2009年12月4日金曜日

Ajinomoto Build-up Film Contributes to World PC-CPU 

味の素の層間絶縁フィルムABFが世界パソコンのCPU(Central Processing Unit)に寄与
弁理士 佐成 重範 Web検索 SANARI PATENT
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 味の素の上半期事業報告書が届いたが、その製品のグローバルな普及における配慮の実際など、充実した内容に惹きつけられる。その一つとして標記の記事を要約する。
1. パソコンの中枢で重要な役割を果たしている電子回路のCPUに、味の素グル-プの製品が使用されている。味の素と味の素ファインテクノが開発した層間絶縁フィルムABF「ABU」( Ajinomoto Build-up Film)は、CPUメーカーの支持を受け、広く採用されている。層間絶縁フィルムABFは、CPUに使われる半導体を載せる基板の加工工程作業を大幅に軽減したのみならず、パソコンの処理速度を上げるためにCPUに求められる微細で高密度な銅配線を可能にした。
2. 層間絶縁フィルムABFは、現在の高性能PCを支えていると言っても過言ではない。また、最近ではゲーム機向けなどに応用分野を益々拡大している。これらの需要拡大に対応するため味の素ファインテクノでは、工場のライン増設や新工場建設を積極的に行っている。
3. CPU(中央演算処理装置)は、PCの中枢で、プログラムに基づく様々なデータ計算、情報処理、機器制御などを行う電子回路である。CPUの基板は、毛髪の10分の1程度の細い銅配線の層と、10~100ミクロンの薄い絶縁体層の重層から成るが、この絶縁体層として層間絶縁フィルムABFが使われている。
4. CPUは2年に1度はリニューアルされ、その都度、部品・材料も前面的に見直されるので、この10年間、層間絶縁フィルムABFの改良が常に求められてきた。また、世界中のPCの高性能化に寄与するため、CPUメーカーからは厳しい品質管理と安定供給が常に求められている。
5. 翻って層間絶縁フィルムABFの開発の経緯を見ると、1960年代に、アミノ酸の生産を通じて得られた技術や、アミノ酸になる中間体物質を、何らかの事業に応用できないかという取組から始まった。競合他社を相手に苦戦を強いられ、事業撤退の危機も何度かあった。しかし、地道な技術の蓄積と、「仕事を失うかも知れない」という技術者の情熱と努力により、1998年、ついに層間絶縁フィルムABFが誕生した。
SANARI PATENT所見
 上記5の「仕事を失うかも知れない」という切迫感が、才能を活かす大きな要素であるというのが、現実であろう。
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