2009年12月31日木曜日

New Year’s Eve With New Year’s View 

大晦日に新年の展望、大方は下期に期待
弁理士 佐成 重範 Web検索 SANARI PATENT
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知財の開発も経済環境との関連なくしては考えられず、ましてやイノベーション志向(革新的実用志向)が特許権についても強調されてきたから、大晦日を迎えて改めて新年の経済展望を確かめたいところである。丁度、野村証券・資産管理情報が電子化されたので、その初号にヒントを探ることとする(SANARI PATENT要約)。
1.2010年の日本経済は、輸出主導で下期に安定成長へ:野村証券金融経済研究所・木内登英チーフエコノミスト(2009-12-16寄稿)
1-1 2010年上期の日本経済は、一転、成長率低下が見込まれる。円高進行で輸出の一時的速度調整と、財政政策の反動減を背景とする。他方、デフレ下の成長率低下は、景気配慮型の拡張的財政政策や、日銀の追加緩和措置を引き出し、下期の経済環境改善を準備する。
1-2 従って、2010年の日本は、景気情勢、政策対応、金融市場の3者が互いに影響し合う、ダイナミックな動きを示すが、下期には輸出主導でようやく安定成長を実現していく。
1-3 消費者物価の下落基調は、2012年初まで続く。政府・日銀共に、「継続的な物価下落」で定義されるデフレ状態にあることを既に認めている(SANARI PATENT注:「デフレ」の定義には数種あるので、定義を明記されたのがと解する)。
1-4 上期の成長率低下と円高進行に対応して、財政・金融政策ともに景気配慮型に傾斜する。

2.2010年の米国経済は平坦でない回復: 米国野村証券・雨宮愛知エコノミスト
2-1 米国景気は上向いているが、2010年は緩やかな回復にとどまる。経済活動は様々な政策措置で支えられており、その支援なしには回復できないほど景気の足腰が強くない現状である。民間主体の自律的成長への移行は、非常に緩慢にしか進まないと考える。
2-2 商業銀行の不良債権問題は深刻化しており、失業率は高止まりして。今次不況の影響は残存している。
2-3 2010年には、個人投資と住宅投資が景気を牽引する。製造業の設備稼働率は歴史的低位にあり、商業用不動産(オフィス)の空室率も上昇しているから、設備投資需要は抑制状態が続く。
追録:「大きな魚は 腹がつっかえて入り込めない磯辺に 小さな魚のエサ場がある」(朝日新聞2009-12-30)
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2009年12月30日水曜日

Main Factors for Forecasting China Economy 

「中国経済長期潜在成長力」を野村電子報告
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「中国で世界最速列車が武漢・広州間に開通」(2009-12-26)、「中国製クリスマスプレゼント支給でソウツ兵士がブーイング」(2009-12-28)など、中国関連の話題が連日多い(Yahoo)。
 とにかく中国経済の動向が全世界注目の的であるが、電子化された野村証券資産管理誌の野村証券金融経済研究所経済調査部・郭 頴エコノミスト:「中国経済の長期潜在成長力を探る」(2009-12-14寄稿)の要旨(SANARI PATENT要約)を見る。
1. 世界経済の低迷下で、中国は大規模な投資対策により、いち早く回復軌道に乗り始めた。一方、中国の長期的成長力については、様々な懸念が持たれている。投資拡大による経済成長のパターンの持続可能性、今後の労働人口増加率など。以下、資本投入、労働力変動、生産性の推移の3要素から考察する。
2. これまでの中国経済成長については、例えば2000~2008の実質GDP成長率は年平均10.0%であったが、資本投入の寄与率は約6割、要素生産性(生産効率の向上・技術の進歩)が約3割、労働投入が5%となっている。(SANARI PATENT考察: このような3要素分析で、わが国今後の経済成長における「技術進歩」の比重を見定めておくことは、次期事業仕分けの準備になる)。
3. 中国におけるこれまでの高水準投資継続を支えたのは、高い国民貯蓄率である。国民貯蓄率=資本形成率(総資本形成 /GDP)+経常収支/GDPとすると、中国の国民貯蓄率は、2000の37.0%から2008に53.2%と大幅上昇した。これは、日本28.9%、韓国30.7%、米国13.0%など先進国を大幅に超え、ブラジル17.1%、インド35.4%、ASEAN32.7%など、他新興国より高率である。なお、対外資本投資が未だ規制され、高貯蓄率は国内高投資体質に繋がり易い。
4. 中国の潜在成長力推定には、投資見通しが前提になる。「これまでの投資の過剰性の有無」「今後の投資需要予測」を考えるべきだが、先ず、マクロ経済全体として、構造的に深刻な設備過剰が生じているとは断言できない。また、今後の投資については、現在、中国固定資産投資は鉱工業38%、建設・不動産24%、インフラ22%の構成(2008)で、この3部門の投資需要を分析する必要がある。
5. 上記から、今後の中国の潜在成長率は、2004~2008の11%台から減速傾向にあるけれども、1桁台後半の相対的に高い成長を維持する可能性が高い。
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2009年12月29日火曜日

After April 2010, Revised Energy Economizing Law be Enforced 

改正省エネ法における事業者単位規制体系への移行への対応
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 改正省エネ法による省エネの実行は、コスト合理性との両立を促し、そのための知財開発の契機ともなると考える。施行は来年4月からであるが、経済産業省はこれに先立つ周知活動について発表した(2009-12-24)(SANARI PATENT要約)。
1. 改正省エネ法の規制体系は、これまでの工場・事業場単位から、事業者単位のエネルギー管理に変更される。このため、事業全体(本社・工場・営業所・店舗等)の一年度間のエネルギー使用量(原油換算値)が1500kl以上となる事業者は、その使用量を国に届け出て、特定事業者の指定を受けなければならない。
2. これまでの経緯を顧みると、エネルギー消費量が大幅に増加している業務・家庭部門におけるエネルギー使用の合理化を一層促進するため、2009-05に省エネ法が改正され、2010-04から、省エネ法の規制体系が、上記のように変更される。これにより、個々の工場・事業場のエネルギー使用量が年間1500kl未満であっても、全国規模で事業展開する事業者、地場で多店舗展開する事業者、フランチャイズチェーンを行う事業者など、業務部門を中心に、新たに規制対象となる事業者が多数存在すると想定される。
3. このため経済産業省は、次のように周知措置を講ずる。
3-1 経済産業局主催の説明会
3-2 省エネシンポジウム
3-3 事業者団体等主催の説明会への参加
3-4 事業者に対する案内
3-5 メディアを通ずる広報
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2009年12月28日月曜日

Law System for Telecommunication-Broadcasting Fusion 総務省「通信・放送の総合的な法体系に関する検討会」の論点
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 情報通信分野の技術革新が重ねられて、諸般の融合現象、すなわち、有線と無線、固定と移動などと共に、通信と放送の融合は十数年来、強調された趨勢であり課題であるが、いずれの融合も、技術進歩と制度改正が整合して促進されることが必要である。
 通信・放送の融合に対処して、総務省は、情報通信審議会の情報通信政策部会に「通信・放送の総合的な法体系に関する検討委員会」を設けているが、「2010年という節目」について次のように述べている(SANARI PATENT要約)。
1.2010年は、ブロードバンド・ゼロ地域の解消(2010年度末)、テレビ放送の完全デジタル化( 2011-07-24)という、通信・放送両インフラ政策の目標達成期限を間近に控える年である。経済社会の活力を維持し、国民生活を一層豊かにするため、これらインフラ面の整備に加えて、インフラを最大限に活用できる政策を展開することが肝要である。

2.これまでにも、デジタル化やブロードバンド化の進展によって、有線テレビ放送事業者によるインターネット接続サービスや、インターネットの通信手順(IP)を基盤とするテレビ放送、ケータイ端末向けのワンセグ放送など、通信・放送の融合・連携型サービスが実現してきた。デジタル化・ブロードバンド化が達成される2010年代には、融合・連携型の新たなサービスが、更に続出する。

3.世界最速・最安のデジタル・インフラ上で、世界最先端の通信・放送サービスを実現していくためには、法制についても、他の先進諸国に比べて合理的先進的な内容を目指すべきである。現行の通信・放送法制は、2010年から遡ること60年前の1950年に、電波法と放送法が制定されたことを出発点とし、有線テレビ放送法など、逐次法制を整備してきたが、放送について4本、通信業務でも複数の法律で構成される現行の法体系が、利用者および受信者や(SANARI PATENT注:「利用者」「受信者」は、総務省では使い分けている)、放送や通信業務を行おうとする者にとって、果たして合理的な制度か、改めて問い直さなければならない。
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2009年12月27日日曜日

