2009年2月28日土曜日

Plu Thermal Plan etc. 

プルサーマル計画など、二階経済産業大臣の応答
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 経済産業省記者会見(2009-02-27)の二階経済産業大臣応答(SANARI PATENT要約)を考察する。

Q1 プルサーマル計画で、昨日(2009-02-26)、国土交通省がMOX燃料(後記SANARI PATENT所見ご参照)の海上輸送の安全確認をしたのを受けて、九州電力の玄海原子力発電所の地元で事前了解したということで、核燃料サイクルに繋がるプルサーマルの具体化にまた一歩近づくと思うが、推進する立場で今後の対処方針はどうか。
A1 私は前回、経済産業大臣在任中も、現場に赴き色々な意見を伺い、その後のことにも傾聴してきたが、関係者の理解が進んだことを喜んでいる。それだけに、安全確保に、万全の上にも万全を期する。

Q2 鉱工業生産指数で、例えば自動車や鉄鋼は、今年の4月もしくは5月あたりに生産調整を底入れするのではないかという見通しを関係各社は2持っているが、所見はどうか。
A2 鉱工業生産指数等の指数は、予想以上に厳しい数字が出ると思っている。せれを受けての対応としては、融資に全力を挙げてきたが、仕事を作ってくださいという声が各地で多い。その対策を講じて、その結果が鉱工業生産指数に反映するよう、政策手段を結集する。

Q3 2009年度予算案の衆議院通過後、追加の景気対策について、目途や内容はどうか。
A3 追加の景気対策について、国会の内外で色々意見を聴いており、審議中の予算の次の課題として取組む。
 雇用情勢が大変困難な状態にあるが、経済産業省としては中小企業を中心として、1社1人でも、新たに採用されるよう協力を要請している。また、協力に謝意を表し得るようにしたい。

SANARI PATENT所見
 原子力発電の使用済燃料中に含まれるプルトニウムを再処理により取り出し、二酸化プルトニウムおよび二酸化ウランを混合した混合酸化物燃料をMOX燃料と略称している。
 今朝の西日本新聞は、「九州電力の玄海原子力発電所でのプルサーマル発電に使用されるMOX燃料の輸送計画を、県と玄海町が了解したことに対して市民の抗議運動が再燃していることを報じているが、わが国にとって、再生燃料の価値は極めて大きく、円満決着が望まれる。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Plu Thermal、九州電力、玄海、プルサーマル、二酸化ウラン

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2009年2月27日金曜日

Illegal Access Reported by METI 

平成20年の年間不正アクセス行為発生状況、アクセス制御機能研究開発状況
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 アクセス制御機能の研究開発は知財専門家の職務遂行のためにも最優先の課題であるが、昨日、国家公安委員会、総務大臣、経済産業省(担当:商務情報政策局情報セキュチティ政策室)連名で標記状況が公表された(2009-02-26)。その内容(SANARI PATENT要約)を考察する。

1. 不正アクセス行為の発生状況
1-1 平成20年中に全国の都道府県警察から警察庁に報告された不正アクセス認知件数は2289件で、うち海外から214件である。
1-2 被害を受けた特定電子計算機のアクセス管理者の数は、プロバイダ1589件、一般企業685件等である。
1-3 認知の端緒は、警察活動1567件、利用権者からの届出656件等である。
1-4 不正アクセス行為後の行為は、インターネット。オークションの不正操作(他人になりすましての出品等)1559件、オンラインゲームの不正操作(他人のアイテムの不正取得等)457件、ホームページの改竄・消去152件、インターネットバンキングの不正送金37件等である。
1-5 不正アクセス行為およびその助長行為の検挙件数は1737件および3件である。

2.不正アクセス行為の手口等
2-1 検挙対象においては、ID等から容易に推測されるパスワードが使用されていたなど、利用権者のパスワードの設定、管理の甘さにつけ込んだものが1368
件、識別符号を知り得る立場にあった元従業員や知人等によるもの163件、フィッシングサイトにより入手したもの88件、スパイウェア等のプログラムを使用して識別符号を入手したもの46件、言葉巧みに利用権者から聞き出した、または覗き見たもの26件などである。
2-2 検挙された被疑者の年齢は、10歳代48人、20歳代42人、30歳代35人等である。
2-3 不正アクセス行為の動機は、不正にお金を得るため1498件、オンラインゲームで不正操作を行うため120件、情報の不正入手12件等である。

SANARI PATENT所見
 海外からの不正アクセスが著増していること、プロバイダの被害が漸増していること、インターネットオークションやオンラインゲームなど、ICT利用としてグローバルに発展が望まれる分野で多発していること、識別符号窃盗型行為が多く、管理者の自覚不足が見られることなどに注目すべきである。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Illegal Access、不正アクセス、プロバイダ、識別符号、インターネットオークション

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2009年2月26日木曜日

METI Study Meeting on Energy Saving to be held on 4 March 

省エネ化と省エネ産業の展開に関する研究会(経済産業省)の議事
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 経済産業省(担当:資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部省エネルギー対策課)が標記研究会を来る3月4日に開催するので、同研究会における最近の議事(委員発言)内容(SANARI PATENT要約)を考察する。

1. 中小企業の立場: 中小企業の観点からは、省エネだけを取り出して標準化するというアプローチでは限界がある。例えば鋳物の場合、融点がそれぞれ異なる金属を電気炉で溶解し、顧客別の小ロットで対応を求められる場合が多く、その度びに加工条件が変動する(SANARI PATENT考察: この変動に関するノウハウが、その中小企業存続発展の基盤である)。このように、簡単に標準化できない領域に中小企業の強みが存在する場合がある。
2. 標準化への中小企業寄与実績: 例えば、自動車の燃費効率向上のための軽量化に資するアルミ部品の技術開発には、中小企業が多く関与するなど、中小企業が産業・社会全般の省エネ実現に寄与している側面がある。
3. 利益と標準化の両立: 標準化について、技術戦略上は、デファクト標準化を獲得すれば確かに大きな利益獲得に繋がる(SANARI PATENT考察: 国際標準化のみが利益の永続に繋がり、国際標準化は、デファクト標準化によってのみ獲得でき、デファクト標準化は、技術戦略を含む経営戦略によってのみ獲得できることをSANARI PATENTは主張してきた)。単にオープン化することでは利益に繋がらない。利益と標準化を両立させるためのポイントは、各企業が差別化により競争力を保持したい領域については、標準化せず、各社の仕様と創意に委ね、その周辺分野のみを標準化することである。例えば電子部品の場合、部品の中身は完全にブラックボックスだが、大きさや電気容量などは完全に標準化されている。省エネについても、標準化すべき基盤領域と、個々の企業が競争すべき市場化領域とを明確に区分して検討しなければならない。また、企業が置かれている立場によっても、オープン化しない領域とクローズしたい領域は異なることに留意すべきである。

SANARI PATENT所見
 上記3の指摘は、大企業にもそのまま当てはまる。例えばシャープの場合、この見地に立って、ブラックボックス化も進めている。国際的歴史的に周知のブラックボックスは、コカコーラのブレンド割合である。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Energy Saving 省エネ、標準化、中小企業、シャープ

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2009年2月25日水曜日

Establishing New Purchase System of Solar Elec. 

日独対比: 太陽光発電買取の新制度創設
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1.昨日の経済産業省記者会見で、二階経済産業大臣が次のように述べた(SANARI PATENT要約)
1-1 太陽光発電については、低炭素社会づくりの行動計画において、導入の拡大とコスト低減について高い目標が設定されると共に、現下の厳しい経済情勢、特に雇用情勢打開のために期待が寄せられている(SANARI PATENT考察: 既にオバマ米国大統領の72兆円経済緊急対策・新エネ開発の筆頭に掲げられており、やや後塵を拝する観がある。従って、下記新制度では先導する)。
1-2 その導入を抜本的に強化することについては、国会でも積極的な多数意見が表明されると共に、政府の新成長シナリオの目玉とすべきことが発案された。そこで、太陽光発電はここ3~5年が価格競争力強化の正念場と判断し、従来の政策に加えて新制度を創設し、日本独自の体系を構築することとした。新制度は、電力使用者の太陽光発電導入を促進し、また電気事業者からは10年程度にわたり、太陽光発電電力の一定量を買取る仕組みを創案した。
1-3 今国会に提出予定のエネルギー供給構造高度化法案において制度設計を示す。

2.上記について質疑応答
Q1 これまでの施策を転換するというに値する案と思うが、今回この決断に至ったことについて所見はどうか。
A1 太陽光発電に関する今次対応は、大きな転換ともいえるが、従来のRPS制度はそのまま維持するし(SANARI PATENT考察: RPSは、Renewables Portfolio Standard:「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」に基づき、エネルギーの安定かつ適切な供給を確保するため、電気事業者に対して毎年、その販売電力量に応じた一定割合以上の新エネルギー等から発電される電気の利用を義務づける)、また、ドイツ等で行っている固定価格制度をそのまま受け入れるのではなくて、わが国独自の、いわゆる新しい日本型の政策を樹立し、従来のRPS制度と固定制との組合せによって最適制度としたい。
 電気使用者の協力を要し、自家消費を超えた電力量について、10年程度の期間について買取することが大きな目玉である。
 ドイツでは、太陽光発電以外の再生可能エネルギーを対象とする発電事業についても対象としており、買取期間も20年間に及ぶが、今後、更に検討する。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
RPS、太陽光発電、電気買取、新エネ、オバマ

