DNP Display Solutions: Focused on Future of IT Oriented Societies
DNP(Dai Nippon Printing Co.) Display Solutions: Focused on The Future of IT Oriented Societies:DNPのレリーフグラム(高輝度・高精細ホログラム)販売開始の広汎な意義
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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商品やコンテンツの感性価値を高めるため、また模倣品対策などのセキュリティのため、ホログラムの高輝度・高精細化が進み、優位な識別子として意匠・商標としても活用されつつある。既に欧米主要国ではホログラムが商標権登録の対象とあれ、中国・韓国も同様立法を準備中であるが、わが国はこれからその検討に入るという、知財制度の後進性の一つの面(他の面は例えばデジタルコンテンツ流通における著作権対応)を示しているとSANARI PATENTは考える。
一方、わが国企業のホログラム技術開発は先導的であり、このたびDNPが発表(Sept.1. 2008)した「大日本印刷 高輝度・高精細で立体画像を浮き立たせて見せるホログラム「レリーグラム」の販売開始」も、その事例である。先ず発表の内容(SANARI PATENT要約)を考察する。
1. DNPの今次発表
1-1 DNPは、EB(電子線:Electron Beam)描画方式で作成し、高輝度・高精細で、立体画像を浮かび上がったように見せるレリーフ調のハイセキュリティ・ホログラム「レリーフグラム」を開発した。本月から販売を開始する。
1-2 レリーフグラムは、平面上に微細な凹凸を形成することによって、三次元CGのデータを立体像として浮き立たせるDNP独自の技術「スクラッチ3D」をホログラム向けに応用したものである。この「スクラッチ3D」とは、平滑な面に立体を浮かび上がらせて見せる技術であって、通常、平滑な面に光を当てると、光は正対する方向に正反射するが、面に細かい溝を付けることにより光は散乱し、溝の向きによって反射する方向が変化することを応用するものである。「スクラッチ3D」では、溝の向きを詳細に制御することにより立体形状を高精細に浮かび上がらせる。
1-3 最近、模倣品対策などのセキュリティ用途としても利用が伸びているホログラムは、高い偽造防止効果と、目視による真贋判定の容易さに加えて、見た目の新規性が評価されている。従来のホログラムと比べてレリーフグラムは、高度なセキュリティ性と意匠性を合わせ持ち、高輝度・高精細・立体的演出性を合わせ有する。
1-4 レリーフグラムは、透明タイプのレリーフグラムにも最適である。従って今後、社員証などのID証、金券類、クレジットカード等の偽造防止用途や、様々な商品のブランド保護用途に拡販可能である。
2. SANARI PATENT所見
DNP技術の知的財産保護(模倣品識別)、同定セキュリティ、ブランド感性高度化、コンテンツ革新などへの寄与については、上記レリーフグラムのほか、次の事例が注目される。
2-1 岩波書店と共同して辞書などの出版コンテンツ向けネットワーク型出版編集支援システムを開発した。
2-2 ソニーケミカル・インフォメーションデバイスがグローバルに展開している熱転写インクリボン事業を、DNPが承継する。
2-3 DNPが運営する電子書籍販売サイトで、フロートが制作するコンテンツをケータイ向けに配信している。
2-4 液晶テレビ用カラーフィルタを、シャープおよびIPSアルファテクノロジーに供給する。
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DNP、ホログラム、レリーフグラム、岩波、シャープ
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