Strategy for Storage Battery System Studied by METI

 蓄電池システム産業戦略研究会(経済産業省)の論点
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 次世代送配電ネットワークの構築において、蓄電池システムが核心をなすことに異論はなく、下記論点が検討対象となっている。
1. 次世代送配電ネットワークにおける蓄電池の機能
1-1 太陽光発電の大量導入に関しては、局所的な集中連系も進むため、電圧上昇による出力抑制が緊急の課題である。電圧調整装置のスペックの検証や蓄電池との組合せなどを検討する必要がある。
1-2 余剰電力対策としての蓄電池設置について、蓄電池の設置場所や種類により系統安定化対策の内容が異なる。また、電気自動車やヒートポンプの制御も合理化できるが、蓄電池の運転パターン把握について、需要家の協力が必要となる。
1-3 電圧調整装置は無効電力を制御して電圧を制御するが、蓄電池とパワエレ機器(SANARI PATENT注: パワーエレクトロニクス機器)をどのように設置するのかの検討も必要である。
2 系統安定化対策に要求される蓄電池のスペック
2-1 系統安定化対策用の蓄電池について、蓄電池の性能等のスペックを全て確実に充足しようとすると、オーバースペックになる恐れがある。
2-2 各種の蓄電池を見れば、電力用蓄電池のスペックは達成可能である。
2-3 複数種類の蓄電池の組合せについては、基幹系か配電系かによる蓄電池の設置場所や、電力系統全体の信頼性向上などの目的に合わせて決定する必要がある。
2-4 現在は、系統側の制御点は100程度だが、需要者側に蓄電池が設置されれば制御点が万単位になり、制御が困難になる。
2-5 需要者側に蓄電池を設置する場合、系統に電気が逆潮流すると。配電系統の電圧上昇を助長するから、蓄電池の制御・運転状態の監視等が必要である。
2-6 需要者側に設置された蓄電池の状況把握には、情報通信インフラが必要不可欠であると共に、強固なサイバーセキュリティが必要である。
2-7 系統安定化用蓄電池に要求されるスペックとしては、指令に対する応答速度も重要である。
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2009年12月26日土曜日

DAINIPPONN Print Co. Authorized by METI on Liquid Crystal Material 

大日本印刷の産業活力再生・革新法に基く計画を経済産業省が認定
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 経済産業省は、「大日本印刷が提出した資源生産性革新計画を産業活動革新法に基いて認定した」旨、発表した(2009-12-24)。大日本印刷の知財創出にも積極的な効果を及ぼすものと、SANARI PATENTは考える。認定の内容(SANARI PATENT要約)を見ると、
1. この計画で大日本印刷は、大阪市堺市に第10世代液晶用カラーフィルター工場を建設し、製造部門は100%子会社であるDNPカラーテクノ堺が請け負う。この工場では、第10世代ガラスサイズ採用による高効率生産の実現に加えて、省エネ設計や新鋭生産設備導入によって、資源生産性を向上する。
2. 今次認定により大日本印刷は、資源生産性革新設備等の全額即時償却の措置を受けることが可能になる。資源生産性革新の実施時期は、2009-12~2002-03である。
3. 大日本印刷は、大阪府堺市の大規模液晶パネル工場群に進出することとなる。
4. 第10世代(2880mm*3130mm)は、世界最大のガラスサイズであり、今後拡大が見込まれる40インチ以上のテレビ向けの液晶用カラーフィルターを効率良く生産できる。加えて、省エネ設計・生産設備導入により、大日本印刷黒崎工場を上回る環境性能を実現する。なお、モノづくりの強化、最適な製品・サービス実現のため、製造部門はDNPカラーテクノ堺に委託する。
5. 液晶テレビの需要は今後安定的な成長が見込まれており、40インチ以上の大型テレビの比率は更に高くなっていくと予想される。従って、今次申請に係る資源生産性革新設備等は、過剰供給構造の解消を妨げるものではなく、また、国民経済の国際経済環境との調和の取れた健全な発展を阻害するものではない。(SANARI PATENT考察: 聞きなれない表現だが、その実体が認定の要件である。)
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2009年12月25日金曜日

NTT Data and Japan Oracle Cooperate for the Development of Virtual System Integration NTTデータが日本オラクルと、仮想化活用したシステム統合基盤の統合運用管理ソリューション協業
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 NTTデータと日本オラクルは、NTTデータがオープンソースソフトウェアとして公開する統合運用管理ツール「Hinemos」と、日本オラクルのサーバー仮想化ソフトウェア「Oracle VM」を含むプラットフォーム製品を活用した、システム統合基盤の統合運用管理ソリューションの実現と導入に向けて協業することに合意したと発表した(2009-12-21)。
 この協業では、日本オラクルの技術支援のもとで、NTTデータがHinemosの日本オラクルのサーバー仮想化ソフトウェアOracle VMおよびLinux 製品Oracle Enterprise Linuxへの対応を行う。加えて、HinemosとOracle Enterprise Managerの連携を図る。それらの対応や連携により、仮想化環境、業務システム、プラットフォーム製品の一元的な統合運用管理が可能になり、システム統合基盤の運用管理に伴うTCO(SANARI PATENT注: 総保有コスト、Total Cost of Ownership))削減に寄与する。
この協業による成果は、両社およびNTTデータ先端技術株式会社を始めとする両社のパートナー企業と協力しながら、本格的普及が見込まれるサーバー統合を実現する次世代のITプラットフォームと、その統合運用管理ソリューションとして導入を促進する。また両社は、今後のクラウド時代に求められるシステムの俊敏性(agility)とコsトパーフォマンスを追求して、このソリューションを拡充する。
SANARI PATENT所見
 世界経済危機からの脱却を起点として復興・発展を指向する多くの企業が、その規模の大小を問わず、両社が更に解説しているように、仮想化技術を活用したサーバー統合を本格的に導入し始めている。その反面、統合されたシステムの複雑化による運用コストの増加が、導入後における課題となっている。上記協業はこの課題にも対処するものと考える。
 クラウドの普及が加速しようとしている折柄、注目すべき協業である。
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2009年12月24日木曜日

Resource Productivity Innovation Plan of HITACHI Approved by METI 日立製作所「資源生産性革新計画」の内容の公表(経済産業省)
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 経済産業省は、「株式会社日立製作所の産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法に基く資源生産性革新計画の認定について」と題して、次のように発表した(2009-12-22)(SANARI PATENT要約)。
1. 日立製作所が提出した「資源生産性革新計画」について、本日付で認定した。この計画で日立製作所は、事業構造改革および将来の成長に向けた事業革新のため、公募増資により資金調達する。計画の実施期間は2009-12~2012-03。
2. 具体的には、社会イノベーション事業強化のため、事業ポートフォリオの設備集約的な量産型事業から、知識集約的な高付加価値事業への転換を加速し、付加価値額を向上すると共に、社会イノベーション事業の取組の一環として、各事業所において設備の革新や継続的な省エネ投資、および、生産工程の整流化(SANARI PATENT注: 製造業の生産工程や流通業の物流などにおいて、物や情報が混在したり滞留・逆流したりすることがないよう、所定順序で工程を流れるようにすること)等を通じて、エネルギー使用量等を削減することにより、会社全体の資源生産性を向上する。
3. 敷衍すれば、日立製作所は、事業構造改革および将来の成長に向けた事業革新のため、公募増資等により資金調達する。具体的には、社会イノベーション事業強化のためデータセンタ等の情報通信システム事業、原子力等の電力システム事業・交通システム事業に投資し、事業ポートフォリオの設備集約的な量産型事業から、知識集約的な高付加価値事業への転換によって付加価値額を向上する。併せて、各事業所においてエネルギー使用量を削減し、全社の資源生産性を向上させる(エネルギー生産性を8.2%向上させる)。
4. 日立製作所の財務内容の健全性としては、有利子負債/キャッシュフローが10倍以内、経常収支比率が100%以上である。
5. 従業員の推移は、3万4600人から3万3200人へ(新規採用1800名)、出向4500人、転籍500人、解雇予定はない。
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2009年12月23日水曜日

