンドー3DS用ソフト・ワンピースアンリモテッドクールズスペシャルの2011-05-26発売を発表ビジネスなど、家庭用ゲーム・アミューズメントマシン・モバイルコンテンツ・PCコンテンツ・関連商品の5事業分野にわたって、「世界で最も期待されるエンタテイメント企業グル-プ」への発展を目指しているが、野村IR主催のセミナ(2011-05-14)にも出演して、トイホピー・コンテンツ・アミューズメント施設の3戦略ビジネスユニットの行動予定を示す。
バンダイナムコの売上高は、2010-03期の3785億4700万円から2011-03期3950億円、2012-03期4100億円を見込み、スマト(Smart-Phone)ブームと相俟って、日本の高度デジタル技術の大規模なグローバル展開を触発することが望まれる。
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2011年4月19日火曜日

創業260年・タキヒヨーの国内外展開におけるビジネス革新

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宝暦元年(1751)創業というから、業歴実に260年のファッションを手掛けてきたタキヒヨー(東名証1部)が、野村IRセミナに出演する(2011-05-30)。100年に一度以上の社会的政治的地変的な変動を経て、如何に発展し続けているか。会社四季報は、「名古屋地盤の繊維商社、創業は江戸中期、婦人服ほか服地に強く、製造小売強化」と特色づけ、「2012-02期は、主力のアパレルが専門店や量販店向け中心に上向き。原材料費の負担増に加えて、中国製造先の工賃上昇などを、物流効率化等で吸収し、営業増益」と評価している。ただし、この「営業増益」は2012-02期の見込みに直結するもので、2011-02決算においては、連結売上高671億9900万円で前期比2.4%減、営業利益3億9500万円で43.4%減である。2012-02期については、売上高689億円で1.2%増、営業利益9億5000万で.4倍に著増を見込んでいる。
経営を取巻く環境についてタキヒヨーは、「2011-02期は、消費者の生活防衛意識から衣料品の買い控え傾向が続いており、低価格衣料品の定着や、天候不順による商品の売れ行き停滞など、アパレル市場の状況は一段と冷え込んだ。収益面においても、主たる生産背景である中国の工賃上昇、人手不足に伴う需給逼迫、納期の遅れなどに伴うコストアップに加え、羊毛・綿を始めとする原材料価格高騰など、厳しさを増した」と述べている。対策としてタキヒヨーは、
(1) 商品別・販路別の縦割り組織を、事業横断的な営業本部制に移行
(2) 韓国アパレル向け販売など新規市場開拓
(3) トップスからボトムスまでのトータルコーディネート提案力を強化
(4) 相手方ブランドによる企画・デザイン・生産の拡大
(5) ベビー・キッズ向け雑貨などの新商品企画展開
(6) 中国の協力工場との連携強化・生産スペース確保・早期発注、中国内陸部やASEAN諸国の工場と提携
(7) 物流を愛知県犬山市の新センタに集約
などを実施したと報告している。
SANARI PATENT所見
アパレル部門ではディズニーのベビー・子供服やアンクラインの婦人服を手掛け、服地を中心に取扱うテキスタイル部門では、国内大手アパレルと欧米インタナショナルブランドとの取引拡大が進んでいる模様で、説明会では、これらが関心されよう。
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2011年4月18日月曜日