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2009年2月24日火曜日

Energy-Environment Cooperation by Japan –USA 

各層日米首脳会談の展開による協力具体化の見込み
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 世界金融危機・経済危機対応の世界首脳会議を経て、エネルギーや保護主義をめぐる具体的政策が外交課題として前面に出る。昨日(2009-02-23)の経済産業事務次官・記者会見応答を考察する。

Q1 今週、麻生総理の訪米、先週、二階経済産業大臣と米国エネルギー省長官(経済産業省発表では「大臣」)との電話会談など、エネルギー・環境分野の日米協力が期待されるが、どのような結果が見込まれるか。
A1 その前に、クリントン国務長官来日時に、先方から特に、日米のエネルギー環境技術の研究開発(SANARI PATENT考察: このように「エネルギー環境研究開発」を一個の産業政策として経済合理化の目的から一元的に追求することが適切である。環境を理念化して遊離させるべきでない)について協力したいこと、特に中国を始めとする主要排出国を新しい枠組みに取り組んでいくことについての日米協力が発言された。これを受けて、私が米国エネルギー大臣と会談し、エネルギー環境分野の技術開発協力の拡大・強化化を会談した。既にここ一・二年、日米間で積極的に進めているところであるし、幾つかのプロジェクト進展している。これをさらに一層幅広く強化する。

Q2 明日(2009-02-24)、WTOミラー事務局長が来日して、保護主義監視チーム等について会談すると思うが、日本においてどの程度、その動向を把握し対応しているか。
A2 監視チームを発足させる前から、ロシアの関税引上げなど、幾つかの国における保護主義的動きが報告されている。報告に対してはWTO事務局とも協力しながら、保護主義の防止に努めなければならないので、今後のWTOと経済産業省との連携関係を明確に事務局長との間で合意することが、当面最重要である。

Q3 より実効性のある保護主義の防止策という点でいうと、相互監視というのは一つの牽制にはなるが、さらにそれでも保護主義の動きが拡大する場合に、どのような対策を講ずるかに、協議が及ぶか。(SANARI PATENT考察: この質問が最も重要である)。      
A3 基本的には、保護主義の抑制は関係国の節度に依存せざるを得ない。「新たな保護主義を発動しないこと」がG20の合意であり、WTO関係国の合意でもあるから、口先だけに終わらせないことが非常に大事で、何か法的に別立てで強制的な仕組みをつくることは無理と思う。(SANARI PATENT考察:適切な見解であり、企業は、その含意を外交的・戦略的に理解して、現実の行動を即行すべきである)。      
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
G20、WTO、保護主義、米国エネルギー長官、ロシア

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2009年2月23日月曜日

Obama Policy on ICT Summarized by General Affairs Ministry

オバマ大統領のICT関連施策(総務省2009-01-27)
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 総務省は、オバマ大統領のICT関連施策を次のように述べている(SANARI PATENT要約)。
1.ICT施策が関連する「技術・イノベーション戦略」の目標
1-1 オープンなインターネットと多様な媒体を通じて、米国民は完全かつ自由に情報を交換できるようにする。
1-2 透明で、政府と国民が結びつけられた民主主義の創生
1-3 近代的な通信インフラの整備促進
1-4 医療制度改革、新しいクリーンエネルギー資源の開発、公共セキュリティの改善などの、国としての喫緊の課題の解決に向けた技術・イノベーションの活用
1-5 米国の国際競争力の向上

2.具体的施策
2-1 ブロードバンド施策
2-1-1 全ての学校・図書館・世帯・病院を、世界で最も進んだ通信インフラに接続することを確保するため、国家的なブロードバンド施策を、特にルーラル地域において、税制や融資制度の活用も視野に入れて実施する。
2-1-2 ユニバーサル基金制度を、ブロードバンドも対象に含めたものに見直す。
2-1-3 ルーラル地域にブロードバンドを導入するために、周波数の利用状況を検証し、政府周波数の有効利用、商用周波数への新基準の導入を図る。
2-1-4 ブロードバンドがないコミュニティへのブロードバンド導入のための官民パートナーシップを支援する。
2-1-5 周波数免許に関する権限を通じて、公共安全機関が優先的に利用できる次世代ネットワークを構築する。
2-1-6 電子政府を推進するため、連邦政府全体のチーフ・テクノロジー・オフィサー(CTO)を設置する。

2-2 オープンインターネットの確保
2-2-1 インターネット上のオープンな競争を保持するため、「ネット中立性」の原則を強く支持する。
2-2-2 ネットワークプロバイダーは、特定のサイトのコンテンツ、アプリケーション、を優遇するための料金設定をしてはならない。ネットワークプロバイダーと特別の関係にあるサイトのみ速度の速いアクセスを認めることは、インターネットの二層化を招く。

SANARI PATENT所見
 上記2-2-2は、わが国ISPが注目すべきである。
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Obama、ICT、インターネット、ISP、CTO

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2009年2月22日日曜日

Policy for Hedge Fund 

米国におけるヘッジファンド規制論と、経済産業省ヘッジファンド研究の現況
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ッド
 今次世界金融危機惹起の元凶と目されている米国金融界について、特にヘッジファンドに対する規制が米国内で活発に展開されている。規制の必要性と、ヘッジファンドに対する資金供給機能の認識が相剋している。

 経済産業省は2007年来、ヘッジファンド研究会を設けて、ヘッジファンドの機能と問題点を検討してきたが、その今月会合における論点(SANARI PATENT要約)を考察する。

1. ヘッジファンド業界の事例
  ユナイテッド・マネージャーズ・ジャパン株式会社の小芝正浩社長が次のように述べた(要旨)
1-1 日本の資産運用業界には独立系の会社が少ないという指摘があるが、これは資金運用業界に限らず、わが国経済構造全体の特徴である。日本でベンチービジネスを開始する場合、会社を新設するよりも、大企業内の社内ベンチャーとして立ち上げられる傾向が見られ、資産運用業もこれと同様の状況にあると考えることもできる。(SANARI PATENT考察: 銀行の子会社としてベンチャーキャピタルが競って設立されてきたが、銀行支店長定年退職者が社長となり、堅実経営が多い。経済産業省所管の中小企業投資育成株式会社も堅実である。大企業が「選択と集中」で研究開発の一部を廃止する場合に、その部分の研究者がスピンアウトして独立し、関係特許権とベンチャー資金をその会社から授与されて発足した事例も見られる)。
1-2 仮にこれが世界で一般的に見られる現象とは異なるにしても、ビジネスを立ち上げるリスクを担える仕組みとして機能し、結果として、望ましい新規ビジネスが登場しているのであれば、独立系の運用会社が少ないことを問題にする必要はない。(SANARI PATENT考察: むしろ、「金融工学的運用」に走る危険性が少ない)。
1-3 金融業界であれ、その他の業界であれ、欧米と比較して、日本でベンチャー企業を立ち上げにくいのは事実である。その背景には、労働慣行や心理的な要因があるのかも知れないが、リスクマネーが不足しており、創業に必要な資金が調達できない点は大きな問題点である。(以下Sub Site
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Hedge Fund、ベンチャー、中小企業投資育成株式会社

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2009年2月21日土曜日

METI Minister – USA Secretary of Energy Tel-Conference 

米国エネルギー大臣(経済産業省の表現)と二階経済産業大臣が電話会談
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 二階経済産業大臣は昨朝(2009-02-20)、米国エネルギー省長官と電話会談し、午後の記者会見で、その内容を次のように述べた(SANARI PATENT要約)。
「いっまで環境問題についても、どちらかといえば比較的超大国と言われるような国々が慎重であったというか、一歩足を引いていたというような感じが、京都議定書の後からも受け止められるわけで、私もしばしば、国会でもそういう質問を受けた覚えがあるが、今朝話し合った感じでは、非常に前向きで積極的だった。
 米国エネルギー大臣スティーブン・チュー博士は、東京大学にも6カ月ぐらい籍を置いて、日本の学者とも相当交流があるように言っておられた。沖縄に、エネルギー研究、バイオ研究などの面で協力関係を構築できないかというようなことに関しても、重いを巡らせているようであったが、そのように、日本に非常に理解のある人と感じた。
 従って、積極的に協力し合おう、そのうちにできるだけ早い機会に会おうということになった。私は、今朝のこの会談の模様を麻生総理に報告するといったら、米国エネルギー大臣も、自分はオバマ大統領に必ず伝えるということだったから、エネルギー問題の日米協力について、特にこの博士はノーベル賞受賞者であり、良好な結果をもたらすと思う。」

