2008年8月30日土曜日

Disparity of Patent Income between Japan-USA Universities

Disparity of Patent Income between Japan-USA Universities:「特許収入が米国大学の150分の1」とaspara.comが解説
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 特許出願件数は日米比肩しているが、大学の特許収入は、日本は米国の150分の1と著しい格差を示していることなど、aspara.com(Aug.28, 2008)が詳述したことは、内閣知財戦略本部の年次成果報告には余り記載されていない内容で、熟読再考すべき示唆に富むものである。以下その内容(SANARI PATENT要約)を考察する。

1. 具体的事例(筆者の一人・佐藤久恵氏述)
1-1 「大学に特許は必要か」と大学の知財担当者に尋ねると、しばしば挙例されるのが米国Stanford大学のコーエンとCalifornia大学のボイヤー共同発明の特許権である。Stanford大学の技術移転機関が特許を管理し、1997年の特許期限満了までに450超の企業にライセンスされ、大学に2億5000万ドル以上の収入をもたらした。
1-2 このように大きな成果が多発するのではない。研究と教育を主たる使命とする大学と特許の関係には多くの課題がある。ある研究者は、「本当のBig Scienceなら市場が追随するので、特許より先ず基礎研究で成果を挙げることが重要」と、iPS細胞を引用しつつ語った。

2.  一方、わが国大学の2007年度特許出願は9869件で、2003年度の2462件から著増しているが、大学予算の制約も考え,製品化を見据えた出願に限定する絞り込みの方向性が顕れている。 民間事務所などを通じて特許出願すると1件約40万円を要し、特許が登録されて20年間維持すると、計350万円必要だという。大阪大学では今年度から例年約100件の大学単独国内出願を厳選し半減する方針である。

3. わが国の大学の特許による収入は2007年度約7億7000万円で、米国の1200億円超の150分の1以下である。大学別には、名古屋大学1億0571万円、東京大学8668億円、大阪大学4748億円、日本大学4612億円、慶応大学4259億円が上位で、マサチューセッツ工科大学単独で70億円に比べると格差が大きい。

4. 「大学特許は弱い」と日本で言われる実態を医薬品特許について見ると、大学特許は企業特許に比べて物質特許が用途特許より比率が小さく、また物質特許の内容を見ても、新たな物質の合成、化学構造の特定、明細書記載物質数のいずれにおいても、企業出願に比べて比率が小さい。

5. SANARI PATENT所見
5-1 上記2の出願経費については、大学教育において特許出願実務を必須とし、本人出願を原則とすることが効率的である。
5-2 上記3の慶応大学については、佐成重範弁理士の記憶では2億円超で、文部科学省の数字が過少と考える。「大学の特許出願は本当に役に立ち、製品化できるものに限るべきだ」という指摘も記載されているが、佐成重範弁理士はこの見解には反対する。自己出願により軽費で、実用見込時期不明でも将来可能性ある特許出願を積極的に幅広く行うべきである。
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大学、特許収入、名古屋大学、東京大学、大阪大学、日本大学、慶応大学

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