現在の企業にとって、特許出願の経費と価値はどう評価されるか

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT C Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat 弁理士会の会長が交代したので、その対談をパテント誌が企画した。弁理士業務に直結する話題は「わが国における特許出願件数の減少傾向」で、前会長は、「我々が出願件数のことだけ言うと、弁理士の人数の問題と同様に、弁理士が自分の仕事を増やしたくて(SANARI PATENT注: 現実は「減らしたくなくて」)エゴで言っているのではないかと取られがちです。そうではなく、これは象徴的なものとして言っています」と発言しており、この「象徴的」とは、「特許出願件数減少という、日本経済全体にとっての憂慮すべき事態の端的な現れ」の一つが「弁理士業務の衰退予感」に象徴されている、という程度に理解すべきであろう。約10年前に「知財立国」の旗頭のもとに、知的財産基本法が成立して内閣知財戦略本部ができ、知財高裁が設置され、全国3000人の弁理士数は倍増以上に達したのだが、現在、「知財創出」で立国という掛け声よりも、円高を利用してグローバルにM and Aによる包括的知財買収(営業権等を含めて)を拡大し、内外にわたる経営統合や生産の海外展開や国際金融手法、国際標準化獲得の企業連合・シェア確保等々で、企業の存続と拡大を達成することのコスト効率が高いと意識されていることには、疑門の余地がない。換言すれば、発明・出願・審査請求・知財訴訟等の技術者・弁理士・弁護士費用が、拒絶査定、無効審決、審決の取消判決等々の法的不安定性と、特許の休眠率とを勘案して、他の競争手段との比較がなされるわけである。佐成重範弁理士は、弁理士の独立開業が都心集中で困難化した一頃、「新人弁理士は先ず会社員として身を立てるべきだ」と唱えたが、パテント誌の別号では、「この厳しい時代には、出願件数もかなり減っていますし、会社の中における知財部のポジションもかなり厳しくなっていると思います」という発言も見られ、「企業にとって、現在、弁理士が提供するサービスの価値は具体的にどのように評価さるべきなのか」、弁理士の側から再考を要する段階である。(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください) 

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2011年4月16日土曜日

弁理士会「パテント」誌の「発明の捉え方」特集

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT C Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat 弁理士会の「パテント」誌は勿論、主として弁理士のための情報誌だが、むしろ産業界の戦略担当層必読と思われる記事が多く、2011-03号の「発明の捉え方」特集もその一つである。実は「発明の捉え方」より前に「発明とは何か」が問題で、例えば、「発明」の定義は日本特許法と米国特許法と基本的に異なるが、実質的には同様だという特質がある。こう言っても、一般の方々にはお分かり難いと思うが、わが国特許法は、「発明とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」と定義している。米国特許法は、「発明という用語は、発明または発見を意味するものとする」と定めるが、対比すれば、わが国特許庁には「自然法則利用」という限定と「高度」という限定があるのに、米国特許法にはこれらの限定がない。このことは、ビジネス方法やソフトウェア特許、実用新案制度の有無などをめぐって可なり問題なのだが、実際上は調和的に解決されており、その詳細を叙述したいところだが、今はそのスペースがない。翻って上記パテント記事には、弁理士の一人の発言として「発明とは技術的思想の創作ですよね。創作というところに新しさがあるわけですよ。これは主観的な新しさ、進歩性がありそうだなというものではないかと私は思います。だから、確かに進歩性というのは客観的に調査した上で、従来技術と比較してどうかというものですね」というくだりがあるが、これは議論の出発点に過ぎない。(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください)

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2011年4月15日金曜日

予備電源需要増で注目集中の蓄電池大手・新神戸電機

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT C Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat 新神戸電機の蓄電池が既に広く分布しているので、新神戸電機は「蓄電池設備の点検についての推奨について」と題して次のように公表した(2011-04-12: (SANARI PATENT要約)。「今次震災により計画停電等が実施されたことに伴って、鉛電池設備(交流無停電電源装置、非常用直流電源装置)をご利用中の顧客各位は、蓄電池の取扱について次のことに留意されたい。 (1) 蓄電池設備には、据置鉛蓄電池、小型制御弁式鉛蓄電池や、アルカリ蓄電池が使用あれており、停電が発生すると蓄電池から電力を供給してバックアップするシステムになっている。 (2) しかし、蓄電池は頻繁な停電への対応や、規定のバックアップ時間を超過する使用、停電から復電までに長時間を要する場合など、今回の震災により発生した事象について全て対応できる仕様とはなっていない。従って、上記の場合、下記の影響が懸念されるので、蓄電池を継続使用される場合は、注意されたい。 (2-1) 頻繁な停電→ 蓄電池設備に使用される蓄電池は、非常時の放電を想定して設計されており、頻繁な充放電の繰返しは、性能低下を促進する。 (2-2) 規定のバックアップ時間経過→ 温度監視が必要になる場合もある。 (2-3) 停電から復電までの長時間経過→ 特に過放電状態で放置されると、劣化原因となる化学変化が進行する。 SANARI PATENT所見このようなインフォメーションを、行政当局こそ積極的に発信すべきである。(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください) 

