2012年7月31日火曜日

積極と堅実の調和で業績好調な芙蓉総合リース


高難易度分野を強化、アジアは日系需要重点

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

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「総合リース」を換言すれば「総合金融」そのもので、総合リース機構の業務内容が多様化するに伴って、総合金融の実を挙げ、変容する与信需要に機動的に対応し、経済成長を支持促進する。芙蓉総合リースの機能はまさにその典型であり、日本経済の再生に向かって既に2012-03期の業績は、同社・佐藤 隆社長が、「売上高・経常利益・当期純利益、いずれも過去最高の実績」と報告し、増配する活況ぶりである。会社四季報の評も、「基本戦略は、難易度高く、価格競争に巻き込まれ難い医療、情報通信技術に重点強化し、アジアは、日系需要が柱」という積極かつ堅実ぶりである。業務動向(SANARI PATENT要約)は、

1. リース事業の強化→強化・差別化、育成・挑戦、堅守・前進の分野設定のもとで、「情報通信機器のオペレ-ティングリース開発」「クラウド型総合資産管理サービス開発」「欧州格安航空向け航空機オペレーティングリース」

2. 海外事業展開→日系企業取引を標的としつつ内外連携強化とアライアンス構築のもとで、「上海現地法人の始動」

3. ファイナンス事業の再構築→安定収益源として確立すべく、「アセット別リスク評価、期中モニタリング、ポートフォリオ管理など、専門的なリスク管理体制の確立」「日本抵当証券(株)を合併」

4. グル-プ戦略を市場開拓・サービス連携などで強化すべく、「シャープグル-プとの連携拠点新設」「リース終了物件処分のノウハウを事業化」

SANARI PATENT所見→佐成重範弁理士は、経済産業省関連で富士銀行等と共同しての新会社設立の事務局長を務めた経験があるが、富士銀行の、堅実と積極を調和した行風が、芙蓉総合リースにそのまま引き継がれている感を持つ。

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2012年7月30日月曜日

オンライン有害情報遮断関係の韓国インカインターネット特許権出願

知財高裁で韓国インカインターネットの特許庁審決取消請求訴訟判決

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今次知財高裁の平成24年行ケ10302審決取消請求事件判決(2012-07-26言渡)の原告・韓国インカインターネット(2012-07-30・R Siteご参照)は、発明の名称を「オンライン上での有害情報遮断システムおよび方法、並びに、そのためのコンピュータで読み出し可能な記録媒体」とする発明について特許出願したが、拒絶査定された(平成20-03-31付)ので、不服審判請求したが特許庁は、「本件請求は成り立たないと審決(平成23-5-11付)した。よってインカインターネットは、この審決の取消を知財高裁に訴求したが、知財高裁は、インカインターネットの請求を棄却した。棄却の主たる理由として知財高裁は、インカインターネットの上記発明が、従来技術から想到容易であり、従って、特許付与要件としての進歩性を欠くと判断している。

インカインターネット特許出願の請求項の1部を引用すれば、「実行対象のファイルにおける有害情報をリアルタイムで遮断する方法において、ウェブサーバーとクライアントシステムが相互連結されたコンピュータネットワークにおいて、このウェブサーバーがコンピュータネットワークを通じて、このクライアントシステムからの接続要請を受信するステップ(以下略)」

知財高裁は、インカインターネット出願における明細書の記述、例えば、「この発明は、保安システムに関するもので、特にクライアントとウエブサーバーが連結されたコンピュータネットワークにおいて、オンラインでコンピュータウィルスなどの有害情報を診断・治療および遮断するシステムおよび方法に関するものである(以下略)」等を考察し、インカインターネットの発明と従来発明とを対比して、従来発明の「実行ファイル」はインカインターネット発明の「実行対象のファイル」に相当するなど、両者の異同を対比し、これら判断に基いて、インカインターネットの上記発明は、従来発明(引用発明)から想到容易であると判断した。

佐成重範弁理士所見→ セキュリティに関する重要な技術評価を含む判決であり、原告インカインターネットと被告・特許庁長官の主張論拠を、判決文に即して明細に検討すべきである。

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2012年7月29日日曜日

東急グル-プの住生活イノベーション技術に注目

東急ホームズの住居再生技術、東急コミュニティの長期修繕計画協力

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佐成重範弁理士居住地のメトロ四谷3丁目駅は、1日平均乗降客数が4万1000人を超える副都心主要駅だが、エレベータもエスカレータも無い非サービスぶりだったところ、明後日(2012-08-01)に、その2番口にエレベータが開通する。公明党の新宿総支部ニュースは、「反対側にも設置を推進する」と述べている。。この界隈は、マンションの新築が著増し、東京都23区人口900万超の増勢の中でも人口集中化すると思われるが、年齢構成も勤労世帯・青少年世帯に富み、その住生活環境のイノベーションは、日本経済再生に直結する。

この意味で、この界隈の戸建住宅についても、東急グル-プの東急ホームズが「建替えの約半分の費用で新築同様に!」と題し、「住まい丸ごと再生について」の技術を提供していることは、日本再生の課題に直結する技術革新である。

一方マンションについては、その高評価の第一が「駅から5分以内」とされ(DIAMOND ONLINE)、都心交通網の活用利便度が決定的だが、関連して発生している。いるのが、既存マンションの機械式駐車場の「空っぽ化」現象である。1マンション当り平均戸数は65戸程度だが、2~3台しか利用しなくなった機械式駐車場の周期的更新工費を、2=3世帯のために約60世帯も同額負担することは、特定受益者の利便を偏重することになり、好ましくない旨を、国土交通省のマンション管理適正化法・標準規約・コメントも示している。

一方、友人A君居住のBマンションでは、このほど、東急コミュニティとの管理受委託契約を更新したが、「大規模修繕等、理事会が設置する専門委員会等の支援を行うときの費用等は、別途、管理組合とマンションコミュニティが協議の上、定めるものとする」と慎重な定めをしているが、マンション管理適正化法に基づく長期修繕計画については、「東急コミュニティは、必要に応じて、管理組合の長期修繕計画に基づく修繕資金の積立計画を、管理組合に提案する」など、適切な定めをしている。「大規模修繕」という用語自体に多くの疑問が持たれ始めており、2012-07-26の外装専科(株)HPの「何か変だよ、大規模修繕」「大規模修繕の言葉自体、誇大です」「街の中を車で走っていると、外壁に色の違うタイルを貼ってあるマンションを多く見かけるようになりました」など、「大規模修繕」に対する不信の記事が目立ってくる。

A君のBマンション管理組合が、東急コミュニティのようなトップ級マンション管理会社を委託先として信用し依拠していることの重要性と経済性が、改めて認識される。

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2012年7月27日金曜日

三井物産系の情報システム大手・日本ユニシスの新SNS

DIAMOND が日本ユニシスの新SNS「Fture.me」(フューチャーミー)解説

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日本ユニシス自身よりも明快に新SNS「Fture.me」(フューチャーミー)(SANARI PATENT注:「Future」とはスペルしない)の画期的将来発展性を解説したのが、DIAMOND ONLINEだと、佐成重範弁理士は考える。「興味関心で繋がるSNS・フューチャーミーは、ビジネスパーソンの新しいライフハックとなるか」という標題だが、「明らかに、なる」。DIAMONDの解説(SANARI PATENT要約)は、

1. コミュニケーションのインフラ的存在となったtwitterやfacebookはフロー型で、タイムラインは常に流れ、情報は、出現しては埋もれていく。これに対してblogはストック型であるから、両者を併用するのが、現在の堅実なライフログだ。

2. ところが、フロー型でもストック型でもない、新しい発想のSNS「フューチャーミー」を日本ユニシスが開発したが、そのコンセプトは、「未来」と「興味関心」で、「ノート」と呼ぶページに目標・行動計画など、今後の動きを書き込む。日本ユニシスが開発した人工頭脳がこれらを解析し、未来動向を、ビジネスツールとして示唆する。未来をシェアするSNSだ(吉田由紀子氏)。