SANARI PATENT所見
 二階経済産業大臣の上記報告には言及されていないが、今次米国エネルギー省長官(経済産業省表現「大臣」)の選任については、同博士が「中国系」アメリカ人であることが特に注目されている。例えば、「中国系アメリカ大統領が誕生する日」と題する「特別読物」(作家・譚 路美氏)を週刊新潮(2009-02-05)が掲載したが、「米国は、オバマ大統領就任で熱狂。意外なことに中国系あめりか人もその渦中にいる。彼らの存在は大統領選挙の帰趨を左右し、今や政権中枢に食い込む勢いだ」という記事紹介のもとで、「特筆すべきは、エネルギー省長官に中国系アメリカ人のスティーブン・チュー氏が抜擢されたこと。彼はカリフォルニア大学バークレー校教授と国立研究所ディレクターを兼ね、環境問題に詳しい研究家で、ノーベル物理学賞を受賞している」、「米国国勢調査2007によれば、アジア系アメリカ人総数1550万人のうち、中国系が334万人で、その半数以上が高騰教育を受け、選挙熱意が高い」等の動向を報告している。
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METI Minister、米国エネルギー省長官、中国系アメリカ人、ノーベル賞

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2009年2月20日金曜日

Trend of Trade Balance 

昨月の貿易収支連続黒字の要因(望月経済産業事務次官応答)(2009-02-19)
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 貿易収支についての経済産業事務次官応答(SANARI PATENT要約)を考察する。

Q1 今年1月の貿易収支が発表され、3815億円の黒字で、10カ月連続の黒字となったが、要因について所見はどうか。
A1 12月、11月の1兆を超える黒字額に比べれば、小さい数字になっている。年末という要素もあり、そのまま他の月と比べるのは不適当かもしれない。この1月については、輸出の伸び率はそれ程高くないが、輸入が前年同月比でマイナス26%という数次になっている。要因は3つあると思うが、一つは原油価格が去年の1月に比べて、需給の緩和により低落している。おそらく8ドル程度下落していると思う。
 もう一つの要因は、国内の景況を反映して、輸入の数字が伸びず、この両方の要因によって対前年同期比マイナス26%となり、11月頃から落ち始めてはいるが、この輸入の停滞が黒字の増をもたらしたと思う。
 金融システム不安を解消するための2法案がつい先日、国会を通過し、これからいよいよ11月以前の状況に戻ると思う。この過渡的な11、12、1月の数字は、国内の状況を見れば予測された数字と思う。

 輸出は、数量が落ち、伸び率が鈍化しているが、輸出の急増によって貿易黒字の歪みが出てくることはないち思う。輸入の数字については、国内の経済活動が11月以前の状態に戻るのだから、それへの期待を込めて注視する。

Q2 1月の貿易収支で、対米黒字も7割弱66%程度増えているが、国連のルービン・サマーズが、日本は内需拡大の国際公約を守れと言うなかで、しかもG7が開かれる前に、タイミングが良くないと思うが。
A2 アジア向け輸出が減少し、それとの関係で全体の伸びが8%程度となったが、特にEUと米国に対して輸出が、金額において
全体よろも伸び率が多くなっているということであり、その結果、数字も増えてきた。
 米国の、特に議会その他を中心に、この数字についての議論が、」これからも出てくるだろうと思うし、そういう意味では引続き国内の経済活動を着実な回復に乗せてゆくことが重要である。

SANARI PATENT所見
 米国における保護主義的動向に拘わらず、日本製品の独自機能が米国で需要されれば輸出は伸長する。例えば、航空機・電気自動車の車体用炭素繊維など。ある程度の保護主義が全世界を蔽うことは必然的で、わが国の産業構造をこれに適応させるべきである。
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Trade Balance、対米輸出、貿易黒字、国連、アジア

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2009年2月19日木曜日

Innovated Model of Distribution by 7 and i-NEC Cooperation 

セブンアンドアイグル-プとNECによる「流通とITの共創」
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 セブンアンドアイグル-プとNECが、「流通とITの共創」を協業で研究・開発するため、新会社を設立し、流通業の新業態を創造することを合意し発表(2009-02-17)したことは、戦後最大の経済危機を経過しつつあるわが国にとって、回復への起点が出現するという希望を与えるものと、SANARI PATENTは考える。
 その理由は、内外需要の喚起が、在来業態の流通によっては縮小均衡(所得と消費性向・低価格追求)を得るにとどまり、「新業態の創造」によってのみ、新たな発展の端緒が開かれるからである。

 両社の発表(SANARI PATENT要約)を見ると、
1. セブンアンドアイグル-プとNECは、「流通とITの共創」をテーマとして、情報化社会への本格対応に向けた研究・システム開発を協業するため、合弁会社として株式会社sssを設立する。
2. 今回の協業は、セブンアンドアイグル-プの小売業のノウハウと、NECのシステムの研究・技術ノウハウを結集し、研究分野において小売とIT協働する世界初の試みである(SANARI PATENT考察: 「小売システムにITを活用することは、POSやVISAを始め全世界に普及しているから、この記述は粗雑というほかない)。具体的には、ネット社会における更なる技術活用を追及し、小売業の新たな可能性を研究する。また、流通業におけるIT人材の保有・育成により、ノウハウの蓄積・共有オペレーションを実現し、IT投資効果の最大化を目指してシステムを開発する。
3. 将来的には、研究開発の成果を、セブンアンドアイグル-プのビジネス革新と、NECグル-プの新製品開発に活かすことを目指す(SANARI PATENT考察:「基礎研究所」のような表現だが、もっと迅速性・即応性が望まれる。流通の飛躍的イノベーションに直結する成果を的確の顕在化させないと、「セブンアンドアイグル-プとNEC」の協業に剋目した期待は外れる)。
4. 新会社は来月24日に設立、資本金3億円で、セブンアンドアイ・ネットメディアが50%、NECが40%、セブンアンアイが10%の出資比率である。
5. 事業内容は、
5-1 ネットとリアルの融合ビジネスの研究: インターネットを活用して、顧客・小売・生産者とのコミュニケーションを拡大し、新たな小売業の業態を創造する(SANARI PATENT考察: この創造が続出かつ革新を間断なく遂行してゆくことが「需要の創造」に必要である。旧来業務の延長ではないか、との理解しかあたえないとすれば、冒頭記載の「希望」は消失する)。
5-2 次世代に向けた新技術活用の研究: インターネットが普及した情報社会における、次世代機器・新技術の小売事業への活用方法を研究する(SANARI PATENT考察: むしろ「ディマンドプルの技術開発が望まれる)。
5-3 戦略的なデータ活用のノウハウの研究: 蓄積された膨大な小売のデータを活用し、仮説・検証サイクルの」加速化を図る(SANARI PATENT考察: 大学院研究的にならないよう、利用目的が先ず設定されてデータ活用の創作に至るべきである)。
5-4 開発ノウハウの蓄積: 人材が継続して開発プロジェクトに携わることにより、業務・開発ノウハウを蓄積し、生産性を向上する(SANARI PATENT考察: セブンアンドアイグル-プとNECのそれぞれに蓄積された巨大な既存ノウハウをセブンアンドアイグル-プとNECが融合して、新業態創出し即時展開することが一般の期待であり、速度の表示を明確にすべきである)。
5-5 ロコストオペレーションを実現する(SANARI PATENT考察: 当たり前の話で、低価格高品質超便利でなければ、新業態の名に値いしない)。

SANARI PATENT所見
 セブンアンドアイグル-プがNECをフル活用して、
1. インターネットを活用した書籍・CO-DVDのネット通販
2. ネットサービスの運営サポートやチケット・各種サービス提供による店舗とITの結合
3. テレビやインターネット等のメディアと小売の融合により新しい販売チャンエルを創造する。
4. グル-プ店舗ネットワーク網を活用し、様々なサービスを提供して、学びと体験(旅行)を融合する。
としているが、「融合」の語が安易に用いられると、具体性が見えなくなる。「研究開発」の次の実行段階から発足すべきである。
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Distribution、セブンアンドアイグル-プ、NEC、流通、協業