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2011年4月13日水曜日

ポイント集計システム関連、NTT コミュニケーションズ勝訴(知財高裁)

C Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat 弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT C Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat 原告株式会社コネットは、発明「ポイント集計システム」の特許権者だが、NTTコミュニケーションズ株式会社は特許庁に対して、この特許の無効審判を請求し、特許庁はNTTコミュニケーションズの請求を認容して上記特許権の無効を審決した。コネットがこの審決の取消を知財高裁に訴求したが、知財高裁はコネットの請求を棄却し、NTTコミュニケーションズ(訴訟代理人・佐藤 睦弁理士ほか)が勝訴した(2011-04-07判決言渡:平成22年行ケ10217審決取消請求事件)。上記発明の要旨は、加盟店の会員に対する各別の売上に応じたポイントを会員の獲得ポイントとして集計するポイント集計システムに関する発明で、知財高裁における争点は、上記発明の進歩性(容易想到性)の有無であった。知財高裁は、「先行技術(本件・甲1号証)には、その処理装置が店舗・事業グル-プのセンタまたはVANセンタ等に設置される旨、大規模システムの場合は計算センタ・事務処理センタに設置される旨、キャッシュディスペンサなどの銀行端末に同様機能を追加することにより設備流用によるシステムコストの低減や銀行・店舗のタイアップによるサービスを強化できる旨の記載があるから、先行技術には、「処理装置をネットワークに接続することにより、ネットワークを通じて販売促進のためのサービスポイントの発行・管理の機能を果たすこと」を含むことは明らかである、などの判断を示し、コネットの上記発明は先行技術に基いて想到容易であるから、その特許は無効であるとした特許庁審決の判断には誤りがないとして、被告NTTコミュニケーションズ勝訴の判決を言い渡した。 SANARI PATENT所見特許庁がその査定により特許権を付与したコネットの発明について、特許庁審判と知財高裁が特許無効を審決・判決したのだから、判断の具体的内容を判決文により精読しておくべきである。(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください)

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2011年4月12日火曜日

トッパンの「環境ビジネス」は「合理化ビジネス」と読み変えよう!

弁理士 佐成重範 Google検索 SANARI PATENT C Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat トッパンが、売上高の増勢と営業利益等の著増(第3四半期は対前年同期比59%増)を報告すると共に、「トッパンの環境ビジネスへの取組」を特集しているが、政策としての「環境政策」の国益適否について、池上 彰・手嶋龍一両氏著の「武器なき戦争」(角川)が「国策」面から、環境政策の疑念と得失を例えば次のように(SANARI PATENT要約)指摘していることにも傾聴すべきであり、トッパンが主張する、「使用・生産・生産と流通・使用後」のサイクルにおける「長寿命製品、化学物質放出削減、省エネ」(使用)、「回収エネルギー、エネルギー削減、固体廃棄物削減、安全素材使用、リサイクル素材使用、バイオマス素材」(生産と流通)、生分解性、易分解性、廃棄適性、リサイクル適性、リユース」(使用後)も「環境」の旗印まる呑む込みではなく、企業と生活者の合理化に一次的に寄与することの納得性が先行すべきである。上記の池上・手嶋発言にも例えば(SANARI PATENT要約)、 (1) 欧米では、日本が排出権という考え方に胸の内では反対していながら、渋々従っていると受け止められている。彼らにとっては、それで何の不都合もない。日本の国益を考えれば、流れに身を任せてはいけない。何に積極的に貢献し、何は拒否すべきか、国際社会にきっぱり言わねばならない。 (2) 最近は、地球温暖化説に異を唱える論評が目立つようになった。「地球温暖化は、仮説に過ぎない」など、「温暖化懐疑論コーナーを設けている書店もある」、更には、「温暖化をビジネスにと企む人間が振りまく幻想だ」とする陰謀説も流布している。 (3) 重要なテーゼが提起されるときには、それに対するアンチテーゼが出てくる。環境論調が高まるにつれて、反作用も目立ってきた。 SANARI PATENT所見トッパンの透明蒸着フィルムのバリア特性、機能性フィルムの太陽電池バックシート利用、スマートグリッド参画などは、企業と生活を合理化し国際競争力を高めるものであり、それ自体、企業と生活者が活用すべき自己合理化製品であることを、環境関連以前に明確に認識すべきである。(訂正の御要求は sanaripat@gmail.com  に御送信下さい) 