日本ユニシス(東証1部)は三井物産系の情報システム大手として、金融や電力向けに安定基盤を持ち、増益(会社四季報)。日本ユニシス自身は「日本ユニシス、未来ノ」タイムラインを作る、ソーシャルメディア・Fture.meの試験運用を開始」と題し、「ライフスタイルや価値感の共感によって繋がる新しい関係を構築」と副題して発表(2012-06-07)しているが、DIAMONDはその社会経済情報インフラとしての新たな価値を、明確に認識し、注目と活用を喚起している。

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NFC普及を契機に、日本スマホ、ガラパゴス脱却へ

海外で普及先行の非接触式次世代通信方式

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オサイフケータイに使われているフェリカではなく、新たな非接触式次世代通信方式として海外では既に普及し始めた新通信方式NFCが日本で始まった。世界と同様に、という意味では、日本ケータイのガラパゴス性を完全に脱却する絶好のチャンスと、SANARI PATENTは考える。

現時点の状況は、WBSが昨夜詳報したが、Wikipediaでは次のように解説してきた(SANARI PATENT要約)。

1. NFCは、Near Field Communicationで、近接場型の無線通信を、日本では呼称してきた。通信エリアの特徴は、およそ数cmから1mの極短距離で、「非接触通信」と同義である。

2. NFCは既に2003年に、無線通信技術として国際規格化されている。非接触式としてFelicaを推進してきたソニーと、MIFAREを推進してきた旧フィリップス(NXPセミコンダクターズの共同共同開発によって、FelicaやMIFAREなど非接触無線技術と、互換性を維持し、使用周波数はいずれも13.56MHzである。

3. 2005年には、拡張規格であるNFC IP-2が国際標準化され、日本ではトッパンフォームズ、アイ・オー・データ機器が対応製品を開発製造している。

佐成重範弁理士所見→例えばKDDIは、「かざして、あなたの世界を、よりスマートに!」とのキャッチフレーズで、「街ナカに貼られたポスターにスマホをかざして、おトク情報をゲット」と、NFCの魅力を示してきたが、WBS放映で普及が加速し、他社のNFCと相俟って、日本ケータイのガラパゴス脱却にも繋がることを、SANARI PATENTは期待する。

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2012年7月26日木曜日

英国へ、ブラジルへ、日立海外比率の長期安定上昇

日立が、英国特別目的会社に車両リースおよび27年半の保守サービス提供

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企業売上高の海外比率上昇の国民経済的得失が論議されているが、国内・海外比率ではなく、総体の規模拡大が課題であることを先ず認識しなければならない。その上で昨日(2012-07-26)、日立製作所が発表した「英国の都市間高速鉄道計画に関する契約締結について、および、「日立がブラジルにおいて社会イノベーションを強化」の2件の重要性を確かめよう。ただし、ここでは前者の内容(SANARI PATENT要約)を考察し、後者については別途考察する。

1. 日立製作所はこのたび、英国運輸省の都市間高速鉄道計画について、日立製作所が出資する特別目的会社・Agility Trains社を通じて、正式契約を締結した。この契約に基いてAgility Trains社は、約30年にわたり、英国主要幹線であるEast Coast Main LineおよびGreat Western Main Lineを走行する車両のリース事業を展開する。また日立製作所はAgility Trains社から、同社のリース事業向けに、合計596両に及ぶ車両の製造、並びに、27年半にわたる保守事業を一括受注する。

2. このプロジェクトは、英国運輸省が主導するPublic Private Partnershipスキームで実施され、日立製作所は、わが国の国際協力銀行と日本貿易保険による金融支援を受けている。

SANARI PATENT所見→佐成重範弁理士は、官歴と官機構歴で過ごしたが、武蔵高校在学中の戦時下には、日立製作所の戸塚工場資材部に学徒動員され、日立製作所の社風の堅実さを、民間体験したのだが、上記の内容を再続し、日立製作所の経営戦略の堅実さに、改めて感服する。

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2012年7月25日水曜日

セイコーインスツル㈱のゼロパワー・光検出IC発売




「世界初、光発電素子と組合せて、消費電力ゼロの明暗検知スイッチを実現

セイコーインスツル

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セイコーインスツル昨日(2011-07-24)の標記発表は、そのイノベーション効果が極めて大きいと考える。内容(SANARI PATENT要約)は、

1. セイコーインスツルは、受光素子としてフォトダイオードや発光ダイオードなどの光発電素子を組合せ、消費電力ゼロ(nW級=ナノワット級)の明暗検知スイッチを可能とする、世界初のゼロパワー光検出ICシリーズを製品化し、受注を開始した。これによりセイコーインスツルは、各種電子機器メーカーに対して提案を進め、環境問題の一環をなす待機電力の削減に貢献したい。

2. フォトダイオードや発光ダイオードは、受光により発電する性質を有し、この光発電特性がセンシングに利用されている。しかし、これらが受光したときの発電量は微小であるため、従来の方法で検出するためには、集積回路内に増幅回路を組み込むことが必要であり、常時電流を消費している。セイコーインスツルの今次発売製品は、独自の極低消費電力・相補型金属酸化膜半導体電解効果トランジスタ技術により、増幅回路を用いずに検出を可能とし、ナノワット→消費電力ゼロを実現した。この集積回路を応用することにより、明暗検知スイッチや遮光スイッチを用いた各種電子機器の待機電力ゼロ化が可能になる。

佐成重範弁理士所見→セイコーインスツルの今次新集積回路の適用としては、電源のオートパワーオフ機能、環境の暗化により自動点灯するオートライト機能、造影のみで作動する非接触スイッチなどが考えられ、その応用可能分野は極めて広汎であり、産業・生活の全分野に波及するものと考える。その節電効果は、効果の一側面に過ぎない。

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2012年7月24日火曜日

,米国イリノイ州で日本車両㈱の現地産・2階建て電車大好評

国内当面受注減だが海外本格化の日本車両製造

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7月19日(日本時間2012-07-20未明)、日本車両製造の連結子会社NIPPON SHARYO U.S.A.(本社米国イリノイ州)傘下のNIPPON SHARYO MANUFACTURING, LLCが、米国イリノイ州ロシェル市で、新鉄道車両組立工場の操業を開始したが、開業式典で、イリノイ州知事が、新型車両と地元雇用効果を喜ぶ様子が、昨夜のWBSで放映され、「米国からは航空機、日本からは車両」と、感概深いものがあった。

日本車両製造の発表内容(SANARI PATENT要約)は、

1. 米国で上記新工場を開業したのは、米国で拡大する鉄道車両市場において、現地時一貫体制を構築することにより、市場におけるプレゼンスを確固にし、受注機会を拡げ、日本車両製造グル-プの競争力・総合力を強化すると共に、地元調達・地元雇用の創出を重視する米国の政策に有効に対応し、工場直営による生産工程の、品質・生産性向上、原価低減を実現する多元・多目的効果を狙ったものである。

2. 米国での現地新工場稼働により、日本国内製車体を輸出する場合み比べて、輸送費や為替変動リスクを低減し、また、需要地である米国に恒久拠点を持つことにより、バイアメリカ条項への適切・有効・柔軟な対応を可能とし、生産工程や納期においても、従来以上の自由度を確保できる。

3. 現時点の日本車両製造米国子会社の従業員数は140人だが、ステンレス鋼体(SANARI PATENT注:日本車両製造発表原文は「構体」)の現地製造がフルフル操業に達する2013年には、300人近くになる。新工場で雇用した従業員のうち50人以上が、延べ3ケ月以上にわたり、日本車両製造豊川製作所において、溶接・内装・艤装・電装・品質管理などの現場技術教育等の教育を経た。