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2009年2月18日水曜日

Sakhalin LNG Project 

サハリンLNGプロジェクト等について二階経済産業大臣の対記者応答
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 標記応答(2009-02-17)の内容(SANARI PATENT要約)について考察する。
Q1 サハリンLNGプロジェクトについて、式典には麻生総理も出席するが、改めて日本にとっての、このプロジェクトの意義と、今後の対ロシア資源外交の重要性について、所見はどうか。
A1 ロシアと日本の関係は歴史的に複雑であったが、今日、互いに友好関係を築くよう努力しており、私もかねての経済産業大臣在任中、ロシアの閣僚・大使など要人としばしば会談してきた。
今次サハリン2LNGプロジェクトのプラントは、埋蔵量も大きく、このプロジェクトから、年間輸入量の約7%相当の天然ガス(SANARI PATENT考察:「7%」の母数が示されていない)を輸入することができるので、既に輸入が始まっている原油を含めて、このプロジェクトがわが国のエネルギー供給源の多角化に貢献する意義は十分にある。
 私は以前、当時の駐日ロシア大使に対して、「ロシアの考え方は、正直に言って日本の国民やマスコミに分かりにくいところがあるので、もっとざっくばらんに話してほしい」と言ったところ、私の提案で、大使館にマスコミを招き、詳細な説明がなされた。ロシアの考えは、エネルギーを供給すると共に、国土開発について日本の協力を求めているので、日本の政府・企業ともに、相互協力の状況を構築すべきである。今回の麻生総理の出張による首脳会談で、協力関係についても大いに期待できると思う。ロシアは、同国の観光開発についても強い意欲を持ち、観光資源も有するから、既に私から観光庁に依頼して調査を開始している(SANARI PATENT考察: ロシア帝政時代を含めて歴史的観光資源に富み、雪の結晶や化石宝石・動物などの自然資源に加えて、「雪祭り」などJTBが作出したロシア観光資源もある)。 
 なお明日(2009-02-18)、総理のロシア出張には、経済産業省も資源エネルギー長官が同行する。

Q2 柏崎原子力発電の運転再開に際して、安全対策はどうか。
A2 経済産業省においては、安全審査の専門委員会で安全性の判断を得ているが、地元の理解・協力が重要であり、あらゆる資料を提供し、意見を聴いて、誠実に対応することにより、成果を収めたい。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Sakhalin、LNG、ロシア、観光庁、麻生総理

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2009年2月17日火曜日

METI Vice Minister Comments on GDP Spot News 

GDP速報値について望月経済産業事務次官の対記者応答
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 主要国中、GDPの低落が最も著しい日本経済の前途について、望月経済産業事務次官の対記者応答(2009-02-16)(SANARI PATENT要約)を考察する。

Q1 今朝(2009-02-16)発表されたGDP速報値は、事前にある程度予想されたとはいえ、年率換算12.7%という大幅マイナス成長になったが、どのように受け止めるか。
A1 肌身で感じていた「百年に一度の最悪の経済状態」(SANARI PATENT考察:「百年に一度の最悪の経済状態」という表現は不適切で、「戦後最悪」という期間修正の表現が一般的になってきたが、「戦後」の方が適切である)が数値だ示されたという感がある。更に気を引き締めて景気回復に努力すべきであることを再認識した。

Q2 今回の数値を踏まえて、改めて追加対策を考えるか。
A2 年末のこの数値の時期に第二次補正予算を作成し、かつ、次年度予算を作成した。15か月予算、3段ロケットということで回復しようと、政策を打ち出したので、先ずはこの政策を的確に早期に実行して、景気回復に努めたい。

Q3 今の2009年度予算案と2008年度補正予算で十分と考えるか。
A3 まだ実行に着手していないので、先ずは目の前にあるこの景気対策に早期着手することが必要である。2009年度の日本経済は、各国の景気対策による世界経済の回復と共にあると思っているので、その効果を見ないと、日本だけでは政策の充分度を判断できない。
 今回のG7コミュニケを見ても、各国がそれぞれ自らの責任を果たして景気対策を実施することが共通の目標になっているから、国際協調の経済対策ということが最も重要であり、その意味で、日本は日本の経済対策を早く実行すべきである。

Q4 地球温暖化対策について、経済産業省の基本スタンスを改めて聴きたい。
A4 論理的可能性ある各選択肢について、専門家が検討中なので、具体的コメントは控えるが、長期エネルギー需給の見通しの変化も考えなければならない。

Q5 ポイントは「負担の公平性」か。
A5 ポイントは、「環境と経済の両立」である。

SANARI PATENT所見
 Q5A5の質疑応答が極めて重要である。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
GDP、経済産業事務次官、景気対策、G7

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2009年2月16日月曜日

Voices of Small Sized Companies on Finance

中小企業金融に関する経済産業省・中小企業の意見交換会
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 経済産業省(担当:中小企業庁金融課)が、年末から今月にかけて
全国150箇所で中小企業者の「生の声」を聴く取組を行ってきたが、その概要を発表した(2009-02-13)。その内容(SANARI PATENT要約)を考察する。

1. 景況・資金繰り
1-1 これまで比較的好調と見られてきた地域・業種においても、足もとで急速に景況が悪化している。
1-2 資金繰り悪化と共に、仕事が無いので借りられないとの声が多い(SANARI PATENT考察:「売掛金担保融資」の発想も、売掛金の存在が前提である)。
1-3 建設業者からは公共工事の減少、商店街小売業者からは大手事業者の地域進出による構造的経営困窮化が多数述べられた。
1-4 民間金融機関の融資姿勢が慎重になっている(SANARI PATENT考察: 大企業の金融機関依存が地方銀行にも及び、地域金融機関の健全化指向と相まって、融資慎重の姿勢になる)。
1-5 借り手企業の経営実態や特性を踏まえたキメ細かい対応を求めている(SANARI PATENT考察:「金融担当大臣・経済産業大臣から、民間金融機関に対して、「借り手企業の経営実態や特性を踏まえたキメ細かい対応。円滑な資金供給」を要請したと応答しているが、「経営実態」とは具体的に何をいうのか、発言者も応答者も明示していない。経営者の資産能力であれば個人保証の問題になり、独自の知的財産権を主張するのであれば、その実際価値の評価が問題になる)。
1-6 新規融資に関する要望に加えて、既存融資の条件変更に関する要望が多い(SANARI PATENT考察: もっと具体的に「声」の中身を開示しなければ参考にならない)。
1-7 金融庁において監督指針と金融検査マニュアルを改定し、中小企業向け金融の貸出条件を変更しても貸出条件緩和債権(不良債権)に該当しない場合の取扱を拡充したが(2008-11-07)、その活用が十分でない(SANARI PATENT注: 3か月以上経ってっもまだ不十分ということになるが、そもそも「不良債権」であったものが、どうして「不良債権でなくなるのか」、金融庁の説明が不十分である)。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Finance、金融庁、中小企業、知的財産権、資金繰り

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2009年2月15日日曜日

Economy Crisis vs. Earth Environment 

経済危機下における環境理想論の現実性
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Q2(承前Sub Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog 209-02-14記事)(二階経済産業大臣・記者会見)定額給付金等についての小泉元総理の発言を、どのように評価するか。
A2 小泉元総理は、元総理の中でも特に群を抜いて、存在感と同時に影響力をお持ちの政治家だから、その発言を慎重・謙虚に傾聴する態度が必要と思う。新聞・テレビで知っただけで、今ここで私が、内閣の一員として、このご発言に対してコメントする立場にはないが、そういうご意見が党内から出てくることは、自民党の良いところで、他の政党では考えられないし、また、このようなご発言があれば、他の党なら、その党がどこかに飛び去ってしまうけれども、自民党は厳然としているから、しばらく静観する(SANARI PATENT所感: 応答の、優れたノウハウを学ぶべきであろう)。

Q3 郵政民営化・四分社化の見直しについて、所見はどうか。
A3 現に担当大臣等が、実施に至るまでプロセスを描いてやっている最中だから、経済産業大臣が今、発言する立場でないが、国民の理解が得られるよう、担当者の懸命な努力を望む。

Q4 現下の経済危機の中で、地球温暖化対策の中期目標の国際合意が、どこまで本当にできるのか、公平性という観点をひとつ持ちつつも、対国際的にも、日本として打ち出すべきレベルというのは、どの程度と考えるか(SANARI PATENT考察:環境重視派と経済危機対応優先派との対立の構図ともいうべく、重要な質問である)。
A4 基本的には、打ち出す理想論は幾らあっても良いのだが、実現の可能性を考えなければならない。実行の可能性を念頭に置いて最終的な調整を進めたい。経済界の現在の情勢、雇用の関係等を考えて、環境問題に対処することは、極めて難しい連立方程式を解くこととなるが、環境問題は経済情勢の動きにかかわらず不断の努力を積み重ねるべき性格のものであるから、日本として世界の中のリーダー国たらんとするならば、日本がどういう範を示すかが重要である。日本が説得力をもって、他の国々をリードしてゆくということになれば、日本みずからが、どれほどの犠牲を払っても、地球環境の問題に対して先頭を切る姿勢は大事なことだと思う(SANARI PATENT所見: 表現としても、かなり勇み過ぎである)。北海道洞爺湖サミットに対する国際的評価も、今になって高まっている(SANARI PATENT所見:「高まっている」模様を、経済産業省事務当局が具体的に国民に示すべきである)。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Environment、地球環境、経済危機、二階経済産業大臣、郵政民営化

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2009年2月14日土曜日

Corresponding Action Against Protective Policy 

保護主義への対処など当面の外交課題
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 各国、特に新興国の特許法における「属地主義」は、保護主義の一形態として、相手国の経済的立場を理解しつつ対処することが適切である。化学物質関係のわが国特許法の改正経緯も顧みるべきである。

