2008年9月30日火曜日

Joint Venture of Fuji Electric and Schneider Electric

Joint Venture of Fuji Electric and Schneider Electric (France) Starts on Oct.1, 2008 Aspiring to be Leading Solution Provider in Power Distribution: 富士電機機器制御株式会社、明日発足
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 富士電機とSchneider Electric (France)の合弁会社・富士電機機器制御株式会社が10月1日に設立されるが、この合弁の狙いと戦略は次のように説明されている(SANARI PATENT要約)。

(1)  合弁会社は、現在の富士電機機器制御株式会社とSchneider Electric (France)の日本法人シュナイダーエレクトリックの事業を統合し、富士電機グル-プの連結子会社として富士電機機器制御株式会社を設立する(出資比率・富士電機63%、Schneider Electric (France)37%)。
(2)  新会社は、日仏両社の製品ラインアップ・開発力を活用し、製品の相互供給・共同開発、グローバルネットワークの共用、高品質製品・サービスと高度コンサルティング力の統合により、受配電・制御機器分野において、業界をリードするComponent and Solution Providerとして事業を拡大する。
(3)  新会社は、設立時点の連結売上高700億円に対して、2012年度には連結売上高1000億円を目指す。(SANARI PATENT考察: 富士電機の2008年度通期業績予想は8900億円と修正されているが、この予想数値はリスクを最大限織り込んだものであり、これを上回るべく、「ストレッチ目標」を設定して富士電機グル-プの総力を挙げるとしている。なお上記8900億円は、207年度実績の96.5%に抑えられている)。
(4)  Schneider Electric (France)は、海外の主要規格に準拠する受配電・制御機器、オートメーション事業分野において、欧州・アジア・北米で世界をリードする企業グル-プの一つである。世界の受配電・制御機器の市場は、EUにおけるIEC規格の発展とそのグローバル化により、また更に、新興国市場の台頭による価格競争激化により、一層厳しい環境を迎えると共に、省エネ・安全性強化など、新たな状況への対応を迫られている。
(5)  現・富士電機機器制御とSchneider Electric (France)は、2003年から製品を相互供給し、また2004年には中国におけるブレーカ製造の合弁会社を設立するなど、協業関係を築いてきた。中期的目標としてアジア市場でのシェア拡大を目指す現・富士電機機器制御と、日本市場でのプレゼンスを強化したいSchneider Electric (France)のニーズが一致することから、今次合弁会社設立に至った。
(6)  新会社は、現・富士電機機器制御と、Schneider Electric (France)の安全機器・省エネ機器などの高付加価値製品との組合せや、両社のノウハウを活かした新製品開発により、コンポーネントの供給力を強化する。また、拡充した製品ラインアップをベースとして、両社が培ってきた日本、米国、欧州など異なる市場におけるマーケッティングやコンサルティングのノウハウを共有してソリューションビジネスを展開する。

SANARI PATENT所見
 先進諸国間でエネルギーの供給構造はかなり顕著に相違し、フランスは原子力発電の比率が格段に大きいが、異なるノウハウの融合が期待される。なお、富士電機のサステナビリティレポート2008は、「エネルギーの供給と需要の双方を支え、持続可能な社会の実現に貢献する」として、エネルギービジネスと環境ビジネスの統合ビジネスを示したものと、SANARI PATENTは理解する。知的財産についても、「特別戦略特許100件」の計画的出願を進めている。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Power Distribution、富士電機、合弁会社、Schneider Electric

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2008年9月29日月曜日

NTT dokomo’s Global Presence Encompasses International Network of Subsidiaries

NTT dokomo’s Global Presence Encompasses International Network of Subsidiaries, Research Facilities and Foreign Partners:NTTドコモの海外発展
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 NTTドコモの通信Vol 38(Sept 2008)が届いた。特に注目されるのは「フィリッピンにおける植林活動」で、NTTドコモの出資先であるフィリッピンの2通信事業者Philippine Long Distance Telephone Company およびSMART Communications, Inc.との協力活動の一環として、 フィリッピンにおいて寄付や協働を含めた植林活動実施を合意(Jun. 2008)したこと、その実施については、NTTドコモショップ等店頭で回収された使用済ケータイのリサイクルにおける収益の一部を利用すると報じている。(SANARI PATENT考察: わが国情報通信産業の国際プレゼンスについて下記(4)と(7)に注目)。

 翻ってわが国情報通信産業の成長と国際競争力強化の見地から見ると、情報通信白書2008は次のように述べている(SANARI PATENT要約)。

(1)  情報通信産業は名目国内生産額の中で最大規模の産業であるが、その割合は減少傾向にある。しかしながら、実質国内生産額は平成7年以降一貫している。増加しており、情報通信産業は他産業に比べて価格低下が著しい産業である。また、実質GDP成長率に対する情報通信産業の寄与率は37.0%(2006年度)で、経済成長に対する影響は大きい。
(2)  情報通信関連の日本市場の大きさは世界市場の1割程度で、成熟度が高く、成長率も鈍化している。従って、今後成長が見込まれるアジア太平洋、中東、アフリカ、東欧、中南米地域への展開が必要である。
(3)  情報通信キャリアのサービス加入数では中国キャリアが世界一であるが、売上高では、日米欧の企業が上位を占めている。
(4)  主要ポータルサイトについて見ると、米国のサイトはグローバルに事業を展開しているが、日本のサイトは海外の利用者がほとんどない。
(5)  わが国企業のプレゼンスから見て、日本は薄型テレビ、DVDレコーダー等の映像機器関連分野や、コピー機、オプトエレクトロニクスデバイス(センサー、レーザ-等)に強みがある。
(6)  また、モバイル通信分野では欧州、企業向けルーターや情報システム関連分野では北米に強みがある。
(7)  輸出額シェアを見ると、いずれの製品でも中国のシェアが高く、世界の生産拠点としての地位を確立している。ただし半導体デバイスでは韓国や台湾等のアジア太平洋地域のシェアが高い。日本は、一部の製品以外では10%以下のシェアである。特に端末・機器ではシェアが5%に満たないものも多い。
(8)  日本企業は、国内市場でのシェアが高くなければ国外市場への進出が見られない。これは、国内市場でも競争が激しいため1社当たりの事業規模が大きくならず、国外展開を行えるだけの規模の経済性が働き難いこと等が要因と考えられる。(SANARI PATENT考察: もっと多元的に考察する必要がある。すなわち、日本ではNTTやKDDIというキャリアがメーカーからケータイ端末を買い取り、キャリアショップで販売するので、端末機器メーカーは国内キャリアの発注に応じて開発・製造・納入する業務を営み、自社販売網・保守チャンネルを構築する必要がなかった。海外ではメーカーが自社戦略に基づいて開発・製造(少数モデルを世界規模で大量生産、一部ソフトウェアをカスタマイズ)して全世界自社チャンネルにより販売し、営業利益率が高い)。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
NTTドコモ、フィリッピン、キャリア、KDDI、国際競争力

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2008年9月28日日曜日

Statement of Cooperation Between USPTO and JPO

Statement of Cooperation Between USPTO and JPO Signed in Geneva on 24 Sept.2008: 日米特許庁間で知的財産分野での協力に関する覚書締結
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 9月24日、ジュネーブにおいて、鈴木特許庁長官とデュダス(Jon Dudas)米国特許商標庁長官は、両庁の相互協力に関する覚書に署名した(経済産業省26 Sept. 2008発表)。発表文(SANARI PATENT要約)は、
(1)  9月24日、ジュネーブで開催された日米会合において鈴木特許庁長官とデュダス米国特許商標庁長官は、両庁の現在の協力関係を更に強化することについて議論した。
(2)  両長官は、特許を含む知的財産権は、イノベーションを促進し、経済発展を加速化する上で不可欠な要素である(is critical to fostering technological innovation and accelerating economic development)との見解を共有し、会談の成果として、両庁の相互協力に関する覚書に署名した。
(3)  現在両庁は、特許審査ハイウェイ(PPH)(Patent Prosecution Highway)とSHARE(Strategic Handling of Rapid Examination)の取組を通じて、特許手続の調和、特許審査の質の向上について緊密に協力している。
(4)  今次覚書は更に、ワークシェアリングや、特許制度の国際調和に向けた相互協力を強化するものである。

上記のほか今次覚書に記載された事項(SANARI PATENT要約)は、
(1)  知的財産権の効率的かつ迅速な保護が不可欠である。
(2)  PPHは両庁の作業負担と重複作業の削減に寄与している。
(3)  更に効果的なワークシェアリングのメカニズムの必要性にかんがみ、両庁は以下の行動を行う。これらの行動は、国際的な特許制度を効率化し、調和させる目的で行われる。
(3-1)  ワークシェアリングが出願人と審査官にもたらす利益を測ることにより、その成果を評価し強化する。
(3-2) 審査官交流の取組を強化し、相互のサーチシステム、審査実務に対する理解を促進する・
(3-3) 効率的・高品質な特許文献サーチを促進するため、ハイブリッド分類システムを発展させる。
(3-5) サーチシステムの使用および共通サーチデータベースの発展に協力する。
(3-6) グローバルインフラストラクチャーとしてPCT(Patent Cooperation Treaty)制度改善の方策調査に協力する。
(3-7) 欧州諸国とも協力して実体特許法条約の議論を前進させる。
(3-8) イノベーションと知的財産の関係に関する情報を共有する。
(3-9) 出願人の責任に焦点を当てた特許出願の質の向上を目指す。
(3-10) 商標関連事項の協力(via both bilateral operations)を強化する。

SANARI PATENT所見
  実体調和が制度調和に先行することは従来通りであるが、実体調和において、「特許の質」の明確な概念規定が両国ともなされていないことを、SANARI PATENTは懸念する。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
USPTO、JPO、PCT、PPH、SHARE

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2008年9月27日土曜日

Fixed and Mobile Communications Convergence

KDDI Towards the Age of Fixed and Mobile Communications Convergence:KDDIが「ケータイ・テレビに接続してインターネット・映像・音楽視聴の専用装置」を11月1日から
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 KDDIのサイト「KDDI Designing The Future」は、「Towards the Age of Convergence」という副題で、「With the spread of internet and broadband, fixed and mobile communications are rapidly converging. Communications and broadcasting are also converging, with 1 seg audio and video on mobile phones and with multichannel broadcasting and video on demand on optical fiber lines and cable TV. KDDI aims to realize these convergences based on the next next-generation infrastructure concept」(SANARI PATENT要約)と述べている。

 このConvergence指向は、先日1日(Sept.25, 2008)のみでも6件発表されたKDDIの具体的計画によって顕示される。すなわち
(1)  来るCEATEC JAPAN 2008(Sept.30=Oct.4, 2008)ではKDDI伊藤泰彦副社長が「KDDIのFMBC戦略(SANARI PATENT注:Fixed Mobile and Broadcasting Convergence)と題して講演する。
(2)  KDDIは、NFC(Near Field Communication)機能を搭載したケータイ試作機を開発し、および、1台のケータイに複数ブランドの非接触クレジット決済アプリケーションを搭載できることを実験検証した。
(3)  ケータイ内で動作する端末搭載型音声認識機能「声で入力ローカル音声認識タイプ」を開発した。
(4)  ケータイ専用アミューズメントボックス「au BOX」の提供を来月開始する。
(5)  DVDマガジン「U」を発行する。
(6)  オリジナルショートフィルムを発行する。

同日発表された上記6項目の中でも、(3)についてはRouter(Sept.25, 2008)が次のように解説している(SANARI PATENT要約)。

(1)  KDDIは25日、自社携帯電話「au」の利用者を対象に、PCがなくても音楽・映像が簡単にできる機器のランタルサービスを11月1日に始めると発表した。
(2)  この機器によってダウンロードした音楽・映像は、携帯電話に転送して持ち運んで利用できる。月額料金を315円に抑え、自分専用のPCを持たない高校生など若年層に普及を見込む。」