Patent for Solar Electricity Generation and Solar Battery 

太陽光発電と太陽電池の技術に関する特許公開、その環境
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 今年に入って特許公開された太陽光発電・太陽電池関係技術を見ると、
(1) 太陽電池セルおよび太陽電池モジュール→ リード線を導電性接着剤により太陽電池セルに接着することで複数の太陽電池セルを電気的に接続して太陽電池モジュールを形成する際の太陽電池セルとリード線との接着強度に優れ、耐久性・信頼性の高い太陽電池およびこの太陽電池セルを複数個接続して成る太陽電池モジュールを得る。《公開日2009-12-17 三菱電機)
(2)  太陽電池およびその製造方法→ 太陽電池の半導体基板の反りを、太陽電池の出力特性を維持しつつ、コスト増加に繋がる工程を追加することなく防止する。《公開日2009-12-17 シャープ)
などが相次いでいる。
 一方、asahi.com(Seoul 2009-12-19)によれば、サムスン電子とLG電子が太陽電池事業への本格参入へ動き出した。サムスン電子は、ソウル近郊で今秋、年間30MWの電池生産可能なラインを始動させた。主力の半導体や液晶パネルで培った素材や生産関連の技術を応用する。LG電子は、2010年初にも量産を始める計画で、韓国東南部の工場でプラズマパネル関連の生産設備を転換し、太陽電池の生産ラインを建設中である。
翻ってわが国では、経済産業省の住宅向け太陽光発電の補助金(概算要求額412億円)が、行政刷新会議の事業仕分けで、予算計上を見送るとの結論になっている。再生可能エネルギーの全量買取制度に再編することが求められた。補助を含めて、制度の安定性と、韓国企業等、国際競争激化への政策配慮が必要と、SANARI PATENTは考える。
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2009年12月22日火曜日

General Affairs Ministry Studies Active Application of Opt-Broad- Band 総務省「光ブロードバンドの活用方策検討チーム」の議事状況
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 光ブロードバンドの活用方策検討チームが昨月発足し、連月検討を進めるので、その議事状況を要約し考察する。
1. わが国において光ファイバーインフラは、世界に先駆けて全国に整備されたが、活用は不十分である。特に、インセンティブが作用し難い行政や教育、医療などの分野では、自然に進むものではない。(SANARI PATENT考察: 電子政府構想のように、各省が予算取得においてインセンティブを有しても成果が極めて少ない場合がある。事業停止も、今次事業仕分けで、相当数決定された。)      
2. クラウドコンピューティングを使って、ブロードバンドの活用を促進したい。活用が進まない理由は、システム導入のコストを要する、あるいは運用メインテナンスに様々な人員やコストを要するということである。クラウドという技術を使えば、システム導入やメインテナンスの手間もなく、安価に活用を進め得る。
3. クラウドにより、これまでICT化が進捗しなかった行政・教育・医療など様々な分野でICT化を一気に進めたい。
4. 来年度概算要求レベルでは、5億円程度のクラウド実証実験予算を計上している。来年度から即実行できるように研究会を設けるべく、それまでに精力的に議論しておきたい。
5. できれば人口50万人程度の都市を4つぐらい選んで、PDCAサイクル(SANARI PATENT注: Plan-Do-Check-Act Cycle)を回しながら、向こう1年で、できるだけ良い行政クラウドを構築する実証実験を行うべきである。
6. 普通の公衆光ファイバー網を使うことを前提として、セキュリティを高めることも検討すべきである。
7. 自治体が、複数のベンダーからサービスを選べる環境とすべきである。
8. ユーザーがそれぞれのクラウドを選択できることが重要で、そのためにはデータべースのインタフェイスやフォーマットの全国標準化を指向した活動が必要である。
9. 行政業務の標準化、コストダウンが不可欠である。
10. ベンダーのロックインを外す方策が必要である。
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2009年12月21日月曜日

弁理士 佐成 重範 Web検索 SANARI PATENT
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 バイオイノベーション研究会(経済産業省)のバイオ研究開発タスクフォースが昨月末に発足し、「バイオ医薬品分野に関する研究開発における基本的目標」「目標達成のための方策」「経済産業省の研究開発において留意すべき事項」を議題としている。議事内容(SANARI PATENT要約)をみると、
1.iPS細胞は、安全性の課題がクリアできれば、大きく発展する可能性がある。
2.大手製薬企業は、リスクを取りにくい構造・体質を持つので、リスクシェアを可能にするパブリックなプラットフォームに期待する。
3.ゲノムからエビゲノムへと、探索課題が変化しつつある(SANARI PATENT注: 多細胞生物では、細胞が分化するたびにゲノムが修飾され、それが複製・記憶される。このような細胞分裂時の複製ゲノムをエビゲノムと呼び、癌や老化との関連が究明されつつある)。医薬品4.タンパク複合体も構造情報と計算科学との融合で、創薬のための計算科学が現実に強みを持ってきた。プラットフォームを強化することが必要である。
5.臨床に関するデータベースについても討論すべきである。
6.国のプロジェクトはキメ細やかな運用体制が必要である。一律ではなく、成功のための制度設計に期待する。
7.高い品質を持つ実験動物が重要である。
8.レギュラトリーの観点で、先ずFDAに申請し、日本は後でという流れで良いのか。
SANARI PATENT所見
 医薬品産業において、従来の医薬品では対応できなかった疾患に対応できるバイオ医薬品の売上が上昇し、売上上位の10品目中、バイオ医薬品が、悪性リンパ腫・腎性貧血、関節リウマチ・乾癬、関節リウマチ・クロソ病医薬品の4品目が占める(2007)状況に至っている。
 一方、世界の医薬品市場規模において、日本市場の比率は1997年の16.0%から2007年に9.2%まで低下している。この10年間に世界の医薬品市場規模は2939億ドルから7148億ドルと、2.43倍の伸長し、特に中国、インド、その他新興国における伸長率が目立つ。特許制度と薬事法運用の革新を含めて、わが国のバイオ医薬品振興が急務である。
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2009年12月20日日曜日

Korean Patent Office K/H Associates Reports Sharp vs. Samsung Patent Problem 韓国の著名特許事務所KIM, HONGのシャープ・三星電子関係情報
弁理士 佐成 重範 Web検索 SANARI PATENT
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 韓国の最有力特許事務所・K/H-Aから、News Letterを戴いた。貴重な情報が満載されているが、ここには、「三星電子、特許紛争を避けたLCDパネル量産」と題する記事を読ませていただく(以下SANARI PATENT要約)。
1. 三星電子が今月(2009-12)から、特許紛争から開放された新たな方式のTV用パネルの量産を始めたと伝えられた。
2. 三星電子は、日本のシャープと約2年余りの特許紛争を経てきたが、新たなパネルを用いたTV生産が本格化すれば、特許問題も結果的に解決される見込みである。
3. シャープは、2007-08に、「三星電子がLCD(SANARI PATENT注: Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)の視野角を広げることのできる技術の特許を侵害した」として、米国・テキサス州連邦法院に特許侵害訴訟を提起している。三星電子はこれに対抗して、シャープが三星電子のLDCパネル製造方法の特許を侵害したとして、シャープを相手取って特許侵害訴訟を提起し、両社は、日本・米国・韓国などで特許侵害訴訟を係属している。
4. 三星電子は、本年2月に、東京地裁でシャープに敗訴したが、3月には、LDC製造方法に関する特許について、シャープに対して勝訴し、日本では1回づつ勝敗を分け合った。
5. 韓国では、本年11月に特許審判院が、シャープのLDC特許は既存の技術と類似しているため、特許は認められないとし、三星電子が勝訴した。
6. 米国では、米国国際貿易委員会(ITC)が本年6月、三星電子を相手取ってシャープが昨年1月に提起した特許侵害訴訟の予備判定において、三星電子がシャープの特許を4件侵害したと決定した。
7. 三星電子の関係者は、「最終判決で、三星電子がシャープの特許を侵害したという結論が出たとしても、既に三星電子は、関連特許を回避できる技術開発を終えたとし、米国への輸出には全く問題ないと述べている。
SANARI PATENT所見
シャープは、「東京地裁が、シャープの日本サムスンに対する液晶テレビや液晶モニターの輸入・販売等差止めを認容」と題して2009-01-30に、シャープの勝訴判決を報告している。シャープ、三星電子双方の記述・発表を考察する必要がある。
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2009年12月19日土曜日

