2008年9月6日土曜日

SDK (Showa Denko) to Establish Joint Venture in Shanghai

SDK (Showa Denko) to Establish Joint Venture in Shanghai, for Strengthening Sales of High Performance Liquid Chromatography Columns
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 昭和電工と昭光通商(昭和電工の連結子会社)は、高速液体クロマトグラフ用カラムの中国における販売体制強化のため、上海に合弁会社を設立し、本年12月からその業務を開始すると発表した(Sept.3, 2008)。
 最近中国において、食品中の残留農薬を測定し分析する需要が大幅に伸長していることに対応する。
 昭和電工はポリマー系カラムを得意としているが、「ポリマー系カラムは、シリカ系に比べて、分析ニーズに応じて粒子表面を変化させることが容易であり、顧客の要望に応じた各種カラムを用意することが可能であるので、昭和電工の化学合成技術の強みを活かし、800種以上のポリマー系カラムをラインアップしている」と説明している。

 丁度、昭和電工から「昭和電工グル-プのオンリーワン・ナンバーワン製品・技術」と題する高橋恭平同社社長インタビュー記事が届いたので、「間口の広い」昭和電工の業務内容(SANARI PATENT要約)を考察する。

1. 昭和電工のNo.1およびOnly One製品
1-1 電気製鋼炉用の高品質大口径(30、32インチ)人造黒鉛電極は、世界No.1のシェアである。製鉄所の電炉では、大電力で数千度発熱しスクラップ鉄を熔融するが、消耗品であり、需要が大きい。
1-2 自動車のエアコンプレッサ用やエンジンのピストン用のアルミニウム鋳造品を製造しているが、極めて微細な合金組成を実現したアルミニウムの鋳造棒は、世界Only Oneの昭和電工開発技術である。
1-3 レーザービームプリンタの感光ドラム用アルミニウムシリンダは、昭和電工が世界販売シェアNo.1である。
1-4 パップ剤の基剤となる化学製品・ポリアクリル酸ソーダ(肌に貼る薬剤入り粘着部分の材料)でも、昭和電工のシェアはNo.1である。
1-5 発光アイオードについて昭和電工は、素子そのものを生産しているが、一つのLEDランプがフルカラーを発光できる素子をラインアップしているのは、昭和電工だけである。
1-6 最強力磁石を作るための「レアアース磁石合金」の生産でも、国内トップである。
1-7 垂直磁気記録方式を、昭和電工が世界で初めて商品化した。

2. SANARI PATENT所見
2-1 佐成重範弁理士が経済産業省(元通産省)に勤務し始めた頃の昭和電工は、アルミニウムとアンモニアの製造会社であった。現在は「石油化学事業部門」(アジア最強の競争力をもつ大分コンビナートでロッケト燃料、エネルギー期待水素も)、「化学品事業部門」(アンモニア、硫安、高純度ガス、安定化ビタミンC)、「無機事業部門」(人造黒鉛、アルミナ、カーボンナノチューブ)、「アルミニウム事業部門」(高純度アルミ箔、アルミ缶)、「エレクトロニクス事業部門」(ハードディスク)を擁する間口の広い事業体である。
2-2 社内に27のテクノロジプラットフォームをもち、部門の壁を超えてアクセスする体制が、基礎技術の融合による合理的(高費なM&Aに依存しない)開発、新製品創造を実現していると見られる。
2-3  上記1-6のレアアース磁石の原料は、中国にしか産出しないとのことで、わが国先端産業ののために、今次昭和電工発表による中国との連携の深まることの意義も大きいと考える。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Liquid Chromatography 、Column、SDK、昭和電工、人造黒鉛電極、上海

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