2011年4月18日月曜日

現在の企業にとって、特許出願の経費と価値はどう評価されるか

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT C Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat 弁理士会の会長が交代したので、その対談をパテント誌が企画した。弁理士業務に直結する話題は「わが国における特許出願件数の減少傾向」で、前会長は、「我々が出願件数のことだけ言うと、弁理士の人数の問題と同様に、弁理士が自分の仕事を増やしたくて(SANARI PATENT注: 現実は「減らしたくなくて」)エゴで言っているのではないかと取られがちです。そうではなく、これは象徴的なものとして言っています」と発言しており、この「象徴的」とは、「特許出願件数減少という、日本経済全体にとっての憂慮すべき事態の端的な現れ」の一つが「弁理士業務の衰退予感」に象徴されている、という程度に理解すべきであろう。約10年前に「知財立国」の旗頭のもとに、知的財産基本法が成立して内閣知財戦略本部ができ、知財高裁が設置され、全国3000人の弁理士数は倍増以上に達したのだが、現在、「知財創出」で立国という掛け声よりも、円高を利用してグローバルにM and Aによる包括的知財買収(営業権等を含めて)を拡大し、内外にわたる経営統合や生産の海外展開や国際金融手法、国際標準化獲得の企業連合・シェア確保等々で、企業の存続と拡大を達成することのコスト効率が高いと意識されていることには、疑門の余地がない。換言すれば、発明・出願・審査請求・知財訴訟等の技術者・弁理士・弁護士費用が、拒絶査定、無効審決、審決の取消判決等々の法的不安定性と、特許の休眠率とを勘案して、他の競争手段との比較がなされるわけである。佐成重範弁理士は、弁理士の独立開業が都心集中で困難化した一頃、「新人弁理士は先ず会社員として身を立てるべきだ」と唱えたが、パテント誌の別号では、「この厳しい時代には、出願件数もかなり減っていますし、会社の中における知財部のポジションもかなり厳しくなっていると思います」という発言も見られ、「企業にとって、現在、弁理士が提供するサービスの価値は具体的にどのように評価さるべきなのか」、弁理士の側から再考を要する段階である。(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください) 

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