Current Problems and Direction of Japanese Textile-Fashion Industry 「今後の繊維・フアッション産業の在り方に関する研究会」(経済産業省)の検討状況
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 銀座松坂屋周辺のユニクロ始め国内外の繊維・フアッション産業の進出は最近特に活況を呈し、越後屋の繊維・フアッション産業に源流を発する三越などの衣料部門変貌も急速だが、今次世界経済危機後の需要の減退と低価格志向、新興国との国際競争激化、対外ブランド力不足などに、産業政策としてはどのように構えるか。経済産業省の「今後の繊維・フアッション産業の在り方に関する研究会」が今年11月に発足しているので(SANARI PATENT考察: 随分遅い発足のようだだが、2007-06に経済産業省としては繊維産業の展望と課題という低減をまとめているので、リーマンショック以降の新たな事態に対応する趣旨と解する)、先ずその論点を見ると、      
(1)  現在、内外の繊維・フアッション産業にどのような環境変化が起きているか。
(2)  日本の繊維・フアッション産業の強みと弱みは何か。どこに国際競争力があると言えるか。
(3)  わが国の繊維・フアッション産業の強みは、最大限活かされていると言えるか。どのような手段・仕組みを構築すれば、わが国繊維・フアッション産業の強みを産業の活性化・ビジネスの拡大に結び付け得るか。
(4)  繊維・フアッション産業の川上・川中・川下、それぞれの課題は何か。流通・小売も含めて、共通して取組むべき課題や、垂直連携・統合についてどう考えるか。
(5)  繊維・フアッション産業の国内生産に限界がある状況(SANARI PATENT注: 限界というのは需要の規模と解する)のもとで、どのようにわが国の繊維・フアッション産業の差別化を図っていくべきか。差別化に際して、繊維・フアッション産業特有の技術面・需要面の課題は何か。
(6)  高付加価値化、クールジャパンによる海外展開の鍵ともなる日本繊維・フアッション産業の強化、ブランド価値向上のために、具体的に何が求められているか。Japan Fashion Weekの今後の在り方をどう考えるか。
(7)  日本の繊維・フアッション産業の海外市場開拓促進の方策は何か。また、アジアの著しい成長性を、どのようにわが国の繊維・フアッション産業の活性化に取組んでいくべきか。
(8)  今後の日本の繊維・フアッション産業が目指すべき方向・将来像は、どのようなものか。
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2009年12月18日金曜日

METI Homepage on Asia-Pacific Cooperation Starts 2010年日本APECの経済産業省HPが発足
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 次世代世界知財の源泉ともなるべきアジア太平洋広域の経済協力の舞台として、2010年に、アジア太平洋経済協力(APEC)の会議が日本で開催され、1年間を通じて、日本各地で様々な分野の会議が開催される。
 経済産業省関係の大臣レベル以上の会合としては、貿易担当大臣会合(6月:札幌)、エネルギー大臣会合(6月:福井)、中小企業大臣会合(10月:岐阜)、電気通信・情報産業大臣会合(10月名護)があり、更に11月には横浜で、首脳・閣僚会議が開催される。
 既に経済産業省は、「2010年日本APEC」の特別ホームページを開設し、情報を迅速に提供する体制を整えたが、そのトップ画面の世界地図には、日米中のGNP世界1・2・3位の3国を始め、ロシア・カナダ・オーストラリア等の主要国名が表示され、先般オバマ東京スピーチの、「アジアと米国は、この太平洋の大海によって隔てられているのではなく、この大海によって結ばれているのです」(Asia and the United States are not separated by this great ocean;
We are bound by it.)という強調のように、韓国、香港(Chinese Taipei)、台湾、インドネシア、ベトナム、タイ、マレーシア、シンガポール等、成長力豊かな諸国域の発現動向が逐一周知されることは、次世代世界経済の本格的起動力になると考える。
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2009年12月17日木曜日

Media-Soft Study Meeting of the General Affairs Ministry has Wide Target 

総務省「メディア・ソフト研究会」がメディア・ソフトを取り巻く環境変化を検討
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 総務省のメディア・ソフト研究会が発足し(2009-11-20)、メディア・ソフトを取り巻く環境変化と市場の範囲を始めとして、高密度な議論を展開している。プログラム特許やコンテンツ知財に直結する課題として、その内容(SANARI PATENT要約)を考察する。
1. 従来のメディア・ソフトの定義: メディア・ソフトを「メディアを通じて広く人々に利用されることを目的として流通する情報ソフトであって、その流通が経済活動として行われ、市場を形成しているもの」と定義してきた。従って、これまでの調査対象は、映画・テレビ番組・音楽・新聞等であった。これをテキスト系ソフト、音声系ソフト、映像系ソフトに分けて市場の動向を見ると、
1-1 2007年のメディア・ソフト全体市場(SANARI PATENT考察: もっと新しいデータが有りそうなものだが、この時点のデータを示している)は、11兆4110億円で、対前年比0.3%減である。内訳は、テキスト系4兆9000億円、音声系1兆円、映像系4兆9000億円。
1-2 メディア・ソフトを取り巻く環境変化は、
1-2-1 経済環境の変化、広告量の減少: 平成20年の後半以降、世界的な需要の急激な落ち込みにより、コンテンツを取り巻く環境は依然厳しい状況である。2008年度の単独決算の有力企業(上場3810社、非上場634社)の広告宣伝費は、前年度比7.33%減の3兆0608億円で、2年連続の減少である。
1-2-2 国内ユーザーの減少: 人口構成の変化による若年ユーザーの不足。90年代の半ばには、15~24才の人口は約1900万人であったが、2008年には1300万人に減少している。
1-2-3 コンテンツ産業のグローバル化: 世界的にはコンテンツ産業のグローバル化が進展し、コンテンツ制作に人材・資金が集中すると共に、ライツビジネスが発達した。一方わが国でも、国内消費の低迷、国内人口の減少に対処し、積極的に国際市場に展開する動きが出ている。
2. 論点
2-1 メディア・ソフト業界の変化
2-2 モバイル、パーソナルな利用の発達
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2009年12月16日水曜日

IP High Court Supports PANASONIC Claim on Earthquake Proof Construction 

被控訴人パナソニック主張による控訴人特許権無効などの地裁判決を知財高裁が支持・パナソニック勝訴
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 地震対策はグローバルな課題で、関連発明も続出しているが、標記の知財高裁判決(2009-12-10)は、パナソニックに対するX提起の特許権侵害の賠償請求を棄却した地裁判決を不服とするXが知財高裁に控訴し、知財高裁がこれを棄却した事件である。すなわち、一審原告である控訴人Xは、「開き戸の地震時ロック方法」発明の特許権者であるが、一審被告である被控訴人パナソニックが「ロック装置を取り付けた家具・吊り棚」を製造販売している行為は、Xの上記特許権を侵害しているとして、パナソニックに対し17億8300万円の損害賠償を訴求したところ、原審の大阪地裁は、パナソニックの物件はXの特許請求項の構成要件Cを充足せず、また、Xの特許請求項の構成要件Dは特許無効審判により無効にされるべきものと認め、Xの請求を斥けた。Xがこれを不服として知財高裁に控訴し、知財高裁は「平成21年ネ10040号損害賠償請求控訴事件」判決(2009-12-10)により、Xの控訴を棄却した。
 この事件についての具体的論点は判決文に詳しいが、特許権の無効を裁判所が判決することについて、以下に、特許庁の研究会の論点整理(2009-12)の一端(SANARI PATENT要約)を見る。
1. 特許の有効性判断を含む紛争処理の在り方について、「訴訟は当事者主義であり、判決が相対効であるのに対して、無効審判は職権主義であり、審決が隊世効を有するなど、侵害訴訟と無効審判とでは、それぞれの審理原則等、それぞれの制度の特徴が異なること、技術専門性を背景とした無効審判における特許の有効性判断を求める機会の確保等の観点から、紛争処理において無効審判制度が有効に活用されている現状等を踏まえ、両ルートの判断を求める機会が確保されるべきである、という指摘がある。
2. 裁判所が特許有効性を判断することに対しては、裁判所が専門技術的な事項に関する判断を行うことについて、懸念する声があることに留意すべきである。
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2009年12月15日火曜日

Simultaneous Fulfillment of Green Distribution and Cost-Down 

グリーン物流とコスト削減を同時実現したとカシオ報告
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 COP15紛糾の要因は、先進国・新興国・途上国、それぞれの立場の相違が現時点では主体になっているが、各国国内ではCO2削減のコスト負担の額と配分が争点になっていること、当然である。しかし企業にとってCO2削減とコスト削減が同時達成できる措置ならば、それ自体にmotivationが機能する。具体的な事例をカシオの上半期報告が記述しているので要約する。
1. アジア内の部品や製品の輸送には、これまで段ボール箱を使用していたが、カシオでは、これを「通い箱」と称する、繰返し使用可能なプラスチック容器に切替を進めている。例えば、日本で製造した部品を、中国の生産拠点に運び、中国の部品メーカーから調達した部品をタイへ、また、タイから日本へ時計完成品や部品を輸送するという全過程で「通い箱」を用いることで、コスト削減と環境負荷の軽減を同時達成している。
2. 一般的に「通い箱」は2国間の利用が中心で、返送時のは空になってしまうが、3国間で回すことで空き箱がなくなり、無駄のない運用が可能である。この切替が進めば、年間で3~4万トンのCO2削減と、年間400~500万円の削減が同時達成できる。
3. さらに、日中間でのModal Shiftとして、中国で生産した製品を日本に送る際、従来は香港から日本への航空便を使用していたが、特に急がない物については、香港から上海まで鉄道便とし、日本へはフェリーで輸送することにより、同様の一石二鳥効果を得る。
4. このほか、部品メーカーなど取引会社と協力して、アジア内で部品を調達する際、従来は国内取引で日本で部品メーカーから購入し、中国の生産拠点に輸送していたので、アジア諸国で製造された部品が、日本を経由して、またアジアの工場へ運ばれるという無駄が生じていた。部品メーカーの協力のもと、物流では日本を介さず、直接香港の倉庫に納入し、そこから工場に輸送することとなって、CO2排出量は85%減、コストは90%程度の減になった。
SANARI PATENT所見
 カシオのような電子計算の達人ですら、国際事情から、従来はこのような不合理性も甘受していたと解されるが、オープンスカイのグローバルな展開も予想され、カシオ流の一石二鳥が普及することが、世界の幸福である。
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2009年12月14日月曜日

