2008年9月2日火曜日

Microsoft and Nikon Enter Into Patent Cross Licensing

Covering Broad Range of Digital Products, Microsoft and Nikon Enter Into Patent Cross Licensing Agreement :Microsoft・Nikonクロスライセンス
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 知財戦略には、国家知財戦略(例えばわが国の内閣知財戦略本部)と企業知財戦略があるが、企業がいわゆる多国籍企業ないしグローバル企業である場合、その生産額は多くの国のGDPを凌駕し、国境を超える世界市場占有とデファクト国際標準化能力を発揮する。そしてこの場合、国境を超えた知的財産権のクロスライセンスが強固な国際法的基盤を構築する。

 Redmond, Wash, and Tokyo(Aug 28, 2008)の「Microsoft and Nikon Enter Into Patent Cross-Licensing 」発表は、様々な立場からの関心を集めたが、SANARI PATENTは上記のグローバル企業間クロスライセンスの意義という視点から、その成果に注目する。

1. 上記発表の内容(SANARI PATENT要約)
1-1 MicrosoftとNikonは、両社の製品開発を促進するため、特許のクロスライセンス契約を締結した。この契約は、Nikonのデジタルカメラおよび両社が製造・販売するその他の消費者向け製品を広範囲に対象とするものであり、米国ワシントン州レッドモンドのMicrosoft本社にて、両社の代表者により署名された。契約内容の詳細については非公開である。(SANARI PATENT考察:「詳細については非公開」は当然で、一般的にクロスライセンス契約には「包括的クロスライセンス」「限定クロスライセンス」「ライセンス料全額相殺クロスライセンス」「特許価値差額決済クロスライセンス」「特許出願中発明を包含するクロスライセンス」などの態様があり、その選択は企業知財戦略の核心の一つである。)
1-2 MicrosoftとNikonは、無線機能付きカメラやRAWデータ(SANARI PATENT注:デジカメ内部で未処理の画像データ)処理技術等、高品質の最先端製品を市場に送り出すため、長期間にわたり協力関係を築いてきた。両社は今次クロスライセンス契約により、互いの技術を導入し、新しい機能や製品を市場に提供できる。
1-3 MicrosoftのRich Media Group担当DirectorであるMr. Josh Weisbergは次のように述べている。「この契約により、これまで成功を収めているNikonとの協力関係を更に延長・強化することにより、我々は顧客に対して更に良い製品を提供することができる。」
1-4 またMicrosoftの知的財産およびライセンス担当Vice PresidentであるMr.
Mr. Horacio Guitierrezは次のように述べている。「この契約は、業界のリーダ達が知的財産権のライセンスを通してどのように協力関係を構築してゆくべきかという素晴らしい事例に一つであり、最終的には消費者の利益となる革新をもたらす。Microsoftは、Microsoftの広汎かつ膨大な特許ポートフォリオの品質に誇りを持つと共に、Nikonもような業界リーダと協業できることを喜んでいる。」

2、SANARI PATENT所見
   野村証券・東洋経済の会社四季報によれば、Nikonの海外比率は75%、一眼レフカメラでキャノンと双壁で、ブランド力が強い。半導体、液晶製造用露光装置でも世界的。」
   Microsoftの業容については、aspara.com(Jun.28, 2008)が、年間売上高5兆5000億円、当期利益1兆5000億円と示し、グーグルの各1兆7000億円および7400億円、ヤフーの各7400億円および640億円などと対照している。
   両社の知的財産と世界市場優位の相乗が、今次クロスライセンスによって更に展開する影響に注目する。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Microsoft、Nikon、クロスライセンス、RAWデータ処理、キャノン

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