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2011年4月9日土曜日

韓国知的財産権判決における新規性・同一性・進歩性の判断

弁理士 佐成重範 Google検索 SANARI PATENT C Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/ R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat 韓国の最著名な特許事務所・KIM, HONG and ASSOCIATESから、御著書「韓国における知的財産権の判例」最新刊を贈られた。同事務所のご業績に深い敬意を表すると共に、ご好意に対して厚く御礼申し上げる。電子産業を始め、韓国における技術開発の成果は世界市場でのシェア拡大として顕著に示され、従って同国内および諸国特許権との抵触も訴訟事件として発生するが、我が国の知財高裁判決を見ても明らかなように、特許権紛争の争点としては、当該発明の同一性・新規性・進歩性に関するものが多い。そして、諸国の特許審査基準におけるこれらの判断態様も様々に記述されている。判断の実質が同一であることが最も望まれるが、先ず韓国ではどのように示されているか、贈られた判決集から摘記する。 1. 特許出願された発明に新規性がないというには、その発明と、出願前 に公知された発明が同一なものでなければならないが、特許発明において先行発明との同一性を判断するにおいては、両発明の技術的構成が同一であるかどうかにより判断し、発明の効果も斟酌しなければならず、技術的構成に差異があるとしても、その差異が課題解決のための具体的手段において周知慣用の付加、削除、変更などで、新たな効果の発生がない程度の微細な差異に過ぎないのであれば、両発明は互いに同一であると見なければならない。 2. 特許登録された発明が公知公用の既存の技術と周知慣用の技術を収集統合して成されたところにその特徴がある場合においては、これを統合するのに格別な困難性があったり、これによる作用効果が、公知された先行技術から予測される以上の新たな上昇効果があると見られる場合でなければ、その発明の進歩性は認められないと見ることができる。 SANARI PATENT所見新規性・同一性・進歩性の有無の判断は、特許制度の核心をなすもので、各国とも、その精細な基準が知財判決の集積により形成されつつあるが、固定的なものでもない。KIM,HONG and ASSOCIATESの「判例集」の続刊が望まれる所以である。(訂正の御要求は sanaripat@gmail.com  に御送信下さい)