4. 新工場は、米国で目下重視される直接的雇用効果のみならず、様々な部品・原材料・外注品の調達や、サービスの購入などにおいて、広く米国経済社会に貢献できる。

佐成重範弁理士所見→上記4の視点が最も重要と考える。

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2012年7月23日月曜日

東京都23区の人口が900万人超、都心集中進む

超高層・高層マンションの管理制度を革新し都心住生活を最適化

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都の23区人口が初めて900万人を超え都心集中が続くと、NHK科学文化部がNet速報したが、この区民人口の住生活がマンション依存によって、23区内の都心ないし副都心に集中する趨勢が見られる。消費税の賦課時点が引渡時ではなく契約時と報道されていることも、マンション取得を加速するかも知れない。東急コミュニティが管理予定の新宿御苑前マンション104戸、三井不動産住宅サービスが管理予定の南麻布レジデンス336戸・千代田区富士見町40Fタワーマンション505戸、丸紅コミュニティが管理予定の四谷3丁目72戸マンション等々、年内から来年初にかけて続々竣工入居する。

いずれも1階ロビーが広く立派で、これならば管理組合の理事会や総会も、マンション内の開催が容易と思われるが、古いマンションでは、法令が管理組合運営を基盤としているのに、その集会の場にも乏しい。50年以前に制定された建物区分法が、[集会規定]と「管理組合法人規定」から成っていたのに、法人成りの例は殆ど無いのではないか。親泊・日下部両マンション管理士著作の「区分所有法」の「区分所有者の団体」についての解説では、「一棟の区分所有建物の区分所有者は、全員で、建物とその敷地や付属施設を管理するための団体を結成してその構成員となり、区分所有法の定めに従って、集会を開き、規約を定め、管理者を置くことができる。団体の結成は強制的なものだが、「集会を開くこと」「規約を定めること」「管理者を置くこと」は、いずれも任意的なものと解釈される」ということで、非法人団体がどう動き得るのか、不明である。区分所有法の第47条に至って「管理法人」の規定が現れるが、上記書も、「登記行為能力が備わることを除き、「非法人の管理組合」と管理法人との実質的な差はない。税制上のメリットもない」と断定しているのだから、法人化の例を見出せないのも当然である。

一方、マンション管理業者もマンション所有者や居住者も、設備維持や掃除・廃棄物処理などを自主管理は実際上できず、マンション管理業者に委託が一般化したのだが、受委託契約の締結・更改は、区分所有者代表者の存在と全員の多数決による合意を必須とする。管理組合の組成は区分譲渡の段階で行われ、規約は、自主規約、そして、11年前に制定されたマンション管理適正化推進法に基づく国土交通省作成の標準規約に準拠して実施されてきた。

しかしその後、多くの所有者が非居住者となり、特に都心マンションは現役年代で満たされるから、理事長等への就任や総会・理事会出席を回避する者が多くなったのも必然的である。いわゆる「理事に成り手がいない」現象が蔓延し、マンションというコミュニティの親密さの形成は、都心市民的「あっさり付き合い」志向から、ほとんど期待し難い現状となった。

要するに、適切な管理業者が適切な対価でマンションの管理を行ってくれれば良いので、理事会や総会はなくても、マンション管理業者の適格性とその行動を、国土交通省の行政ないしのだ地方行政で監督してくれれば良いとする。丁度、電力供給業が非独占化されながら、料金規制とサービス提供の監督が経済産業省によって行われるのと同様にすれば、管理組合自体が運営不要となる。このような、電力供給と管理供給の近似性に着眼するマンション管理適正化法改正が、次世代住生活合理化のため、必須であろう。

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2012年7月22日日曜日

百貨店を超える百貨店の鮮魚セット宅配

高島屋が毎月宅配の魚食味覚解説

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高島屋の鮮魚頒布会に感心している。昨夕は、冷蔵宅配で、「はたはた」「とび魚」「真あじ」のセットが届いた。百貨店等の店頭では、セットでは受けられない「解説」も、セットで届けられることは、百貨店を超える新たな百貨店サービスとして、その普及は消費者と生産者の双方を益すると共に、百貨店業務の新局面を拓くこととなろう。

鮮魚についての充分な知識もなく食してきたが、高島屋の解説は次のように述べている(SANARI PATENT要約)。

はたはた→脂のある白身の魚。小骨が無く、身離れが良い。山陰沖産は、小ぶりなサイズが多いが、独特の旨味がある。在来手法の熟成後、赤穂の塩だけで、じっくり干し上げている。両面グリル焼き、唐揚げ、ソテーなど。

とび魚→初夏、島根半島沖で産卵。夏を告げる魚。脂肪が少なく、干物に加工しても脂肪の酸化が少なく、また、タンパク質を多量含んでいてアミノ酸に分解され、旨みになる(SANARI PATENT考察: 天然の「味の素」合成であろう)。両面グリル燃き。

真あじ→初夏、真あじに脂が乗り、旬を迎える。両面燃きプラス大根おろし。

佐成重範弁理士所見→宅配鮮魚の味覚享受には、冷凍技術の開発が大きく寄与している。特許庁公開の「冷凍」関連発明は4万4477件(2012-07-21現在)に達しているが、これらの発明にも感謝すべきであろう。

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2012年7月21日土曜日

マンション法体系のイノベーションが住生活のイノベーション

コミュニティ形成の多様性とマンション人口の累増

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2010年3月末時点で、マンションのストック数は571万戸、居住者数1400万人というのが、現在よく引用される推計数値だが(国土交通省傘下のマンション管理士など)、2年を経た2012年3月末には、660万戸・1600万人に達しているとSANARI PATENTは推計する。これは、管理受託シェアが高率な大手マンション管理業者の管理対象数の増加率、および、1戸当たり居住者数の漸減(ビジネスマンや中高所得女性の都心マンション独居数が累増)の双方を算入した結果である。マンションの棟数。これがほぼ管理組合数に当たるが、上記両時点で、8,5万棟および10万棟と推算する。1棟当たり戸数65戸が漸増・大規模化しているからである。

1戸1世帯と看做せば、660万世帯(独居世帯を含めて)、日本全国世帯数3850万の17%に達し、かつ、都市集中が顕著だから、国土・都市計画・住生活計画・コミュニティ形成計画・次世代スマート社会計画の全てにわたって、マンション管理が核心的要素となる。

その基本法である「建物区分所有法」は平成37年4月に制定され、50年を経たのだが、12年ほど前、平成12年12月に制定された「マンション管理適正化法」と一体として始めて、現在のマンション管理の構成が成されていることを、先ず理解しなければならない。その上で、この「現在のマンション管理の構成」が次世代マンション生活に不適切な内容となりつつあることを認識し、マンション官吏の基本的考え方を革新することが急務である。「継ぎはぎ」的な提案が幾つかなされているが、いずれも、課題の本質的解決を遷延するに過ぎない。

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2012年7月20日金曜日

千代田区冨士見町の40F・505戸タワーマンション


次世代マンション生活を大規模構築する三井不動産

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住生活基本法の新計画に従って、マンションが都市生活の中核を占めていくことが望まれる現在、マンションの実態も多様だが、このたび三井不動産レジデンシャルが発表した千代田富士見の40F・505戸タワーマンションは、次世代マンションの在り方を象徴するものと言えよう。入居後の管理の適切が、蓄積された管理ノウハウをもって完遂されていくことは疑いないが、この際、主要マンション管理会社の管理受託戸数ランキング2010年版を考察しよう(マンション管理新聞による)。