Q4(承前2009-02-13記事) 保護主義の動きについては、情報収集や、問題の国への申し入れ、WTOへの情報提供などは、従来から行ってきたと思うが、この際、アクションチームを作ることは、何を狙っているのか。
A4 情報は、色々なチャンネルがあるので、入ってくる仕組みになっていると思う。しかし今、経済危機のもとで保護主義への懸念が非常に高まっているから、タイムリーに関連情報を把握し、世界で共有していくことが極めて重要という局面に達していると思う。現にWTOでは、各時点における情報の整理がなさてはいるが、時々刻々情報が変化し、幾つかの懸念されるような関税の引上げなどが起こっているのも事実だから、経済産業省が持つ情報網をタイムリーに活用し整理して、WTOにも正確な情報をインプットして、自由貿易の中心機構として適切に動いてもらうことが非常に大事になってくると思う(SANARI PATENT考察: 現に、ロシアの自動車輸入関税引上げによるわが国中古車輸出の著減)。そういう意味では、機動的な体制を省内だけではなくて、在外公館はもちろん、JETROの海外事業所などもフルに稼働して、情報収集に努めることが非常に大事であるので、アクションチームを構成した。

Q5 個別問題についてWTO違反であるというような主張を、日本として展開するためのチームというようなことではないのか。
A5 そういうものに値するようなことが起これば、当然一つのきっかけにはなると思うが、日本だけがそうした問題提起をしても足らないと思うから、各国協調して、この保護主義を防がなければならないという意味では、WTOが中心になって動くことになる。

Q6 あくまであえ快適な措置、WTO加盟の中で共通に対処するという話か。
Q6 違う。日本として積極的に貢献しようという考えだから、日本の様々な機関の情報を早く集める体制を作るということである。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
WTO、保護主義、ロシア、自動車輸入関税、JETRO

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2009年2月13日金曜日

Protective Policy for Domestic Industries

保護主義監視体制について望月経済産業事務次官応答
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 知的財産は物とサービスに化体して国際流通するから、保護主義はこれを阻害する効果を持つと、SANARI PATENTは考える。
 望月経済産業事務次官は同省記者会見(2009-02-12)において先ず次のように説明している(SANARI PATENT要約)。
「保護主義の監視体制を整備する。ダボスのWTO閣僚会合でも、経済危機のもとで世界経済を更に悪化させかねない保護主義を、断固防がなければならないことが確認されている。経済産業省としては、JERTROや関係各省と連携して世界各国で導入された、企業活動に影響を与える貿易措置を迅速に把握し対応するための体制を強化する。報告された各国の貿易措置については、懸念があれば随時、相互通知し、解決策を協議していく。」

Q1 アクションチームを設置したとのことであるが、人員・規模は具体的にどのようか。
A1 通商機構部長をチーム長として、通商機構部の関係者、通商政策局の各地域の担当課長、貿易局の経済協力関係の課長、製造産業局・商務情報政策局で各産業を所管している担当課長、産業政策局の課長など、省内の関係部長を幅広く集めて、情報の一元的な収集・分析を行う。

Q2 選任の担当者を配置bか。
A2 通商機構部が全体をまとめるので、同部が事務局になる。

Q3 Buy American条項について、上院の修正案が立法化される見通しになったが、どう受けとめるか。
A3 米国の今次景気対策について、下院から始まった議会の議論の中ではBuy Americanが盛り込まれて心配したが、オバマ大統領の、「保護主義の引き金を引くつもりはない」という毅然とした対応がされてきたので、経済産業省としては、当然これは最終的には国際貿易ルールと調和されるということは期待していたし、その方向で収拾されようとしていることについては、歓迎したい。米国が保護主義に手を染めることは、あってはならないので、いま調整中であるが、最終的には、大統領が立法にサインするところまで、きちんと見守る。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Protective Policy、 JERTRO、Buy American、オバマ、保護主義

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2009年2月12日木曜日

Solar System at Condominium etc. 

集合住宅における太陽電池パネル設置の問題点等
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6.(承前 Sub Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog 2009-02-10記事) 集合住宅や低層賃貸住宅は、屋根を広く取れるので、太陽電池パネル設置に適しているが、屋根がオーナー所有である場合は、太陽電池パネルを設置すると家賃に跳ね返る形になっている(SANARI PATENT注: 共有物件となっている場合は、設置費・管理費分担の合意を要する)。企業に屋根を貸すことによって、産業界および住宅に太陽光発電を急速に普及できるのではないか(SANARI PATENT考察: 優れた発想で、住民の承諾は得られ易いが、企業にとっての、特に電力会社にとっての採算試算を早速行うべきである)。

7.太陽光発電のPR活動に関して、各社個別にPRしているが、住宅メーカーにとってはパネルを売ることが目的ではない。二酸化炭素を削減することにより、どんな素晴らしい生活ができるかということをPRしている(SANARI PATENT考察:「素晴らしい生活」が概念的で、二酸化炭素削減がその居住者にもたらす効果の説明はできていない)。政府主導で、太陽光発電に関する正しい情報をPRする必要がある(SANARI PATENT考察: 住民にとっての価格メリットは、政府に説明能力が無い)。

8.太陽光発電の普及という大きな政策目的実現のためには、セル、モジュールが大量に必要であり、その生産にスケールメリットを活かすべきである。国内外のビジネスモデルを駆使して資金を調達し、生産計画を続行すべきである。

9、コスト競争力をつけることが重要で、材料シリコンを確保すべきである(SANARI PATENT考察: シリコンに代替する材料の開発が必要である。また、シリコンの純度を高めることが太陽光発電の耐用年数を高めるために必要だが、そのためには電力原単位が増加するから、エネルギー収支やコスト計算に落ち度がないよう、用心が肝要である)。

10.現状では、ユーザーにおけるメリットを顧客に説明することが難しい。太陽光発電パネルを設置しても、後から建てられた建物の陰になって、発電量が落ちる場合がある。ユーザーが安心して太陽光発電パネルを設置できるよう、既存制度の規制強化を図るべきである(SANARI PATENT考察: 非常に重要かつ現実的な指摘だが、既存制度、例えば容積率を改正して都市計画を刷新することや、屋上栽培などの別の政策目標、住民利益との調整が先ず必要である)。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Solar System、太陽光発電、太陽電池、集合住宅

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2009年2月11日水曜日

IT Performance in Small Sized Enterprises 

中小企業IT経営大賞2009の選定結果発表(経済産業省2009-02-10)
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 選定における評価内容(SANARI PATENT要約)を見ると、わが国中小企業のIT高度化状況を具体的に考察できる。事例として、

1. セル方式による生産革新とITとの統合化(石川県タガミ・イーエクス社)
 産業機械製造事業にセル生産方式を導入し、生産リードタイムの短縮やパートナー企業との同期化を着実に実践するため、生産管理システムやWeb-EDI(SANARI PATENT注下記)を効果的に活用している。これにより、徹底した現場の見える化や改善活動を進めると共に、パートナー企業との情報共有や納期管理を強化し、総合的に生産性を向上している。外注先を含めた、企業の枠を超えた「セル方式による生産革新とITとの統合化」の実現事例として、また、主要取引先である大企業への依存体質に陥っていない、独立企業としての模範事例として高く評価される。支援ITベンダと役割分担して、IT要員の一人体制による効果的なIT経営を推進していることも評価された。

2. 小規模製造業EDI普及協議会設立によるデータセンターの活用(京都府・田中精工社)
 統合型生産管理システムによる全社最適化にとどまらず、パートナー企業と、生産計画・受発注情報の見える化のため「小規模製造業EDI普及協議会」を設立し、データセンターを活用した企業ネットワークを形成している。これによって企業グル-プとして、ダイカスト製造のリードタイムの短縮、品質の向上を図り、また、自社のIT活用の成熟と共にWeb-EDI活用による小規模企業とのネットワーク型企業連携を実現し、大手企業を主要顧客とする中小企業の連携による成功事例として高く評価される。またシステムの自社開発にとどまらず、その活用のための内部人材の育成、パートナー企業の人材育成の支援も評価される。

3. ITシステム統合による全社最適化(大阪市・東海バネ工業社)
 基幹システム、バネ設計支援システム、Web受注システムを統合し、全社最適化された高度システムを活用している。これにより情報の共有や再活用による受注・設計・製造の業務効率化の徹底、Webマーケティングによる新規顧客、取引の拡大を図り、特に、Web活用による攻めのIT活用により多品種小ロットの完全受注生産を可能とし、バネトップメーカーの地位を獲得した。また、社内にIT委員会を設置すると共に、外部専門家やITベンダとの積極的コラボレーションも評価される。

SANARI PATENT所見
 EDI(Electronic Data Interchange)は、情報を標準的な書式に統一して、企業間で電子的に交換する仕組みとして唱導されてきたが、上記事例のようなリード企業の活動によって実現可能であることが実証されている。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
EDI、中小企業、IT化、最適化、Wrb受注