Tokyo Downtown Outlet vs. Department Store 

11月百貨店売上高21ケ月連続マイナスと、お台場アウトレット開業への期待
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 おせち料理にもデフレの波で、大阪の百貨店では、少量高品質志向、販売個数は前年並みとしても、売上高は減少という(産経2009-12-13)。
 NKHTV「カワイイTV」(2009-12-12)には、新宿伊勢丹のガールズパワー達の新制服「膝上15cm」を始め、デパ地下開発のモバイル会員クリスマスト特製ケーキ試食会、キャラクター催事(さいじ)で集客など、百貨店の熱気も高まっていると放映した。
 さて三越・伊勢丹HDの上半期報告書は、次のように述べている(SANARI PATENT要約)。「雇用情勢や所得環境の一層の悪化などで、個人消費は依然として低迷が続き、三越・伊勢丹HDの業績も極めて厳しい状況で推移した。今後も厳しい環境が続くと思われるが、顧客に感動される百貨店本来の価値を提供することで、世界随一の小売サービス業グル-プ実現を目指す。具体的には、
1. 三越
1-1 日本橋本店では、三越の象徴にふさわしいプレステージストアを確立する。
1-2 銀座店を増床し、銀座有楽町地区最大規模の商業施設とする。
2 伊勢丹
2-1 新宿本店では、世界最高のファッションデパートを確立する。
2-2 支店では、品揃えや業務オペレーションを標準化したユニットショップにより地域顧客のニーズに即応する。
 一方、ロイターによれば、日本百貨店協会が18日に発表予定の11月の全国百貨店売上高は、21月連続のマイナスとなる見込みである。またYahoo―産経によれば、近鉄百貨店は異業種に社員を派遣してノウハウを蓄積し、業容を拡大する。
 他方、東京都江東区・お台場エリアのヴィナースフォートがリニューアルサレ、アウトレットフロアがオープンしたが(2009-12-11)、都心性と専門店併存、ブランド店に出品前に低価販売など、魅力に富む。
SANARI PATENT所見
 三越・伊勢丹HDは「対処すべき課題」として「消費者の生活防衛意識は更に強まる一方で、業態を越えた企業間の顧客の争奪戦は更に激しさを増す。三越・伊勢丹HDは一人ひとりの顧客のご満足の最大化を図り、顧客の生活の様々なシーンでお役に立つことを通じて、顧客にとってなくてはならないマイデパートメントストアを実現する」旨を述べているが、具体性を欠く感がある。百貨店の「百貨」にふさわしい品揃えが有れば、ワンストップ的価値があるが、単価の低い日用品(例えば裁縫道具、安い単機能体重計、孫の手、踏み竹)が姿を消している。三越のインターネット販売には低価な品も見受けるが、「上質」を売り言葉にするならば、歳暮のネット販売などは、贈られた先が百貨店の包装を喜ぶ風習が残存しているので、奏効するかも知れない。
 いずれにせよ、消費も構造改革が急速に進行しており、「デフレの申し子といわれた牛丼チェーン」すら、吉野家の既存店売上高が10月連続マイナスと伝えられる(Yahoo フジサンケイ2009-12-12)など、内食化への変貌がみられ、トレンド考察が極めて重要である。
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2009年12月13日日曜日

Diversifying Business of Print Industry, TOPPANN vs. DNP 

ToppanとDNP、印刷業界2強の電子産業展開の多様性
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 ToppanとDNPの上半期事業報告が同着しているが、登記名の凸版印刷および大日本印刷は報告書裏表紙の下に小文字で、ToppanとDNPとが表紙に大きく表示されている。セグメント別概況も、Toppanでは「情報・ネットワーク系」「生活環境系」「Electronics系」、DNPでは「情報Communication部門」「生活・産業部門」「Electronics部門」「清涼飲料部門」に分説されている。
 Toppanの情報・ネットワーク系は、ICカードが高速道路料金値引きに伴ってETCカードの堅調をもたらし、定額給付金やエコポイント制度に関連した業務受託ビジネスも好調に推移した。販促系通知物は微減した。DNPの情報Communication部門は、Personal Mailなどのデータ入力から印刷・発想までの業務を行うIPSやICカードが増加した。M and Aにより拡大した教育・出版流通事業が、この部門の売上増加に寄与している。
 Toppanの生活環境系は、Package関連では、市場の環境意識の高まりから、環境配慮型製品である紙製飲料缶「カートカン」が順調に推移し、産業資材関連では、太陽電池市場の伸長を受けて、太陽電池バックシートが順調である。DNPの生活・産業部門は、薄型Display向け反射防止フィルムが増加した。
 ToppanのElectronics系は、Display関連のカラーフィルタが、液晶TV向けに、日本のエコポイント制度や中国市場の需要増により、予想以上に回復した。DNPのElectronics部門は、液晶カラーフィルターが、液晶パネルの需要回復により受注数量の増加を見た。
 DNPの清涼飲料部門は、炭酸飲料は増加し、ティー飲料、コーヒー飲料が減少した。
SANARI PATENT所見
 Toppan。DNPの文字から「印刷」が隠れているが、「印刷」の高度化とイノベーションの誘導技術として、技術が多様化し多分野に貢献していることを、具体的に認識できる両社の報告である。
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2009年12月12日土曜日

Decision System of Fair Trade Commission vs. That of Patent Office 公取委の審判制度廃止決定と、特許庁の審判制度の行方
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 経済界の求めもあって、「談合やカルテルなどで処分された企業が先ず不服を申立てるべき公取委の審判制度廃止」を、政府が決定し、次期国会に独禁法改正法案が上程されることとなった。この審判に不服であれば高裁に提訴することとなるが、審判が廃止されれば、当初から高裁に提訴できることとなる。処分をした公取委が、自分がした処分の当否を審判するのは妥当でないし、余計な手続であるというのが廃止の理由である。
 マスコミを含めて、「それならば特許庁の審判はどうなのか」という論議が起こる筈だが、関連しての論説が見当たらない。しかし、特許庁の研究会では「特許の有効性判断についてのダブルトラックの在り方という課題として検討している。
 その論点整理(2009-12-8)は、問題の所在を次のように述べている(SANARI PATENT要約)。
「特許の有効性判断が、無効審判ルートと侵害訴訟ルートの二つのルートで行われ得ることについては、次のような指摘がある。
1. 特許の有効性判断を二つのルートで同時期に行うことは、社会経済的に非効率ではないか。
2. 侵害訴訟と無効審判のどちらか一方で特許無効の判断がなされれば、被告が侵害を免れることができるのは、特許権者にとって不利であり、このことに起因して特許の価値が下がっているのではないか。
3. 特許の有効性の判断の結果が二つのルートで異なり得ること(SANARI PATENT考察: 現に、異なる場合が数多い)は、特許権・特許制度の信頼性を損ねるのではないか。
SANARI PATENT所見
 異なる判断がなされ得ることによって、その特許権の正当性が担保されるという見解を、SANARI PATENTは採っている。能率の見地から、一段階省くことが妥当か、価値観の問題である。
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2009年12月11日金曜日