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2011年4月7日木曜日

三菱総研の磯部悦男・常務執行役員ソリューション事業部門長のプレゼン

弁理士 佐成重範 Google検索 SANARI PATENT C Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat 総務省の「ICTグロ−バル展開の在り方懇談会」は2011-01-31に発足したが、これまでの会合で、この懇談会の構成員・三菱総研の磯部悦男・常務執行役員ソリューション事業部門長は次のように述べている(SANARI PATENT要約)。 1. ICT分野でグロ−バル展開が進んでいる韓国では、[U-City政策]を掲げ、規模は小さいながら、官民一体となって都市開発プロジェクトを多数展開しており、計画段階からこの体制で行っていることが特徴である。日本でも、基本構想やマスタープランの段階から官民一体で、役割分担を定め、また、政府レベルで相手国と連携することも必要である。 2. 世界的にインフラ需要が旺盛な中で、情報通信分野も今後大きな需要が見込まれる有望な分野である。インフラ輸出のプロセスとしては、フィージビリティスタディや案件の初期段階からの関与が重要である。展開に当たっては、オールジャパンという発想ではなく、相手国企業にも配慮した戦略的企業コーディネーションが重要であり、同時に、相手国の法制度環境への配慮:協調も必要である。今後は、個々のシステムではなく、システム全体として安全性や信頼性を満たすことを合理的に示すシステムアシュアランスの重要性が増す。上記について、「オールジャパンという言葉は美しいが、海外展開や標準化等においても、当初から、優秀な海外企業とも連携を図った上で展開することが望ましい」という他構成委員発言があった。 SANARI PATENT所見日の丸のもとで結集して、ということと共に、相手国企業と社旗を並べて、という方向性が重要だが、国対国か、多国籍企業行動かという課題を内包している。(訂正のご要求は sanaripat@gmail.com にメール下さい)

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2011年4月6日水曜日

被告NTTが知財高裁で勝訴、「通信不正傍受阻止システム」特許権関連

弁理士 佐成重範 Google検索 SANARI PATENT C Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/ R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat Twitter http://twitter.com/sanaripat 原告アテンションシステム株式会社は、「通信不正傍受阻止システム」特許権を有するが、被告NTTがこの特許権を侵害することにより得られた額50%相当額等の支払いなどの請求を知財高裁に訴求し、知財高裁が原告のこの請求を棄却した事件である(判決言渡2011-03-29、平成22年ワ17304損害賠償等請求事件)。いわゆる「蒸し返し訴訟」と呼ばれる範疇に属すると思うので、知財高裁の判断として示された内容(SANARI PATENT要約)を見ることとする。1. 原告の主張を最大限に善解すれば、少なくとも原告がこの特許権を有することを前提として、被告NTTが携帯電話料金の口座振替等をしていることや、携帯電話機の販売の申し出をしていることなどを主張し、その行為が本件特許権の侵害行為であることを理由としてこの訴訟に及んだものと解する。 2. 被告NTTは、本件訴訟が先行訴訟の蒸し返しであることを理由に、訴権の乱用や信義則違反を主張する。3.しかし、本件訴訟が先行訴訟と同一の特許権に基づく特許権侵害訴訟であるからといって、本件訴訟において主著立証の補充や追完がされることを予め完全に否定することはできないから、本件訴訟の提起をもって、それが訴権の濫用あるいは信義則違反であると直ちに断ずることはできない。4.しかし、本案(SANARI PATENT注: 特許権の侵害の有無自体の争点)の主張において、原告が主張する特許権侵害の事実は認められず、また、このことについて原告の釈明がない。5.よって、原告の請求をいずれも棄却する。 SANARI PATENT所見結局、原告特許権の請求項に、原告が争点とするNTTの行為は抵触しないと知財高裁は判断し、の勝訴判決となった。(訂正のご要求は sanaripatent@gmail.com にメール下さい) NTT 知財高裁 特許権