首位は、日本ハウジング(東証2部)で6476組合(単一管理組合下の棟数)・35万3171戸で、以下、2位・大京アステージ6330管理組合・34万6313戸、3位・東急コミュニティ(東証1部)4459管理組合・28万7869戸(SANARI PATENT考察: この数値は、2011~2012に急増していると推定される)、4位・長谷工コミュニティ1795管理組合・21万4228戸、5位・三井不動産住宅サービス・1974管理組合・16万3988戸と続いている。2010年末の全国マンションストック数は571万戸と概算されているから、上位5社計136万5569戸は、23.9%を占め、全国の国土交通省登録マンション管理業者数3000弱の大多数が、いわば中小企業に属することを推察させる。管理費・修繕積立金にマンション管理業者が関与しなければならないことは管理受託機能の必須要件であると共に、資金の流用(年金積立を連想)などが発生しないよう、国土交通省が精緻な分離会計規制を省令化(2010年)していることも当然である。

一方、三井不動産住宅サービスは、2009年版では7位で、1896管理組合・15万4220戸だったから、当時の5位・日本総合住生活、6位・三菱地所藤和コミュニティを、戸数ランキングで抜いたこととなる。

さて、冒頭に引用した三井不動産レジデンシャルの千代田富士見マンション・タワープロジェクトは、「日本の中心、再開発1万6700平方メートルに理想の住まいを」「ワイドフロンテージ設計を採用、開放的で心地よい全46タイプの豊富なプランバリエーション」を謳い、敷地面積4649平方メートル、総戸数505戸、地上40階・塔屋2階・地下2階建。

佐成重範弁理士所見→住生活行政は、スマートコミュニティ構築と共に、ストック対策(維持管理・リメイクによる価値保全・機能革新)に両重点志向し、従って、11年前に、マンション管理適正化法施行で初めて本格的に発足したマンションシステムの法的インフラが、再構築されるべき時機に至っていると考える。具体的には、区分所有者による管理組合と管理業者との管理受委託契約と並立して、一マンション・一管理会社で、個別区分所有者とこの管理会社との直接契約方式で管理し、管理組合を必要としない方式を考えるべきである(管理・修繕対価について行政監督の強化は必要)。

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2012年7月19日木曜日

光技術のシーズとニーズの融合

光産業創成大学大学院の新産業創成に注目


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光技術のリーディングカンパニー・浜松フォトニクス㈱が中心となって2004年に設立された光産業創成大学院が脚光を浴びている。独立行政法人科学技術振興機構が出版している産学官連携ジャーナル2012年7月号にも、同大学院・加藤義章学長の「光、そして産業へ ~光産業創成大学院のベンチャー実践教育」が掲載されたが、内容(SANARI PATENT要約)は、

1. 光による産業創成に浜松から挑戦→ レーザの発明(1960年)により、光を情報とエネルギーの媒体として極めて有効に活用できるようになり、情報・通信・エネルギー・製造・医療など、あらゆる分野で、光が不可欠の技術となったが、これらは、光が持つ優れた性質の、極めて一部の利用に過ぎない。従って、極めて大きな可能性が、ここに残されている。

2. 光産業創成大学院は、浜松フォトニクスの昼馬輝夫会長が中心となって、「今世紀における光技術の重要性を認識し、光技術を使った日本発の新しい産業を創成するために、社会が求めるニーズを持って新産業創成を志す人材を養成するという理念」(SANARI PATENT所見:「ニーズ起動」を「シーズ起動」に先立てているところに、卓見を見る)のもと、平成17年に開学し、8年目を迎えた。トヨタ・ホンダ・ヤマハ・浜松フォトニクスなどの世界企業を輩出してきた浜松を舞台として、光産業創成大学院は新たな挑戦に挑む。

3. 光産業創成大学院は、技術と経営を統合した実践教育の場である。標準就業年限3年・博士後期課程のみの大学院大学である。入学定員10名。教員14名。産学官連携を活かした資金調達が、本学における学生の重要な活動の一つである。

佐成重範弁理士→光産業創成大学院にはインキュベーション施設として、個室の「起業ルーム」が利用可能だが、これを拠点として、光関連実験施設や人的ネットワークの活用でき、広汎な産業分野にイノベーションをもたらすことが期待される。

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2012年7月18日水曜日

セルフメディケアに期待される大塚製薬・大正製薬

大塚製薬HDと大正製薬HD、猛暑スタミナドリンクで首位と2位の競争


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昨日の北関東は39.6度Cという猛暑ながら、電力はパンクせず、深夜のWBSは早速、スタミナドリンクの売上高ランキングを話題にしたが、現時点では、1位が大塚製薬のオロナミンCで、2位が大正製薬のリポビタンDとのことである。サラリーマンの競争も、早朝キオスクのドリンク選択から始まるとすれば、高順位志向となり、ランキングも重要である。

大塚製薬HDの2013-03期売上高は1兆2000億円、大正製薬HDは2785億円予定だが、いずれも「増配」約束の好調を続けている。大塚製薬HDは「抗精神病薬が最主力で、ポカリスエットなど機能食品性も拡大」、大正製薬HDは「ドリンク剤・風邪薬(パブロンが特に好評か)・育毛剤が3本柱」(会社四季報)で、共に現代社会人のセルフメディケア欲求にもマッチしている。

大塚製薬発明の特許庁公開状況もニーズに即応し、例えば、

1. 大塚製薬HD「バイアル」(特許庁公開日2012-07-05)→溶解液が容器本体の外部へと飛散することを確実に防ぐバイアルを提供する。

2. 大塚製薬HD「アリビブラゾールの経口速溶性組成物」(特許庁公開日2012-06-28)→活性成分としてのアリビブラゾールと担体とを含む経口投与用医薬組成物であって、流体と接触した状態で10秒以内に崩壊し、急速にその活性成分を放出する。など。

一方、大正製薬HDは創業100年を迎え、本月9日から通信販売「大正ダイレクト」でヘルスマネージ「大正ブルーベリー」を発売するなど、セルフメディケアへの貢献を拡大しつつある。

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2012年7月17日火曜日

グローバル化ではなくグローカル化が必須

世界の地域特性に即応するローカル知財をグローバルに発揮

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内閣知財戦略本部の知財計画2012は、「グローバル時代の知財システムを追求する」として、「知財システム間の国際競争が激化している中で、日本の知財システムの整備を一層図り、グローバル知財システムの構築をリードすることが必要である」として、次の項目を掲げている。

1. わが国リードによる特許制度調和の推進

2. 特許審査ハイウエイの新興国への拡大

3. 職務発明制度を始めとする知財管理の在り方の検討

4. 特許付与後の権利の見直し制度を含む特許権の安定性の向上

5. 意匠の国際登録に関するヘーグ協定への加入に向けた取組の推進

6. 音や動きを含む商標への保護対象の拡大に向けた検討の加速(SANARI PATENT所見: これなどは既に欧米でも韓国でも制度化しており、日本の「検討」の遅滞ぶりこそ驚嘆すべきである。)

佐成重範弁理士所見→「グローバル化」は決まり文句で出てくるが、「グローバル均一」で「世界各地特異性」すなわち「ローカリゼーション」の必須性に対する認識の痕跡が認められない。両者融合の「」こそ必要である。例えばサムスンが、その模範例を示しているが、「サムスンの決定は、なぜ世界一速いのか」(吉川良三・元サムスン電子常務著)から、日本企業のグローカリゼーション成功例を引用する(その出典は日経)(SANARI PATENT要約)。