MITSUI BUSSAN to Become a Global Enabler Changing its Business Model  

仲介業からバリューチェーン各段階事業展開のビジネスに転換
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 三井物産の飯島彰己社長が、対投資家説明会で同社のビジネスモデルの変遷と動向を語った(2009-12-09:赤プリにて)。三菱商事と共に覇権を争う総合商社の雄というのが常識で、重厚長大産業や鉄鉱石・原油等の資源関連に伝統的に強いと評されてきたが、「覇権を争う」相手は欧米資本のみならず華僑・印僑の商才に富むアジア新興国やアラブ資本も加わると共に、日本独特と評された「総合商社」の機能についても、その在り方が時流と共に変動を要請されてきた。加えて今次世界経済変動への対応が緊急の課題になっている。
 そこで三井物産・飯島社長は先ず、「口銭主体の仲介業は、もはやビジネスの主流ではなくなり、バリューチェインの各段階で事業を展開し、付加価値を高めるビジネスに転換している」として、「総合的なソリューションの提供」と「国内外の有力企業との戦略的なアライアンスの構築」とにより、「総合力の発揮、バリューチェインにおける取組」を展開すると述べた。
 バリューチェインとは、「原材料の調達から製品・サービスが顧客に届くまでの企業活動を、一連の価値(バリュー)の連鎖(チェーン)として捉える考え方で、バリューチェインを分析することにより、自社の価値創造活動でどの部分が強みなのかを発見することができる」と説明した。
 事例として自動車のバリューチェインの実例を開発・調達・生産・流通・販売・サービスの各段階の総合について、原材料生産者、素材メーカー、部品メーカー、完成車メーカー、輸送、卸売代理店・小売ディーラーに至る過程への関与を示すと共に。組織活動の全般については、次のように示した(SANARI PATENT要約)。
1. 金属資源本部→ 金属資源権益の拡大・安定供給体制の構築、レアメタルの資源権益拡大、メタルスクラップを中心とするリサイクル事業の拡張
1-1 鉄鉱石の生産事業→ 豪州での鉄鉱石生産
1-2 ニッケルの生産事業→ ニューカレドニアでのニッケル開発・生産
1-3 メタルリサイクル事業→ 世界最大の総合リサイクル企業・シムスメタルマネジメントへの出資参画
2 エネルギー第一・第二本部→ 原油・ガスの権益拡大・安定供給体制の構築、石炭の権益拡大・安定供給体制の構築、バイオエネルギーや排出削減事業など環境問題や新エネルギーへの取組
2-1 ニュージーランドの原油開発生産事業
2-2 サハリンⅡLNG・原油開発生産
2-3 豪州の石炭開発生産
3 プロジェクト本部→ 海外発電事業など公共性の高いサービスへの投資、鉄道リースを米国・欧州・ブラジルで展開、コンテンツ強制の高い基礎産業や社会基盤の整備・充実に取組
3-1 英国で火力発電に投資
3-2 ドイツで機関車リース事業を展開
3-3 羽田貨物ターミナル事業
4 食料・リテール本部→ 食料資源の確保・安定供給体制の構築、食の安心・安全の提供
4-1 米国西海岸の小麦輸出エレベータ
4-2 中国の海老養殖場
4-3 ブラジルの大豆・トウモロコシ生産に投資
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2009年12月10日木曜日

Teijin Intellectual Property Center Limited as an Independent Entity 

帝人が知財開発を基盤に、生産は海外展開
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 帝人グル-プの「テイジン未来スタジオ」の来館者が、設立満2年の昨月、1万人を突破して、独立事業体としての帝人知財センター の成果を観衆に親しませた。
 帝人の今次上半期報告も、世界経済変動の影響を受けながら、積極的な海外生産活動の展開が見られるが、SANARI PATENTとしては、「タイ、外資進出冷え込みも」という日経記事(2009-12-07)の内容と関連を注視したが、タイ政府が抑制しているのは、環境対策を理由としており、帝人のタイ工場増強には全く影響ないと考える。
 上記報告は次のように述べている(SANARI PATENT要約)。
1. 売上高は、医薬医療事業が増収だが、素材事業および流通・リテイル事業が減収で、合計、大幅減収になった。営業利益は、素材事業での需要低迷のため、前年同期比で大幅減益となった。
2. 帝人グル-プでは、主として素材事業において、稼働率70%でも当期純利益が確保できる事業構造改革に取組んでいる。PETフィルム事業でも、欧米の生産拠点の統廃合や生産系列の休止を中心とした構造改革を実行している。
3. すなわち、ポリエステル事業については、世界的にポリエステル繊維の大幅な供給過剰が継続する環境のもとで、海外工場への一弾の生産シフトによる抜本的なコスト削減と品質競争力の確保により、グローバルな最適生産・収益体制を構築する(SANARI PATENT考察: このような方向性と国内雇用との関係について、政府は明確な見解を示すべきである。)
4. 従来、帝人グル-プのポリエステル繊維事業は、各拠点別に生産・販売してきたが、今後はタイのグル-プ会社を原糸・原綿の基幹工場とし、後加工を含めた中国・東南アジアの各拠点をネットワーク化して、重要市場である日本市場、成長する中国市場、また欧米市場に向けた生産・販売体制を築く。特に長繊維事業について国内唯一の製造拠点である松山事業所のポリエステル長繊維の生産を中止し、2010年度末までに、タイのグル-プ会社に移転する。
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2009年12月9日水曜日

KDDI Announces Launch of Data Center TELEHOUSE in South Africa 

KDDIが日系初の南アフリカ・データセンター開設など、新興国に展開
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 今月初、KDDIは「データセンターTELEHOUSEの南アフリカ拠点開設」について発表し(2009-12-02)、「KDDIグル-プの欧州現地法人「TELEHOUSE EUROPEは、南アフリカ共和国ケープタウン市内において、日系通信事業者としてはアフリカ地域で初めてとなるデータセンターTELEHOUSE CAPE TOWNを開設し、発表同日、サービス提供を開始する」と述べた。
 丁度、KDDIの機関誌TIME and SPACEが届いたが、「KDDIは、バングラデシュのISP最大手bracNetに出資し、開発途上国への新たな形の事業展開を開始」と特集している。その内容(SANARI PATENT要約)は、
1. KDDIは、バングラデシュ最大のインターネット接続サービス通信事業者であるbracNetの第三者割当増資に応じ、同社株式の50%を取得する。また、今回の出資を契機として、 bracNetの主要株主である米国の投資会社デフタパートナーズと、今後、開発途上国への新規事業展開における戦略的パートナーとして協業していくことを発表した。
2. バングラデシュは、約1億6000万人、世界第7位の人口を持ち、インターネット通信への需要は大きく、高い市場性が見込まれているが、国内インフラが未整備であることからインターネットの普及率は2%にとどまり、早期の改善が待望されている。
3. bracNetは、デフタパートナーズと、非鋭利組織BRACが共同で出資するインターネット接続サービス事業者である。固定Wimaxと光ファイバーを併用した低コストで効率的なインフラ構築により、高速で安定したブロードバンドインターネット接続サービスを提供している(SANARI PATENT注:WimaxはWorld Interoperability for Microwave Access)。
4. bracNetはバングラデシュ国内65州中53州に自営ネットワークを持ち、また、インターネットセンター「e-hut」を各地に110店舗展開している。
SANARI PATENT所見
 佐成重範弁理士がJTEC(電気通信に関する国際協力機構の専務理事在任中にも、「途上国の後発利益」ということが注目された。更地に最先端技術を適用できる意味で、有利な側面があることは事実であり、KDDIも、この利点にも着眼するものと考える。
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2009年12月8日火曜日

Sony and FIFA Contracts on 3D Picturing of FIFA World Cup(2009-12-04) 

ソニーと国際サッカー連盟が世界最初のFIFAワールドカップ3D映像化契約
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 ソニーグル-プは新しいブランドメッセージとして「make.believe」を掲げ(2009-09)、makeとbelieveを結びつけるソニーの役割を宣明しているが、まだ消費者全体には浸透していない段階と思う。今次上半期報告書には、makeすなわち「行動」は、「実行する、創る、形にする」、believeすなわち、「精神」は「考える、創造する、夢見る」で、その具現化の一例として、2010年から、3Dによる新たな映像体験を家庭にお届けすることを発表した。家庭における3Dエンタテインメント視聴の中心となる3D対応の液晶TV「BRAVIA」に加えて、ブルーレイディスク対応機器、PC「VAIO」、「プレイステーション3」などのハードウエアの3Dについても開発を進め、3D映画や3D立体視ゲームなど、豊富なコンテンツを家庭で楽しめるよう取組むと述べている。標記の契約も、「FIFAが、2010FIFAワールドカップの全試合のうち最大5試合を、ソニー製機材を使用して3Dで撮影・編集を行うという内容で、両者は、これまで以上に臨場感と迫力ある映像で、サッカーの夢・感動・喜びを世界の人々に届けていくとしている。
 翻ってソニーの今次上半期(~09-30)業績を見ると、「世界的な景気低迷や円高などの影響で、前年同期比9.5%減収して3兆2611億円となり、利益面においては、売上の減少に加えて円高の影響、構造改革費用の増加等により583億円の営業損失を計上した。しかしながら、トランスフォーメーションによるコスト削減は順調に推移し、持分法により投資損益と構造改革費用の影響を除いた営業損益は、358億円の利益になった」旨を述べている。
 ソニーグル-プが持つ優れたハードウエア、エンタテイメント、ソフトウェア、ネットワークを融合させることにより、グローバルに豊かな体験と感動が提供されることを期待する。
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2009年12月7日月曜日