SANARI PATENT所見
(1)  総務省「電気通信事業分野の競争状況に関する四半期データ」(Sept.17, 2008発表)によれば、携帯電話の契約数(PHSを含む)は本年6月末現在で1万826に達し(うちPHSは461万)、2000年3月末の5686万(571万)に対して1.9倍(19.3%減)と著変した。
  事業者別のシェアも、本年6月末現在、NTTドコモ49.5%(2004年3月末55.0%)で、KDDI28.0%(23.7%)と、KDDIの健闘ぶりが見られる。
(2)  しかしこれをケータイ機器のグローバル市場における国際競争の観点か見ると、日本メーカーのシェアは合計して10%程度にとどまり、Nokia、Samsung、Motorola、LG4社で7割を超える。ケータイ機器メーカーはNTTやKDDIからの発注に依存するというわが国独自の系列がこのような事態を招いている。
(3)  国内における諸技術融合のみならず、グローバル市場における欧米産業の系列(端末機器メーカーと通信キャリアの融合)を模したConvergenceが期待される。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
KDDI、NTTドコモ、Convergence指向、Nokia、Samsung、Motorola

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2008年9月26日金曜日

NHK TV Special Reports on Digital Native

NHK TV Special Reports on Digital Native (Scheduled in Oct.2008) :デジタル新世代の主役・デジタルネイティブへの対応
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 NHKは近く放送予定の「NHKスペシャル『デジタルネイティブ-次代を担う若者てちー』において、インターネットユーザーから動画投稿を募る公式サイトを開設し、英語版サイトも開設するなど、異常な関心をデジタルネイティブに対して示している。その内容(SANARI PATENT要約)は、
「デジタルネイティブ特集は、物心がついた時にはインターネット使用が当り前というデジタルネイティブ世代に焦点を当て、この世代が社会の中心になった際に世の中がどのように変化するかを追ったドキュメンタリーで、番組では、取材を通じた内容に加えて、NHKスペシャルとして初めて、公式サイトを通じた動画サイトも募る。」
 この公式サイトでは、「われこそはデジタルネイティブ」である世界中の若者たちに対して、「インターネットはあなたに何をもたらしたか」「インターネットを使ってあなたは世界をどう変えようとしているか」などを質問する。

 既に丁度1年前にaSCII Sep.2007は、「応用力も適応力も大人と桁違い! 迫るデジタルネイティブの下克上」「子供激変」「大人には見えないーデジタルネイティブが起こす社会問題」「デジタルネイティブの働き方についてゆけるのか」「10年後には生産人口の3割がデジタルネイティブに」「大人顔負けの情報収集力が家の中で育っていた」「You Tubeを見ながらブログにチャット」などの標題多数を掲げて、デジタルネイティブ認識の必要性を強調していた。

 更にこれに先行してITpro(Oct.25, 2006)は、「デジタルネイティブを意識したIT戦略が急務に」という米国Gartner Research部門最高責任者Peter Sondergard氏の次のような見解(SANARI PATENT要約)を報じていた。
「次の10年代に、現在16歳以下の子供たちが世界を変える時代に入る。この世代はITに慣れ親しんだデジタルネイティブである。」

 次いでITmedia(Sept.21, 2007)は、「デジタルネイティブが導くエンタープライズ2.0」と題して、同じく米国Gartner ResearchのAnalystの次のような見解(SANARI PATENT要約)を報じた。
「子供の頃からインタラクティブなインターネットツールを使ってきたデジタルネイティブが、エンタープライズソーシャルソフト市場の成長を促進し、2011年までの売上高の年間伸び率は41.7%に上るだろう。デジタルネイティブはエンタープライズ2.0の先導役として会社に入ってくる。エンタープライズ2.0は、ユーザーがRich Internet Application、Social Soft、Web Platformを活用する環境であって、エンタープライズ1.0ツールと異なり一般参加型である。例えばGoogleのように、リンクで様々なものをつなぎ、何が最も価値があるかを予測し、複雑なものから価値を引き出すと共に、ユーザーにとっては簡単なものにする。」

 わが国ではlivedoorディレクターBlog(Sept.24, 2008)の、「もしオバマ候補が大統領になれば、デジタルネイティブのパワーが、彼に大統領の座をもたらしたと言えるのではないか」、「デジタルネイティブとは、既存のルールを軽くバイパスしてしまうネット・ユーザーたちのことである」等の記述(SANARI PATENT要約)が秀逸である。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Digital Native、NHK、デジタルネイティブ、オバマ、エンタープライズ2.0

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2008年9月25日木曜日

Mizuho Industry Focus Predicts Current Status of Net Second Life

Mizuho Industry Focus Predicts Current Status of Net Second Life:インターネット「セカンドライフ」への期待と現状
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 ITの発達は急速であるが、その活用の全てが急速ということではない。電子納税の低率はその顕著な事例である。間もなく高率になるとは予想するが、ユーザーフレンドリー性を高めることが前提と考える。

 華やかに登場して、現在はやや遅足気味のインターネット・セカンドライフも、予想通りには展開しなかった事例で、これもユーザーフレンドリー性を高めることによって、生活や産業を益することは明らかと考える。

 現在、デジタルテレマーケティグ大手として業績続伸中のトランスコスモス(東証1部)について、丁度1年前にaSCii Sept.2007が、「トランスコスモスの新サービス 自宅勤務のハケン社員が誕生!? アバター派遣とテクニカルサポート」と題して、トランスコスモスのセカンドライフを含むメタバース関連事業発表の活況を紹介したが、SANARI PATENTが特に注目したのは、「実物そっくりの3Dオブジェクトを前にしてサポートが受けられる」という項目である。其の内容を要約すれば、消費がアバターでセカンドライフ内の特定サポートセンターに行くと、例えば目的機器の3Dオブジェクトを前にして、不明な点を尋ねることができるというものである。電話やメールでのサポートが難しい高度技術機器を対象にして、大きな3Dオブジェクトで再現した機器を前にして顧客の質問に直接答える、仮想空間訪問サポートである。セカンドライフについてはリアル通貨に交換可能な仮想通貨による仮想土地取引などが先行して関心を集めたが、上記のようなサービスを技術学習にも応用できれば極めて有益とSANARI PATENTは考えてきた。

 一方、金融界では「みずほ銀行」がセカンドライフに対して特に大きな関心を示してきたが、今年に入って同行が発表(Jan.23, 2008)したMizuho Industry Focusには、{セカンドライフ」に見る仮想世界の可能性:本質的理解を進めるべき重要な時期へ」と題して、今後留意すべき点を慎重に述べている。その内容(SANARI PATENT要約)は、

(1) 2007年春からセカンドライフ進出企業が100社を超え、登録者も1100万人以上になった(Nov.30, 2007)が、直近の登録者増加率は減少傾向にある。その要因として、利用時のハードル、他の仮想空間サービスとの競合、税制・仮想通貨・著作権等をめぐる議論の不十分などがある。
(2) 従って、現時点でセカンドライフの媒体特性(特殊なコミュニケーション環境、気軽な仮想体験、3D表現など)を活かす方法を再考する段階にある。

SANARI PATENT所見
 セカンドライフ活用の問題点を究めることにより、IT高度活用全体の普及方策を究めることができると考えるので、内閣知財戦略本部における総合的検討を要望する。
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Second Life、セカンドライフ、トランスコスモス、みずほ銀行、仮想空間

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2008年9月24日水曜日

New Types of Trade Mark Including Hologram

New Types of Trade Mark Including Hologram: 産業構造審議会がホログラムなど新タイプ商標の保護について検討(Working Group次回Sept.29, 2008)
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 世界経済産業の進展は、企業ブランドと国ブランドが国際競争しつつ革新を重ねることによって達成される。ブランドは知財戦略と経営戦略の結晶であり、商標はその識別子として、ブランドの核心である。しかし、商標法ないし商標権の国内・国際的体系には未熟な事項が残されている。

 これら事項を審議すべく、経済産業省産業構造審議会・知的財産政策部会の商標制度小委員会には業界から、花王・遠藤 明・ブランド法務部長、カシオ計算機・小山雅夫・知的財産センターブランド戦略室長、キッコーマン・鈴木英之・知的財産部主幹ほかが加わっているが、今月29日には、そのワーキンググル-プが「新しいタイプの商標に関する審査運用上の論点と考え方」を議題に掲げて、実務的な検討を進める。

 上記の論点は次のように整理されている(SANARI PATENT要約)。
1. インターネットの急速な普及に伴い、伝統的な商標以外にホログラム、動き、音などを利用する新タイプ商標が識別子として用いられ、欧米諸国では既に、商標法の保護対象になっている。
2. すなわち、登録主義を採る欧州では、商標を構成し得る標識のリストは例示であって、写実的に表現できる標識であれば(SANARI PATENT考察:この「写実的」という用語は誤解を招く不適切な用語と考えられる。「知覚可能な」という意味と解する)、視認可能でない音の標識や香りの標識も商標登録され得ることが欧州司法裁判所により確認されている。
3. また米国では、使用主義に基づいて、識別力を有するあらゆる標識が商標として保護され(SANARI PATENT考察:商標の目的が「識別力」であるから、これは当然のことである)、動きやホログラムのような視認可能性ある標識のみならず、音や香りの標識も商標として保護されている。
4. 東アジアにおいても、韓国商標法は色彩のみの商標、ホログラム商標、更には動く商標を法的に保護しており、台湾商標法も、色彩のみの商標や音の商標を保護している。さらに中国も、新タイプ商標を保護する方向で法改正を検討している。
5. 論点
5-1 動き、ホログラム等の視認性標識と、音、香り等の非視認性標識のうち、どのようなタイプの標識を識別力ある標識としてわが国商標法により保護べきか(SANARI PATENT注および考察:原文の表現が不適切と考えるので修正した。識別力があれば当然保護対象とすべきであるし、「わが国商標法」として独自性を打ち出すような方向や表現は採るべきでない)。
5-2 商標の特定方法、権利範囲
5-3 商標の同一および類似の範囲、著作権等の他の権利との調整
5-4 新タイプ商標導入に伴う商標の定義の見直し(SANARI PATENT考察:商標の定義に識別性の要件を盛り込むことは、国際調和上当然である)
5-5 新タイプ商標導入に伴う「商標の使用」の定義の見直し
5-6 不正競争防止法との関係
5-7 商標権の効力の制限について新タイプ商標特有の事項
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Trade Mark、産業構造審議会、新タイプ商標、ホログラム、登録、標識

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2008年9月23日火曜日

Ministry of Communications Releases Q- A on BS Digital Broadcasting

Ministry of Communications Releases Q- A on BS Digital Broadcasting:総務省がBSデジタル放送について質疑応答集を策定・発表(Sept.19, 2008)
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 コンテンツ流通の環境は、技術的にも制度的にも革新しつつあるが、BSアナログ放送について、地上アナログTV放送の終了期日と同日(Jul.24, 2011)までに終了と決定されたこと(Mar.12, 2008電波監理審議会答申に基づく)もその一つである。総務省がこれについての質疑応答集を発表したので要約・考察する。

1. BSデジタル放送とBSアナログ放送
1-1 質疑: BSデジタル放送とBSアナログ放送は、どういうものか。
1-2 応答: BSデジタル放送とはBS(放送衛星)によりデジタル方式で放送されている放送である。現在放送されているのは、「NHK BS1、BS2、BS-hi」、「無料放送 BS日テレ、BS朝日、BS-i、BSジャパン、BSフジ、BSイレブン、トゥエルブ」、「有料放送 WOWOW、スターチャンネル ハイビジョン」である。
BSアナログ放送とは BSによりアナログ方式で放送されている放送で、現在放送されているのは、「NHK BS1(BS7チャンネル)、BS2(BS11チャンネル)」、「WOWOW(BS5チャンネル)」である。

2.BSアナログ放送終了後の、その周波数
2-1 質疑: BSアナログ放送終了後の周波数はどうなるか。
2-2 応答: BSデジタル放送の新規追加チャンネルに使用する予定である。

