2011年7月30日土曜日

3月大震災後の時流を4~6月期の日立製作所業績で見る

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昨日(2011-07-29)日立製作所が発表した同社4~6月期業績の説明は、大震災後の日本企業の時流を観察する主要な標識として注目される。その内容は(SANARI PATENT要約)、
(1) 大震災の被害発生と共に、電力制限・部材供給網の寸断など厳しい経営環境が継続したが、日立製作所(日立グル-プ)は4月末までには大半の拠点で生産を全面再開した。
(2) 4~6月の日立製作所の売上高は、前年同期比横這いの2兆1506億円になったが、これは、「日立物流がバンテックを連結子会社にしたこと」「システム物流が堅調に推移したこと」「新興国向け中心に建機部門が好調に推移したこと」「海外向けストレージソリューションを中心に情報通信システム部門も上回ったこと」による。
(3) 海外売上高は前年同期比1%減の9735億円となった。
(4) 営業利益は、建機・情報通信部門は前年同期比で上回ったが、コンポーネントデバイス部門・電力部門が減益し、前年同期比360億円減の524億円となった。
(5) 部門別に見ると、
(5-1) 情報通信システム部門の売上高は、大震災の影響で一部製品で部材不足によりハードウエアが減少したが、海外中心にコンサルティングやストレージ向けソフトウェア、サービスが増加した。
(5-2) 電力システム部門の売上高は、大震災で原子力発電システムが減少し、火力発電システムの一部案件が後ろ倒しになり、前年同期比6%減した。
(5-3) 社会産業システム部門の売上高は、鉄道システムが海外向け中心に増加し、昇降機も中国で好調だったが、プラント関連機器・工事が下回り、前年同期比1%減した。
(5-4) 電子装置システム部門の売上高は、「日立メディコの連結子会社化」による増加」「大震災による日立ハイテクノロジーズの半導体・ディスプレイ関連商品、部材の減」により前年同期比2%減した。
(5-4) 建機部門の売上高は、「中国の需要減」「他のアジア新興国、米国等先進国の需要好調で油圧ショベル等が増」により、前年同期比6%増した。
(5-5) 高機能材料部門の売上高は、「日立化成が、福島原発事故関連で一部操業停止で減」「日立電線。日立金属が増」で、前年同期比横這いとなった。
(5-6)オートモティブシステム部門の売上高は、「大震災による自動車生産の減による減」により4%減した。
(5-7) コンポーネントデバイス部門の売上高は、「ハードディスクドライブの価格下落」により8%減した。
(5-8) デジタルメディア民生機器部門の売上高は、「省エネ機器への買い替え需要増」「ディスクドライブ関連製品の部材不足と円高で減」「薄型テレビの価格下落」で9%減した。
(5-9) 金融サービス部門の売上高は、「日立キャピタルの海外事業、債権回収事業など新規事業の増」「大震災による減」で2%減した。
SANARI PATENT所見
高速鉄道車両、原発関連の海外需要動向が不透明であり、白物製品も価格競争も激化し、引続き7~9期の推移いかんが注目される。
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2011年7月29日金曜日