NEC’s Brand Statement, “Empowered by Innovation” Empowered by World Crisis 

世界経済危機を契機としてNEC経営のイノベーション達成
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 通信設備で国内首位のNEC(登記名は日本電気)の動向は、内外情報通信業界の共通のグローバルな関心の的である。その意味だ今次上半期報告書を熟読する。方向性は、次のように述べられている(SANARI PATENT要約)。
1. 統合後の新会社「ルネサスエレクトロニクス」が世界第3位の半導体企業となる。→ これは、半導体事業をNECから非連結化することを伴う。すなわち、NECエレクトロニクス、ルネサステクノロジ、NEC、日立製作所、三菱電機の5社は、NECエレクトロニクスとルネサステクノロジの事業統合についての統合基本契約を締結したが、これにより、NECエレクトロニクスは平成22年度からNECの連結対象から外れ、持分法適用会社となる。統合後の「ルネサスエレクトロニクス」は、世界トップシェアとなるマイコン分野を中心に、強い半導体専業企業を目指す。
2. 携帯電話端末事業を拡大する。→ NEC、カシオ計算機、日立製作所の3社は、それぞれの携帯電話端末事業を統合し、新会社「NECカシオ モバイルコミュニケーションを設立することに合意した。新会社は、平成22年4月から事業を開始し、各社の技術開発力と商品企画力のシナジーを活用して、国内外で魅力ある商品を提供する。
3. NECの今後の成長を牽引する「C and Cクラウド戦略」を実行する→。クラウドは、IT業界における新しい潮流として、これまでのITシステムの在り方を一変させると共に、社会に大きな変革をもたらす可能性を持つ。
4. 商用衛星を視野に入れた宇宙事業の新たな展開に着手する。
5. KDDIの次世代移動体通信規格に対応する基地局装置を製造する。
6. 無線ICタグを利用したシステム構築に必要な共通機能を、プラットフォームとして提供する。
7. 固定費を大幅に削減し、筋肉質な収益構造に転換する。
8. NECグル-プの国内の営業力を強化する。→ これまで事業分野別に分かれていた営業機能を統合した営業ビジネスユニットを本年4月に新設した。さらに10月には、グル-プ各社の中堅市場向け営業機能を、子会社のNECネクサソリューションに統合し、顧客の特性に合わせた営業体制とした。
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2009年12月6日日曜日

KOBE Steel Group Developing Next Generation Electrics, Hybrids Vehicle Concept 

神戸製鋼が世界鉄鋼協会自動車分科会で次世代自動車車体コンセプト開発
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 神戸製鋼の上半期報告書は、前年同期対比では売上高33.9%減、営業、経常、当期純損益のいずれも損失で、今後の見通しとしても、「神戸製鋼を取り巻く環境は、一年前に比べ落ち着きを取り戻しつつありますが、今後、各国政府による景気刺激策の効果が途切れた場合に、いわゆる二番底に陥る不安が拭えないなど、経済情勢は依然として不透明な状況です」と、極めて慎重である。

 一方、業務の海外展開や、次世代自動車工業の構造変革に対応する研究開発には積極的である。報告内容(SANARI PATENT要約)を見ると、
1. 神戸製鋼が所属する世界鉄鋼協会のWorld Auto Steelが、次世代電気自動車、ハイブリッド車の車体コンセプトの開発について中間報告した。2020年時点での実現可能性、コストに基いて車体の駆動系を選択し、仕様を検討したが、今後、詳細な設計と最適化を実施し、新たな車体構造を開発する(SANARI PATENT考察: 自動車の概念が車体・蓄電池・電動装置の組立産業化し、電気自動車が情報機器、移動拠点化するに伴って、鉄鋼業者自体が自動車メーカーする可能性も大きいと考える)。
2. 神戸製鋼は、ドイツの大手伸銅メーカー・ウィーランド社に、半導体リードフレーム用銅合金「スーパーKFCシリーズ」3品種の製造販売に関するライセンスを供与する契約を締結した。「スーパーKFCシリーズ」は、主にIC向け半導体リードフレーム用の新合金として、次世代の世界標準の地位を確立すべく、神戸製鋼が2006年に開発したオンリーワン製品である。
3. 神戸製鋼は、インド西ベンガル州コルカタ市に、鉄・非鉄圧延、連続鋳造、プレス機械など製鐵機械のマーケティングおよび販売支援を行う「Kobelco Macienery India Private Limited」を設立した。神戸製鋼の製鐵機械事業にとって、インドの成長市場を取り込むことは、最重要課題であり、インドにおける製鐵プラント建設地が集中するベンガル湾沿岸のコルコタに拠点を設立することにより、事業を拡大する。
SANARI PATENT所見
 売上高のうち5.5%程度の比重ではあるが、電力卸供給事業が、「電力単価に転嫁される石炭価格の上昇」により売上高が増加し(前年上半期比22.9%増)、原価償却費の減少によって、営業利益は前年上半期比22億円増益の99億円を計上している。スマートグリッドの一環として、この部門の発展も望ましい。
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2009年12月5日土曜日

Dainippon Sumitomo Pharma is Changing for Challenge 大日本住友製薬臨床開発における海外自社開発の比重
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 大日本住友製薬の上半期報告書が届いた。前年同期比で、売上高は微減(1.6%減)だが、 営業利益4.1%増、経常利益4.6%増、四半期純利益16.4%と好調を示している。
 研究開発の状況については、「大日本住友製薬は、糖尿病・循環器、精神神経、炎症・アレルギー領域を研究指向領域として創薬研究を展開し、独創性の高い国際的に通用する医薬品の開発に取組んでいる」と述べ、具体的戦略として次の事項を掲げている。
(1) 国内外の大学を含む研究機関や、革新的技術を有するベンチャー企業とのアライアンス
(2) 国策プロジェクトへの積極的参画
(3) 研究後期から開発段階において、部門横断的プロジェクト制のもとで部門間連携強化によるプロジェクトの迅速化とポートフォリオの最適化
(4) 製品価値の最大化を目指し、剤形展開などの製品ライフスタイルマネジメントへの積極的取組

SANARI PATENTが特に注目するのは、臨床開発の現況(2009-10-29現在)において、第1相試験6件の半数が海外自社開発によっていることである。すなわち、気管支喘息治療剤は米国・英国、糖尿病治療剤は欧州、同・米国で、また、第2相・第3相試験6件の半数も海外自社開発で、過活動膀胱治療剤(SANARI PATENT注:いわゆる頻尿症で、高齢化と共に需要著増する)は米国・欧州、統合失調症治療剤・双極性障害治療剤は米国・欧州で、さらに、最特筆すべきは小細胞肺癌治療剤は中国で、それぞれ海外自社開発を行っている。
安全性試験、薬事法許認可、医薬特許などは国によって態様を異にしており、海外自社開発の選択は重要な企業戦略であるとSANARI PATENTは考える。
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2009年12月4日金曜日

Ajinomoto Build-up Film Contributes to World PC-CPU 

味の素の層間絶縁フィルムABFが世界パソコンのCPU(Central Processing Unit)に寄与
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 味の素の上半期事業報告書が届いたが、その製品のグローバルな普及における配慮の実際など、充実した内容に惹きつけられる。その一つとして標記の記事を要約する。
1. パソコンの中枢で重要な役割を果たしている電子回路のCPUに、味の素グル-プの製品が使用されている。味の素と味の素ファインテクノが開発した層間絶縁フィルムABF「ABU」( Ajinomoto Build-up Film)は、CPUメーカーの支持を受け、広く採用されている。層間絶縁フィルムABFは、CPUに使われる半導体を載せる基板の加工工程作業を大幅に軽減したのみならず、パソコンの処理速度を上げるためにCPUに求められる微細で高密度な銅配線を可能にした。
2. 層間絶縁フィルムABFは、現在の高性能PCを支えていると言っても過言ではない。また、最近ではゲーム機向けなどに応用分野を益々拡大している。これらの需要拡大に対応するため味の素ファインテクノでは、工場のライン増設や新工場建設を積極的に行っている。
3. CPU(中央演算処理装置)は、PCの中枢で、プログラムに基づく様々なデータ計算、情報処理、機器制御などを行う電子回路である。CPUの基板は、毛髪の10分の1程度の細い銅配線の層と、10~100ミクロンの薄い絶縁体層の重層から成るが、この絶縁体層として層間絶縁フィルムABFが使われている。
4. CPUは2年に1度はリニューアルされ、その都度、部品・材料も前面的に見直されるので、この10年間、層間絶縁フィルムABFの改良が常に求められてきた。また、世界中のPCの高性能化に寄与するため、CPUメーカーからは厳しい品質管理と安定供給が常に求められている。
5. 翻って層間絶縁フィルムABFの開発の経緯を見ると、1960年代に、アミノ酸の生産を通じて得られた技術や、アミノ酸になる中間体物質を、何らかの事業に応用できないかという取組から始まった。競合他社を相手に苦戦を強いられ、事業撤退の危機も何度かあった。しかし、地道な技術の蓄積と、「仕事を失うかも知れない」という技術者の情熱と努力により、1998年、ついに層間絶縁フィルムABFが誕生した。
SANARI PATENT所見
 上記5の「仕事を失うかも知れない」という切迫感が、才能を活かす大きな要素であるというのが、現実であろう。
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2009年12月3日木曜日