3.デジタル放送のメリット
3-1 デジタル放送のメリットは何か。
3-2 デジタル放送では、高精細度TV放送(ハイビジョン放送)や5.1chサラウンド放送などの高品質な映像・音声サービスのほか、データ放送などの多様なサービスが可能になる。また、アナログ放送に比べて、有限希少な電波を効率良く使用できるので、アナログ放送よりも多数の放送番組を視聴できる。

4.BSデジタル放送のサービス内容
4-1 質疑: BSデジタル放送のサービスには、どのようなものがあるか。
4-2 応答: 「デジタルハイビジョン」、「「5.1chサラウンド」、「データ放送」、「EPG」、「字幕放送」、「双方向」などである。

5.BSデジタル放送を見るために必要なもの
5-1 BSデジタル放送を見るためには何が必要か。
5-2 三波共用チューナーなどのBSデジタル放送に対応したチューナーまたはBS
デジタルチューナーが内蔵されたTV(液晶TV、プラズマTVなど)、録画機等と、BSデジタル放送受信用のアンテナが必要である。

6.SANARI PATENT所見
 このほか多くの質疑応答が用意されているが、マンションにおいても共同受信アンテナの具備に相違があり、2011年7月24日までに十分な周知徹底が実行されないと、行政不信の原因を加えることとなろう。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
BS Digital Broadcasting、BSアナログ放送、総務省、地上アナログTV放送、BSデジタル放送

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2008年9月22日月曜日

From National to Panasonic on Oct.1, 2008

From National to Panasonic on Oct.1, 2008: ブログによる各社ブランドの定量的価値評価
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 テレビ用ディスプレイと薄型テレビ事業における日立・松下の協業拡充発表(Sept18, 2008)は、この業界地図の重要な変動であるが、10月1日以前の発表であるので、「日立と松下の基本合意」と題されている。
 松下電器産業のサイトは従来、パナソニックサイトとナショナルサイトに2分されていて、パナソニックサイトにはデジタルネットワーク、デジタルコミュニケーション商品(テレビ、パソコン、ケータイなど)が属し、ナショナルサイトには、暮らし、美容、健康の商品(エアコン、電子レンジ、ヘアケアなど)が属している。

 このような分属は、しばしばソニーと対比され、例えばMar. 2008 asciiは、少し過剰な表現とSANARI PATENTは思うが、「支持率を探れ! ブログでブランド対決」と副題して、「ソニーvs. 松下:ブランドの使い分けでソニーが圧勝」と述べている。その内容を要約すると、
(1)  家電業界のライバルといえばソニーと松下電器産業だろう。個性的な創業者、高いブランド力など多くの面で比較されてきた。
(2)  しかし、ソニーは社名とメインブランドが同一であるのに、松下電器産業の場合は社名と別の2つのブランドを用いてきた。両社に関連するブログの登場回数は約12万件だが、その内容は7対3でソニーが圧倒的な勝利を収めている。
(3)  ただし、ソニーと松下電器産業の各連結売上高を比較すると、事業範囲が完全に同じというわけではないので、売上高ではソニーの8兆2954億円に対して松下電器産業は9兆1082億円で、松下電器産業が上回っている。ブログとの相性が向上すれば、松下電器産業の売上高は更に伸びるのではないか。

アスキーのこの着眼についてSANARI PATENTが重要視するの理由は、これがブランドの定量的・定額価値評価」(数値・金額で表現した価値評価)に一つとして考えられるからである。
ブランドに限らず 、特許権等の知的財産が知財立国政策によって重要性を強調され、従って、その資産価値を定性評価するのみならず定額評価する方式の確立を、内閣知財戦略本部はその発足以来、計画してきた。当初は政府による確立を毎年度ごとに期限付きで計画していたが、策定に至らず、3年ほど前から、民間における手法の策定と適用を促すという表現になって今日に至っている。ブランドや特許権などの知的財産は、その相対取引において当事者が合意する場合、相続税課税価額や差押物件公売の最低価格を行政的掛け目を乗じて算出する場合などは勿論、収益還元法等の算式による場合も、大胆な前提を置かなければ成立しないと、SANARI PTENTは考えている。(従って、かって経済産業省が早稲田大学商学部の教授ほかを動員して作成したブランドの価額評価方式、すなわち、一種の超過収益・現元本価額還元方式は、諸算定方式の一つとして総合的評価の一環にとどめられていると解する。)

ブログ解析では、金額表示はできないが、大規模なは母集団に基づく数値で定量的評価を示すものとして注目すべきである。特に、総務省によれば、わが国のブログ登録者数が2006年3月末に既に863万人に達し、年間60万人以上の増加が見られることから、NHKや新聞マスコミの世論調査1000人程度回答よりも格段に信頼すべき代表性を有する。ブログ解析が継続的に行われ、その数値の含意を明確にして発表されることを、SANARI PATENTは期待する。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Panasonic、ブログ解析、ブランド、日立製作所、松下電器産業、ソニー

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2008年9月21日日曜日

METI Dispatches Intellectual Property Mission to the Republic of China

METI Dispatches Intellectual Property Mission to the Republic of China: 知的財産保護官民合同訪中代表団(実務レベル)派遣(Sept.22~25, 2008)
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 経済産業省(担当:製造産業局模倣品対策・通商室)は、明日から4日間の予定で「知的財産保護官民合同訪中代表団(実務レベル)」を北京に派遣すると発表した(Sept.19, 2008)。
  団長は東芝テクノセンター加藤泰助社長、メンバーとして民間企業・団体の実務レベルの代表者が参加する。

 予定訪問先は、公安部(警察)、農業部(農薬・種苗法)、海関総署(税関)、国家知識産権局・保護協調司、国家工商行政管理総局(商標法)、同総局独占禁止・不公正競争防止法執行局、国家質量監督検験検疫総局(物品品質法)である。

 主な議題は、
(1)  知的財産について効果的な日中協力の在り方(知的財産侵害者の摘発を担当する地方取締官向けセミナ等)
(2)  外国で周知・著名な商標と同一または類似の商標の登録防止
(3)  日本の地名の冒認出願からの保護
(4)  再犯事案対策・巧妙化事案対策の強化、刑事移送・刑事罰の強化

SANARI PATENT所見
(1)  特許庁の資料によれば、海外の企業が中国において特許権侵害等により提訴された事例として、「モトローラが2005年にケータイ関連の特許権侵害で中国の出願者により提訴され、モトローラは特許無効の訴えをもって対抗したが、敗訴が2007年の確定した」、「シュナイダー(フランスの大手電気機器メーカー)系列企業が2006年に、中国企業から、ブレーカー関連の特許権侵害で提訴され、2007年に3億3000万元の損害賠償を命じられた」、「韓国のサムスンが2007年に、中国のケータイメーカーから、通信関連の特許権侵害で提訴された」ことが挙げられている。
(2)  中国では商標出願も、1995年の17万件から2005年の67万件と急増し、わが国において著名なブランド、キャラクター、農産物の名称や地名などが現地の企業によって登録され、わが国の産業界としても、早期の商標出願が重要とされている。
(3)  一方、わが国特許庁にも、中国の著名人名、地名、文化遺産名(孔子、長城など)が商標登録されているが、商標審査基準の国際調和を確立する必要があると、SANARI PATENTは考える。
(4)  ホログラム、音、動き、香りなどを商標権の対象とすることについては、中国の法制化準備の方がわが国より先行しているように、SANARI PATENTは考察する。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
METI、中国知識産権局、東芝テクノセンター、モトローラ、商標、特許権

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2008年9月20日土曜日

TDK Develops, Begins Mass-Producing Industry’s First

TDK Develops, Begins Mass-Producing Industry’s First 1608-Size, High-Attenuation Bandpass Filter: TDKが1608形状・低損失・高減衰バンドパスフィルタ開発量産(Sept.17, 2008 TDK発表)
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 TDKの製品は、国内PC使用者に極めて馴染み深いが、海外比率82%(野村証券・東洋経済の会社四季報による)に達し、グローバルに普及している。先日TDKが発表した標記の新製品は、ケータイなどの移動体通信機器携帯端末の小型・軽量化、高速・高周波化に伴って、機器に搭載される電子部品にも高性能かつ小型・低損失化が求められることに即応するもので、そのフィルター特性が世界市場で発揮されるものと、SANARI PATENTは考える。

 電子部品業界が、「日立製作所、プラズマテレビ・ガラスパネル部材を松下電器産業から調達」、「パイオニア、プラズマパネルの自社生産から撤退」など、変動が激しい中にあって、経済マスコミの辛口評論においても「実に手堅い」と評されているのがTDKである。
例えば、Weekly Toyo Keizai Aug.23, 2008は、「TDK過去最大の買収 実に手堅い事業補完」と題し、かつ「2000億円を超える独電子部品会社の大型買収 手薄だった事業領域の補完メリットは大きい」と副題して、次のように述べている(SANARI PATENT要約)。
「TDKがドイツ電子部品大手エプコス社の子会社化を発表した(SANARI PATENT注:グローバルには「TDK and EPCOS Pursue a Comprehensive Partnership」と題して「Strong complementary fit across sectors and regions」等の狙いを説明している。Jul.31, 2008)。買収に投じた2000億円はTDKにとって過去最大の規模となる。」
「EPCOSが得意とする事業分野は、ほとんどがTDKの苦手とするところで、ライバル村田製作所の後塵を拝してきたケータイ向けなどの高周波部品に加えて、センサーや自動車向けのモジュールでEPCOSは世界トップクラスであるし、地域的にTDKが弱い欧州や南米、インドで高いシェアを誇る。」

 高度な知財戦略・経営戦略として考察すべきであるが、TDK・EPCOSの上記グローバル発表によれば、
「The purpose of this Business Combination Agreement is to combine EPCOS with TDK’s activities in the electronic components field. The combination will create an industry-leading electronic components company with a strong presence across customer sectors and regions.」

SANARI PATENT所見
 今月末から幕張メッセで開催されるCEATEC JAPAN 2008にTDKは、色素増感太陽電池、ジェネレータ、高効率DC-DCコンバータ、双方向コンバータ、二次電池などを出展する予定で、具体的なデモンストレーションが関心を集めるであろう。
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TDK、EPCOS、 双方向コンバータ、企業買収、ケータイ

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2008年9月19日金曜日

NAND Type Flush Memory Problems of SanDisk

NAND Type Flush Memory Problems of SanDisk Related to Toshiba and Samsung: NAND型フラッシュメモリー世界市場をめぐる東芝、サムスン、San Diskの企業戦略
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 ケータイ等の用いられるFlush Memoryの論理回路として、否定論理積演算回路(全ての真の場合にのみ出力が偽、それ以外の場合は出力が真となる演算)はFlush Memory設計における適格性から広く使用され、NAND Type Flush Memoryの需要はグローバルに拡大している(ただし、米国調査会社Suppliは、iPod売上予想の下方修正に基づいてNAND Type Flush Memoryの需要予想年27%増を1桁成長に修正している:Feb.22, 2008)。NAND Type Flush Memoryの世界市場シェアは現在、Samsung 電子に次いで東芝が2位とされ、従って、Samsung 電子によるSan Disk買収提案の帰趨は業界全体の重大関心事である。

 WikipediaによればSan Diskは、「米国に本拠を置くメモリー製品製造企業である。1988年に現会長Eli Harariを中心とする不揮発性メモリ専門チームによって設立され、1955年にNASDAQに加盟、2005年には収益23億ドルにまで成長した。その日本法人サンディスク株式会社(横浜市)は1992年設立。2006年12月から日本法人のイメージキャラクタとして歌手・元モーニング娘・後藤真紀を起用している。Flush Memoryの製造に際して東芝と共同で投資を行っているものの、半導体製造については基本的にファブレスの方針を貫いている。」