1. 富士フィルム→南米アジア・南米向け低価格デジカメ

2. パナソニック→BRICs向け白物家電

3. 日立アプライアンス→中国・サウジアラビアなど20国向け現地仕様の大型冷蔵庫

4. コマツ→中国向けに、後方旋回装置を省いたミニショベル

5. JUKI→中国・インド向けに、機能を絞って大幅に低価格化した基板の表面実装機

6. 伊関農機→中国向けに、価格を日本内の3分の1に抑えたコンバイン

7. ガイハツ工業→インドネシア向けに、価格を日本のベース車比40万円ダウンしたSports Utility Vehicle(SUV)の開発

8. ホンダ→米国仕様の二輪車

洗濯物、即乾燥する国域では、乾燥機付き全自動洗濯機は無用だし、階級差残存で家使用人が多い国域では、鍵付き冷凍冷蔵庫が有用である。

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2012年7月16日月曜日

元サムスン電子常務・吉川良三氏(日立製作所出身)のサムスン解説

IMF危機から15年間、サムスン成長「圧倒的強さ」の理由を語る

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角川から、吉川良三氏著「サムスンの決定は、なぜ世界一速いのか」第8版を贈られた。吉川良三氏(72才)は、1964年に学卒後、日立製作所に入社し、ソフトウェア開発に従事、コンピュータによる設計・製造(CAD/CAM)技術を開発、1989年に現JFEHDのエレクトロニクス本部開発部長、1994年(54才)に、サムスン電子常務に就任。1997年の「アジア通貨危機」に先立つ転身だから、サムスン急成長の現代史を、その内部で考察する比類ない地位にあった人物である。吉川氏は冒頭に次のように述べている(SANARI PATENT要約)。

「1997年(平成9年)」に起きたアジア通貨危機は、韓国では「IMF危機」と呼ばれた。当時、経済が悪化の一途を辿った韓国では、IMFに援助を要請し、結果的には、その経済介入によって財閥解体などを行う事態に陥り、「朝鮮戦争以来、最大の国難」と認識した。そして、この危機に直面した韓国は、日本経済への追随一辺倒を止めて、日本企業を徹底的に研究しつつ、日本企業とは異なる道を歩み始めた。」「サムスンなど韓国の企業が、なぜ日本追随を止めたか、日本の企業は産業構造のグローバル化に全く対応できていないことを知ったからである。「IMF危機」当時の日本の企業は、現在にも増して、新興国を単なる生産拠点としてしか捉えていない状況であった、そういうやり方は、グローバル時代に適さないということに韓国の企業は気付いたのである。」

佐成重範弁理士所見→上記書の「グローバル戦はトーナメント戦」、「崩れかけた橋を渡ってから、それを壊す」、「「ものづくりのグローバル化とデジタル化」、「アブダビ原油とザックJAPAN」、「技術よりもアプリケーションを」、「水平分業による多品種少量生産」、「日本品質と高コスト構造」、「公差と過剰品質」、「事業売却とコストカット」、「モノの世界とツクリの世界」、「日本人の3つの驕り」、「消費の本質」など、それぞれ別途、考察したい。

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2012年7月15日日曜日

日立・住友ほかマンション関連発明の特許庁公開状況

都心マンションの増勢と利便度向上の知財

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次世代国民生活に即応するマンション機能のイノベーションに関連して、特許庁公開発明も多様化している。今年初来の公開事例(SANARI PATENT要約)は、

1. 出願人・日立ソリューションズ:発明の名称「広告配信システム、広告管理サーバ、及び広告配信制御方法」(特許庁公開日2012-06-14)→利用者にとって利用価値の高い広告を配信すると共に、利用者が、提供された広告情報を閲覧する可能性を高めて、適切な広告宣伝効果を得るため、広告管理サーバから、各マンションの広告制御装置に配信される広告情報は、提供する店舗からの距離に応じて決定され、広告制御装置にて、広告を閲覧した場合は、閲覧したことを広告管理サーバに通知する。

2. 出願人・住友不動産ほか1名:発明の名称「商品配達システム及び方法」(特許庁公開日2012-03-29)→簡易な構成により、安全かつ確実に商品を配達することを課題とし、このため、宅配管理部は、発注端末からの発注情報を受けて、発注に係る食品の、利用者のマンションへの配達を指示する。食品が宅配ロッカーに搬入されると、宅配ロッカーは食品が搬入されたことを示す搬入完了情報をロッカー管理部に送信する。

3. 出願人・日立製作所:発明の名称「セキュリティ管理システム」(特許庁公開日2012-03-29)→利便性に優れ、セキュリティの高い来訪者セキュリティシステムを提供するため、ビル・工場・マンションなどの施設で、来訪者を応接する者(応接者)は、来訪者予約装置に予め「来訪者識別番号」・「時間範囲」・「指定エリア」等をデータベースに登録する。

佐成重範弁理士所見→修繕計画実行のうちに、これらイノベーションをどの程度織り込み得るか、実際上の総会合意(4分の3以上議決要件)形成において問題となろうが、法令・行政上、その促進が望まれる。マンションの資産価値を高めるイノベーションであるから、非居住所有者も同意することが自然だが、具体的事情は多様でもあろう(上記3における来訪者の好感度など)。

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2012年7月14日土曜日

国際コスト(人件費)競争激化における住価格の計画性

マンションの価値保全における修繕費の意味と、人件費中の住コスト

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中国・インド・ベトナム・インドネシア、この4国で人口28億人、世界人口の4割だから、日本の、例えば自動車メーカーがシェア獲得の国際競争に命運を託していることは当然である。その託し方は、現地の労働コストの低廉を活用する現地生産への切替に尽きると言ってよい。

国内には中枢機能的人口と、国際競争力ある産業の人口が残るが、これらの人口も、生活の低コストを志向すべきであり、その際、最も分り難いのが住コストである。

結論的に言えば、日本国内の住居は、戸建からマンションに移行すべきであり、単価が国際的に高い土地の共有による土地利用のコスト低減と、マンションの長期修繕計画の的確な実行によるマンション資産型の保全が最も重要である。日本式戸建住宅は木造を主とするから、住期間の単位コストは残存価格ゼロないし除却費用によるマイナス計画となり、生涯住コストは、意識されている以上に高額になる。マンションの場合は、取得後の管理費・修繕費・固定資産税額の合算により住経費が明確であり、修繕またはリフォームによって残存価値を維持向上できる。

この場合、マンション管理の委託先選定が最も重要だが、マンション所得者が選ぶのではなく、この場合にこそ国土交通省が行政の機能を発揮し、「大都市銀行・大手建設業者によるマンション建設、そのグル-プ会社によるマンション販売、そのグル-プ会社によるマンション管理受託・長期修繕計画作成・管理費と修繕積立金の徴収確保・修繕工事実施を行いう垂直型一貫建設・管理・修繕システム」を助成・確立すべきである。理事会・総会は、長期修繕計画の承認と管理受委託契約の更新の機能に極限して、その運営費は極小にすることが望ましい。

建設業者が管理・修繕すれば、その要点は自明であり、マンション売買の代金受け渡しにおいて、未収管理費修繕費を、完全かつ軽費(訴訟法的徴収に比して)で徴収できる。

国内国外とも、合理的一貫管理のマンションを住居の原則形態とすることは、わが国の人的コストを国際競争力適合に保つため、必須かつ喫緊である。

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2012年7月13日金曜日

「聯合艦隊司令長官・山本五十六」DVDをバンダイナムコが今日発売


「太平洋戦争70年目の真実」を認識する、次世代への意義

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バンダイナムコHDグル-プのバンダイビジュアル㈱が今日、「豪華キャストを終結し、空前のスケールで描いた歴史超大作映画」と銘打って、「聯合艦隊司令長官・山本五十六~太平洋戦争70年目の真実」DVDを、今日(2012-07-13)発売する。山本五十六を役所広司、五十六の「開戦反対」の意志と、日本の歴史を見届ける新聞記者・真藤利一を玉木 宏が演ずる。

佐成重範弁理士は戦中派で、山本五十六戦死の際は19歳だったから、当時国民の衝撃と覚悟を、いまだ生々しく記憶しているが、このような近過去を、国民挙って再認識することは、現代から次世代に向かって極めて重要である。

「次世代に向かう」意味で、バンダイナムコHDの特許開発状況も注目される。最近の、バンダイナムコHDグル-プ出願に係る発明の特許庁公開事例(SANARI PATENT要約)としては、