International Energy Consumption Model Project 

日本が有する省エネ技術を海外で実証する計画
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 下記「国際エネルギー消費効率化等モデル事業」に対して行政刷新会議・事業仕分け(2009-11-30)の決定は、100%国費に疑問があり、民間負担も必要として、見直しとするなど、それぞれ決定がなされ、今後の対応が課題となった。
23.(承前2009-11-29記事)国際エネルギー消費効率化等モデル事業→ 要求額102億0800万円。大幅なエネルギー需要の伸びが見込まれるアジア地域を中心として、開発途上国、資源国に対して、日本が有する省エネ技術を現地で実証し、その有効性を示すことにより、その技術を普及拡大する。→ SANARI PATENT所見→ 事業案件の多くは、首脳会談の合意に基く協力案件であり、外交上の効果を併有する。

24. 低炭素社会実現プロジェクト→ 要求額16億円《新規》。現在、欧米やアジア諸国においては、エネルギーの需給をIT技術の活用により制御することによって、より省エネ型の需給構造を達成することを目指している(いわゆるスマートグリッド)。このような需給システムを検討する際には、新エネ導入を最大化すると共に、それに伴う不安定要因を解消するという供給サイドにおける諸課題とは別に、需要サイドにおいても、不安定要因をできるだけ地域ごとに吸収する可能性を追求すべきである。この予算要求は、家、ビル、学校などなどの需要を総合的に調整することにより、できるだけ需要を制御し、系統への接続点における負担(例えばkwの過不足や急激な一部需要の立ち上げによる電圧の変動)を軽減するために実施する。→ SANARI PATENT所見→ スマートグリッドの技術が世界的にコア技術化し、その優劣が国際競争力にも直結するとSANARI PATENTは考える。

25. 安心ジャパン・プロジェクト→ 要求額32億円《新規》。医療・介護等に関連するサービスを高品質・効率的・安定的に供給する体制を整備し、医療・介護機関等が単独では提供できなかった新たなサービスを提供する関連産業を育成する。→ SANARI PATENT所見→ 健康長寿サービス分野を、多様な健康ニーズに対応する「内需主導の成長戦略」の柱とするもので、医療や介護の各部門の対策を総合解決する道も開けると考える。

26. 産業技術総研運営費交付金→ 要求額614億0700万円。鉱工業の科学技術に関する研究および開発等の業務を総合的に行うことにより、産業技術の向上とその成果の普及を図る。→ SANARI PATENT所見→ 産業技術総研は、平成13年4月、工業技術院の16研究所等を統合して発足したものであり、今日にいたるまでの、その成果を評価して、要求額の適否を考えるべきである。(以下後回)
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2009年12月2日水曜日

Specific Results by Technology Subsidy Stressed by METI 

温室効果ガス削減に向けた技術助成の必要性を強調
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 行政刷新会議の経済産業省関係・事業仕分けは2009-11-30に公開で実施され、住宅用太陽光発電導入支援対策補助金(要求額412億円)に対して、補助金の委託先に問題ありとして予算計上見送りを決定し、ものづくり中小企業製品開発等支援補助金(同75億円)に対して効果の検証ができていないとして、予算計上見送りと決定するなど、9事業について廃止または計上見送り、18事業について整理・削減を決定したので、今後の復活可能性および復活不可能部分についての対処に関心が向けられることとなった。
22.(承前2009-11-28記事)温室効果ガス削減について経済産業省は、「Cool Earthエネルギー革新技術計画」における21の重点技術(二酸化炭素回収・貯留技術(CCS)、革新的太陽光発電技術、超高効率ヒートポンプ技術等、および、イノベーションプログラム等により、環境エネルギー分野を中心に研究開発予算の重点化を実施する。このような国としての重要な政策分野において、革新的な技術の研究開発を最も効果的な体制で推進する。→ SANARI PATENT所見→ 経済産業省は、100%国費による研究開発の考え方について次のように述べている。「環境エネルギー等、政策的に重要な分野で、2020年までの温室効果ガスの削減等の政策目標を実現していくため、国として研究開発を推進する。そのため、大学、公的研究機関、民間企業等から最も効果的な実施主体を公募等を通じて選定し、国として研究開発を委託する。」
 民間への補助(2/3補助、1/2補助)の考え方については次のように述べている。「民間企業が行う研究開発で、わが国産業技術力の強化や、中小企業の技術力向上等の解決に資するものについて、国が、民間企業に補助する。このうち、2/3補助は、中小企業・ベンチャー企業等の資金力の弱さを補完する場合、および、実用化に向けて技術的課題が相当程度ある等により、不確実性が高いものについて行う。また1/2補助は、実用化に向けて技術的課題が相対的に少なく、不確実性が低いものに対して行う。」
 100%国費による研究開発の成果例として次のように述べている。
22-1 太陽光発電の基盤技術の開発: 昭和50年代から開始し、世界最先端の技術を確立し、平成20年までに214万kWを導入した。今後2020年までに、住宅用を中心に更に20倍以上に拡大し、累計1500万トンのCO2削減に寄与する。
22-2 リチウムイオン電池の基盤技術の開発: 平成4年に開始し、世界最先端の技術を確立した。現在、パソコン、ケータイ等に広く活用され、今後は、電機自動車に関する広く用いられ、2020年には普及1台当たり1200kgの温室効果ガス削減に寄与する。
22-3 ヒートポンプの基盤技術の開発: 昭和59年に開始し、省エネ効果で世界最先端の技術(1台当たり約30%の省エネ)を確立した。2020年までにCO2冷媒ヒートポンプ給湯機900万台(2009-03末174万台)の普及を目指す。
 2/3補助の研究開発成果例として次のように述べている。
22-4 中小ベンチャー企業による小型風力発電機システムの実用化
22-5 光ケーブルテレビ用半導体の実用化
22-6 光ファイバー通信網の装置部品
 2/3補助の研究開発成果例として次のように述べている。
22-7 バイオマス・エタノール製造技術の実用化
22-8 金属部品等に対する高機能な表面処理技術の実用化

 上記のような具体的成果の提示が、事業仕分けに合格するため有効と見られる。(以下次回)
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2009年12月1日火曜日

Recovering of Industry Production Predicted by METI (2009-11-30) 

「生産は 持ち直しの動きで推移」と経済産業省発表(2009-10分を昨日公表)
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 経済産業省が昨日公表した「生産は持ち直しの動きで推移」、「10月の製造工業生産・出荷等および生産予測調査」によると、10月の生産・出荷上昇に引続き、11月、12月とも上昇を予測している。
 すなわち、平成17年を100として、季節調整済の指数としては、生産は86.1で前月比0.5%上昇、出荷は88.8で1.3%上昇、在庫は93.3で1.5%の減、在庫率は116.9で前月と同じ(SANARI PATENT注: 指数間の数学的関係については、別途考察を要する)。
 項目別にみると、10月の生産は8か月連続の上昇となった。 生産の上昇に寄与した業種は、一般機械工業、金属製品工業、情報通信機械工業等である。品目別には、モス型半導体集積回路、半導体製造装置、蒸気タービン部品の順に上昇に寄与している。
 10月の出荷も8か月連続の上昇を示したが、これに寄与した業種は輸送機械工業、情報通信機械工業、一般機械工業等であった。
 また10月の在庫は、2か月連続低下したが、これに寄与した業種は、一般機械工業、鉄鋼業、輸送機械工業等である。

 製造工業生産予測調査によれば、11月は前月比3.3%の上昇、12月は同1.0%の上昇を予測している。
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