2011年3月7日月曜日

日本鋳鉄管株式会社の特許権を無効とする新東工業株式会社の請求を棄却

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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日本鋳鉄管(東証1部)は、鋳鉄管業界3位。資本・材料面でJFE系列。需要面では国内地方公共団体上水道の比重大(会社四季報)。新東工業(東証1部)は、鋳造機械製造首位。真空鋳造法に特色。自動車向けに強み。海外活動活発(比率43%)。環境や表面処理も(会社四季報)。
日本鋳鉄管が有する「ダクタイル鋳物用溶融鋳鉄の溶製設備」特許権について、新東工業はその無効審判を請求したが、特許庁はこの請求の不成立を審決したので、新東工業は、この審決の取消を知財高裁に請求したが、知財高裁は、新東工業の請求を棄却し(2011-03-03判決言渡:平成22年行ケ10069審決取消請求事件)、新東工業(訴訟代理人・石川泰男弁理士ほか)が勝訴した。
新東工業の本件発明の要旨は、請求項1ないし5に示されているが、新東工業は、この発明は周知技術を適用することにより、当業者が容易に発明することができたものであるとして、その特許の無効を主張し、特許庁審決は、「当業者が容易に発明することができたということはできない」というものである。
知財高裁は、「引用された文献によって、CV黒鉛鋳鉄に関し、ワイヤーフィダー法により、黒鉛球状化処理剤であるMgを投入する方法が周知であるということができたとしても、鋳鉄の物理的・化学的性質、製造方法がダクタイル鋳鉄とは異なるCV黒鉛鋳鉄に関するかかる技術知見を、ダクタイル鋳鉄について直ちに適用し得るということはできない」などの判断を示し、特許庁審決に誤りはないと判決した。
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