 「半導体事業、東芝が戦略見直しも: 提携先にサムスン攻勢」と題する
Asahi.com(Sept.18; 01:07, 2008)ニュースは次のように報道した(SANARI PATENT要約)
(1)  韓国のサムスン電子が17日、米メモリー大手サンディスクに買収を提案したと発表した(SANARI PATENT注: Samsung 電子のグローバルサイトは、「SAMUSUNG Launches Proposal for Combination with SANDISK in Letter to Board of Directors」という標題で同日発表している )。NAND Type Flush Memoryのシェアで世界トップを確保する狙いだ。San Diskと生産面で提携する同2位の東芝にとって、戦略の見直しを迫られかねない。
(2)  Samsung 電子の提案では、買収総額58億5000万ドルで、San Diskは、「提案は非常に過少評価」として、提案を拒否したとするコメントを発表した。一方Samsung 電子は、San Diskに再考を迫る考えで、「提案は正当で株主に公開すれば必ず支持される」として公表に踏み切った。
(3)  一方東芝は1999年、San DiskとNAND Type Flush Memoryの開発・生産で提携し、四日市工場では建物は東芝が建設し、生産設備は共同出資会社が運営する方式で増産してきた。2009年春の着工b新工場も同様の予定である。

SANARI PATENT所見
 上記のasahi.com報道に先立ってreuters.com(Sept.5; 13:38JST)は、「Samsung 電子、San Diskに関する選択肢を検討」と題して「様々な選択肢が考えられる」と述べ、Samsung 電子にとっての利点についての見方としては次のような見方を紹介した。
(1)  Samsung 電子はNAND Type Flush Memoryで世界最大手だが、San Diskに年間4000億ウォン(3億5380万ドル)のライセンス料を払っており、その節約ができる。
(2)  NAND Type Flush Memory世界2位の東芝と、San Diskは合弁事業を展開しているが、San Diskが合弁事業への投資を継続するか不透明であり、中長期的にはSamsung 電子が市場シェアを拡大できる。
(3)  San DiskはSan Disk買収によってライセンス料支払いの節約と共に市場プレゼンスを高めることができる。

しかし、SANARI PATENTが注目するのは、上記reuters.comが「買収の所期効果を疑問視する見方もある」として、「東芝がSan DiskとのNAND Type Flush Memory合弁事業の生産量を管理している限り、Samsung 電子がSan Diskの筆頭株主になっても、供給に影響ない」という見方である。
 Samsung 電子はロシア進出など益々積極的にグローバル活動し、San Diskは知財訴訟にも長けている。東芝の健闘を期待する。
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San Disk、NAND Type Flush Memory、Flush Memory、Samsung 電子、東芝

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2008年9月18日木曜日

Tax Systems for the Promotion of R and D are Rapidly Developing

Tax Systems for the Promotion of R and D are Rapidly Developing World Wide: 「研究開発促進税制拡大競争」が世界的に進展
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 「経済社会の持続的発展ための企業税制改革に関する研究会」の中間論点整理を経済産業省(担当:経済産業政策局企業行動課)が発表した(Sept.16, 2008)。座長は東大大学院・井堀利宏教授で、メンバー として産業界から、三井物産・岡田譲治執行役員、キャノン・田中稔三副社長、新日鉄・徳住祥蔵顧問、日立製作所・中村豊明専務、トヨタ自動車・古橋 衛専務ほかが加わっている。

 国際競争力を高めて海外成長市場で獲得する成果を大きくすると共に、その成果を所得再配分や社会保障の安定財源、ひいてはわが国の繁栄につなげてゆくような税制改革が極めて重要であるという見地から論じている。SANARI PATENTが主要と考える論点を以下に要約する。

1. わが国産業の状況認識:
  わが国は、極めて厳しい「失われた10年」の苦境の中で、急拡大するアジアやBRICs等の新興成長市場に積極的に打って出ることにより、失われた10年を克服しつつある。しかしながら、最近の資源・原材料の高騰により、わが国の経済産業は再び危機に直面しているが、このような資源・原材料の高騰は、新興国の台頭を背景とする構造的側面を持ち、中長期的な基調と考えなければならない。(SANARI PATENT考察:更に最近の原油価格の低落や新興国における資源の大規模開発を考えれば、「高騰」と一方的に想定できず、価格変動の拡大と価格支配力の移動をこそ、構造的側面として認識すべきである。)

2. 国内総生産(GDP)型から国民総所得(GNI)型への転換
わが国経済産業が現下の危機を克服し、将来も発展を続けてゆくためには、積極的に海外市場の成長の果実を獲得する一方、海外市場の成長の果実や海外からの投資資金を国内に呼び込むことにより、国内の繁栄につなげてゆく好循環を形成するしか途がない。すなわち、GDPからGNIへの転換である。

3. グローバル展開大企業と国内向け中小企業の格差
企業の中でもグローバルに展開する大企業と、国内向け中小企業の格差が拡大し、世代間・世代内所得格差、地域間の景気動向ばらつきによる地域間格差が存在する。(SANARI PATENT考察:様々な格差を指摘しているが、グローバルに展開していない大企業と、グローバルに展開している中小企業について言及していない。)

4. 法人税と研究開発関連税制
企業関連税制については、世界的な制度間競争が激化している。特に近年、世界的に「法人税引下げ競争」と「研究開発促進税制拡大競争」が並行して急激に進展している。(SANARI PATENT考察:研究開発費の金額のみを算術的に制度対象とするのではなく、研究開発の実効を要素とする制度設計に成功した国が、真に国際競争力を高めると考える。)
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Tax System、R and D、企業税制、三井物産、GNI

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2008年9月17日水曜日

Mrs. Sarah Louise Palin Prospers Together With Masunaga Opt.Co.Jp

Mrs. Sarah Louise Palin Prospers Together With Masunaga Opt.Co.Jp:サラ・ペイリン副大統領候補のTV映え演出・眼鏡フレームメーカー増永眼鏡(福井)のデザイン
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 地域産業の振興に知財政策や財政支援が強調されているが、国内需要停滞の環境下では、地方が海外市場と直結する方が速い。欧米諸国の州は、州事務所を東京その他に設置して、州としての産品拡販を実現している。

 わが国では福井(鯖江市など)のメガネフレーム特産が著名であるが、メガネフレーム関連の特許件数も累増している。これと海外市場が直結したホットな事例が、米国共和党副大統領候補サラ・ペイリン・アラスカ州知事のTV映え人気を支えるメガネフレームの産地・福井、特にMrs. Sarah Louise Palin愛用のメガネフレームメーカー増永眼鏡への米国女性発・注文の殺到である。

 増永眼鏡も、早速国内でも「ペイリン氏の眼鏡は川崎和男氏デザイン」と題して、その技術・デザイン独自性をネット広報している(Sept.8, 2008)。その内容(SANARI PATENT要約)は、
「ペイリン氏の縁なしメガネに注目が集まっているとの記事がUSA todayや共同通信社ニュースに掲載されましたが(SANARI PATENT注:朝日新聞やテレビ東京WBSも報道したが、米国女性から、ペイリン氏愛用と同型の福井産メガネへの大量注文が到来と付言されている)、これは川崎和男氏がデザインした、チタン材・ツーポイントモデルです」。

 従って、川崎和男氏デザインの諸製品の海外声価も高揚され、内閣知財戦略本部の「日本発コンテンツの対海外発信」にも寄与する結果となった。

 地域産業という観点からは、福井県内でも鯖江市はメガネ産地としての特化性が高い。同市のサイトは次のように自己紹介している(SANARI PATENT要約)。
「SABAEの名は『めがね』と共に、広く世界に知れわたってきました。鯖江産地はチタン合金や形状記憶合金などの新素材開発に代表される品質重視のものづくりに取組んできた結果、今や眼鏡枠では国内の約90%、世界の約20%の生産シェアにまで成長している。世界が認める最先端技術を持つ鯖江産地は、高いデザイン力とブランド力を持つイタリアと、低コストでの大量生産を得意とする中国と共に、世界3大産地としての確たる地位を築いています。」

SANARI PATENT所見
 眼鏡に関する技術の特許公開件数は8179件(Sept.16, 2008現在)に達するが、 今年度に入ってからの公開技術を見ても、「縁無し眼鏡」(公開日Sept.11, 2008)、「飾り可動式眼鏡」(公開日Sept.11, 2008)、「メガネフレームのツル継手構造(公開日Sept.9, 2008)、「眼鏡用ツル」(公開日Aug.21, 2008)など、機能・意匠。最先端レンズと共に、わが国の感性を含めて世界市場の総合知的財産財としてのメガネフレーム製品の地位を高めると考える。
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Sarah Louise Palin、メガネフレーム、増永眼鏡、福井、鯖江市、川崎和男

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2008年9月16日火曜日

Holograph and Latent Picture as Subject of Design Rights

Holograph and Latent Picture as Subject of Design Rights: 画像を含む意匠の審査運用案について、特許庁が意見公募中
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 米国の特許法には第171条「意匠に対する特許」(Patents for designs)以下に意匠についての定めがあって、「物品の新規で、独創的、かつ装飾的な意匠を発明した者は、特許法に定める条件および要件に基いて、それに対する特許を受けることができる。発明の特許に関する特許法の規定は、別段の定めがある場合を除いて、意匠特許に適用される」としている。
 わが国では意匠法を特許法と別建てとし、「意匠とは、物品の形状、模様若しくは色彩またはこれらの結合であって、視覚を通じて美感を起こさせるもの」と定め、技術進歩性・機能性・識別子性が前面に出ていない観がある。

 その結果とすることは早計かも知れないが、現在、ホログラフや潜像が意匠権の対象であるとの明示がなく、諸国の意匠制度とその運用に後進するおそれがあると、SANARI PATENTは考える。
 このためSANARI PATENTは、下記のように、特許庁に要望し、内閣知財戦略本部に同文を送信した。

                        平成20年9月15日
特許庁審査業務部意匠課意匠審査基準室ご担当御中
弁理士 佐成 重範
画像を含む意匠の審査運用案について
(意見)
 改訂案74の74-1(4)に(5)を加え、次のように改訂されたい。
(5)「当該意匠には、ホログラム画像及び「フィルターにより表現される潜像画像を含む。」
(理由)
 ホログラムを商標権の対象として明定することは、欧米主要国において既に実現し、中国・韓国においても、その準備中でありますが、わが国においてはその方向で検討中という段階で、世界商標制度の進展に即していない現状にあると考えます。従って、今次意匠審査基準改訂に際して、ホログラムが意匠権対象の画像に含まれることを、商標審査基準よりも先行して明定されるよう、要望申し上げます。

 次に、「フィルターにより表現される潜像画像」は、意匠法の目的および定義に適合すると共に、偽造品・模造品に対する知的財産権保護のため、非破壊検査方法として最も明確・簡易な手段と考えられますが、最近、カラーの潜像画像についてもその技術が開発され、偽造品・模造品発見を含むセキュリティ対策としても、極めて有用と考えます。従って、今次意匠審査基準改訂に際して、「フィルターにより表現される潜像画像」が意匠権対象の画像に含まれることを、諸国意匠審査基準よりも先行して明定されるよう、要望申し上げます。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Holograph、 Latent Picture、Design Rights、意匠、ホログラフ、潜像

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2008年9月15日月曜日

ORIX、an Integrated Financial Service Group,

ORIX、an Integrated Financial Service Group, Develops Multiple Projects in United Arab Emirates:ORIXのUAE(アラブ首長国連邦)事業の展開
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 ORIXの本年度第一四半期事業報告(Apr.1~Jun.30, 2008)が届いた。SANARI PATENTの事業分類ではORIXは、「Japan Fund」に属するが、ORIXの今次報告や野村証券・東洋経済の会社四季報みは「ファンド」という用語を用いていない。SANARI PATENTでは「Japan Fund」の意味を「日本の知的財産と融合した総合金融事業」としている。

 今次ORIX報告にはUAEにおける事業が紹介されているが、産油国ファンド、オウルマネーなどの呼び名でグローバルに資金を投入している中東の主要国UAEにORIXが事業を展開するのは、上記「Japan Fund」の機能がUAEにおいて期待されるから、とSANARI PATENTは解する。