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2009年2月10日火曜日

Human Frontier Science Program to be Evaluated 

来る16日にqqq制度評価検討会を開催 (一般傍聴可)
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 経済産業省(担当:産業技術環境局国際室)が2月16日、ヒューマンフロンティアサイエンス評価検討会を開催する。
 ヒューマンフロンティアサイエンスプログラムは、1987年のヴェネチア・サミットで、中曽根総理(当時)が提唱したプロジェクトである。生体が有する複雑なメカニズムを国際共同で解明し、その成果を人類全体の利益に供することを目的としている。
 この提唱の背景としては、1980年代から生じていた、欧米から日本に対する、「研究ただ乗り」批判が大きい。すなわち、当時の日本(SANARI PATENT注:日本の高度成長期である)は、欧米を中心として海外で行われた基礎研究の成果を利用して、国内で実用化・製品化の部分だけを享受しているという批判である。そこで先ず、1985年に中曽根総理(当時)の諮問委員会において、当時の貿易摩擦や技術摩擦への対応の観点から、日本が研究分野において国際的に貢献することの必要性が指摘され、技術開発の新たな国際機構の設立が発案された。これを受けて国内では、関係各省連絡会議を設けて、具体的な研究テーマやプログラムが策定されることとなった。

 ヒューマンフロンティアサイエンスプログラムの研究対象領域は当初、「脳機能」と「バイオ機能への分子的アプローチ」の2分野とされたが、その後、両分野の対象が拡大すると共に双方の分野が不可分となったとの判断から、「生体が持つ複雑なメカニズム」を対象とすることとした。

 ヒューマンフロンティアサイエンスプログラムの資金は日本が90%以上の金額を拠出していたが、その後、他国の資金拠出率が増え、米英独仏伊加瑞の拠出が漸増して、日本の拠出率は60%程度となったが、2005年から韓国とオーストラリアが参加国に加わり、50%に低減した。現在、拠出年額は日本を含めて約5000億円である(SANARI PATENT概算)。

 経済産業省においては、わが国が欧米諸国と比較して必ずしも得意としていない生命科学分野について、qqq推進機構への資金拠出により、「国際協力を通じて、生体が持つ複雑な機能の解明に焦点を置いた基礎研究を促進すると共に、人類福祉の向上に繋がる研究成果を挙げること」、「基礎研究分野で日本が資金面を始め主導的貢献をしていることを示すこと」を目標としている。

SANARI PATENT所見
 わが国の博士失業が、ライフサイエンスの分野で特に著しく、人材の活用が不十分であると共に、ヒト対象の臨床実験やDNA操作に用心深いこと(米国の顕微受胎実用やクーロン実験に比べて)の得失を考究すべきである。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Human Frontier Science Program、経済産業省、ライフサイエンス、博士失業

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2009年2月9日月曜日

System For Resolving IT Service Related Problems

 電気通信サービスの利用に係る問題解決の在り方
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2-1 (承前:2009-02-07記事)電気通信事業者の限界: 電気通信サービスの利用に際して発生する問題は、一義的にはそのサービスを提供する電気通信事業者自身が解決すべきものと考えられ、各電気通信事業者が、電気通信事業法の規定に従い、対応している。しかし、その対応はかならずしも十分ではなく、また、複数の電気通信事業者が関与するサービスについては、単独の電気通信事業者による問題解決には一定の限界がある(SANARI PATENT考察:「複数電気通信事業者関与の新サービスが逐増する趨勢にあり、ユーザーは苦情申し入れ相手方の選択自体に困惑する場合が増える)。
 
2-2 行政・民間団体による解決の限界: 国・独立行政法人が主体となって行う問題解決も考えられ、現に、総務省や国民生活センターも対応しているが、利用者が多数で、このような問題解決には限界がある(SANARI PATENT考察: サービスの高度化・複雑化が対応能力の不足を招来し、ユビキタスIT社会の推進がこれを激化する)。
 更に、地方公共団体や民間団体も取組んでいるが、インターネット等を通じた情報提供は行われているものの、最新の情報の提供が都市部のみで行われている場合があること等に起因し、地方には十分な情報や最新の情報が届き難いという問題があるなど、地方公共団体や民間団体による問題解決には一定の限界がある(SANARI PATENT考察:役所流の「等」多用で問題の焦点がぼけている。インターネットは新情報自体には地域格差はなく、インターネットの双方向利用は全国的にこの問題解決に寄与していない。インターネット以外の対応能力には地域格差が大きい)。

2-3 電気通信事業者・行政機構の連携: このように、関係者による様々な取組が行われているが、必ずしも十分な対応とはなっていないことから、それぞれの特色を踏まえつつ、連携のもとに、利用者の視点に立った対応が求められる。

3.契約締結前の利用者向け情報提供の在り方
3-1 電気通信分野における急速な技術革新や競争の進展により、料金の低廉化(SANARI PATENT考察:「および複雑化」)や、サービスの高度化・多様化が進展し、利用者は必要なサービスを低廉な料金で利用できるようになっているが(SANARI PATENT考察: 低連の程度の比較が困難になっている。簡明化を強調すべきである)、他方、それにより、利用者は自らのニーズに適合した料金・サービスを適切に選択することが困難になってきている面がある。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
IT Service、電気通信事業者、国民生活センター、ユビキタス

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2009年2月8日日曜日

Industrial Heritage Summit by METI and NIKKEI 

近代化産業遺産サミットを経済産業省と日本経済新聞社・NHKが今月23日に開催
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 近代産業遺産の保存・活用の担い手のサミットが、経済産業省(担当:経済産業政策局地域経済産業政策課)主催、日本経済新聞社・NHK共催で、来る23日に、大阪市中央公会堂で開催される。外務省、文化庁、観光庁、関西経済連合会、大阪府、大阪市が後援する。これまでに、萩市の萩反射炉、神戸市のメリケン波止場(SANARI PATENT注:歌謡曲で懐かしい)、日光の足尾銅山本山精煉所(SANARI PATENT注:日清・日露戦争と日本産業興隆を支えると共に、足尾公害の源泉となった)、川崎市のトーマス転炉などが、逐年認定されてきた。

 本年度認定された「近代産業遺産 続33選」の遺産の所有者や管理者に認定証を贈った後、JR東海の須田 寛・相談役と枡一市村酒造のセーラ・マリ・カミング氏が基調講演し、NHK三宅民夫エグゼクティブアナウンサーのコーデォネートによりパネルディスカッションする。

 経済産業省は近代産業遺産認定の趣旨を次のように述べている(SANARI PATENT要約)。
1. わが国は幕末・明治維新以降、先人達の努力によって、他国に例を見ない速度で産業を近代化したが、その事跡を未来に向かう活力源とすることが重要である。
2. しかし近代産業遺産は、世界遺産と異なり、一見してその価値が人々に伝わるものは多くない。優れた価値にもかかわらず、その価値が広く認識されることなく、単なる一昔前の製造設備として廃棄あれた例も少なくない。すなわち、近代産業遺産の価値は、個々の近代産業遺産単体では伝わり難く、他の関連する近代産業遺産と併せて、産業史・地域史のストーリーを軸に整理・編集し、その近代産業遺産が産業史・地域史上で果たした役割や、それが象徴する先人達の物語を明確にすることにより、初めてその価値が効果的に発揮される。
3. 個々の近代産業遺産については、その保存・活用を一層進める観点から、所有者の同意のもとで経済産業省として認定すると共に、これを証するプレートを贈呈している。この認定は、認定される近代産業遺産が、地域活性化に役立つものであることを経済産業省として認める趣旨のものである。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Industrial Heritage、近代産業遺産、NHK、日本経済新聞、萩市

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2009年2月7日土曜日

Telecom Service User Meeting Held by General Affairs Ministry 

総務省「電気通信サービス懇談会報告書」(2009-02-04)
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 ユーザーから多くの意見が提出されてきた総務省「電気通信サービス懇談会」の報告書(2009-02-04)が発表されたので、その内容(SANARI PATENT要約)を考察する。