1. 出願人・バンダイナムコゲームス:発明の名称「プログラム、情報記憶媒体及び端末装置」(特許庁公開日2012-07-12)→プレヤーが直感的に方向指示でき、入力方向の判定を用意に行うことができるようにする。

2. 出願人・バンダイナムコゲームス:発明の名称「ゲームシステム」(特許庁公開日2012-07-05)→業務用ゲーム装置と、家庭用ゲーム装置等との関連性をより高めることができるゲームシステム、プログラム及び情報記憶媒体を提供する。

佐成重範弁理士所見→山本五十六戦死から立ち直った戦後日本産業の気概を、日本コンテンツ新興の知財開発に、次世代に向かって注ぎたい。

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2012年7月12日木曜日

マンション管理業界用語「リプレイス」のビジネスモデル

都市生活で必須のマンション長期修繕計画、丸紅コミュニティの場合

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四谷3丁目新宿通り・外苑東通り交差点に、丸紅コミュニティが管理受託予定の72戸マンション、新宿2丁目に東急コミュニティが管理受託予定の104戸マンションが建設中で、この副都心界隈は、子供も多く年齢構成の均衡した働き盛りのマンション人口増を加速している。従って、優良なマンション管理会社に管理を委託し、理事などへの就任は辞退して、定年退職の方のお任せという気分が多いが、管理費値上などの問題が発生すれば、大問題になる。日常的には、管理費の滞納が全国4割近くのマンションだ発生しているが、管理会社の関与は限定的に、国土交通省発表の標準規約に定められており、訴訟手続を理事長名で行わなければならないから、裁判手続などに出頭時間を要することになり、働き盛りが最も忌避するところである。

そこで、丸紅コミュニティのHPにも、リプレイス(委託管理会社の変更)関連ほか、懇切なQ and Aが掲載されている(SANARI PATENT要約)。例えば、

Q1. 管理会社は、長期修繕計画は作成してくれるのですか?

A1. 管理スタート後、30年間の長期修繕計画を作成します。作成後は、定期的に見直し、精度を高める。作成費用は、原則として無償ですが、引継ぎ可能なデータによっては、有償になる場合があります(SANARI PATENT注:この意味不明)。

Q2. 大規模修繕事業について。

A2. 丸紅コミュニティでは、原則施工監理者として管理組合の立場に立ち、全面的にサポートをさせていただきます。すなわち、長年の経験と実績をもとに、事前調査業務、工事業完了後の施工業者へのアフタケアー工事の指示など、広汎なサポート業務を提供します。

佐成重範弁理士所見→ここでも、長期修繕と大規模修繕の両用語が定義なしに用いられているが、長期修繕計画は法定用語だから、大規模修繕はこれに内包されるものとして扱うべきである。

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2012年7月11日水曜日

日油、Drug Delivery System、新型ロケット用化薬など

「最高益」の日油(知財管掌常務執行役員・高橋不二夫氏)特許開発の活況


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油脂化学の先駆者・日油の業績は、「最高益」と会社四季報が見出して、「機能化学品は電子分野回復に加え、好採算の新製品を軸に増勢。医用関連も伸び、原料高や在庫評価減をこなす。中国販社や米国の医薬関連向け技術営業の人員増」と高評価している。

SANARI PATENTとしては、知財担当常務のもと、特許開発の状況に先ず注目するが、最近の、日油出願特許庁公開事例としては、

1. 発明の名称「衛生紙用柔軟剤」(特許庁公開日2012-07-05)→低温度環境下において、良好なしっとり感となめらかさを付与し、かつ、高温度下においても、きしみ感を抑制することができる衛生紙用柔軟剤を提供する(佐成重範弁理士所見: 繊細・敏感な局部用と思われる)。

2. 発明の名称「エストロゲン用作用剤および皮膚外用剤」(特許庁公開日2012-07-05)→従来のものに比べて高活性なエストロゲン用活性剤を提供する。肌荒れ改善効果、シワ防止・改善効果、美肌効果に優れ、かつ、肌への馴染みが良く、使用後のべたつきが無い等の使用感にも優れると共に、経時安定性にも優れる皮膚外用剤を提供する(佐成重範弁理士所見: このブログを見たら、「日油は何時これを発売ビジネスのですか。真っ先に買いたい、というカワイイ連、アラフォー連、イケメン連が殺到すること必定と思うのだが)。

3. 発明の名称「撥水性フィルム」(特許庁公開日2012-07-05)→最表面に防汚層を有し、撥水性に優れる撥水フィルムを提供する(佐成重範弁理士所見:これもまた、極めて実用的・グローバル通用的だが、特許発明の実用性最優先が、日本業界当面の課題である)。

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2012年7月10日火曜日

マンションの管理ビジネスモデルにおける区分所有者と不居住所有者


増大する都心マンション人口、不居住所有者の漸増と管理遊離

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佐成重範弁理士の友人A君は、戸数21の、戸数では小型だが、平均床面積80平方メートルの、比較的上等な副都心Bマンションに、その新築以来、住んでいる。築後、20年だが、大手S建設の工事に成り、行き届いた設計である。

当初、全居住者(21世帯主)が区分所有者だったが、この20年間に、7戸が不居住所有者、14戸が居住マンション所有者となった。その結果、久しぶりにBマンション管理組合の理事長に選任されたA君は、様々な新課題に直面することとなった。

先ず年1回の通常総会だが、管理組合の組合員は、「Bマンションの区分所有者」だから21名である。この20年間に7名が不居住の所有者になった。つまり、他人に貸して転居したのである。Bマンションの管理規約は、役員の資格を居住所有者に限定しているから、役員改選において候補者たり得るのは、居住所有者14名のうち、総会当日の出席者(就任承諾を要するから)だが、出席者は半数7名だった。不居住所有者は全員欠席だった。欠席者14名のうち4名は委任状を送付してきた。

総会の定足数は、過半数11名だから、「出席7+委任4」で総会は成立したが、全員参加の総会理想型には、程遠い。しかし、三井不動産・三菱地所・丸紅・東急のような大企業の子会社のマンション管理会社に管理を委託しておけば、理事監事の役員職は「暇な人」に任せて、自分は煩わせられたくないという所有者が大部分になった。特に都心マンションの住人は、平素、本職多忙だし、貴重な休日は家族と仲良くしたい→管理はお任せ、管理からの遊離願望。

Bマンションの役員は理事5名、監事2名の計7名だが、上記のように被選資格者が7名だから、人事は極めて固定的になる。最近、国土交通省は、役員資格を不居住の所有にまで拡大しても良い、すなわち、そのように管理規約を改正してもよい」という標準管理規約改正を行ったが、不居住所有者は賃貸料と管理費等(管理費・修繕積立金・固定資産税等の維事費用)の差額を収入とするのだから、居住所有者との意識とズレを生ずる場合が多い。例えば、耐震工事のための修繕工事の規模など。

それよりも先ず、管理規約改正要件は、4分の3多数決だから、定足数16名であるのに、あと5名の出席または委任を得ることは困難で、改正自体の見通しが立たない。欠席者が委任しないのは、出席は勿論煩わしいが、委任して現役員の思うままにさせることは、管理費・修繕費の値上を含めて、自己の好まぬ決定を無制限に認めることであり、そのような意思表示をすることは、後日、自己の権利について訴求する妨げになると予感するからで、当然である。

要するに、役員の輪番制的・総員順次就任の理想型(みんなが関与)が、その基盤を失いつつある。Bマンションは小型で、マンションの平均戸数は65前後だが、ここには問題の典型的事例を提示したのである。

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2012年7月9日月曜日

米州で養鶏事業、豪州で牛肉事業の日本ハム

日本ハムの強み、バーティカルインテグレーション

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「食肉・ハム・ソーセージ、日本首位の日本ハムのビジネスモデルは、経済変動にどのように対処しているか。今次報告の内容(SANARI PATENT要約)は、

