2011年3月31日木曜日

林原生物化学研究所の更生手続開始と中国銀行頭取の退任

弁理士 佐成重範 Google検索 SANARI PATENT C Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat Twitter http://twitter.com/sanaripat 研究開発型バイオベンチャーの花型として、株式会社林原生物化学研究所の令名は高かったが、株式会社林原および株式会社林原商事と共に、会社更生法の手続開始対象となった(2011-03-07)。関連して中国銀行は、「当行代表取締役等の異動に関するお知らせ」と題して、「大口与信先(SANARI PATENT注: 上記林原グループ)の破綻という結果に対する経営責任の明確化とあわせて新中期経営計画のスタートを期して経営陣の若返りを図るため」頭取と専務の退任予定を発表した(2011-03-29)。日経(2011-03-30)は、「中国銀頭取が林原破綻で引責」と題し、「中国銀は林原のメーンバンクで、林原グループ3社に454億円の金融債権を持つ。林原グループ3社は、決算を改ざんして金融機関から多額の借入をした経営実態が明らかになった」と報じた。林原3社は「会社更生手続開始決定のお知らせ」と題して、「会社更生手続の申立およびそれに先立つ事業再生ADR手続に関する報道以来、関係者の皆様に方には多大なるご迷惑とご心配をお掛けしましたことを改めてお詫び申し上げます」と述べると共に、「林原の事業は、商品の安定供給に支障を来すこともなく、順調に続けられている」と強調している(2011-03-03)。バイオ分野で多くの業績を挙げてきた林原グループは、会社業歴79年(創業128年)、インターフェロンなど医薬品原料や試薬等の生産で知られ、特許権も多数取得して、利益を不動産投資のほか、研究開発投資に重点傾注してきた。 SANARI PATENT所見林原の業績を再認識すると共に、研究開発を含む投資全体の健全性を保持する方策を改めて考察しつつ、林原の早期更生達成を期待する。 (訂正のご要求は sanaripatent@gmail.com にメール下さい) 

ラベル:

2011年3月28日月曜日

日本エアーテックAIORTECHにおける活況・停滞要因の選別

弁理士 佐成重範 Google検索 SANARI PATENT C Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat Twitter http://twitter.com/sanaripat 環境リスクへの感度が時には過敏にまでも高まり、エアーテック(東証1部)のクリーンルームのうちバイオ関連のDNA鑑定室、不妊治療室などの需要は増え、クリーンルーム機器は、エアーシャワー、大型ファンフィルターユニット、エアカーテン、パッケージドクリーンユニットなど総じて販売増加し、今次報告(2010-01-01~12-31)の業績中では前期比31.7%の増、クリーンブースは国内液晶メーカーと台湾・韓国メーカーの設備投資で同じく34.1%増、新型インフルエンザ対策の感染防止機器のの需要増のほか、薬塵除去装置、無塵衣、無塵棚、静電除去用品の5%増など活況要因が見られたが、同時に、電子部品製造向けのクリーンルームが大幅減、クリーンベンチの需要減(バイオロジカルセーフティキャビネットに移行)などと共に、競争激化による販売価格下落の影響も見られる。エアーテックは、これら諸要因を選別しつつ総合対策を講ずることにより、今次報告では売上高65億7996万円で前期比21.3%の増、営業利益は前年1.3億円の損失から6706万円の利益に転じた。 SANARI PATENT所見先日(2011-03-23)エアーテックが発表した新製品デジタルカタログには、気流可視化装置、卓上排気フード、折り畳みブースなどに、時流に即応する創出がみられる。 (訂正のご要求は sanaripatent@gmail.com にメール下さい) 

ラベル:

2011年3月27日日曜日

東燃ゼネラル石油のエネルギー供給構造高度化法対応

弁理士 佐成重範 Google検索 SANARI PATENT
C Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com
R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat
Twitter http://twitter.com/sanaripat
福島原発大事故発生の2週間後(2011-03-25)に開催された東燃ゼネラル石油の総会報告には、エネルギー供給構造高度化法への対応が特記され、日本のエネルギー需給の在り方を再考する契機になったと思う。その内容(SANARI PATENT要約)は、
1. 東燃ゼネラル石油の業績(2010-01-01~12-31)は、石油製品価格の高水準推移により、売上高は2兆3987億円で前期比13.6%増、営業利益は前期の346億円損失から335億円の利益となった。石油製品事業の営業利益は大幅に改善した。
2. 経済産業省の長期エネルギー需要見通しでは、日本の一次エネルギーにおける石油依存度は、2030年度に至っても全体の3分の1を占める。
3. しかしながら、省エネの推進や石油代替エネルギー資源への転換などにより国内の石油製品需要は減少し続ける。
4. 加えて、新たな規制として、
4-1  2014年に向けて、エネルギー供給構造高度化法に基づく重質油分解装置の装備率基準の達成
4-2  2017年に向けてのバイオ燃料のガソリン含有比率の引き上げ
4-3  地球温暖化対策基本法(案)に基づく温室効果ガス削減、などが考えられる。
5. これらの課題は、日本に限ったものではなく、多くの先進諸国の成熟した社会に共通する。この点において東燃ゼネラル石油には、エクソンモビールグループが海外で培った経験を活かせるという強みがある。
6. 従って東燃ゼネラル石油は今後一層、「原油調達先および製品輸出先の多様化」「精製高率の向上」「サービスステーションでの販売効率の改善」「基礎石油化学品分野のコスト競争力強化」「特殊石油化学品分野の育成」に取組む。
SANARI PATENT所見
昨秋(2010-11)に施行されたエネルギー供給構造高度化法は、正式名称が「エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用および化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律」であることも周知に至っていないが、この際、現時点の環境下で、その意義を再考すべきである。
(訂正のご要求は sanaripatent@gmail.com にメール下さい) 

ラベル:

2011年3月26日土曜日

次世代医薬の核心、抗体医薬に協和発酵キリン取組の基盤技術

弁理士 佐成重範 Google検索 SANARI PATENT
C Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com
R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat
Twitter http://twitter.com/sanaripat
化学合成医薬品の特許切れ集中問題を経て、次世代医薬品たる抗体医薬、核酸医薬品、IpS医療品の開発が進む。協和発酵キリンの今次報告では同社・松田 譲社長が次のように述べている(SANARI PATENT要約)。
1. 協和発酵キリンは早くから抗体医薬を始めとするバイオ医薬に着目し、発酵技術を基盤とする協和発酵キリンの強みを活かせる分野として積極的に取組んできた。
2. 現在、協和発酵キリンでは高活性抗体作製技術「ポテリジェント」「コンプリジェント」「KM-マウス」(SANARI PATENT注: 毒性実験などバイオ実験の各実験目的に適合するように育種されたマウスの種別名)という、抗体医薬製造に関する基幹技術の特許を有する。
3. 特にポテリジェントは、抗体の活性を百倍以上活性化する画期的な技術として、既に国内外の大手抗体医薬プレヤー16社に導出され(SANARI PATENT注: ライセンス供与によるオープンイノベーションの態様と解する)、うち6抗体が臨床開発に入っている。これからの数年間で、より具体的な進展が見られよう。
4. ポリゼント技術を活用した抗体医薬の第1号となる協和発酵キリン創製の新薬候補KW-0761(成人T細胞白血病リンパ腫対象)については、2011-04に新薬申請する予定である。KW-0761は、厚生労働省から希少疾病用医薬品(SANARI PATENT注: オーファンドラッグとして助成対策の対象となる)の指定を受けている。2013年発売を見込んでいる。
5. KW-0761は、その他の疾病にも適応されるように開発が進められており(SANARI PATENT注: 薬効追加と解する)、上記外にも10抗体が前臨床、7抗体が臨床開発に入っている。加えて、他社創製の抗体医薬の共同開発も進捗しており、協和発酵キリンの抗体医薬におけるプレゼンス高まると自負している(SANARI PATENT注: 包括的クロスライセンスの態様かどうかは明らかでないが、優位性に基づく契約条項も考えられる)。
(訂正のご要求は sanaripatent@gmail.com にメール下さい)

ラベル:

2011年3月23日水曜日

海外6割、ヒロセ電機の今次震災影響は生産再開で軽微の模様

弁理士 佐成重範 Google検索SANARI PATENT
C Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com
R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat
Twitter http://twitter.com/sanaripat
全世界で求められるコネクタのグロ−バルブランド・ヒロセ電機は、逸早く2011-03-17現在の震災影響を発表したが、多極コネクタ製造設備に大きな被害がなく、生産再開ないし徐々に再開しており、「コネクター大手で世界の主要携帯メーカーが顧客、海外比率59%」(会社四季報)の世界スマートフォンへの影響を過大に憂慮するには当たらない模様である。業歴70年余、会社設立後62年だが、「2011-3期は韓国子会社通期化70億円上乗せ、営業益10億円上乗せ。スマートフォン用が好調持続。中国向け産機用伸び加速。スマートフォン基地局の追加投資需要増」と考察されている」(同)。
技術開発は一層活発で、最近の特許庁公開発明を見ても例えば、
1. 回路基板用電気コネクタ(特許庁公開日2010-03-17)→ 各端子同士間における誘電率のバラツキをなくし、インピーダンス整合を容易に実現する。
2. マイクロフォン(特許庁公開日2011-03-03)→ ダイアフラム自体の加工を施す代わりに、ベース基盤に加工することによりダイアフラムの応力の問題を解決したマイクロフォンを提供する。
3. 電気コネクタ組立体(特許庁公開日2011-02-17)→ 端子がハウジングへ挿着し易く、レセプタクルコネクタとの嵌合後に端子との係止量を増大するランスを有するケーブル側コネクタとレセプタクルコネクタによる電気コネクタ組立体を提供する。
これら発明を基盤とする通信インフラ向け高速伝送品の開発が、短期に量産に結びついているところに、2012-03期売上高1110億円、前期比18.1%増予想の基盤がある。
(訂正のご要求は sanaripatent@gmail.com  にメール下さい)

ラベル:

2011年3月22日火曜日

原発事故で大活躍の消防車製造首位・モリタにも注目

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
C Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog
R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat
Twitter http://twitter.com/sanaripat
原発注水で連日、消防車の活躍、消防士への敬意が世界中の耳目を惹いているが、わが国の性能優秀な消防車の首位メーカー・モリタホールディングス(東・大証1部)の技術開発と海外展開にも、注目と敬意を新たにすべきである。
東洋経済の昨月号(2011-02-05)が、今次震災は全くの想定外で「消防車から始まったデザインの大革命」と題して市場シェア50%のモリタの創意を紹介したばかりだが、その要点を摘記すると、
1. モリタが作る消防車は、見るからに格好いい。消防庁の車体構造規定改定の機会に、モリタは、設計自由度が高い繊維強化プラスティクスを導入した結果、鋼板と異なり、デザインが飛躍的に向上し、曲線や丸みを帯びた消防車が続々と現れた。
2. モリタは、「世界首位を目指すに相応なデザインを期している。
3. 消防車の国内需要は、年間1300台程度で安定してきた。モリタはその半分以上だが、世界市場でも2~3位級の規模。
4. 国内シェア向上の戦略車と位置づけているのは、圧縮空気泡消火装置搭載のポンプ車だ。
5. コスト削減のため兵庫三田市に生産集中。標準化も進める。
6. 海外展開の要めは、はしご車だが、はしご車ではモリタの国内シェアは9割超。1台の価格1.8億円(一般ポンプ車の6倍強)。
モリタの中国進出には会社四季報が注目し、「上海に子会社新設。2011年内に泡消防車。3年内に、はしご車の現地生産開始」と特記している。
SANARI PATENT所見
モリタの業歴78年。原発プロジェクト輸出にのみ注目せず、消防車の輸出や海外生産における高度日本技術のエネルギー安心感寄与をわが国の誇りとしたい。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください)

ラベル:

2011年3月20日日曜日

美髪文化を技術高度化するミルボンの次世代構築

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
C Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog
R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat
Twitter http://twitter.com/sanaripat
株式会社ミルボン(東証1部)の事業報告(2009-12-21~2010-12-20)が届いたが、わが国が世界に誇るべき美髪文化の精華を結集した華麗な内容で、熟読させられる。ミルボンは創業50年余だが、「美容サロン向けヘア化粧品専業でトップ。染毛剤、パーマ剤、ヘアケア製品が主力で好採算。2014年度までにアジアで生産開発拠点新設模索、中国中間層向け参入も視野。伊ブランドと国内代理店契約結び、市場伸びるオーガニック製品を2011-09に投入」と特色付けられる(会社四季報による)。今次報告(SANARI PATENT要約)は、
1. 長引く景気低迷の中で、ミルボンはサロンの生産性向上に重点指向し、大人化する顧客ニーズに応える製品・技術を開発した。その結果、当期連結売上高197億4900万円で前期比2.9%増、営業利益35億7800万円で9.2%増した。
2. わが国の総人口減少に伴い美容人口も減り始め(SANARI PATENT考察: 必ずしも必然的因果関係はない。美容関心人口の著増も考えられる)、サロン来店サイクルの延びや客単価の低下が進行し、全体的に売上がダウン傾向の一方、子育てから開放された団塊ジュニア女性の再就職増、女性の可処分所得が30歳未満単身勤労者所帯において初めて男性を上回ったこと(総務省全国消費実態調査)などのプラス要素も出てきた。
3. このように大人化が進む顧客に満足を提供するには、個々の顧客の内面にも踏み込んだサービス・コミュニケーション・技術力の対応が必要である。
4. ミルボンは、女性像別スタイリング剤、ディーセスブランド美髪保湿乳液、サロンワーク用ハンドケア剤、ストレートパーマ剤、ボリュームヘアスタイルパーマ剤、カジュアルモード系スタイリング剤、ヘアカラーオルディープ追加色剤の新製品を逐月新発売したが、特にアラサー後の美髪のバサツキに対応するディーセスアプラウの売上高は目標を上回ってヒットした。
5. 東京オフィスをリニューアルし、サロンの教育支援を強化した。カラ―スタジオなどで、美髪先までの均一感・美髪の潤い感・美髪の根元から先端までのサラサラ感・そのキープ、透明感のスモーキーカラー、軽い質感や香りを創るヘアケアなど、様々な新技術を展開している。
SANARI PATENT所見
ミルボン提供の知識は、旧式男性の街中活動においても、観察の楽しみを深めよう。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください) 

ラベル:

2011年3月19日土曜日

福島原発と世界原発プロジェクトに東芝の活躍期待

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
C Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog
R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat
Twitter http://twitter.com/sanaripat
今日(2011-03-19)から明日にかけて、福島原発復旧への東芝の活躍が注目の焦点になる。テレビ東京WBSは既に2011-03-18:23;30に東芝による電源施設復旧のメカニズムを明快に解説したが、今朝(2011-03-19:01:19のYOMIURI.com.は、東芝という社名を現さずに、次のように述べている(SANARI PATENT要約)。
1. 福島原発の電源復旧に向けた工事は、18日、1号機近くに配電盤を仮設し、外部電源を2号機内にある変圧器までつなげる作業を終えた。
2. 東北電力の高圧線から敷地内への送電用ケーブル約1.5kmの敷設も進めている。4号機近くにも配電盤を仮設した。
3. 各機器を検査した後、変圧器などの水没を免れた2号機から、電力供給をマ目指す。2号機で成功すれば、電源系統を共有できる構造になっている1号機への供給も可能になるという。
4. 電源復旧ができれば、緊急炉心冷却装置につながっている大容量のポンプを動かすことができ、原子炉や使用済み核燃料貯蔵プールなどが効果的に冷やせる。建屋内に水素が溜まっている惧れもあるので、ポンプの起動と同時に、換気装置起動も検討中。
5. ただし、現場の放射線量にかんがみ、交代作業のため、時間がかかっているが、東電は本日(2011-03-19)朝には2号機の電源復旧工事を終えたいとしている(SANARI PATENT考察:「東電は、」とあるが、実際工事は「東芝は、」である)。
SANARI PATENT所見
福島原発は東芝の工事により建設されたから、「所内電源施設」に対する「想定外」の震災作用も、東芝がメカニズムを究明できるはずであり、今後の世界市場におけるわが国の原発プロジェクト輸出についても、東芝の今次経験蓄積が大きな利点となろう。       (コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください) 

ラベル:

2011年3月18日金曜日

日本の原発パッケージ輸出と原発保安の要周到性

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
C Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog
R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat
日経ビジネスの昨月号(2011-02-07)巻頭「今週の焦点」は、東電副社長待遇・武黒一郎・国際原子力開発社長の「日本原発モデルを世界に普及」というインタビューであったが、原発保安の要周到性を改めて認識させる内容であったので、要点を備忘する(SANARI PATENT要約)。
Q1 2010-10に国際原子力開発が設立されたが、役割は何か。
A1 原発を初めて利用する国でのプロジェクト受注が目的である。建設・運営を包括的に支援する。
Q2 日本の原発文化輸出か。
A2 パッケージ型輸出である。国際原子力開発では、電力会社、プラントメーカー、産業革新機構が株主として連携している。
Q3 原発については、日本に技術的優位性はあるが、国際的には過剰品質という指摘もあるが。
A3 日本モデルによるが、日本のスペックを押し付けるという意味ではない。日本における原発設備の建設基準や運転上のルールは、あくまで日本の風土に合わせて作られたものである。。
SANARI PATENT所見
国際原子力開発は現在、ベトナムでの原発プロジェクトに取組んでおり、ポストベトナムで具体的に見えているものはないと、この時点では述べているが、何れの国にせよ、「風土のも合った」周到な保安は再優先事項である。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください) 

ラベル:

2011年3月17日木曜日

東北地方太平洋沖地震を契機に中小企業対策ネットを

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
C Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog
R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat
経済産業省が「東北地方太平洋沖地震に関連する中小企業者向けの広報体制の強化について」と題し、次のように発表した(2011-03-16)(SANARI PATENT要約)。
1. 上記災害に関する中小企業施策関連情報を、被災中小企業及び関連する全国中小企業に迅速・的確に提供するため、中小企業関係機関のネットワークを活用した広報体制の強化を行った。
2. 政府及び政府関係機関の中小企業施策関連情報を、中小企業関係機関経由で提供し、提供された機関は、傘下の地方支部局や構成団体を含むネットワークや情報ツールを最大限に活用し、可能な限り会員や取引先以外の中小企業者にも広く情報提供することを中小企業庁から各機関に要請し、協力していただけることになった。
3. 協力機関は次の通りだが、今後更に拡充する。→ 日本商工会議所、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会、全国商店街振興組合連合会、全国商店街支援センター、全国中小企業取引振興協会、中小企業家同友会全国協議会、中小企業基盤整備機構、JETRO、日本政策金融公庫、全国信用保証協会連合会、東京中小企業投資育成株式会社、中小企業診断協会、日本税理士会連合会、TKC全国会、全国法人会連合。
SANARI PATENT所見
今次災害に限らず、知的財産権関連も含めて、政策等の情報が迅速的確に漏れなく全中小企業に伝達される全日本中小企業ネットワークが、今次災害を契機として構築されることが望まれるが、中小企業の側からは会費の重複負担や員外利用の問題を派生することも予想され、適正な調整のもとに、ネットワークの存続・常用を指向すべきである。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください) 