1. 論旨
1-1 インターネットやケータイによる様々な電気通信サービスが日常生活・経済活動に不可欠な社会基盤となっており、料金の低廉化とサービスの多様化が進展している。
1-2 他方、利用者から見ると、新しいサービスの登場や料金の複雑化により、自らのニーズに合致したサービスを的確に選択することが困難になる面があるため、トラブル発生時に電気通信事業者による迅速な対応が図られる体制づくりなど、利用者利益の一層の確保・向上が求められている。
1-3 トラブルの主な要因は、電気通信事業者と利用者との情報の非対称性や、交渉力の格差の拡大にあると考えられるが、これを解消し、利用者が真に望むサービスを提供できるようにすることは、利用者・電気通信事業者の双方にとって有益である。この懇談会は、このような「Win-Winの関係」構築を目指す。
2 事後規制に力点の競争ルール
2-1 2004年に、参入規制の大幅緩和、料金・契約約款規制の原則的廃止など、競争ルールは、事前規制から事後規制への移行が図られてきている。一方、技術革新と競争の進展に伴い、料金体系やサービス内容が多様化・複雑化し、電気通信事業者と利用者との間の情報の非対称性から生ずる問題が顕在化したため、競争の促進による便益を利用者が最大限享受できるよう、利用者利益を確保・向上するためのルールが設けられてきている。
2-2 更に政府は、消費者が主役となる社会を実現する国民本位の行政に転換するため、消費者庁を設置することとし、消費者保護の一般法制と、電気通信サービスの特性を踏まえた個別法制とが相互に補完し、利用者利益の確保・向上を図る体系は、引続き有効なものと考えられる。複数の電気通信事業者が関与してサービスが提供される形態が増加しているので、特に適切な対応が必要である(SANARI PATENT考察: 従来も、パソコンによるインターネット活用について、ISPとキャリアとの責任境界が錯綜して、利用者の参入を難渋させてきた場合が多かったが、今後は無線・有線融合、通信・放送融合、固定・移動融合、利用者発信、SNSなどが発達するので、上記の配慮が益々必要になる)。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Telecom Service、General Affairs Ministry、電気通信事業者、ISP、消費者庁

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2009年2月6日金曜日

New Investment Policy Explained by METI 

New Investment Policy Explained by METI 産業活力再生特別法改正による資本注入新制度について望月経済産業事務次官応答(2009-02-05)
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 産業活力再生特別法改正法案が国会に上程され、活発な審議が予想されるが、望月経済産業事務次官が昨日の記者会見で応答した内容(SANARI PATENT要約)を考察する。

1. 対象企業の選定条件
1-1 質問: 政府による一般企業への資本注入について閣議決定されたが、対象企業の選定等の条件については、法改正後の告示ということだが、地域経済への影響など、どのようなことが条件となり得るのか。
1-2 応答: 念のため確認すると、今回の産業活力再生特別法改正は、様々な要素を含んでいる。一つは、緊急時対応の際の出資の問題があるが、産業革新機構についての部分や、中小企業の事業再生のために第二会社を作る方式であるとか、また、今後のわが国の経済成長のため今回税制改正に盛り込まれた省エネ・省資源の投資に対する即時償却のベースになるような計画の認定についても定めている。このようにオムニバスだが、今回、年末に、大企業も含めて企業の資金繰りが非常に厳しくなった時に、経済産業省は資金需要を色々調べたが、融資に依存していた部分以外に、CP市場が非常に収縮したとか、社債市場が収縮したことに伴う部分における借り換えについての問題にも対応できるように、緊急スキームを発動しようということになった。その一つに、融資では必ずしも十分に対応できないケースもあり得るということがあったが、当面は融資制度しかないからそれによって対応するにしても今後は、今の経済混乱の事態がまだ中期的に続くということになるとすれば、対応の選択肢を備えておく必要がある、その中で、融資では対応し切れない問題についても、出資で補完することがあり得るということで急遽、産業活力再生特別法改正に定めることとした。従って、基本的には融資で対応するが、融資で対応できないような、例えば今次事態のなかで、企業の自己資本ががなり不足し、財務制限条項などに抵触して融資が受けられないというような事態もあり得るので、このような場合には融資に代えて(SANARI PATENT考察:「あるいは、融資と共に」の意と解する)出資をするものである。もう一つのポイントは、国が資本を注入するわけではなく(SANARI PATENT考察: 建前はその通りだが、結果的には「国が注入した」と同結果になる場合があるというのが、今次産業活力再生特別法改正の核心である)、指定金融機関が融資に加えて出資で対応するような場合に、それがその後、損失を発生した場合に(SANARI PATENT考察: つまり、対象企業が倒産したような場合に)損失の補てん契約を結んで、その損失を国が後から補填するという保険の仕組みである。それを「公的資金注入」といわれているが必ずしも正確ではないが、そういう仕組みを今次産業活力再生特別法改正に提案した(SANARI PATENT注:「結果的公的資金注入」というべきであろう)。(以下Sub Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog
2009-02-06記事)
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Investment Policy、産業活力再生特別法改正、公的資金、経済産業事務次官

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2009年2月5日木曜日

Tapping Oil and Natural Gas at Seabed 

領海内、石油・天然ガス開発の今後
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 東シナ海での日中双方の油田開発に期待が持たれ、わが国海底掘削技術を発揮する場であるが、メタンハイドレートに続いて資源庁案は次のように述べている(SANARI PATENT要約)。

3.(承前:2009-02-04記事)石油・天然ガス
3-1 わが国の一次エネルギー供給源として、石油・天然ガスは現在でも6割を担い、そのほとんどを輸入に依存状況を避け得ず、供給安定のため外交政策を含めて多方面にわたる取組が不可欠である。
 一方、わが国周辺海域に存在する石油・天然ガス資源は、その供給安定性という観点からすれば、最も供給リスクが少ないエネルギー資源である(SANARI PATENT考察: わが国内陸開発は地盤沈下を伴う)。国は、民間企業の事業活動を補完し促進することによって、基礎物理探査および基礎試錐を実施してきた。
3-2 これまでの調査結果で、わが国周辺海域に45か所、総面積84平方キロメートルの海域において、水深2000メートル以下で、総堆積物量2000メートル以上の堆積盆地を抱えていることが判明している(SANARI PATENT考察:「量」をメートルで表わしている観があるが、「84*84*2」の9乗立方メートルと解する。標準状態の石油・天然ガス容量・重量で表す方が一般向きである)。しかし、わが国周辺において物理探査を行った海域は極めて限られている。いわゆる大水深海域では、ほとんど試掘がなされておらず、今後精査すべきエリアが相当程度残っている。
3-3 他方、海外では、大水深海域における生産・開発を行うための技術の発展が石油・天然ガス資源価格の高騰と相まって、水深の深い海域における資源探査・開発が進み、例えばメキシコ湾や西アフリカ沖、ブラジル沖などでは、2000メートル以深の探鉱が商業ベースで行われ、多くの新規巨大ガス田が発見されている(SANARI PATENT考察: わが国の開発技術の優位が保持できるか、危惧する。「石油・天然ガス資源」の高騰と「商業ベース」の関係について、騰落の変動との関係を説明されたい)。
3-4 わが国の国内基礎調査事業は、陸域・海域における企業活動との関係において、国が先導的に調査するもので、積極的に世界の先進技術導入に努めてきた。その一つが三次元物理探査であり、これまでは、海外から探査船を傭船することにより行ってきた。
3-5 平成20年2月、資源エネルギー庁所有の公船としてわが国初の三次元物理探査船「資源」が導入されることとなった(SANARI PATENT考察: この分野におけるわが国の後進性が認識される)。
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Seabed、石油・天然ガス、資源、ガス田、資源エネルギー庁

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2009年2月4日水曜日

Tapping Methane Hydrate at Seabed 

資源庁のメタンハイドレート開発政策案(2009-02-02公表)
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 経済産業省(担当:資源庁)が示した「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画案」において、メタンハイドレートの開発はトップに掲げられている。その内容(SANARI PATENT要約)を考察する。

1. メタンハイドレート生産技術開発の重要性
1-1 メタンハイドレートは、低温高圧の条件下で、水分子にメタン分子(SANARI PATENT注:この場合は天然ガスの状態で賦存する)が取り込まれ、氷状になっている物質である。メタンハイドレートは「燃える水」と俗称されるが、温度の上昇、圧力の低下などの変化を与えることにより、水分子とメタン分子(気体)に分離する。このメタン分子は在来型の天然ガスの主成分と同一であり、従ってメタンハイドレートは、非在来型の炭化水素資源として期待されている。
1-2 またメタンハイドレートは、世界でも、水深の深い海底面下や極地の凍土地帯の地層に広く分布しており(SANARI PATENT考察:従って、ロシア臨海の北部温暖化が進めば、在来型の原油・天然ガス資源開発と共に、wメタンハイドレートの開発にも有利であり、ロシアの資源大国性を増強するという見方が有力である)、わが国海域でも、南海トラフ海域を中心として相当量の賦存が見込まれている。
1-3 メタンハイドレートは地層中に、固体の状態で賦存しており、従って、在来型の石油・天然ガスと異なり、井戸の掘削のみでは自噴しない。メタンハイドレート層からメタンを安定的・経済的に生産するためには、在来型の石油・天然ガス資源の生産技術のみでは不可能であり、新たな技術開発が必要である。
1-4 一次エネルギー供給の8割以上を輸入に依存するわが国は、メタンハイドレート開発によって国内に極めて大きな炭化水素供給源を持ち得るので、既に平成13年度に開発計画を策定し、次のような成果を挙げている。
14-1 わが国周辺海域におけるメタンハイドレート有望賦存海域の抽出・賦存量の推定
14-2 陸上における産出試験の実施
14-3 環境影響の予測・評価手法の検討
1-5 メタンハイドレート生産技術開発について、残された課題
1-5-1 わが国周辺海域におけるメタンハイドレート賦存可能性の高いエリアの抽出および賦存量推定の更なる推進
1-5-2 より長期にわたる産出試験の実施
1-5-3 海域における産出試験の実施

2. 今後の基本的方針(以下次回)
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Seabed、海洋、Methane Hydrate、炭化水素供給源, 資源庁

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2009年2月3日火曜日

Our Technology Wins Against Buy-American 

保護主義の台頭と日本企業の独自技術
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 昨夜はNHKTVがGMなど米国自動車企業の現況とその成因を詳報すると共に、電気自動車普及に向けての動きが活発化している実況を紹介した。バッテリーがガソリンエンジンに替わることにより、ボディの炭素繊維化が全面的に可能となるが、炭素繊維技術における日本企業の優位は、自動車産業における Buy-Americanの動向いかんに関係なく、グローバルに発揮されると、SANARI PATENTは考える。
 上記NHKTY番組では三ツ星化成品の独自技術が、米国自動車産業においても必須とされていることに言及された。三ツ星化成品は、IAC(International Automobile Component)グル-プの一員であり、自動車内装品のレイアウト設計、表面スラッシュ成型、材料開発の独自性が車体重量の軽減等に直結するとして、米国の電気自動車指向業界から注目を集めていることが紹介された。現に三ツ星化成品の内装品は、わが国主要自動車メーカーの海外販売品全てに搭載され、グローバルに機能しているから、日本自動車企業間の優勝劣敗に関係なく全世界で搭載され、電気自動車の時代に至っても、内装品において制覇を続けるであろうと、SANARI PATENTは期待する。

 さてロシアにおける自動車輸入関税引上げが既にわが国中古自動車輸出に大きな影響を及ぼし、Buy-American的な保護主義への懸念が高まっているが、望月経済産業事務次官は昨日の記者会見で次のように応答している(SANARI PATENT要約)。

(質問)今次ダボス会合で、保護主義に対する監視をもっと拡充してゆこうと確認したとの報道があったが、一方で米国議会で、Buy-American条項を盛り込む動きも出て、各国保護主義の台頭は、その懸念が払拭されていない。所見はどうか。
(応答)幾つかの国で関税引上げなどの保護主義的動きが出ていることは事実である。今回のダボス会合でも、保護主義抑制の決意を再確認したいということを、二階経済産業大臣が強く発言し、各国首脳も同様の発言をしたと理解している。
 米国のBuy-American条項については今、議会での検討の中で、そういう条項が入っており、下院では採択されて、上院で審議中と理解しているが、WTOとの整合が十分考えられなければならない、と思っている。経済産業省としては、外交ルートで、わが国の考え方を説明し、理解を求めている。
(質問)もう少し具体的には、どういうことか。
(応答)最終的に米国政府がどのように判断するか、まだ出ていない段階なので、「わが国としては、経済対策を打つに当たっても、WTOとの整合性は十分確保される必要があるということで注目している」ということを伝えているところである。
(質問)米国下院では鉄鋼だけだったが、上院で修正案があると、全ての製造業まで広がるような動きまで出ているし、これは明らかにWTO違反と見ているのか、それとも、色々な適用除外の話まで出ているようだが、いかがか。
(応答)米国の議会内のことであるから、予断をもってコメントすることはできない。
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Buy-American、三ツ星化成品、電気自動車、ダボス、保護主義

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2009年2月2日月曜日

Fair Use of Cultural Products Including Copyrights 

文化庁「デジタルコンテンツ流通と著作権制限について意見」公募結果
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 コンテンツのデジタル化によって、その流通や加工が極めて容易になったことから、著作権との抵触はデジタル化技術の発達と共にその可能性を著増しつつある。その法制問題が文化審議会で延々として議論され、内閣知財戦略本部が「結論を得る」期限を設定しても、その効果が見えない。しかしデジタルコンテンツの流通・活用の現実は現に進捗し、刑事事件に至っている件数は少なく、民事司法による著作権制限の具体的妥当性判断が集積されていることに希望を託するほかない。

 いわゆる「日本版フェアユース制度」法制化の是非論も、久しく経過してなお、出口が見えない。先日、「文化審議会法制問題小委員会平成20年度・中間まとめに対する意見」(2009-01)と題する資料を文化庁が発表したが、95ページに及ぶ各界意見が示され、関心の深さを窺わせる。しかし、問題処理のスピード感を欠くし、「意見公募」を繰り返しても「その結果による配慮が希薄ないし皆無」と抗議する意見も見られる。

 上記95ページのうち、フェアユースに関する意見は、「その他の検討事項」に分類して列記されているが、SANARI PATENTは、フェアユースに対する著作権制限がデジタルコンテンツ流通に関する核心課題であると考えるので、この分類自体に反対する。しかしここでは、上記諸意見うち若干を考察する。

1. ヤフーの意見(SANARI PATENT要約)
権利制限の一般条項(いわゆる日本版フェアユース)の導入は、著作権の保護と利用のバランス、デジタル化・ネットワーク化社会の進展、技術革新高速への対応上、不可欠であり、早急な検討を要する(SANARI PATENT考察:ヤフーのシステムは、グーグルのシステムと共に、日本を始め中国などアジア先進国の知的インフラとなっている。その発言を採択すべきである)。

2. コンピュータソフトウェア著作権協会(SANARI PATENT要約)
 著作権法が(デジタルコンテンツ流通・活用の)ビジネスの進行を停滞させていることを理由として検討されている場合が多い。この点について権利者としては、インターネット配信等、著作物が適法に流通する過程において、技術的にやむをえず発生し、かつ著作物の内容が無断で享受されない等の状態が確保されている状況での複製などに対しては、たとえそれが厳密に解釈すれば違法と判断される可能性のある複製であったとしても、ほとんどの場合は問題視していない(SANARI PATENT考察:著作物者団体としては穏当な表現であるが、「無断」や「確保」の具体的態様が課題であり、また、「厳密に解釈すれば違法と判断される可能性 」は、法解釈通達によって速やかに除去べきである)。(以下次回)
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Fair Use、著作権、ヤフー、グーグル、文化庁

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2009年2月1日日曜日

Robot Control: Yasukawa Elec. vs. Kawasaki Heavy/ Toyota Auto 

原告・安川電機、被告・川崎重工業・トヨタ自動車の実用新案訴訟において知財高裁が特許庁審決を取消
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 安川電機が川崎重工業・トヨタ自動車の「スポット溶接ロボット用制御装置」実用新案登録について、無効審判を請求したが、請求項が成り立たないと審決されたので、安川電機がその取消を訴求した。知財高裁は安川電機の請求を認容して特許庁の審決を取消した(2009-01-29判決)。(下注)以下、知財高裁の判断内容(SANARI PATENT要約)を、その基礎とする考え方を認識しつつ考察する。
 主たる争点は、進歩性・容易想到性の有無の判断である。

1. 技術文献から進歩性判断の前提となる引用例を認定するに当たっては、
その技術文献に接した当業者が、その技術文献にどのような技術的思想が開示されていると理解することができるかという、当業者の客観的理解に基づいて行うべきである。

2. 甲技術文献に、発明者Aが装置Xを自らの考案として特定・記載しているといえるにしても、甲技術文献に装置X~Zが記載されていると客観的に理解し得ることに変わりはないから、当業者が甲技術文献に開示されていると理解することができる技術的思想が装置Xに限定されることになるわけではない。前後の文脈に照らせば、特定の要望を有するユーザーに対して、発明者Aが装置Xを提供することを述べているに過ぎないから、そもそも川崎重工業・トヨタ自動車が主張するように、発明者Aが装置Xを。自らの考案として特定・記載していると理解することは困難である。

3. 無効審判における進歩性判断の前提として、無効審判の対象とする発明と対比すべき引用例を技術文献から認定する場合には、その発明との対比に必要かつ十分な限度でその技術文献に開示された技術的思想を認定すれば足りるのであり、その技術文献に開示された技術事項であっても、対比に必要でないものであれば、引用例として認定する必要はないと解される。

4. スポット溶接ガンのチップを駆動する機構として、周知の送りネジ機構を用いることは、当業者が適宜なし得た程度のことであり、その際にチップに位置を検出するため、周知の技術であるモータまたは送りネジの回転角検出器を備えるようにすることも、当業者が適宜なし得た程度のことに過ぎない。

SANARI PATENT所見
 発明が既存の技術に基づいてなされることは当然であるが、既存技術の単なる寄せ集めには進歩性がなく、既存技術を結びつけたところに特別な効果があれば、進歩性が認められる。なお、進歩性の「高度」という法文の用語には「格別の意味はない」と特許庁が示しているが、これは実用新案と特許の区別に関する示しである(特許審査基準ご参照)。
(注)平成19年(行ケ)10386審決取消請求事件
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Robot、安川電機、川崎重工業、トヨタ、実用新案

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