2011年3月2日水曜日

関節リウマチ薬アクテムラを筆頭に中外製薬の伸長

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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中外製薬の総会通知が届いたが、既存主力品を基礎とし、アクテムラなど大型製品群により強固な成長基盤を確立することを前提とする中期経営計画において、アクテムラなどを計画通りに上市、市場浸透を果たし、目覚ましい収益貢献を実現した旨、先ず述べており、関節リウマチ薬アクテムラが筆頭に目立っている。アクテムラの日本製薬業界における現在の位置は、それが国産抗体医薬のトップとして現出したところに在る。
世界の医薬業界では、2010~2011年に続出する化学合成・化学抽出医薬品の特許切れに伴う特許期間延長などをめぐる医薬品特許訴訟が国内外、特に海外で頻発しているが、一方、バイオ医薬品の分野に属する抗体医薬、核酸医薬、人工多機能幹細胞依存再生医療関連薬の開発に先んずべく国際競争が熾烈である。
協和発酵キリンは抗体医薬品を次のように解説している(SANARI PATENT要約)。
(1) 抗体医薬品とは、生体が持つ免疫システムの主役である抗体を主成分とした医薬品である。一つの抗体が一つの抗原を標的として認識する特異性を利用する。
(2) 抗体医薬品は、副作用が少ない効果的な治療薬として注目されている。ゲノム解析により、創薬の標的となる抗原分子が特定されていくことによって、抗体医薬の可能性が拡大する。
(3) 従来の化学合成・化学抽出医薬品は、ある標的を狙って作ったつもりでも、標的以外にも作用することがしばしば発生し、重大な副作用を伴う場合もある。抗体医薬は、標的を狙って作ると、標的以外に作用することがほとんどないため、想定外の副作用を発生することがほとんどない。
(4) 抗体医薬が使われている疾病は多様だが、代表的疾病は癌や関節リウマチである。日本では10種類以上の抗体医薬品が販売されている。
SANARI PATENT所見
上記のように日本では、癌医薬として、乳癌・結腸直腸癌を標的とする抗体医薬リッキサン・ハーセプチン・アバスチンが中外製薬により販売されているが、会社組成上の母体であるロシュ由来であり、田辺三菱製薬関節リウマチ薬レミケードは田辺三菱製薬により販売されているがシェリングプラウ由来であるなど、欧米企業先発に対して、アクテムラが中外製薬開発の稀少疾病薬の適用拡大として日本独自の抗体医薬世界上市に先鞭したことが誇られる。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください) 

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