 なお野村証券・東洋経済の会社四季報によれば、「ORIXは、総合リース国内首位。金融サービス多角化や海外展開で先行。」

 ORIXの今次UAE事業報告(SANARI PATENT要約)によれば、
(1)  オイルマネーによるドバイの建設ラッシュは、「世界のクレーンの3台に1台はドバイにある」と言われる程である。
(2)  ORIXは、中東地域に1986年から進出し、各国のパートナーと様々な事業を展開している。パートナーのうちMFAグル-プ(SANARI PATENT注:Maid Al Futtaim Group LLC)はドバイを拠点とし、中東唯一の屋内人工スキー場、大型ショッピングモール、大手スーパーマーケット「カルフール」、ホテル、シネマ、コンプレックスなどを運営する著名財閥である。
(3)  ORIXは、1986年にパキスタンでリース会社を設立以来、オマーン、エジプト、サウジアラビア、EAUなど5国で順調に業績を伸長している。
(4)  ORIXは、JCB、MFAと提携してドバイに合弁のカード会社を設立することを合意した(SANARI PATENT注:Jan.26、2007 上記3社共同発表)。この新会社は、MAFグル-プが持つショッピングモールやスーパーマーケットの豊富な顧客基盤に対してJCBカードを発行する。人工スキー場などで様々な特典を受け得る中東ではユニークなカードとして、新たな驚きと利便を提供する。今後、北アフリカ地域にも拡大する(SANARI PATENT考察:チュニジアなど、欧州からの別荘、レジャー、ボート基地の消費者が考える)。
(5)  ORIXは、リース事業やカード事業以外にも、現地パートナーのネットワークを活用して、不動産開発投資やエクイティ投資など、中東における新たなビジネス機会を捉える。

SANARI PATENT所見: 国内に向けてもORIXは、ORIX・フィナンシャル・プロダクツ株式会社を通じて金融派生商品(デリバティブ)事業への参入手続(金融商品取扱業者としての登録申請)を行い、2009年4月営業開始を目指している(Sept. 12, 2008 ORIX発表)。
上記のUAEと共にインドでの事業も展開され、総合金融ないしファンド(定義が、確定しないが)機能を、金融のパラダイムシフトの環境のもとでORIXが、そのノウハウ・スキル・ネットワークを提供しつつ、内外経済に寄与することを期待する。
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ORIX、UAE、各国、MFA、金融派生商品

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2008年9月14日日曜日

Japan Tourism Agency Starts on Oct.1, 2008

Japan Tourism Agency Starts on Oct.1, 2008: 内閣知財戦略本部・コンテンツ政策における「外国人観光客への日本文化発信」
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 近畿日本ツーリストの本年上半期事業報告(Jan.1~Jun.30, 2008)が届いた。NHK「篤姫」の人気で九州への商品が順調に推移したことなど、国内旅行について多様な発想が報告されているが、「外国人の訪日旅行は、グル-プ会社を含めた全社的取組により好調に推移した」ことは、対外コンテンツ発信政策の質的な向上(外国着信の発信から国内吸引の発信へ)として高く評価すべきである。

 更に来月1日、観光庁が新設されるが、103名の定員をもって、長官、次長、審議官のもとに、参事官2名、総務課、観光産業課、国際観光政策課、国際交流推進課、また、観光地域推進部のもとに、観光地域振興課と観光資源課が置かれる。

 その政策目標は、
(1)  平成22年の訪日外国人旅行者数を1000万人にする。(平成18年実績723万4000人から年率8.1%増)
(2)  平成22年の日本人海外旅行者数を2000万人にする。(平成18年実績1753万5000人から年率3.3%増)
(3)  平成22年の国内旅行消費額を30兆円にする。(平成17年実績24兆400(うち訪日外国人旅行消費額は、平成17年度1兆6000億円から、平成22年度2兆3000億円にする)
(4)  日本人一人当たりの年間宿泊数を、平成22年度に4泊とする。(平成18年度実績2.77泊)
(5)  国際会議の開催件数を平成23年に252件とする。(平成17年実績168件から年率7%増)

観光庁設置により変わることは、
(1)  諸外国に対して、観光庁がわが国政府を代表し、対外的な発信力を強化する。
(2)  観光庁長官のリーダーシップにより、縦割りを廃し、政府を挙げての取組を強化する。
(3)  観光庁は、地域・国民に対して、観光に関するワンストップ的な窓口となる。

早速、経済産業省と国土交通省(観光庁)は、海外バイヤーと世界に誇り得る日本コンテンツを体感できる商談会を来月開催すると発表した(Sept.9, 2008)。外国人富裕層旅行者の訪日促進を目的とし、海外トップクラスの富裕層顧客を有するバイヤーを招聘bとしている。
SANARI PATENTの意見としては、アニメ・マンガやゲームの原産国としての日本現地に熱烈な関心を持って訪日する外国人がグローバルに増加していることにも十分留意して、関心対象の拡大・深化に注力すべきである。
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Japan Tourism Agency、近畿日本ツーリスト、観光庁、アニメ、訪日外国人観光客

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2008年9月13日土曜日

Problems of Digital Cash Discussed by METI

Problems of Digital Cash Discussed by METI : 「商取引の支払い、特に、電子流通を促進する支払手段に関する論点の中間整理」を経済産業省が発表(Sept. 11, 2008)
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 経済産業省(担当:商務情報政策局取引信用課)が、「電子流通等を促進する支払手段に関する検討会座長メモー商取引の支払いに関する論点の中間整理」と題して発表した(Sept. 11, 2008)。

 その趣旨は次のように説明(SANARI PATENT要約)されている。
「取引信用課の委託調査『平成20年度クレジット事業等環境調査:代金支払サービスの法的論点に関する調査研究、委託先:三菱UFJリサーチ&コンサルティング』の一環として、本年7月から「電子流通等を促進する支払手段に関する検討会」(座長:中央大学法科大学院・落合誠一教授)を開催し、収納代行、電子マネー等の新たな支払サービスについて、有識者による法的観点からの検討を得た。その結果を座長メモとしてまとめたので公表する。」

 従って、この報告の内容が直ちに制度改正に結び付くものではないが、支払手段、特にデジタル支払手段の態様はビジネス方法特許の対象ともなり得ることから、今後のデジタル社会高度化における一つの課題としてこの際、認識する価値がある。ここには上記報告の「電子マネー」の項を要約し考察する。

1. 現行のプリペイドカードと為替取引規制との関係
1-1 いわゆる電子マネーについて一つの定義を示すことは困難であるが、わが国で発行されている電子マネーは、特定加盟店のみで利用可能であり、加盟店で利用されると、電子マネー発行事業者から加盟店に対して銀行送金される「クローズドループの電子マネーである。従って、その基本的性格は、第三者発行型のプリペイドカードと考えられる。
1-2 そこで電子マネーについて金融規制が必要か検討するに当たり、プリペイドカードと為替取引の関係を検討する。具体的には、消費者が加盟店でプリペイドカードを利用する行為と、プリペイドカードに電子的に保存された金銭的価値の、利用者から他の利用者への譲渡について、為替取引との関係を検討する(SANARI PATENT考察:一般人は、プリペイドカードを気軽に使っているから、「為替」というような言葉が出ること自体に戸惑う)。
1-3 二つの利用形態
1-3-1 加盟店で利用する場合
利用者との関係では、原因債務そのものについて免責的債務引受がなされ、原因関係から独立した為替取引とは異なると考えられる。
1-3-2 加盟店以外の者に譲渡する場合(利用者間譲渡)
換金性がないのであれば、{資金}の「移動」があったとはいえないと考えられる。

2. サーバー型電子マネーの規制の在り方
3. 換金性がある電子マネーの規制の在り方
4. プリペイドカード型電子マネーに関する取引ルールの在り方

5. SANARI PATENT所見
今次報告書には、「ポイント」についても詳述しており、電子マネーと共に今後一層の普及と、機能の高度化が望まれるので、中間報告の段階から、熟読・検討が必要である。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Digital Cash、支払手段、電子マネー、加盟店、プリペイドカード

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2008年9月12日金曜日

Furukawa Electric Develops a System For More Efficient R&D

Furukawa Electric Develops a System For More Efficient R&D:古河電工時報(Sept.5, 2008)で発表された次世代新技術開発の幅広い実用化特性
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 「技術立国」「技術立社」「知財立国」「知財立社」を現代の神風であるかのように信奉して、国家予算や企業計画における研究開発費の規模や特許出願件数を専ら鼓吹する政治家・行政官・経営者が未だ残存しているが、特許発明の質が、収益性との関係で認識・選別されるに至ったと同様、研究開発の質が、収益性・効率性の視点から先ず審査され選別されることが、研究開発資源の有効利用のため、すなわち、国民経済と企業存続のため、極めて重要である。

 古河電工の中野耕作取締役・研究開発本部長は、「古河電工の研究開発ビジョン」の冒頭に、「研究開発の効率性を高める仕組を構築する」と述べ、「研究開発部門に『市場を見る目』を持たせる」、「どんなに優れた技術を生み出しても、市場に出るタイミングが伴わなければ意味がない」、「開発から量産化までを、より確実、sムーズにするための体制づくりに注力する」と強調しているが、わが国産業の国際競争力回復ないし増強には、この視点が最も必要と、SANARI PATENTは考える。

 古河電工時報(Sept.5, 2008)に」掲載された研究開発報告(SANARI PATENT要約)にも、上記の趣旨が活かされている。すなわち、
(1)  フェムト秒パルスを出力する超短パルス光源は、バイオ・医療、計測機器、材料加工など次世代の新技術開発に幅広く応用されるが、これら次世代技術を実用化するため、その光源は、高い安定性、長期信頼性、簡易操作性が要求される。この実需に即応して古河電工は、光通信の研究開発で培った、光ファイバーやEDFA(Erbium-Doped Fiber Amplifier)を始めとするサブシステムの技術を活用し、これらの課題を克服した繰返し周波数可変超短パルス光源の開発に成功した。 → 「ファイバ型繰返し周波数可変超短パルス光源の開発」
(2)  一般的に光ファイバーは、そのガラス質を保護するため、柔らかいプライマリ層と硬いセカンダリ層の2層から成る紫外線硬化樹脂で被覆されている。被覆層形成時に紫外線照射により被覆層は硬化発熱するが、プライマリ層の熱膨張係数がセカンダリー層のそれより大であるため、冷却過程でプライマリ層に負の静水圧が発生し、ガラスからプライマリ層を引き剥がす力となることが知られている。光ファイバの長期信頼性を確保するためには、光ファイバ被覆層に発生する熱ひずみ・熱応力の解析が必要である。 → 「光ファイバ被覆層に発生する熱ひずみ・熱応力の測定方法」
(3)  電子線ホログラフィにより半導体のキャリア分布を観測する場合に、シリコン半導体に比べて研究例が少ない化合物半導体のキャリア分布観察の最適化を行い、特にガリウム・砒素半導体のpm接合の明瞭な観察とn+層・nー層の一層明瞭な判別により半導体製品の特性と信頼性向上に寄与する。→ 「電子線ホログラフィによる化合物半導体のキャリア分布の観察」

最近、大学の独立採算意識が高まり、特許出願件数を誇ることから、特許発明の質として、大学のライセンス収入直結を出願選別の方針とする傾向が顕著になったとSANARI PATENTは考察している。大学研究の本質から、基礎研究目的と実益寄与目的に発明を分別することが適切と、SANARI PATENTは考える。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Furukawa Electric、古河電工、電子線ホログラフィ、光ファイバ被覆層、フェムト秒パルス

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2008年9月11日木曜日

Cybouzu Opens Donation Professorship of Business Model

Cybouzu Opens Donation Professorship of Business Model At Waseda University on Oct.3, 2008:サイボーズが早稲田大学大学院に寄付講座開設
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 ソフトウェアの輸入が輸出を大幅に上回るわが国において、企業のIT化の要めとなるグル-プウェアについても、IBMやマイクロソフトのシェアが高いが、国産グル-プウェアとして輸入グル-プウェアに比肩しているのがサイボーズである。
 そのサイボーズが、早稲田大学大学院商学研究科(早稲田大学ビジネススクール)に、インターネットなどITを応用したビジネスの起業と、ビジネスモデルを立てる実践的なスキルを学ぶ「IT時代のビジネスモデル策定(サイボーズ寄付講座)を本年10月に開講すると発表した(Sept.3, 2008)。

 グル-プウェアは、グル-プの構成員が情報を共有し活用するためのソフトウェアであり、グル-プの性格に即応する合目的性をどのように具備し機能できるかに、その優劣が懸っている。「グル-プの性格」には、企業文化や国民性の相違も含まれると共に、グローバル経済化に伴う国際性も重要である。従って、IBMのLotus Notes、MicrosoftのExchangeなどがわが国においても高いシェアを占め、富士通のTeam Ware、NECのStar Office、日立のGroup Maxなども国産グル-プウェアとして、外国系よりもシェア後位に位置してきた。

 サイボーズは、大企業系の国産グル-プウェアを抜いて高い国内シェアを占めている。西端義久社長は大阪大学情報システム工学科卒、松下電工を経て1994年のサイボーズを創業、山田 理副社長は大阪外国語大学卒、日本興銀を経て2000年にサイボーズに入社、いずれも40歳に満たない若さでベンチャー精神を発揮し、電気電子関係だけでも、NEC、オムロン、沖電気、大崎電気、キャノン、シャープ、ソニー、東芝、富士電機、三菱電機等々の企業内グル-プがサイボーズのグル-プウェアを活用することによって、東証一部上場も早期に達成している。なお野村証券・東洋経済の会社四季報によれば、現在の株主構成で住商情報システムが14.4%の出資比率を占めていることも注目される。

 以下サイボーズの最近の業績についてSANARI PATENTが注目する事項を掲げる。
(1)  グル-プウェア関係M&Aを実施した。
(2)  サイボーズ単体はグル-プウェア部門が順調に成長し、国内シェア首位(累計26,000社導入、250万ユーザー)で過去最高の売上高、営業利益、経常利益を計上した。
(3)  グル-プ企業とのシナジーによる新商品を開発した。
(3)-1 SFAソフト「サイボーズドットセールス」の開発(SANARI PATENT注:SFAはSales Force Automation:IT技術による営業部門の効率化)
(3)-2 SaaS型でのサイボーズ製品提供(SANARI PATENT注:Software as a Service)
(3)-3 ネットサービスPathtraqとAlt Spaceをリリース
(4) 海外展開の始動→ 海外拠点サイボーズ上海の設立、ベトナム開発拠点の強化
(5) EPS(SANARI PATENT注:Encapsulated Post Script:ファイル形式の一つ)の製品開発
(6) 中長期戦略として情報サービスの大衆化
(7) グル-プウェア世界トップシェアを目指す→ グル-プウェア部門への集中
(8) SI(System Integration)事業の立上
(8)-1 大企業に対して営業とSE(System Engineer)が業務分析からグル-プウェアの企画・構築・運用を直接提案できる体制を作る
(8)-2 基本機能では満たせないニーズに対してサブシステムの開発や、他社製
品との連携ソリューションも提供する
(9) 官公庁からの受注を強化→ 実績は岡山県庁、横須賀市役所
(10) 総務省のMVNO(SANARI PATENT注:Mobile Virtual Network Operator)事業に即応するグル-プウェアケータイ構想を準備する。

  上記(8)-1の提案体制が海外企業をも対象として伸長できれば、ソフトウェア輸入超過国としてのわが国が、ITにおけるグローバル優位を確保してゆく拠点になるものと、SANARI PATENTは期待する。

  更に蛇足ながら、qqqの現社長・副社長とも、トップ企業に就職かつ安住可能な学歴と社会人スタートを切りながら、IT新分野のベンチャー起業に青雲の志を託し、今日の成果に至ったことに、SANARI PATENTは深く敬意を表する。
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Sybouzu、サイボーズ、グル-プウェア、早稲田大学、Lotus Notes

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2008年9月10日水曜日

Union Patent Service Centre Based in Hong Kong Informs

Union Patent Service Centre Based in Hong Kong Informs on Trade Mark Disputes:聯合専利商標事務所(香港)のPatent News Report:「長城」商標、「孔子」商標など
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 連合専利商標事務所のPatent News Reportを頂いた。連合専利商標事務所は1973年、台湾で設立され、現在は香港・東京に事務所を設け、中国を含めて広汎な知財業務を展開されていると承知している。豊富な内容のReportに深く敬意と謝意を表すると共に、早速その内容(SANARI PATENT要約)の一端を考察させて頂きたい。

 先ず、北京市第一中級人民法院の商標権侵害民事判決(2007-中民初第1422号)が紹介されている。ここでは争点のうち、「長城」の文字図形および長城図形商標に関する要点に絞って考察する。

 原告・中国粮油有限公司は1974年に葡萄酒・類似酒類製品について「長城牌Great Wallおよびrrr図形の組合せ商標」の登録を取得している。被告・北京昌黎華夏葡萄酒有限公司は、その商品に、原告の上記商標権を侵害する表示をしているとして、原告がその行為の差止と損害賠償を訴求した。

 判決は、「商標が類似であるか否かの判断は、公衆が普通の注意力の状況下で商標中の文字の発音、字形、概念、図形の構図と色彩等を対比し、2者の全体または主要部分が容易に混同を生じさせるか否かの判断であり、その過程において、商標の顕著性と知名度が考慮されなければならない」と説示した上で、原告の請求を認容している。

 なお、わが国特許庁において、「長城」の文字・図形組合わせによる商標登録は15件(Sept. 9, 2008現在)見られるが、中国からの登録が多い。

 次に、台湾の知的財産局が、「登録を認めた『孔子』商標について再検討した結果、不備を認定して自ら審判を申請した」ことについて、連合専利商標事務所の紹介内容(SANARI PATENT要約)を考察する。

 上記知的財産局説明によれば、「商標法には人名の登録可能性を排除する規定がなく、人名は商品またはサービスの出所を表す商標としての機能を有する。従って原則的に、歴史上の人物は商標として出願登録が可能である。例えば、非常に良く知られている『リンカーン』ブランドの自動車、『フランクリン』ファンド等で、指定商品またはサービスとその著名人物の業績とが無関係であれば許される。ただし、登録を一律に禁止する、国の比較的厳格な基準もある」と述べ、「本件の『孔子』商標は、中国大陸教育部対外漢語教学発展センターが『大陸人民の台湾における特許および商標登録作業要点』の規定により、法に基づいて登録出願したものであるが、一般大衆の関心を引いた」と、経緯を説明し、かつ、「しかしながら、単独に『孔子』の2字の商標は、商品またはサービスの出所の識別機能において不十分と認定し、自ら審判を申請した」と理由を述べている。

 なお、わが国特許庁に「孔子」を含む商標登録は10件見られるが(Sept. 9, 2008現在)、「孔子の里」(食品)「孔子飯荘」など、「孔子」2文字ではない。

 文化遺産、歴史上人物名、地名については、国際関係を含めて、わが国においても検討を深める必要があると、SANARI PATENTは考える。
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Union Patent Service Centre、連合専利商標事務所、長城、孔子、文字商標

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2008年9月9日火曜日

SHARP Develops Technologies Including Plasma Cluster Ion

SHARP Develops Health and Environmental Technologies Including Plasma Cluster Ion :SHARPが「プラズマクラスターイオン搭載LED照明3機種」を本月発売
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 SHARPの製品は6万9443件の特許公開技術(件数はSept.8, 2008現在:実用新案820件を含む)とノウハウによって創造されているが、本月4日に特許公開された「プラズマ処理装置」などプラズマ応用関連発明の成果を結集した新機種の「プラズマクラスターイオン搭載LED照明3機種」の本月発売を発表した(Sept.1, 2008)。

 その特徴は、空気浄化、段階調光、省エネという、現在要請されている職場環境の革新要素を融合して同時達成することにあると、SANARI PATENTは考える。省エネ等の要請は、企業採算の合理性と両立して実行を動機付けられることが必要であるが、多目的・多効果性は、その新機器採用の動機付けとして極めて適切である。

 SHARPの解説によればプラズマクラスターイオンは、プラスイオンH+とマイナスイオンO2-から成り、浮遊する菌・ウイルス等のアレル物質表面に付着して酸化力の強い物質OHラジカルに変化し、これら表面のタンパク質を瞬時に分解・除去する。その後は水として自然に戻すSHARP独自の空気浄化技術である。

 SHARPはLED照明に、このプラズマクラスターイオン技術を採用した。半導体であるLEDは、調光範囲の限定や、点滅・調光による寿命への影響がほとんどないため、頻繁な点滅・調光に適する。この特長とセンサー技術を組合わせ、かつプラズマクラスターイオン技術を搭載して、空気浄化、段階調光、省エネの効果を併有させたものとSANARI PATENTは解する。3種類の方法による段階調光機能を搭載したので、3機種となっている。

 すなわち段階調光機能は、次のように構成されている
(1)  人感センサーによる段階調光
(2)  照度センサーによる自動調光
(3)  壁スイッチまたはリモコンによる調光

さて以上は、照明における多目的多効果融合について述べたが、SANARI PATENTがSHARPの技術開発について注目する他の分野はケータイの進化である。ケータイ業界全体を見ると、「携帯電話」の呼び名がふさわしくないほど、携帯電話の機能は拡張されたが、最近、携帯パソコンの呼び名がふさわしい機種(電話機能については若干問題)が海外業者系で拡販され、ケータイ電話とケータイパソコンの2系統化現象が指摘されている。

SHARPがこの2系統ケータイの融合によって多目的多効果・次世代ケータイへの進化をも実現することを望みたい(2系統保有の必要性解消)。
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Plasma Cluster Ion、SHARP、プラズマクラスターイオン、プラズマ、ケータイ

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2008年9月8日月曜日

IDEMITSU Announces Exploitation Well in the Norwegian Northern Sea

IDEMITSU Announces Successful Exploitation Well in the Norwegian Northern North Sea : 出光興産のグローバル事業展開と特許発明開発
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 世界産油諸地域の油質は個性を有し、産油処理から誘導される石油化学製品の高付加価値化にも特異の技術を要するから、ベトナム・ノルウェイとグローバルに事業展開し、有機ELや半導体素材のカギ部分で高シェアを得つつある出光興産が、特許発明を活発に開発していることも、肯けるところである。

 本年に入ってからの出光興産の特許公開件数(Jan 1, ~Sept.7, 2008)を見ても337を数え、「水素化処理触媒、その製造方法および重質油の水素処理法(公開日Jul.24, 2008)のような上流分野から、「有機エレクトロルミネッセンス素子用材料(公開日Aug.7, 2008)、「アダマンタン構造を有するポリエステル」(公開日Aug.14, 2008)(SANARI PATENT注:半導体関連のアダマンタン素材について出光興産は世界で高いシェアを有する)のような下流分野、「改質ユニットおよび燃料電池システム」(公開日Aug.21, 2008)など中流分野の広い領域にわたっている。

 出光興産の現況は、野村証券・東洋経済の会社四季報によれば、「石油元売り2位。石油化学、高機能油脂に定評。後入れ先出し方式で、原油在庫損益ない。ベトナムで製油所・石油化学プラント建設に参画。同国やクェートの国営石油会社と連携」。

 今次出光興産の発表(Aug.11, 2008)によれば、「出光興産の子会社・出光スノーレ石油開発は、ノルウェー現地法人Idemitsu Petroleum Norgeを通じて、25%の権益を有する探鉱鉱区のJordbear構造試掘に成功した。既に生産しているスノーレ油田の北東約40kmに位置し、水深410m、海面下約3900mの深度に広がっている」。

 石油化学事業における最近の開発成果については、新規ポリオレフィン系材料・Law Modulus Polyolefinが注目される。出光興産独自の触媒技術により、従来にない低結晶性のポリオレフィンを産生し、従来の結晶性ポリオレフィン樹脂と比べて大幅に低融点かつ軟質な特性を実現するとしている。ホットメルト接着剤、ポリプロピレンの樹脂改質剤、顔料分散剤・拡散剤としての用途が想定されている。

 東証1部上場(Oct.24, 2006)から2年未満の出光興産が、世界経済の変動に対処する独自の態様を、経営戦略の知財としてSANARI PATENTは注目する。
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Exploitation Well、出光興産、ベトナム、ノルウェー、アダマンタン構造

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2008年9月7日日曜日

Hoya’s Seven Core Technologies Plus

Hoya’s Seven Core Technologies Plus Energy Efficient Materials and Nanoimprint Technology: HOYAのコア技術および先端技術のグローバル市場展開;チェコ共和国のメガネレンズ販売会社を買収(Aug. 208)など
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 新興国を含めて世界のメガネ人口が著増しつつあるから、HOYA(海外比率61%)の精緻なメガネガラス技術が世界の知的財産開発を支援してゆくことが疑いない。ただし、メガネガラス販売業界の競争激化で価格は抑制され、HOYAの売上高増勢も抑制されているようであるが、高精度メガネガラスが調達し易くなり、HOYA製品がグローバル市場に量的拡販される効果もあろうと、SANARI PATENTは考える。

 本年度初頭にHOYAはペンタックスを吸収合併し、国内体制を整備すると共に、本年8月にはチェコ共和国のメガネガラスレンズ販売会社Dioptra CZ社を買収するなど海外体制を強化している。HOYAの発表(Aug.21, 2008)によれば、Dioptra CZ社はチェコ共和国において100年以上の歴史をもつDioptraグル-プの一社で、HOYAとしては、同社を傘下に収めたことにより、欧州内の有望市場でありながら、これまで拠点がなかった地域に直接進出することとなる。

 チェコ共和国においては、経済成長による個人消費の増加に伴って累進レンズおよび、より快適な視力が得られる薄型・反射防止コートなどの高付加価値レンズの需要が増加すると予測されるが、HOYAは、既に日本を始め他の欧州、北米、アジアで高い実績を有し、今次買収によってチェコ市場におけるHOYAビジョン製品の拡販を期している。

 翻ってHOYAは次の7つのコア技術を錬磨してきた。
(1)  組成技術
(2)  ガラス熔解技術
(3)  成型技術
(4)  研磨技術
(5)  薄膜技術
(6)  光学設計
(7)  微細加工技術

HOYAは上記コア技術を応用した既存事業の水平展開や、既存事業とは異なる新分野の開拓を進め、HOYAの将来の成長を支える事業の種を育てている。例えば、
(1)  立方晶炭化ケイ素デバイス
(2)  ナノインプリント
(3)  生体置換型有機無機複合人工骨
(4)  スキャニングファイバ内視鏡

HOYAの売上高・生産高ともに海外の割合が国内を上回り、最適地生産と最適地販売の観点から、日本国内に捉われることなく経営資源を投入すると共に、生産・販売のグローバル化だけでなく、世界各地域の文化や風俗を尊重する経営を行い、現地法人のトップには現地の人材を採用するなど、人材のグローバル化を進めているが、内閣知財戦略本部の「知財人材育成計画」も、国内人材から海外現地人材に対象を及ぼすことが極めて重要と、SANARI PATENTは考える。
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HOYA、メガネガラス、チェコ共和国、立方晶炭化ケイ素、ナノインプリント

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2008年9月6日土曜日

SDK (Showa Denko) to Establish Joint Venture in Shanghai

SDK (Showa Denko) to Establish Joint Venture in Shanghai, for Strengthening Sales of High Performance Liquid Chromatography Columns
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 昭和電工と昭光通商(昭和電工の連結子会社)は、高速液体クロマトグラフ用カラムの中国における販売体制強化のため、上海に合弁会社を設立し、本年12月からその業務を開始すると発表した(Sept.3, 2008)。
 最近中国において、食品中の残留農薬を測定し分析する需要が大幅に伸長していることに対応する。
 昭和電工はポリマー系カラムを得意としているが、「ポリマー系カラムは、シリカ系に比べて、分析ニーズに応じて粒子表面を変化させることが容易であり、顧客の要望に応じた各種カラムを用意することが可能であるので、昭和電工の化学合成技術の強みを活かし、800種以上のポリマー系カラムをラインアップしている」と説明している。

 丁度、昭和電工から「昭和電工グル-プのオンリーワン・ナンバーワン製品・技術」と題する高橋恭平同社社長インタビュー記事が届いたので、「間口の広い」昭和電工の業務内容(SANARI PATENT要約)を考察する。

1. 昭和電工のNo.1およびOnly One製品
1-1 電気製鋼炉用の高品質大口径(30、32インチ)人造黒鉛電極は、世界No.1のシェアである。製鉄所の電炉では、大電力で数千度発熱しスクラップ鉄を熔融するが、消耗品であり、需要が大きい。
1-2 自動車のエアコンプレッサ用やエンジンのピストン用のアルミニウム鋳造品を製造しているが、極めて微細な合金組成を実現したアルミニウムの鋳造棒は、世界Only Oneの昭和電工開発技術である。
1-3 レーザービームプリンタの感光ドラム用アルミニウムシリンダは、昭和電工が世界販売シェアNo.1である。
1-4 パップ剤の基剤となる化学製品・ポリアクリル酸ソーダ(肌に貼る薬剤入り粘着部分の材料)でも、昭和電工のシェアはNo.1である。
1-5 発光アイオードについて昭和電工は、素子そのものを生産しているが、一つのLEDランプがフルカラーを発光できる素子をラインアップしているのは、昭和電工だけである。
1-6 最強力磁石を作るための「レアアース磁石合金」の生産でも、国内トップである。
1-7 垂直磁気記録方式を、昭和電工が世界で初めて商品化した。

2. SANARI PATENT所見
2-1 佐成重範弁理士が経済産業省(元通産省)に勤務し始めた頃の昭和電工は、アルミニウムとアンモニアの製造会社であった。現在は「石油化学事業部門」(アジア最強の競争力をもつ大分コンビナートでロッケト燃料、エネルギー期待水素も)、「化学品事業部門」(アンモニア、硫安、高純度ガス、安定化ビタミンC)、「無機事業部門」(人造黒鉛、アルミナ、カーボンナノチューブ)、「アルミニウム事業部門」(高純度アルミ箔、アルミ缶)、「エレクトロニクス事業部門」(ハードディスク)を擁する間口の広い事業体である。
2-2 社内に27のテクノロジプラットフォームをもち、部門の壁を超えてアクセスする体制が、基礎技術の融合による合理的(高費なM&Aに依存しない)開発、新製品創造を実現していると見られる。
2-3  上記1-6のレアアース磁石の原料は、中国にしか産出しないとのことで、わが国先端産業ののために、今次昭和電工発表による中国との連携の深まることの意義も大きいと考える。
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Liquid Chromatography 、Column、SDK、昭和電工、人造黒鉛電極、上海

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2008年9月5日金曜日

DNP Display Solutions: Focused on Future of IT Oriented Societies

DNP(Dai Nippon Printing Co.) Display Solutions: Focused on The Future of IT Oriented Societies:DNPのレリーフグラム(高輝度・高精細ホログラム)販売開始の広汎な意義
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 商品やコンテンツの感性価値を高めるため、また模倣品対策などのセキュリティのため、ホログラムの高輝度・高精細化が進み、優位な識別子として意匠・商標としても活用されつつある。既に欧米主要国ではホログラムが商標権登録の対象とあれ、中国・韓国も同様立法を準備中であるが、わが国はこれからその検討に入るという、知財制度の後進性の一つの面(他の面は例えばデジタルコンテンツ流通における著作権対応)を示しているとSANARI PATENTは考える。

 一方、わが国企業のホログラム技術開発は先導的であり、このたびDNPが発表(Sept.1. 2008)した「大日本印刷 高輝度・高精細で立体画像を浮き立たせて見せるホログラム「レリーグラム」の販売開始」も、その事例である。先ず発表の内容(SANARI PATENT要約)を考察する。

1. DNPの今次発表
1-1 DNPは、EB(電子線:Electron Beam)描画方式で作成し、高輝度・高精細で、立体画像を浮かび上がったように見せるレリーフ調のハイセキュリティ・ホログラム「レリーフグラム」を開発した。本月から販売を開始する。
1-2 レリーフグラムは、平面上に微細な凹凸を形成することによって、三次元CGのデータを立体像として浮き立たせるDNP独自の技術「スクラッチ3D」をホログラム向けに応用したものである。この「スクラッチ3D」とは、平滑な面に立体を浮かび上がらせて見せる技術であって、通常、平滑な面に光を当てると、光は正対する方向に正反射するが、面に細かい溝を付けることにより光は散乱し、溝の向きによって反射する方向が変化することを応用するものである。「スクラッチ3D」では、溝の向きを詳細に制御することにより立体形状を高精細に浮かび上がらせる。
1-3 最近、模倣品対策などのセキュリティ用途としても利用が伸びているホログラムは、高い偽造防止効果と、目視による真贋判定の容易さに加えて、見た目の新規性が評価されている。従来のホログラムと比べてレリーフグラムは、高度なセキュリティ性と意匠性を合わせ持ち、高輝度・高精細・立体的演出性を合わせ有する。
1-4 レリーフグラムは、透明タイプのレリーフグラムにも最適である。従って今後、社員証などのID証、金券類、クレジットカード等の偽造防止用途や、様々な商品のブランド保護用途に拡販可能である。

2. SANARI PATENT所見
DNP技術の知的財産保護(模倣品識別)、同定セキュリティ、ブランド感性高度化、コンテンツ革新などへの寄与については、上記レリーフグラムのほか、次の事例が注目される。
2-1 岩波書店と共同して辞書などの出版コンテンツ向けネットワーク型出版編集支援システムを開発した。
2-2 ソニーケミカル・インフォメーションデバイスがグローバルに展開している熱転写インクリボン事業を、DNPが承継する。
2-3 DNPが運営する電子書籍販売サイトで、フロートが制作するコンテンツをケータイ向けに配信している。
2-4 液晶テレビ用カラーフィルタを、シャープおよびIPSアルファテクノロジーに供給する。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
DNP、ホログラム、レリーフグラム、岩波、シャープ

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2008年9月4日木曜日

METI Guideline For Securing The Continuity of IT Service

METI Guideline For Securing The Continuity of IT Service:経済産業省が「ITサービス継続ガイドラインを発表(Sept.3, 2008)
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 経済産業省が昨日、「ITサービス継続ガイドライン」を発表した。その冒頭に、「企業にとって事業継続の重要性は益々増大している」とあるが、「事業継続」の前に、「企業が依存するITシステムの」のフレーズを入れることが一般向けには親切である。企業にとって「その事業の継続の重要性が」と読む中小企業があっては、見当違いになる。

 IT技術の急速な進歩を活用することに、あらゆる業種や行政機能が知能を尽くしてきたから、依存するITサービス事業者の事業継続性は当然の前提として意識下に置かれてきた。しかし、IT活用が高度化し、それへの依存度が高くなるほど、依存するITサービス事業者のサービス継続性は、ユーザー企業の継続自体に影響する決定的要素になる。

 SANARI PATENTは上記のように認識するので、今次経済産業省発表は極めて時宜に適する有益かつ不可欠な行政措置として高く評価する。以下にその内容(SANARI PATENT要約)を考察する。

1. IT依存の潜在リスク
1-1 ITへの依存関係が急速に増大している現状においては、その潜在リスクや依存関係に起因する脆弱性を認識することが重要である。利便性を優先して、このリスクに能動的に対応しない場合、なんらかのIT阻害に起因して、ITサービスに依存している個別組織(SANARI PATENT注:原文は「ITに依存している」としているが、ITには企業内部で構築したシステムと、外部企業に依存するITサービスの両者があるから、「ITサービスに依存している。」、さらに精確には「外部ITサービス」ということが、一般向けには親切である)の業務や、その組織が提供する商品・サービスの利用者、さらにはサプライチェーンやネットワークを介して、国内外の社会経済にまで影響を及ぼすことになる。また、実際に、このような事例が発生している。
1-2 ITサービスの継続性を確保することは、必ずしも事業継続性を担保するものではないが、IT依存関係の増加傾向を考えれば、事業継続マネジメント(BCM)の中からITの要素を取り出して、ITサービスのマネジメント体制を事故前提の考え方に基いて構築・維持することは、これからの安心・安全な社会実現のため必要不可欠である。

2. ITサービスの内容
2-1 ITサービスは、組織における業務の遂行に際して必要となるITおよびITに関連する体制の組合せによって提供される機能である。具体的には、財務会計システム、生産管理システム、顧客管理システムなどの基幹システムに加えて、電子メールシステム、入館システム、スケジューラなどのシステムが提供する機能もITサービスに含まれる。
2-2 ITサービスとは、組織内のユーザーに対して提供あれるサービスに着眼した概念であり、企業が自ら構築したシステムにより提供されるものか、外部のサービスプロバイダを利用するものかを区別する必要はない(SANARI PATENT考察:確かに概念としては区別する必要がないが、サービス事故への対応は全く異なるから、分別してガイドラインを編集することが望まれる)。

3. 今次ガイドラインの構成
「ITサービス継続マネジメント」、「管理項目」、「参照基準」の3章で構成し、細説している。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
METI Guideline、ITサービス継続、ガイドライン、事業継続マネジメント、BCM

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2008年9月3日水曜日

Fusion of Music, Movies, TV, Games and Electronics

World of Sony is the Fusion of Music, Movies, TV, Games and Electronics. : 「さらなる高画質化を実現したプレステポータブル発売」をSony発表(Sept.2, 2008)
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1. Sonyの個性
1-1 SonyのAnnual Report 2008が届いた。94ページに及ぶ詳報であるが、「ハードウェアとコンテンツを合わせてもつSony」の個性(優位性)が、「2007年度売上高8兆8714億円(対前年度比6.9%増)、営業利益3745億円(5.2倍)の達成」、「ユーザーのニーズを先取りした高品質製品・サービス・コンテンツの提供」に発揮されていることを具体的に説明している。
1-2 昨日もSonyは、「さらなる高画質化を実現したPSP「プレイステーションポータブル](PSP-3000)の2008年10月16日発売、希望小売価格税込19,800円」、「防水対応でお風呂でも楽しめるワンセグやラジオが楽しめる最大23時間のワンセグ視聴を実現したお風呂ワンセグ発売」、「ハイビジョン放送対応のスカパー!用デジタルCS放送受信セットを発売」の3件を発表したが、例えばPSP3000は、本体カラー「ピアノ・ブラック」に加え、新色の「パール・ホワイト」、「ミスティック・シルバー」の基本3色で展開するとしており、「感性」価値にも配意されている。
1-3 Sonyの米国SiteのHead Lineは、「World of Sony: Music, Movies, TV, Games, Electronics」と示しているが、企業ブランドと商品ブランドの双方が、コンテンツ・ハード・ソフトの各高品質イメージの相乗によってグローバルに高揚されていると、SANARI PATENTは考える。

2. Sony今次レポートの注目事項(SANARI PATENT要約)
2-1 グローバルなビジネス拡大
Sonyの売上高の74%は、従来の販売拠点、日本・北米・欧州の成熟市場に3当分されているが、加速的経済成長中のBRICs4国(世界人口の40%以上)、特にインドでは既にSonyの映画、テレビ、音楽コンテンツの強力な存在感がエレクトロニクスビジネスへの波及効果も生み出しているので、この成功モデルを他のBRICs諸国や新興市場に活用する。2007年度SonyのBRICs1兆円売上高実績を、2010年度までに2兆円とする。
2-2 オープンイノベーション
研究開発の効率を最大限に高めるため、Sonyの研究開発部門の再編成に加えて、オープンイノベーションというコンセプトのもと、社内外の先進技術の活用を加速している。
2-3 世界初の有機ELテレビ発売(Dec.2007)
 11V型で最薄部3mmのディスプレイ、100万対1以上のコントラスト、輝度、色再現性、動画性能により新たな映像美を実現した。
2-4 液晶パネルでシャープと提携(Feb.2008)
 大型液晶パネルを生産するシャープとの合弁会社設立を発表し、2009年度中に業界初の第10世代マザーガラスを採用する液晶パネル工場を稼働させる。
2-5 FIFA Partnershipによるグローバル・ブランディング
 Sonyは国際サッカー連盟とグローバルなパートナーシップ契約を締結し、新しいビジネスの構築、世界におけるSonyブランドの強化・拡大を図ることとした。
2-6 Transfer Jetの開発
 「超近接無線転送技術」として、モバイル端末に搭載可能である。
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Sony、プレステ、ワンセグ、感性、BRICs、シャープ

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2008年9月2日火曜日

Microsoft and Nikon Enter Into Patent Cross Licensing

Covering Broad Range of Digital Products, Microsoft and Nikon Enter Into Patent Cross Licensing Agreement :Microsoft・Nikonクロスライセンス
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Sub Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog 資源需給対応の経済産業省来年度予算要求拡大:特許特別会計は今年と同額
Sub Site http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 「今次産業構造審議会」「バイオ燃料慎重論」
Sub Site http://sanaripat.exblog.jp/ 東アジア産業大動脈構想

 知財戦略には、国家知財戦略(例えばわが国の内閣知財戦略本部)と企業知財戦略があるが、企業がいわゆる多国籍企業ないしグローバル企業である場合、その生産額は多くの国のGDPを凌駕し、国境を超える世界市場占有とデファクト国際標準化能力を発揮する。そしてこの場合、国境を超えた知的財産権のクロスライセンスが強固な国際法的基盤を構築する。

 Redmond, Wash, and Tokyo(Aug 28, 2008)の「Microsoft and Nikon Enter Into Patent Cross-Licensing 」発表は、様々な立場からの関心を集めたが、SANARI PATENTは上記のグローバル企業間クロスライセンスの意義という視点から、その成果に注目する。

1. 上記発表の内容(SANARI PATENT要約)
1-1 MicrosoftとNikonは、両社の製品開発を促進するため、特許のクロスライセンス契約を締結した。この契約は、Nikonのデジタルカメラおよび両社が製造・販売するその他の消費者向け製品を広範囲に対象とするものであり、米国ワシントン州レッドモンドのMicrosoft本社にて、両社の代表者により署名された。契約内容の詳細については非公開である。(SANARI PATENT考察:「詳細については非公開」は当然で、一般的にクロスライセンス契約には「包括的クロスライセンス」「限定クロスライセンス」「ライセンス料全額相殺クロスライセンス」「特許価値差額決済クロスライセンス」「特許出願中発明を包含するクロスライセンス」などの態様があり、その選択は企業知財戦略の核心の一つである。)
1-2 MicrosoftとNikonは、無線機能付きカメラやRAWデータ(SANARI PATENT注:デジカメ内部で未処理の画像データ)処理技術等、高品質の最先端製品を市場に送り出すため、長期間にわたり協力関係を築いてきた。両社は今次クロスライセンス契約により、互いの技術を導入し、新しい機能や製品を市場に提供できる。
1-3 MicrosoftのRich Media Group担当DirectorであるMr. Josh Weisbergは次のように述べている。「この契約により、これまで成功を収めているNikonとの協力関係を更に延長・強化することにより、我々は顧客に対して更に良い製品を提供することができる。」
1-4 またMicrosoftの知的財産およびライセンス担当Vice PresidentであるMr.
Mr. Horacio Guitierrezは次のように述べている。「この契約は、業界のリーダ達が知的財産権のライセンスを通してどのように協力関係を構築してゆくべきかという素晴らしい事例に一つであり、最終的には消費者の利益となる革新をもたらす。Microsoftは、Microsoftの広汎かつ膨大な特許ポートフォリオの品質に誇りを持つと共に、Nikonもような業界リーダと協業できることを喜んでいる。」

2、SANARI PATENT所見
   野村証券・東洋経済の会社四季報によれば、Nikonの海外比率は75%、一眼レフカメラでキャノンと双壁で、ブランド力が強い。半導体、液晶製造用露光装置でも世界的。」
   Microsoftの業容については、aspara.com(Jun.28, 2008)が、年間売上高5兆5000億円、当期利益1兆5000億円と示し、グーグルの各1兆7000億円および7400億円、ヤフーの各7400億円および640億円などと対照している。
   両社の知的財産と世界市場優位の相乗が、今次クロスライセンスによって更に展開する影響に注目する。
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Microsoft、Nikon、クロスライセンス、RAWデータ処理、キャノン

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2008年9月1日月曜日

Transfiguration of SHOEI as an Investment Company

Historical Transfiguration of SHOEI as an Investment Company Creating New Forms of Value: 生糸名門から投資価値展開に昭栄創業123年
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 昭栄の中間報告書(Jan.1~Jun.30, 208)が届いた。その証券コード3003は3001の片倉工業、3002のグンゼ、3004の神栄、3005欠番の中央に位置して、高齢者投資愛好家にとっては生糸商品取引の妙味とイメージが重なり、また若壮年層にとっては「投資により新たな価値を創る」魅力を備えた、業歴123年(株式会社化からは77年)の強靱な企業である。

 今次報告書の冒頭に渡辺健二社長が、「昭栄の新中期計画のスタートは、世界金融市場の混乱や資源エネルギー価格高騰など厳しい環境となり、回復基調にあった不動産市場にも空室率の上昇や賃料の伸び悩みなど調整色が加速した。昭栄は、棚卸資産の前倒し売却や保有有価証券の」一部早期売却・減損処理などにより市況変化に対処する一方、将来の収益基盤作りとして、開発案件を中心に投資を進めている(SANARI PATENT要約)」と述べたが、業績は連結売上高前年同期比1.63倍、営業利益2.39倍と著増している。

 上記昭栄の中期計画は、先の読み難い新たな景気ステージに入ったとの判断に基づいて、不動産、株式、資金調達の3つの市場とも、従来対比不確実性を増しているとの認識にもとで、自社の強みを活かしながら着実に対応策を実施し、期間収益の確保と収益基盤拡大を両立する計画であるが、昭栄がフィールドとする3つの市場がいずれも、グローバルな経済不安の現況を将来したことを考えると、主要国政府の政策の限界のもとで、これら3市場を現実に動かす企業の適格な判断・行動と、それによるこれら企業の着実な発展が業界と民心の安定のために極めて重要であることを、改めて認識させられる。

 そこで昭栄の今次業績を更に具体的に見る。
(1)不動産事業では、資産入替、開発強化、非連結SPC(SANARI PATENT注:特定目的会社:Special Purpose Company)投資、Property Management業務の強化を基本戦略として、持続的な安定成長と将来の収益基盤の拡大を進めている。
(2)投資については、中期計画の3年間で600~800億円の投資を予定し、既に201億円の投資を実施した。例えば千代田区の東亜建設本社ビルを取得して再開発し、当面、東亜建設にリースバックし、更に開発を計画する。
(3)開発案件については、西新井駅西口A街区開発を本年5月着工のほか、北鎌倉有料老人ホーム、虎ノ門1丁目開発、淡路町2丁目開発等。

 いま手元に、株式会社クルードのビジネスレポート(Jun.1, 2007~May 31, 2008)も届いているが、「不動産市場は軟化し、売り手としては厳しい状況になったが、買い手としては割安な投資機会が存在する環境となった」と述べ、投資リターンとリスク軽減のバランスに経営戦略を発揮している。リードは、グローバル機関投資家の日本不動産市場への意欲に注目しているが、丁度、森ビルの「上海環状金融中心」のプレスレビュー(Aug.28, 2008)の模様が内外の注目を集めた。

 昭栄の変容を重ねた業務展開のノウハウを貴重な知財として考察すると共に、その外延の広さを含めて、わが国企業の新たな事業モデルを開発することが必要と、SANARI PATENTは考える。
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Transfiguration、昭栄、生糸、不動産、クリード、上海環状金融中心

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