1. この1年、日本ハムを取巻く環境は、国産の鶏肉・豚肉相場が下降し、牛肉も、食中毒事故やセシウム問題で下回り、更に、原油や穀物価格の影響も受けた。

2. 日本ハムは、新商品を販促すると共に、海外販売が伸長し、年度売上高1兆0178億円で2.5%増だが、営業利益は265億円で20.1%減となった。

3. 日本ハムの最大の強みは、家畜の生産・飼育から加工・処理・物流・販売・マーケッティング・対顧客サービスに至るまで一貫して行うバーティカルインテグレーションサービスであり、70年の社史で築いてきたノウハウが、その中に詰まっている。そして、この強みを支える三つの力、開発力・技術力・営業力も、備わっている。

佐成重範弁理士所見→日本ハムの技術開発意欲の旺盛さは、特許庁公開状況にも窺われる。出願人・日本ハム、発明の名称「白内障予防食品」(特許庁公開日2012-06-31)は、その最たるものである。「分子量1000~5000の低分子コラーゲンペプチドが、白内障予防効果を生ずるという新規な知見に基いて、コラーゲン白内障予防食品を実現すること」を課題としており、高齢化社会のニーズに即応する意欲が発揮されている。

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2012年7月8日日曜日

全国580万のマンション管理組合懸案事項

マンション収納金・新システムのセキュリティ

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定時株主総会が一段落して、各地のマンション管理組合通常総会が開催されているが、懸案事項を持ち越した組合が多いのではないか。

その一つは管理規約の改正であって、マンション管理適正化推進法等に準拠して国土交通省が定める標準規約の改正、例えば、役員の被選資格を、専有部分の所有者かつ居住者に限定していたのを、居住要件を撤廃しても良いとしたことで、例えば20戸ぐらいのマンションの場合、役員被選資格者が推定14名以下であったのが、20名に拡大することの得失判断、また、理事会の所有者本人出席必須から、「所有者の配偶者等、限定的に認めると改正されたことへの対応、を懸案事項として残している場合が多いと思う。

また、大規模修繕計画、マンション管理適正化推進法では「長期従前計画」と呼んでいるので、その実質的相違を始め、エレベータの全面取替、1台約1800万円程度だが、どの時点で計画するか、機械式駐車場の全面更新を別勘定の受益者負担で行うべきか、更に、小型の懸案としては、屋外樹木について暴風時の電線や他自動車への加害による損賠発生防止のためむしろ除去すべきか、等々である。

具体的に、四谷三丁目周辺でも、四谷消防署に隣接して建設中の丸紅マンション72戸は丸紅コミュニティ、新宿御苑前に清水建設が建設工事中のプレミアムマンション104戸は東急コミュニティが管理を受託するが、いずれも新方式の資金収納支出システムに移行することは法制上、確実であり、過渡的トラブルの無い、発足ないし移行が目指されている。

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2012年7月7日土曜日

旭硝子のブラジル・インドネシア展開

フラットパネルディスプレイ市場の動向に旭硝子の最適対応

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「建築・自動車用ガラスで世界最大級、液晶パネル用ガラス基板で世界2位」の旭硝子だが(会社四季報)、多様なグローバル市場に、どのように対応していくか。今次報告で同社・石村和彦社長は、次のように述べている(SANARI PATENT要約)。

1. フラットパネルディスプレイ市場の成長率鈍化に対して、事業体質を強化し、収益を維持・確保すると共に、ガラスや化学品事業の収益性を高めることにより、フラットパネルディスプレイ事業への収益依存から脱却する。

2. 新たな収益源確保のための成長基盤を、速やかに構築する。

3. 資源・エネルギー価格の上昇・高止まりに対して、生産設備のエネルギー効率を改善し、コスト競争力を高める。また、この環境変化をビジネスチャンスと捉え、省エネ関連製品の拡販を加速する。

4. 先進国においては、コスト競争力を強化し、製品の高付加価値化を高めることにより、収益性を高める。高成長が期待される新興市場での事業拡大を加速する(SANARI PATENT考察: 新興国間の経済成長率格差が大変動し、社会経済の変容も多様化していることに対して、多様かつ弾力的な対応が必須と)なっている。メキシコ市場の大活性化、インドネシア市場の過渡的過密現象など)。

5. ディスプレイ事業については、フラットパネルディスプレイ市場の動向に合わせて、最適在庫水準を維持し、生産性・歩留りを向上する。

6. ガラス事業では、生産工程における省エネ技術を開発し、鹿島工場に導入する最新鋭のコーティング設備や、独Interpane社と戦略的提携し、エコガラスを高付加価値化する。

7. 化学品事業では、需要拡大を期待可能な新興国市場で、選択的に設備増強する。

8. 戦略かい地域別には、

8-1 中国→Thin Film Transistor液晶用ガラス基板の生産を拡大し、自動車用ガラスを拡販する。

8-2 ロシア・中東欧→建築・自動車用ガラスの需要拡大に即応する。

8-3 ブラジル→建築・自動車用ガラス事業を立ち上げる。

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2012年7月6日金曜日

「しなやかなハリに満ちた肌へ導く美容液」を冨士フイルム

富士フイルムの事業セグメントはイメージング、インフォメーション、ドキュメント

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富士フイルムのイメージと言えば「フイルムと写真機」だったのは、ひと昔前の話で、一昨日の富士フイルム発表は、「アスタキサンチンの美肌パワーをさらに引き出すナノリコピンを追加配合、スキンケアシリーズアスタリストをを刷新」と題する、「しなやかなハリに満ちた肌へ導く美容液」新発売の発表(2012-07-04)である。

同社の今次報告も、事業セグメントを、「イメージングソリューション」「インフォメーションソリューション」「ドキュメントソリューション」に3分し、「フィルム」と「写真機」の2分とは遠い。さて、このそれぞれについて富士フイルムは、どのように取組むのか(SANARI PATENT要約)。

1. イメージングソリューションについて→ 市場が拡大するフォトブックなど、付加価値プリントを拡張する。デジタルカメラは、BRICsなど新興国での伸長、ハイエンドモデルの拡伸で販売台数を増大する。独自技術のプレミアムカメラ拡販を強化する。

2. インフォメーションソリューション→ メディカルシステムは、医療ITや小型FCR(SANARI PATENT注:デジタルマモングラフィの高画質高精細画像撮像機)、内視鏡の好調を持続する。買収したSonoSite社におけるケータイ型超音波診断装置を拡販する。抗インフルエンザウイルスの新薬を発売する。

3. 成長期待分野のプロダクションサービス、グローバルサービスを強化し、アジア・オセアニアで拡販する。中国を始め、新興国において、中小企業向け商品・サービスの販売を強化する。

佐成重範弁理士所見→ バイオ医薬、再生医療関連の真製品開発において、富士フイルムの伝統技術が、その基盤をなすと考える。

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2012年7月5日木曜日

韓国大型下水処理施設に旭化成のマイクローザ

旭化成の住宅事業は、過去最高益達成

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旭化成ケミカルズ㈱は、韓国坡州市の大型下水処理施設で、旭化成水処理用中空糸ろ過機が採用されたと発表した(2012-07-03)。膜分離活性汚泥法によるもおである。韓国では、国策として下水放流水の規制が強化され、良質な処理水を得る同処理法は、環境対策・水有効利用対策の両面から支持され、旭化成の展開市場は大きいとSANARI PATENTは予想する。

一方、国内で、旭化成の住宅事業は過去最高益を達成したと、同社の今次報告は述べている。また、今後取組む内容(SANARI PATENT要約)は、

1. 米国ZOLL社を買収によるヘルスケア事業の拡大→2012-4に買収し、連結子会社化した。旭化成グル-プが新しい価値の創出を目指す医療分野では、主に、救命救急医療を標的としているが、その実現に役立つ。

