2009年12月15日火曜日

Simultaneous Fulfillment of Green Distribution and Cost-Down 

グリーン物流とコスト削減を同時実現したとカシオ報告
弁理士 佐成 重範 Web検索 SANARI PATENT
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 COP15紛糾の要因は、先進国・新興国・途上国、それぞれの立場の相違が現時点では主体になっているが、各国国内ではCO2削減のコスト負担の額と配分が争点になっていること、当然である。しかし企業にとってCO2削減とコスト削減が同時達成できる措置ならば、それ自体にmotivationが機能する。具体的な事例をカシオの上半期報告が記述しているので要約する。
1. アジア内の部品や製品の輸送には、これまで段ボール箱を使用していたが、カシオでは、これを「通い箱」と称する、繰返し使用可能なプラスチック容器に切替を進めている。例えば、日本で製造した部品を、中国の生産拠点に運び、中国の部品メーカーから調達した部品をタイへ、また、タイから日本へ時計完成品や部品を輸送するという全過程で「通い箱」を用いることで、コスト削減と環境負荷の軽減を同時達成している。
2. 一般的に「通い箱」は2国間の利用が中心で、返送時のは空になってしまうが、3国間で回すことで空き箱がなくなり、無駄のない運用が可能である。この切替が進めば、年間で3~4万トンのCO2削減と、年間400~500万円の削減が同時達成できる。
3. さらに、日中間でのModal Shiftとして、中国で生産した製品を日本に送る際、従来は香港から日本への航空便を使用していたが、特に急がない物については、香港から上海まで鉄道便とし、日本へはフェリーで輸送することにより、同様の一石二鳥効果を得る。
4. このほか、部品メーカーなど取引会社と協力して、アジア内で部品を調達する際、従来は国内取引で日本で部品メーカーから購入し、中国の生産拠点に輸送していたので、アジア諸国で製造された部品が、日本を経由して、またアジアの工場へ運ばれるという無駄が生じていた。部品メーカーの協力のもと、物流では日本を介さず、直接香港の倉庫に納入し、そこから工場に輸送することとなって、CO2排出量は85%減、コストは90%程度の減になった。
SANARI PATENT所見
 カシオのような電子計算の達人ですら、国際事情から、従来はこのような不合理性も甘受していたと解されるが、オープンスカイのグローバルな展開も予想され、カシオ流の一石二鳥が普及することが、世界の幸福である。
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