2009年12月16日水曜日

IP High Court Supports PANASONIC Claim on Earthquake Proof Construction 

被控訴人パナソニック主張による控訴人特許権無効などの地裁判決を知財高裁が支持・パナソニック勝訴
弁理士 佐成 重範 Web検索 SANARI PATENT
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 地震対策はグローバルな課題で、関連発明も続出しているが、標記の知財高裁判決(2009-12-10)は、パナソニックに対するX提起の特許権侵害の賠償請求を棄却した地裁判決を不服とするXが知財高裁に控訴し、知財高裁がこれを棄却した事件である。すなわち、一審原告である控訴人Xは、「開き戸の地震時ロック方法」発明の特許権者であるが、一審被告である被控訴人パナソニックが「ロック装置を取り付けた家具・吊り棚」を製造販売している行為は、Xの上記特許権を侵害しているとして、パナソニックに対し17億8300万円の損害賠償を訴求したところ、原審の大阪地裁は、パナソニックの物件はXの特許請求項の構成要件Cを充足せず、また、Xの特許請求項の構成要件Dは特許無効審判により無効にされるべきものと認め、Xの請求を斥けた。Xがこれを不服として知財高裁に控訴し、知財高裁は「平成21年ネ10040号損害賠償請求控訴事件」判決(2009-12-10)により、Xの控訴を棄却した。
 この事件についての具体的論点は判決文に詳しいが、特許権の無効を裁判所が判決することについて、以下に、特許庁の研究会の論点整理(2009-12)の一端(SANARI PATENT要約)を見る。
1. 特許の有効性判断を含む紛争処理の在り方について、「訴訟は当事者主義であり、判決が相対効であるのに対して、無効審判は職権主義であり、審決が隊世効を有するなど、侵害訴訟と無効審判とでは、それぞれの審理原則等、それぞれの制度の特徴が異なること、技術専門性を背景とした無効審判における特許の有効性判断を求める機会の確保等の観点から、紛争処理において無効審判制度が有効に活用されている現状等を踏まえ、両ルートの判断を求める機会が確保されるべきである、という指摘がある。
2. 裁判所が特許有効性を判断することに対しては、裁判所が専門技術的な事項に関する判断を行うことについて、懸念する声があることに留意すべきである。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください)

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