ラベル:

2011年3月16日水曜日

株式会社セディナの総会通知に見るブランド金融動向

C Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog
R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat
セディナ(東証1部)が三井住友フィナンシャルグル-プの完全子会社になるための臨時総会通知が届いた。「株式交換を行う理由」の記載に、金融動向の一面を見る(SANARI PATENT要約)。
1. 株式会社セディナは、2009-04-01に、「クレジットカード事業と信販事業を核とする専門性・機動性を発揮する日本最大の消費者金融会社」を目指し、株式会社オーエムシーカード、株式会社セントラルファイナンス、株式会社クオークの3社が合併し事業開始した。
2. 2010-05-31には、第三者割当増資により三井住友フィナンシャルグル-プとの連携を強化すると共に、カード事業においては会員募集体制の見直し等の事業構造変革を加速し、また、インターネットを通じたサービス等の成長分野への取組を強化している。
3. 信販事業においては、引続き成長分野への取組を進めると共に、事業の損益構造を変革している。また、ソリューション事業においては、決済商品・サービスの拡充を進め、顧客ニーズへの対応力を強化している。
4. しかしながら、連結子会社化以降のセディナを取巻く経営環境は、利息返還請求の高止まりのほか、2010-06の改正貸金業法完全施行や、2010-09の株式会社武富士の会社更生法手続開始申立、2010-12の割賦販売法改正等もあり、一段と不透明さが増している。
5. 完全子会社化以後は、三井住友フィナンシャルグル-プのブランドを最大限活用する。
SANARI PATENT所見
ブランド効果の最大限活用が必須な環境となった。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください)

ラベル:

2011年3月15日火曜日

三菱UFJフィナンシャルグル-プの業況

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
C Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog
R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat
三菱UFJフィナンシャルグル-プの第3四半期報(2010-01-01~12-31)が届いたが、
(1) 業務粗利益増加、営業費減少、与信関係費用改善等→ 純利益5518億円(前年同期比3347億円増)← 市場金利低下・貸出金減少で資金利益は減少、債券売却益大幅増。経費率改善。企業倒産減。
(2) 国内法人貸出減少、海外貸出減少→ 貸出金9000億円減少(第2四半期末比)
(3) 個人預金増、国内法人預金減→ 預金3兆5000億円減(上同)
(4) 連結自己資本比率15.24%と横這い・
グル-プの社会環境活動について詳報しているが、グル-プ全体の業績については昨日(2011-03-14)発刊の会社四季報記述が簡明である。すなわち、「国内最大の金融グル-プ。傘下に銀行、信託、証券、カード、リース等、銀証連携、アジア展開急ぐ。融資は中小企業向け61%、住宅・消費者向け27%。債券益がが大幅増。資金増加受けてインド拠点を増資。新規出店も検討。ニコスは利息返還引当の大幅追加。1000億円増資実施」(SANARI PATENT要約)。
今次報告のトピックスとしては、
(1) 遺産信託と遺言信託の組合せ利用により、相続発生時に一括ではなく、最長30年にわたり分割して家族等が承継できる信託商品である。(SANARI PATENT考察: このように周到な配慮の新商品が開発されても、高齢者側には介護者への実施的配慮を欠き、利用が思うようには進まず、最近は、遺言相談も、遺言者側からよりは、受遺者側から、「こう書かせたい」という相談が多いようだ。)
(2) 各種申込書にユニバーサルデザインを採用。
(3) 英国銀行のプロジェクトファイナンス資産を取得、など
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください) 

ラベル:

2011年3月13日日曜日

排他的経済水域の鉱物資源開発規制関連法案・閣議決定

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
C Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog
R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat
領土の沿岸から200海里(370.4km)までの範囲で、その国に、水産資源・鉱物資源などの経済的権利が及ぶ海域を、国連海洋法条約に基いて排他的経済水域と呼ぶが、経済産業省(担当:資源エネルギー庁資源燃料部政策課)は、資源獲得の国内外競争が激化する動向に対処し、国域内鉱物資源を適正に管理しつつ、適切な開発主体による探査・開発活動が行われるよう、鉱業法改正案を閣議決定した(2011-030-11)。その発表内容(SANARI PATENT要約)は、
1. 改正法案の背景と目的
1-1 国際的な資源競争が激化し、資源確保をめぐる状況が年々厳しさを増している中で、海外の資源獲得に加え、国内での資源開発を着実に進め、鉱物資源の安定供給を確保することが益々重要になっている。
1-2 このような環境のもとで、わが国の鉱業に関する基本事項を定める鉱業法は、1950年制定以来、本格的改正がなされず、鉱業権設定時に、開発主体の適格性を確認していないなど、必ずしも鉱物資源の開発巡る内外の新たな動きに対応できる制度でなくなっている。
1-3 このような状況を踏まえ、国内において鉱物資源を適正に管理しつつ、適切な主体による合理的な開発が行われることを確保するため、この改正法案を提出する
2 改正法案の概要
2-1 鉱業権設定に際しての新たな許可基準の追加
2-2 鉱業権の設定に関する新たな手続の創設
2-3 鉱物資源の探査活動に関する許可制度の創設
SANARI PATENT所見
佐成重範弁理士が50年余前に、札幌通商産業局鉱山部出願課長として勤務のころは、鉱業と公益・他産業との調整が主たる課題であった。北海道は、面積の割りに、鉱物の多様性に富む地域であるが(ないしは、埋蔵量を採掘し尽くして「あった」が、必須鉱物の種類も先端技術革新の進捗と共に変遷し、「調整」の視点もグローバル化している。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください)

ラベル:

2011年3月12日土曜日

東北・関東大地震の地域社会破壊特性への対応

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
C Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog
R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat
「地域社会の崩壊」的な現象が、ヘリコプタ上の菅総理の眼を通じて、国民に深く印象付けられたようだ。福島原発耐震は特殊な技術開発の対象だが、福島県以北の東北6県と新潟県を加えて東北7県と見ても、そのGDP構成比は6%強と推算されるから、今次大地震の影響は、GDP減速よりも、民生と地域の安定という視点を重視すべきである。
耐震技術に関する特許出願も続出しているが、その実施効果の重点を視点として考察すべきである。例えば、
1. 倉敷化工株式会社「防振架台」(特許庁公開日2011-03-10)→ 長尺状の架台ユニットを横並びに配置して、梁部材により連結する簡易な構造を基本とし、組立が容易で重量やコストも削減できると共に、ぐらつきが少なく設置作業が容易な防振架台を発表する。
2. 東日本旅客鉄道株式会社「吊り天井構造及びその施工方法」(特許庁公開日2011-03-10)→ 耐震性が高く、支障物が多い場所であっても、吊り天井の設置が容易な吊り天井構造及びその施工方法を提供する。
3. 株式会社掘甲製作所「可搬式繊維強化プラスチックタンク」(特許庁公開日2011-03-11)→ 組立・解体・移動が容易で、耐震性・耐食性・メンテナンス性に優れた可搬式繊維強化プラスチックタンクを提供する。
4. 日立GEニュークリア・エナジー株式会社「台車又は燃料取替機の免震構造及びその運転方法」(特許庁公開日2011-03-03)→ 地震動見直しによる設計震度の増加に対処する耐震性向上における現実制約即応の手段を提供する(SANARI PATENT要約)。
5. 九州高圧コンクリート工業株式会社「機器用基礎構造」(特許庁公開日 2011-03-03)→ 温水器を据え付け固定するための、コンクリート基礎板を使用した温水用基礎の耐震性を向上させると共に、コンクリート基礎板を複数のブロック分割せず軽量化して設置作業を効率化できる電気温水器用基礎構造を提供する。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください) 

ラベル:

2011年3月11日金曜日

総務省「周波数オークション懇談会」の論点

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
C Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog
R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat
Twitter http://twitter.com/sanaripat
総務省の周波数オークション懇談会は2011-03-02に第1回会合を開催したが、業界から、東芝・土井美和子研究開発センタ主席技監、野村総研・山田沢之常務執行役員未来創発センタ長ほかが参画して、先ず電波の免許人選定の諸方法を比較するという、極めてオーソドクスな段取りを経ている。すなわち、
(1) オークション制度は、電波の免許人の選定に際し、競売を実施し、最高価格を入札した者を有視覚者とする方法である。
(2) 比較審査方式は、複数の申請者がいる場合、免許人としての優劣を比較して、免許を付与する方式である。
(3) 抽選方式は、抽選により電波を割り当てる方式である。
(4) 先願主義は、先に申請した者に電波を割り当てる制度であるが、
オークションは、電波の公平かつ能率的な利用、免許の透明性確保等の観点から、市場原理を活用するオークション導入は、十分検討に値いするものである。ただし、オークションの導入は、免許人にとって新たな負担を課することであり、十分な説明が必要である。また、先行事業者との間で、競争政策上の問題が生じないよう対象を選定すべきである。このため。オークションの導入について本格的な議論を行い、その必要性・合理性を、オークション導入の目的・効果に照らして検証し、国民に示すべきである。
具体的には、次の措置を進める。
(1) ワイヤレスブロードバンド事業者による既存の周波数利用者の移行コストの負担に関し、オークションの考え方を取り入れた制度を創設するため、電波法を改正する。
(2) 第4世代移動通信システムなど新たな無線システムに関しては、諸外国で実施されているオークションの導入についても、早急に検討の場を設け、新無線システム移行までに開発法律の改正が間に会うよう結論を得る。
SANARI PATENT所見
電波は知財インフラだが、知財ならびに知財インフラの定額的価値評価の方式は、未だ定立されない。無形資産の共通の現象であり、オークションを基本的価値評価手法として国民的コンセンサスを確立すべきである。無形資産取引所・知的財産取引所などの機構を創出すべきである。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください) 

ラベル:

2011年3月10日木曜日

リビアのカダフィ革命指導者とその関係者に対する資産凍結等

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
C Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog
R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat
Twitter http://twitter.com/sanaripat
リビアのカダフィ革命指導者とその関係者に対する資産凍結等について、外務・財務・経済産業の3省が「支払規制」「資本取引規制」と、リビアからの「武器の輸入の禁止」を共同発表した(2011-03-08)。関係者として、カダフフィのほか、カダフィ指導者の娘(33歳)、息子(36歳)、同(33歳)、軍の最高司令官、(69歳)、国家安全保障担当補佐官(35歳)リビアカダフィ基金総裁(39歳)の計6名。(SANARI PATENT考察: 産経ニュース(2011-03-07)はカダフィ大佐の第2夫人が大富豪と伝えるが、その6男1女については未詳)。      
リビアの正式国名は「大リビア・アラブ社会主義人民ジャマーヒリーヤ国(The Great Socialist People’s Libyan Arab Jamahiriya)。Jamahiriyaは「大衆による共同政治体制の意」。国土面積は日本の4.6倍、人口629万人(2008)。イスラム教基調の社会主義的・民族主義的な直接民主主義の確立を指向。アフリカ合衆国構想を掲げる。主要産業は石油関連業、GNI779億ドル(2008)、国民一人当り1万2380ドル。経済成長率2.6%(2009)、失業率30%(2009)。石油確認埋蔵量世界8位。日本へは、まぐろ等を輸出、日本から自動車、電線,鋼管など輸入。石油鉱区開発に日本企業落札、水道管製造に日本企業参入。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください) 

ラベル:

2011年3月9日水曜日

経済産業省、クール-ジャパン官民有識者会議を2011-03-10に開催

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
C Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog
R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat
Twitter http://twitter.com/sanaripat
経済産業省(担当:製造産業局クール-ジャパン室)は第5回クール-ジャパン官民有識者会議を明日開催し、分野毎の海外展開の課題と解決策を検討するが、明日の対象分野は「すまい」と「観光」。
昨月2011-02の会議では先ず、コンテンツの役割として次の二つを確認した。
役割1.短中期での海外展開の拡大と、中長期での収益安定化
1-1 現地市場の特性やコンテンツの受容度を見極め、基本戦略を定めた上で適切な措置を講ずる。
1-2 コンテンツ産業自体で収益性を確保できる構造を作り、コンテンツの競争力を保った継続的展開・収益性確保を目指す。
役割2.  コンテンツの展開・浸透を通じた他分野への波及効果
2-1 むコンテンツは、文化産業展開のメディア機能を営む。すなわち、コンテンツはファッションや食など文化産業の先導役(ライフスタイルの紹介等)、及び、文化産業の後押し役にもなり得る。
2-2 コンテンツは、文化産業以外の分野・産業のメディア機能を持つ。すなわち、文化産業と同様に、電機や自動車などの分野・産業の先導役・後押し役にもなり得る。
上記認識のもとに、次のような見解が述べられた(SANARI PATENT要約)。
(1) コンテンツ産業がそれ自体で稼いでいくためにも、コンテンツの波及効果を他産業に活用していくためにも、アジアを中心に世界で顕在化しているクール-ジャパン-コンテンツの発信をs利府が最大限後押しする必要がある。
(2) 韓国では、TV番組の輸出先の70%、音楽の輸出先の60%が日本である。日本をターゲット市場として収益を回収している。他地域への海外展開に関しても、韓国政府が赤字補填するなどサポートしている模様だ。
(3) 偶発的な面があるにせよ韓国は、海外にコンテンツを売り込みながら同時に、自動車や電機等の他産業でも儲けている用に見える。こうした例にかんがみ、日本ではどこまで視野に」入れて取組むのか。
(4) 米国は映画を通じて、米国のライフスタイルに対する憧れを世界中に醸成した。ビジュアルでクール-ジャパンを見せていくことで、他産業への影響力は大きくなる。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください) 

ラベル:

2011年3月8日火曜日

セイコーの時計事業・電子部品事業の売上高回復、セイコーインスル統合

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
C Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog
R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat
Twitter http://twitter.com/sanaripat
セイコーの今次事業報告(2010-04-01~12-31)は、連結売上高2365億9100万円で前期比56.4%増、これは主として、2009-10に実施したセイコーインスツルとの経営統合に伴う影響額853億円によるもので、新興国に牽引されて緩やかながら世界的に景気回復が進み、国内でも一時的に需要回復が見られたものの、欧州でも景気の伸び悩み、米国・中国の景気に陰り、為替不安と、先行き不透明な除状況が警戒されている。
セイコーは日本を代表する企業でもあり続けてきたから、例えば大前研一氏の「最強国家ニッポンの設計図」は、初版発行の2009-06時点では、次のように考察している(SANARI PATENT要約)。
1. 日本は駄目だ、日本経済は斜陽だという重苦しい空気に包まれている。だが、本当にそうなのか。1971年までの1ドル360円から90年代には79円という4倍以上の円高にさらされ、多くの企業家達と共に苦難と闘った私に言わせれば、日本企業の技術・財産・人材は今でも世界に冠たる部分もあり、それが活かされていないだけだ。(SANARI PATENT注: 1971~1994は、大前氏がマッキンゼー在職中)。
2. では何が足りないのか。分かり易い例はセイコーウオッチだ。同社は、スイスなど欧州の時計メーカーに対抗するため、1969年にクオーツ時計という世界一正確な腕時計を発明し、世界一安価で、すなわち、技術力とコストで革命を起こし、以降20年位は、セイコーとシチズンが世界中を席巻した。
3. ところがおの後、中国がシチズンのクオーツモジュールを数百円で買い、1500円位の腕時計に組み込んで売るようになった。(SANARI PATENT注: 現在、新宿のビックカメラで1000円、100円ショップで目覚し置時計が105円)。
4. 欧州の時計メーカーはシチズンのモジュールでブランド時計に磨きをかけ、中途半端な価格のセイコーとシチズンの時計は売れなくなった。シチズンは部品屋として生き残ろうとし、セイコーはアルバという別ブランドのローエンドモデルで中国製品に対抗しようとしたが、「失敗した」(大前氏原文)。
5. セイコーが「失速」(同上)した最大の原因は、世界市場を理解し、適切な戦略を立てる人材が欠如していたことだ。
SANARI PATENT所見
海外比率48%のセイコーの現況(増収増益)を更に多角的に考察する必要がある。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください)

ラベル:

2011年3月7日月曜日

日本鋳鉄管株式会社の特許権を無効とする新東工業株式会社の請求を棄却

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
C Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog
R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat
Twitter http://twitter.com/sanaripat
日本鋳鉄管(東証1部)は、鋳鉄管業界3位。資本・材料面でJFE系列。需要面では国内地方公共団体上水道の比重大(会社四季報)。新東工業(東証1部)は、鋳造機械製造首位。真空鋳造法に特色。自動車向けに強み。海外活動活発(比率43%)。環境や表面処理も(会社四季報)。
日本鋳鉄管が有する「ダクタイル鋳物用溶融鋳鉄の溶製設備」特許権について、新東工業はその無効審判を請求したが、特許庁はこの請求の不成立を審決したので、新東工業は、この審決の取消を知財高裁に請求したが、知財高裁は、新東工業の請求を棄却し(2011-03-03判決言渡:平成22年行ケ10069審決取消請求事件)、新東工業(訴訟代理人・石川泰男弁理士ほか)が勝訴した。
新東工業の本件発明の要旨は、請求項1ないし5に示されているが、新東工業は、この発明は周知技術を適用することにより、当業者が容易に発明することができたものであるとして、その特許の無効を主張し、特許庁審決は、「当業者が容易に発明することができたということはできない」というものである。
知財高裁は、「引用された文献によって、CV黒鉛鋳鉄に関し、ワイヤーフィダー法により、黒鉛球状化処理剤であるMgを投入する方法が周知であるということができたとしても、鋳鉄の物理的・化学的性質、製造方法がダクタイル鋳鉄とは異なるCV黒鉛鋳鉄に関するかかる技術知見を、ダクタイル鋳鉄について直ちに適用し得るということはできない」などの判断を示し、特許庁審決に誤りはないと判決した。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください)

ラベル:

2011年3月6日日曜日

連結海外売上高比率9割のヤマハ発動機増収復益だが復配未だ

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
C Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog
R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat
Twitter http://twitter.com/sanaripat
上場製造企業の微増収復益ないし増収増益が一般的傾向だが、連結海外売上高比率9割のヤマハ発動機のような場合はどうか。今次事業報告(2010-01-01~12-31)では、売上高1兆2941億円で前期比12.2%増、営業利益は513億円で1139億円改善の復益だが、累積損失解消・復配に至っていない。売上高の海外比率は二輪車96,4%、マリン86.8%、特機89.4%、その他34.8%で、合計89.0%。「為替換算レートは1ドル88円(前期比6円、円高)、1ユーロ116円(同14円、円高)でした」と述べているが、現時点(2011-03-04)の82.39円、115,02円の動きが注目される。ヤマハ発動機は、1ドル80円。1ユーロ105円での収益体質づくりを進めており、体質強化が期待される。
売上高構成で7割を占める二輪車については、新興国市場での出荷台数が656万台で22.8%増、先進国を含む事業全体では696万台で19.2%増、しかし、為替円高などにより売上高は10.9%増にとどまっている。
今後の経済環境について同社は、アジアを中心に新興国では景気拡大傾向が続き、先進国の景気も緩やかながら回復して、レジャー商品の需要回復も見込まれるとしながらも、原油や原材料価格の上昇、ユーロ圏周辺国での財政不安、新興国でのインフレ抑制のための金利引き上げなどを景気下押しリスクとして挙げている。従って同社は、国内生産体制の再編成、コストダウン、損益分岐点以上の生産数量の確保、本社機能の変革と高付加価値化、新興国市場の市場開拓と多商品展開、パーソナルモビリティの進化、新技術分野の研究開発を進めている。
SANARI PATENT所見
上記新製品開発についてヤマハ発動機は、「YZF-R1」2011モデルと「XJR1300」2011モデルを2011-03-04に発表、マルチクルーザー「S-QUALO(エス・クアロ)S/D」新発売を2011-03-03に発表するなど続発すると共に、YAMAHA BLOGのSNS活用が時流即応で、成果が注目される。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください) 

ラベル:

2011年3月5日土曜日

リチウム資源豊富なボリビアに田嶋経済産業大臣政務官出張結果

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
C Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog
R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat
Twitter http://twitter.com/sanaripat
ラテンアメリカのボリビアは正式名称「ボリビア多民族国」(Estado Plurinacional de Bolivia)、ブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、チリ、ペルーに囲まれた内陸国だが、Wikipediaによれば「黄金の王座に座る乞食」(SANARI PATENT考察: 失礼な比喩なので、引用不可)と形容されたほど、豊かな天然資源を持つが貧しい国と見られてきた。経済産業省は、次世代自動車に必要なリチウム資源を豊富に有するこのボリビアに、官民50名から成るミッションを、田嶋経済産業大臣政務官統率のもとに派遣し(2011-02下旬)、その成果を発表した(2011-03-03)。主たる内容(SANARI PATENT要約)は次のように述べられている。
1. 派遣の目的は、次世代自動車の電池に不可欠なレアメタルであるリチウムを豊富に有するボリビアとの資源外交を推進することである。
2. 業界から、三菱商事、住友商事、日産自動車、電池工業会、戸田マテリアル、日鉄鉱コンサルタント、野村総研などが参加した。
3. 現地セミナでボリビアのモラレス大統領が冒頭講演を行い、鉱業冶金大臣・炭化水素エネルギー大臣・開発企画省次官など450名がセミナに参加した。
4. 田嶋経済産業大臣政務官はモラレス大統領と会談し、リチウム資源開発に加えて、地熱発電へのODA供与やオールジャパンでの広汎な協力実施を表明した。
5. 田嶋経済産業大臣政務官とカロ開発企画大臣との会談では、当方より、リチウム応用人材育成の拡大、および、産業振興・地域開発について日本の経験の共有を提案した。先方からは、2010-12の両国首脳会談で日本が円借款供与を表明したラグナ・コロラダ地熱発電プロジェクトについて、早期実施の期待がしめされると共に。リチウム資源開発協力が両国関係の中心テーマであるとの認識が示された。
6. 田嶋経済産業大臣政務官とピメンテル鉱業冶金大臣との会談においては、リチウム資源開発とその産業化について、両国協力の継続・拡大を確認した。また、当方から、新鉱業法下でのサン・クリストバル鉱山の安定創業継続を要請した。
SANARI PATENT所見
途上国では、資源保護主義的な動きも想定されるから、今次ボリビア訪問は日本産業にとっても極めて意義深い資源外交であったと評価する。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください)

ラベル:

2011年3月4日金曜日

日立製作所が英国鉄道に車両リ-ス・メンテナンス総合サービス

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
C Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog
R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat
Twitter http://twitter.com/sanaripat
海江田経済産業大臣は「英国高速鉄道更新プロジェクト再開の発表について」と題し、次のように声明を発表した(SANARI PATENT要約)(2011-03-02)。
1. 英国時間2011-03-01、英国政府は、政権交代に伴う政府予算レビューの下で実施を保留していた高速鉄道車両更新プロジェクト(IEP←Intercity Express Programme)の再開を発表した。本プロジェクトについては、既にわが国の日立製作所が契約の優先交渉権を有していたため、早期に再開されるよう、関係閣僚が一体となって英国政府に要請してきたものである。今回の本プロジェクト再開の発表は誠に喜ばしい。
2. 本プロジェクトにおいて日立製作所は、英国ジョン・レイング社(John Laing社)と共同で、英国鉄道運行会社に対して日立製作所の高速鉄道車両リースを提供し、併せてメンテナンスサービスを行う予定である。これは、新成長戦略において成長分野の一つとして位置づけられている「パッケージ型インフラ」の輸出拡大という観点からも、大変意義があると評価している。
3. また、日立製作所は、これまでに培ってきた鉄道技術・ノウハウを活かすことにより、経済性に加えて、英国の鉄道事情に即して利便性、安全性の向上に高く貢献できる提案をしたことで、英国政府の高い評価が得られたものと理解する。今後、本プロジェクトの着実な契約に期待すると共に、これを契機として更なる国際展開を期待する。
SANARI PATENT所見
声明原文の「パッケージ型インフラ」の輸出は、「インフラのパッケージ型輸出」とする方が表現としては良いと思うが、ハード+ソフトの総合輸出として、高く評価すべきである。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください)

ラベル:

2011年3月3日木曜日

ドイツ・シーメンス社の解説、伝音難聴・感音難聴・混合性難聴

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
C Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog
R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat
Twitter http://twitter.com/sanaripat
今日、耳の日3月3日を迎えるまでもなく、聴力についての関心は、高齢化難聴・ストレス難聴・突発性難聴など社会現象として難聴が多発し、定年延長を阻害し、職域疎外を発生するなど、経済にも国民生活にも潜在的障害事項として益々強く認識されるに伴って、著しく高まっている。従って、補聴機業界も在来・先端の技術レベルを混在させつつ発展しているが、聴力を高度に復元させ得る機器がリーズナブルな価格で提供されているとは必ずしも言い難い。この間の事情を理解するためのは、先ずドイツ・シーメンス社の次のような解説(SANARI PATENT要約)から始めることが適当であろう。
「難聴は、耳のどの部分に障害」が有るかによって次の3つの種類に分けられる。
(1) 伝音難聴→ 中耳炎や鼓膜の損傷・病気などにより、外耳か中耳のどこか、音を伝達する部分になんらかの障害があるために起こる難聴である。
(2) 感音難聴→ 内耳以降の感音器、つまり音を感じる部分になんらかの障害があるために起こる難聴である。この難聴の代表が、加齢と共に聞こえ難くなる聴力障害である。薬物や、長時間、騒音下にいることが原因で起こる聴力障害もこれに当たる。単に聞こえ難くなるだけでなく、音がひずんで聞こえるなど、言葉の聞き取り能力が低下することがある。(SANARI PATENT考察: この点が最大の問題で、子音間の区別が曖昧になり、サとタ、ナとワなどを分別しないので意味の取り違いが多発し、ビジネスに不適者となる。耳穴式・箱型式の補聴機には、音量・ボリュームを上げ得ても子音間の区別を明瞭にする機能を欠くものがある)。
(3) 混合性難聴→ 伝音難聴と感音難聴の両方が同時に起こるタイプの難聴である。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください)

ラベル:

2011年3月2日水曜日

関節リウマチ薬アクテムラを筆頭に中外製薬の伸長

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
C Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog
R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat
Twitter http://twitter.com/sanaripat
中外製薬の総会通知が届いたが、既存主力品を基礎とし、アクテムラなど大型製品群により強固な成長基盤を確立することを前提とする中期経営計画において、アクテムラなどを計画通りに上市、市場浸透を果たし、目覚ましい収益貢献を実現した旨、先ず述べており、関節リウマチ薬アクテムラが筆頭に目立っている。アクテムラの日本製薬業界における現在の位置は、それが国産抗体医薬のトップとして現出したところに在る。
世界の医薬業界では、2010~2011年に続出する化学合成・化学抽出医薬品の特許切れに伴う特許期間延長などをめぐる医薬品特許訴訟が国内外、特に海外で頻発しているが、一方、バイオ医薬品の分野に属する抗体医薬、核酸医薬、人工多機能幹細胞依存再生医療関連薬の開発に先んずべく国際競争が熾烈である。
協和発酵キリンは抗体医薬品を次のように解説している(SANARI PATENT要約)。
(1) 抗体医薬品とは、生体が持つ免疫システムの主役である抗体を主成分とした医薬品である。一つの抗体が一つの抗原を標的として認識する特異性を利用する。
(2) 抗体医薬品は、副作用が少ない効果的な治療薬として注目されている。ゲノム解析により、創薬の標的となる抗原分子が特定されていくことによって、抗体医薬の可能性が拡大する。
(3) 従来の化学合成・化学抽出医薬品は、ある標的を狙って作ったつもりでも、標的以外にも作用することがしばしば発生し、重大な副作用を伴う場合もある。抗体医薬は、標的を狙って作ると、標的以外に作用することがほとんどないため、想定外の副作用を発生することがほとんどない。
(4) 抗体医薬が使われている疾病は多様だが、代表的疾病は癌や関節リウマチである。日本では10種類以上の抗体医薬品が販売されている。
SANARI PATENT所見
上記のように日本では、癌医薬として、乳癌・結腸直腸癌を標的とする抗体医薬リッキサン・ハーセプチン・アバスチンが中外製薬により販売されているが、会社組成上の母体であるロシュ由来であり、田辺三菱製薬関節リウマチ薬レミケードは田辺三菱製薬により販売されているがシェリングプラウ由来であるなど、欧米企業先発に対して、アクテムラが中外製薬開発の稀少疾病薬の適用拡大として日本独自の抗体医薬世界上市に先鞭したことが誇られる。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください) 

ラベル:

2011年3月1日火曜日

農業産業化について海江田経済産業大臣の説明

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
C Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog
R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat
Twitter http://twitter.com/sanaripat
日本農業のあり方については多様な考え方があって、例えばビジネスブレークスルー大学院大学の大前研一学長は、「真の食料安保は、世界に打って出る農業で実現せよ」と題して次のように述べている(SANARI PATENT要約)。
1. 日本は年間1000万トンのコメを消費しているが、それを生産するための水田は、オーストラリアなら200億円で買える。これは埼玉県の1年間の農業補助金とほぼ同額だ。世界一肥沃な黒土で知られるウクライナで最大の食料会社ランドコムも200億円以下で買収できる。
2. このように世界には食料調達の最適地は多数ある。日本の農業従事者は、それらの国に行って農場経営者になり、効率的に農作物を生産すべきである。
一方、経済産業省は、「農業産業化支援の方向性」を発表したが(02-28 http://bit.ly/9vFECy )、海江田経済産業大臣は記者会見で次のように応答している(2011-02-22)(SANARI PATENT要約)。
Q1 政府は6月に向けて、TPPへの参加の判断という大きな決断を控えているが、今次支援策は、それに対してどのように役立つか。
A1 農業に対する支援策が明確でないと、TPPに反対する人達の不安を大きくしている部分もあるので、経済産業省として農業再生に向けてできることはできるだけ早くやって、具体化させていこうという思いである。もちろん、経済産業省としてできることのほかに、それから、やはりメインストリームという言い方をしておりましたが、主従と言いますか、大きな、一番基本のところはやはり農林水産省にやっていただかなければいけない問題があるので、農林水産省にもぜひ、農林水産省としての農業の再生策を出していただきたい。
Q2 農林水産省とはTPPに関しては一応対立してしまうという構図ができていて、地方もTPPに反対している。今次方向性について農林水産省側はどうか。
A2 特にこれについての農林水産省とのやり取りは、私のレベルではまだやっていない。
SANARI PATENT所見
大前研一氏が引用したオーストラリアはTPPに積極的であり、国際的国内的に重要な課題である。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください) 

ラベル: