2008年8月31日日曜日

Generation of Paradigm Shift and Paradigm Float Mix

Patent Strategies for the Generation of Paradigm Shift and Paradigm Float Mix: パラダイムシフトとパラダイムフロートがミックスする次世代産業構造と知財戦略
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 わが国に今の政治家は、「産業構造改革」という言葉を表立てていないように見える。資源需給の変革や新興国の発展は次世代に向けてのパラダイムシフトとして、これに対応する産業構造の革新が必要であるが、「産業構造の革新」には消滅ないし著変する産業分野の痛みを伴うから、その救済策なしに政策として掲げることが躊躇われるのであろう。

 新興国の発展はグローバルな不可逆的パラダイムシフトとして「仮想的世界特許庁」構想など、知財分野においても世界特許体制の変革が求められる。一方、資源需給と価格高騰は、知財戦略の立場からもパラダイムシフトのように見えるが、原油価格の最近の低下に見るように、可逆的・不動的なパラダイムフロートのようにも見える。

 丁度、野村証券の資産管理誌Sept 2008が届いたが、代エネ知財開発の目標の一つであるバイオ燃料について次のような記述がある(SANARI PATENT要約)
「バイオ燃料には、慎重論が拡がっている。世界的なインフレ上昇は、バイオ燃料向け需要の増加に伴う食品価格急騰に起因していると見做されている。英国では、輸送に占めるバイオ燃料の比率を2010年までに5%に引き上げることを法制化したが、これを2013年に先送りする模様である。今後は、食品と競合しない原材料によるバイオ燃料開発が加速すると見られるが、バイオ燃料の優先順位が低下するリスクが高まっている。」

 SANARI PATENTは更に、同誌の原油価格変動要因の分析に注目し、資源の需給と価格変動はパラダイムシフトというよりもパラダイムフロートとして認識し、産業構造改革もパラダイムシフトとパラダイムフロートの双方に対応すべきであることを強調する。以下、上記の同誌分析(SANARI PATENT要約)を考察する。

1. 今後の原油安要因
1-1 景気減速による原油需要の減少
1-2 原油市場から金融市場への資金回帰
1-3 原油生産能力拡大の進展
1-4 北半球での暖冬
1-5 代替エネルギーへのシフト加速
1-6 オイルサンドなどの開発
2 今後の原油高要因
2-1 金融市場から原油市場への一部資金流入
2-2 景気拡大による原油需要の増加
2-3 原油生産枠の据え置き
2-4 北半球での厳冬
2-5 事故による製油所の稼働率低下
2-6 石油生産設備の老朽化
2-7 地政学的リスクの高まり
2-8 オイルマネーの主要国への還流が金融市場安定化をもたらし、リスク資産に資金が流入
2-9 年金基金等が商品市場に流入
2-10 ドル安の進行によるドル建て原油の割安感

3.上記同誌の見通し
3-1 原油価格が7月11日に147ドルに達した後、8月18日には112ドルとなり、20%超下落した。7月11日までは、「IEAが中期的原油需給の逼迫増大の見方を公表」「米国原油在庫減少」「イスラエルのイラン施設攻撃懸念」「ナイジェリア石油施設への攻撃活発化」「ドル安」などが作用した。その後、「7月15日、FRB議長の米国景気下振れ危険性指摘」「OPECの日量2マンバーレル増産決定」「米国議会の国際商品投資制限法案」「米国上院の、直接需要家以外者の原油先物取引規制法案」「金融不安再燃による資金調達の厳格化」などが作用した。
3-2 では、原油価格はこのまま続落するか。「米国景気の回復」「石油増産能力の限界」などにより、100ドルを若干下回る水準が現状の需給等を反映した底値圏と試算される。来年中に120ドルを超える展開も予想される。

4.SANARI PATENT所見
  上記野村証券資料はパラダイムシフトを論ずる目的のものではないが、それ故に却って、その「100ドル以下ないし147ドル超の変動往復の可能性見通し」は、原油価格がパラダイム要素としては極めて浮動的であることを強く印象づける。
   代エネ、省エネの知財開発が続くが、その「産業的利用可能性」は、原油価格というグローバルな経済機構のパラダイムのパラダイムフロートによって変動することを認識すべきである。
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Paradigm Shift、Paradigm Float、パラダイムシフト、新興国、バイオ燃料

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