2011年4月9日土曜日

韓国知的財産権判決における新規性・同一性・進歩性の判断

弁理士 佐成重範 Google検索 SANARI PATENT C Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/ R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat 韓国の最著名な特許事務所・KIM, HONG and ASSOCIATESから、御著書「韓国における知的財産権の判例」最新刊を贈られた。同事務所のご業績に深い敬意を表すると共に、ご好意に対して厚く御礼申し上げる。電子産業を始め、韓国における技術開発の成果は世界市場でのシェア拡大として顕著に示され、従って同国内および諸国特許権との抵触も訴訟事件として発生するが、我が国の知財高裁判決を見ても明らかなように、特許権紛争の争点としては、当該発明の同一性・新規性・進歩性に関するものが多い。そして、諸国の特許審査基準におけるこれらの判断態様も様々に記述されている。判断の実質が同一であることが最も望まれるが、先ず韓国ではどのように示されているか、贈られた判決集から摘記する。 1. 特許出願された発明に新規性がないというには、その発明と、出願前 に公知された発明が同一なものでなければならないが、特許発明において先行発明との同一性を判断するにおいては、両発明の技術的構成が同一であるかどうかにより判断し、発明の効果も斟酌しなければならず、技術的構成に差異があるとしても、その差異が課題解決のための具体的手段において周知慣用の付加、削除、変更などで、新たな効果の発生がない程度の微細な差異に過ぎないのであれば、両発明は互いに同一であると見なければならない。 2. 特許登録された発明が公知公用の既存の技術と周知慣用の技術を収集統合して成されたところにその特徴がある場合においては、これを統合するのに格別な困難性があったり、これによる作用効果が、公知された先行技術から予測される以上の新たな上昇効果があると見られる場合でなければ、その発明の進歩性は認められないと見ることができる。 SANARI PATENT所見新規性・同一性・進歩性の有無の判断は、特許制度の核心をなすもので、各国とも、その精細な基準が知財判決の集積により形成されつつあるが、固定的なものでもない。KIM,HONG and ASSOCIATESの「判例集」の続刊が望まれる所以である。(訂正の御要求は sanaripat@gmail.com  に御送信下さい)

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