2. 海外需要の回復を見込むケミカル事業や、請負事業において好調な受注を背景に引き渡し戸数が増勢の住宅事業に重点指向する。

3. 営業利益面では、スマホを始めとするケータイ向け電子部品などでの販売量回復が見込まれるエレクトロニクス事業や、住宅事業、また、骨粗鬆症治療剤や血液凝固阻止剤の好調で増益する。

佐成重範弁理士所見→旭化成の住宅事業が、その新たなコンセプトのもとで、旭化成の新資材を基盤として展開することが、日本の住宅イノベーションのため期待される。

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2012年7月4日水曜日

マンション管理にも出願中特許発明導入案

三菱東京UFJ銀行の「ロックアカウント」でマンション収支管理案

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国内のマンション人口が1400万人に達し、9万棟、560万戸の「毎月管理費・修繕積立金・専用駐車場料金等」の収納・保管・支出が安全適切に行われることが、都市マンション人口の著増趨勢にも対処し、益々重要な経済社会課題となっている。

1戸当たりの納入月額は平均約1万5000円と概算されるから、年額約1兆円が管理費修繕費等として全国で納入され、積立金残高は、約2兆円と推算される(SANARI PATENT算定)。

上記の「ロックアカウント」(特許出願中)は、出願人は三菱東京UFJ銀行と東急コミュニティの共同出願であって、発明の名称は「支払処理装置、支払処理プログラム及び支払処理方法」、課題を、「マンション管理組合等の委託者が、マンション管理会社等の受託者に委託した管理業務等において発生した費用の支払先への支払いを、受託者が作成したデータに基づく支払先への口座への振込によって実行するための支払処理装置等を提供する」としている。この課題の解決手段を、「受託者は、管理業務によって発生した支払の支払データを、受託者装置から支払処理装置に送信する。支払処理装置に新たな支払データが保存されると、委託者の電子メールアドレス又は住所を顧客データベースから読み出して、委託者装置に支払データの承諾を依頼する電子メール又は郵便等を発信する。委託者は支払処理装置にアクセスして支払データを確認し、振込を実行してよければ承諾操作を行い、支払データに承認済が記録される。承認済の支払データから、管理組合口座からロックアカウントへの口座振替データ、ロックアカウントから業者口座への総合振込データを生成し、銀行システムに送信する。」

佐成重範弁理士所見→管理会社と銀行の業務が一層合理化されるが、委託者側の支払承認の管理組合内部決裁と承認送信を、「承認ナビでウェブ上で行う」具体的仕様とセキュリティが、管理組合の実情・実態に適合しててきせつに確保できるか。考究を要する。

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2012年7月3日火曜日

北越紀州製紙は、中国広東省で白板紙工場建設中

チップ・古紙・燃料など、原燃料価格の高騰に対処して販売価格を修正

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電子書籍の急拡大や在来雑誌の不況など、紙需要の減退を予想させる動向もああ堅調は増収増益基調を、今後にわたり明示している。その内容(SANARI PATENT要約)は、

1. 北越紀州製紙グル-プは、印刷・情報用紙等の国内需要低迷下、大震災による製紙業界全体の供給不足に対応したこともあって、売上高は2305億7500万円、前期比6.2%増収した。

2. チップ・古紙・燃料など、原燃料価格の高騰に対処して販売価格を修正し、コストダウンも行って、営業利益108億2600万円、23.8%増益した。

3. 北越紀州製紙グル-プは、2020年目標の長期計画のもと、2014-03に至る中期計画により、紀州製紙との完全合併、東洋ファイバーの完全子会社化、販売代理店の設立を通じて、国内事業基盤を強化した。。

4. 海外では、中国広東省で白板紙工場の建設を進め、東拓(上海)電材を子会社化した。

5. 部門別には、

5-1 洋紙事業→企業の広告費削減や円高による輸入紙増で厳しい環境下で、営業努力し、拡販した。

5-2  白板紙事業→食品・医薬品向けの紙器用途が堅調。

5-3 特殊紙事業→情報用紙の一部品種で、新規受注した。

5-4 紙加工事業→パッケージング等は、厳しい受注環境ながら、コスト削減で増益。

佐成重範弁理士所見→経営戦略の適否、更にはガバナンスの在り方が、製紙各社の業績に反映している。

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2012年7月2日月曜日

ロシア・韓国などへ神戸製鋼の溶接材料が堅調


神鋼ソリューションは増収増益

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㈱神戸製鋼の今次報告は、中国経済の波動など世界各地域の情勢を分野別に多様に反映するレポートとなった。その内容(SANARI PATENT要約)は、

1. 鋼材の販売価格は、主原料価格の上昇対応で、製品価格への転嫁について需要企業と交渉し、前期を上回った。

2. 鋳鍛鋼製品の売上高は、造船向け価格下落で減少した。

3. 溶接材料の販売数量は、韓国・欧米・ロシアでの需要堅調により増加した。

4. アルミ鋳鍛造品の売上高は、液晶・半導体製造装置関連の需要が低迷したが、自動車向けが堅調に推移した。

5. 圧縮機など機械部門は、需要が堅調に推移した。

6. KOBELCO建機は、需要が堅調な東南アジアや、震災復旧事業が増加した国内販売台数は前期を上回ったが、主力市場である中国の販売台数は、春節明けの旺盛な需要を取込んだものの、金融引締め後は減少に転じた。

7. KOBELCOクレーンは、北米・東南アジアを中心とする海外需要の増加に加えて、復旧関連の国内需要増加により増収増益した。

佐成重範弁理士所見→神戸製鋼自身も、「当社グル-プは、世の中のニーズに様々な製品・技術でのアプローチが可能な多様性を有しております」と多様性能力を自負し、その発揮によって「オンリーワンの徹底追求」「ものづくり強化」「成長市場深化」「グル-プ総合力発揮」を果たしていくと思われる。中国での「ものづくり力」底上げ、新興国でハイテンや特殊鋼のオンリーワン製品展開、溶接総合企業化、アルミ板の現地調達ニーズへの即応などがその具体化である。

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2012年7月1日日曜日

ダブルウェーブネクストの豊穣な相乗波、マルハニチロの業績と計画

成長性豊かな市場は欧米

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旧マルハと旧ニチロが経営統合してマルハニチログル-プが誕生してから5年目を迎えたが、その今次報告は、ダブルウェーブネクストの豊穣な相乗波を活かす極めて意欲的なものと見受けられる。その内容(SANARI PATENT要約)は、

1. 経営統合の相乗効果が徐々に顕在化するなか、マルハニチロはグローバル食品企業として更なる飛躍を目指している。

2. そのPhase2 融合期(2011~2013)においては、世界の市場変化を見据えて、飛躍するための基礎固めを行う。統合による力を最大限発揮しながら、中核事業の収益力の強化、財務体質の改善に全力を尽くす。

3. そしてPhase3 飛躍期(2014~2016)においては、世界人口の増加や健康面からの魚食の見直し、食の多様化などを背景として、魚の消費が急激に増大し、グローバルな規模で魚の争奪戦が始まっている事態に対処し、水産資源へのアクセスと海外市場の開拓、食品事業の収益力強化・冷凍食品・加工食品の海外市場でのマルハニチロブランド認知を徹底し、グローバル水産食品企業に飛躍する。食品養殖部門では、漁場を拡充し、新規漁場を獲得する。また、北米事業では、加工機能の強化により拡販体制を確立し、成長著しい欧米水産物市場におけるオンザイ間を拡充する。

4. 冷凍食品事業と加工食品事業は、売上拡大と利益率向上を最優先課題とし、マーケティング力や研究開発部門との連携を強化し、商品開発力の向上と新カテゴリーの創出を実現する。

佐成重範弁理士所見→工業製品業界で「成長力豊かな市場」と言えばアジアを始めとする新興国だが、マルハニチロでは「欧米市場」であるところに、その豊かな成長将来性を予見する。

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