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2011年4月4日月曜日

平和不動産リート投資法人のオフィス・レジデンス複合ポートフォリオ

弁理士 佐成重範 Google検索 SANARI PATENT C Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat Twitter http://twitter.com/sanaripat 平和不動産リート投資法人の昨週末(2011-04-01)終値は5万1900円で、昨秋(2010-10-01)投資口1口につき4口の割合で投資口分割後の4万円前後に比し大幅に上昇し、今次大震災の平和不動産リート投資法人株価(証券界は株価と呼んでいるが、法的には1投資口当り価格)へのマイナス影響は全く残存していない。平和不動産リート投資法人の市川隆也アセエットマネジメント社長は、平和不動産リート投資法人の強みを「集積の経済に裏付けされたオフィスとレジデンスの複合ポートフォリオであること」として、「オフィスとレジデンスという異なった性格を持ったアセットクラスに投資することにより、運用の収益性と安定性の両方を実現できること」「投資地域は東京都区部に集中投資していること」にあると述べている。また、ジャパン・シングルレジデンス投資法人と合併(2010-10)の成果について、「資産規模が1.5倍の1437億円になったこと」「レズデンスの稼働率が93.4%に向上したこと」を挙げている。合併を機に投資口分割を行った効果について同氏は、取引口数が増加し、出来高が約1.8倍増え、流動性の向上により従来よりも投資口価格の安定が期待できること」「投資家の裾野を広げること」を挙げている、平和不動産リート投資法人の投資物件の分布は、東京都心5区に34物件・608.3億円、この5区以外の23区とその周辺に34物件・569.2億円、その他地域に22物件・259.6億円で、具体的には、オフィスでは茅場町平和ビル、グレイスビル泉岳寺前、大和中目黒ビルなど、レジデンスではランドステージ白金高輪、ミルーム若林公園、ミルーム碑文谷、シングルレジデンス千駄木、シングルレジデンス東新宿などが示されている。 SANARI PATENT所見今次大震災により、工場の地方分散はあっても、中枢管理機能の都心集中は変動せず、人口の都心徐増も続くと予想するので、平和不動産リート投資法人の業績はスポンサーによる信用補完と相まって好調を維持すると考える。 (訂正のご要求は sanaripatent@gmail.com にメール下さい) 

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2011年4月3日日曜日

J-REIT(ジャパンリート)の事例・日本プライムリアルティ

弁理士 佐成重範 Google検索 SANARI PATENT C Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat Twitter http://twitter.com/sanaripat 「REIT」は「不動産投資信託」だが、この和名ではなく「日本式リート」として「J-REAT」(ジェイリート)の呼称が通称となっているのは、米国の住宅金融発金融破綻への連想を忌避することも、ひとつの理由であろう。金融証券化して不健全化した米国の場合と異なり、日本の不動産投資信託は、事例を見れば納得できるように健全であり、日銀が包括的金融緩和政策の一環として、日本プライムリアルティの買い入れを言明(2010-10)して以来、一般の信頼性を一層高めることとなった。事例として、日本プライムリアルティ投資法人の場合をみると、そのREITの特徴を次のように説明している(SANARI PATENT要約)。 1. J-REITの上場投資法人35社のうち、日本プライムリアルティは、相対的に分配金利回りと時価総額が高い。(SANARI PATENT考察: 会社四季報2011-03-15号データによれば日本プライムリアルティの予想配当利回りは5.03%、東京建物・大成建設などがスポンサー、東京圏のオフィスに重点投資、商業施設も。直近の運用規模56物件-3415億円。2010-12-31現在の稼働率は93.5%) 2. 日本プライムリアルティのポートフォリオは、オフィスと都市型商業の複合で、東京圏の投資比率が83%である。 3. スポンサーは芙蓉グループ5社(東京建物・安田不動産・大成建設・明治安田生命保険・損害保険ジャパン)で、不動産・建設・金融の各分野の総力を結集する安定的経営基盤を有している。 4. 東京のオフィスを中心として、収益安定性が高い都市型商業施設をポートフォリオとする複合J-REITである。 5. 高い格付けを、保守的負債構成・高度手元流動性・無担保による新規調達・金融機関との良好な取引関係により得ている。今後の対外対内成長戦略については、日本プライムリアルティは次のように述べている。 (1) 東京オフィスを中心として資産規模を拡大し、資産規模5000億円目標 (2) 不動産価格底値圏において集中投資(SANARI PATENT考察:リーマンショック後に、成果を既に納めている) (3) 稼働率の一層の向上 (4) 床面積活用(多様な活用形態の開発) (訂正のご要求は sanaripatent@gmail.com にメール下さい) 

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