楽天の欧州通販事業拡大と企業展開のグローバルバランス

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楽天が、ドイツの大手電子商取引事業者Tradoria社の株式80%の取得を完了し、子会社化したと発表した(2011-07-28)。内容(SANARI PATENT要約)は、
(1) 欧州では2010年のフランス市場に続く2番目の電子商取引事業参入である。
(2) Tradoriaは2007年に設立され、楽天が運営するインターネットショッピングモール「楽天市場」と同様、主に中小規模の店舗を対象とするマーケットプレイス事業をドイツで展開している。現在、出店店舗は4400店を超え、800万件にのぼる家具、ファッション、アクセサリなど幅広い商材を揃えている。出店店舗に対しては定額月間費用と、対売上従量課金モデルに基いて(SANARI PATENT注:「従価」でなく「従量」としている意味は不明)インターネットショッピングに必要なウェブ制作。決済サービス、店舗向けのトレーニングセッション、イベントなどの専門的サポートサービスを提供している。
(3) ドイツは、欧州で最大の6100万人のインターネット利用者を誇り(SANARI PATENT注: ドイツの総人口は8175万人)、2010年度のドイツ電子商取引市場は12%の成長率で拡大が見込まれ、2014年には370億ユーロ、4兆1440億円を超えると予想されている。
(4) 楽天とTradoriaは、中小企業や個人事業主をインターネットによりエンパワメントしていくという共通の企業理念を掲げ、またB2B2C型(企業対企業対消費者型)インターネットショッピングモールの運営等、様々な点で親和性がく、楽天が培ってきた電子商取引事業における先進的サービス機能や経営手法のノウハウをTradoriaに取り入れることにより、ドイツの消費者に、より快適なショッピング環境を提供する。
(5) また、楽天の子会社でフランスNo.1の電子商取引サイトを運営するPrice Minister社との協業を検討していくと共に、将来的にはアジア、北米・南米など楽天が既に展開している国域における電子商取引サイトの提携も予定している。
SANARI PATENT所見
ビジネスのノウハウを知的財産としてグローバルに展開するに際し、国域の特殊性とそれらの変動に即応する企業行動が益々緊要になる。学識者の見方も多様で、例えば長谷川慶太郎氏著「大局を読む」の「米国が描く米日独の三国経済網」や「これでも中国の未来に賭けるか」の章は参考にすべきであろう。
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2011年7月27日水曜日

日本産業の強み、レンズ業界の営業利益著増と中国状況

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タムロン(JASDAQ)(12月決算)が、2011-12期第2四半期(今年の前半、2011-01-01~06-30)の業績予想を先日(2011-07-21)、大幅に上方修正した。売上高は260億円を281億円に、営業利益を20億円から30億円という著増修正だが、その総括的理由は、「タムロンの関連市場であるレンズ交換方式デジタルカメラ市場が堅調に推移したことや、ユーロが前提に対して円安になった」としているが、予想とは言っても6月は既に経過しているから、確報と見てよい。一方、12月末に至る通期業績予想については、「海外経済の先行きや電力供給問題等が及ぼす経済活動全般への影響に不透明感があることや、新事業関連で製品納入の遅れ等も見込まれることから、2011-02-04の通期業績予想を据え置くとしているが、この予想でも売上高610億円で前期比7.7%増、営業利益56億円で2.6%増である。
会社四季報は、「一眼レフ交換レンズで世界的、デジカメ向けレンズも多く、ケータイ・監視向けレンズ強化」と特色付け(SANARI PATENT要約)、「増益」と見出して、「大震災による客先減産でレンズユニットは出足鈍いが、好採算の一眼レフ交換レンズは2桁増、中国で特に伸びる」と解説している。更に東洋経済誌(2011-06-01)は、「タムロンは労務費が安い中国での生産を積極的に進めてきた」とし、シグマ光機(JASDAQ)と対比して、「同業でレンズ専門のシグマ光機が、国内のみでの生産を続けているのに対してタムロンは、生産の95%を中国工場が手掛け、日本から技術者を派遣し。金型設計からレンズ加工・組立まで一貫生産体制を逸早く構築し、今次災害においても海外調達を推進した」と評している。
対比対象のシグマ光機は、売上高(2011-05期)69億5000万円で、タムロンより小規模だが、前期比15.0%の増、営業利益は6億5000万円で3.3倍だから、「研究開発・製造用レーザー光学部品、ユニット・システムの総合力に強み、発注先ブランド生産の展開も」と特色づけられ(会社四季報)(SANARI PATENT要約)、レンズに薄膜塗布する真空蒸着装置開発に注力している。
SANARI PATENT所見
レンズに関する技術について特許庁公開件数(2011-07-26現在)は18万6306件に達し、うち今年度に入ってからの公開件数のみでも2848件に及ぶ(2011-04-01~2011-07-25)。日本産業の強みの代表分野として、両社の各独自のビジネスメソッドが、それぞれの特長を発揮されることを期待する。
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2011年7月25日月曜日

総合リース国内首位・オリックスのリスク管理とレバレッジ運用

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オリックス(東大証1部)のレポートが届いたが、宮内義彦CEOがコモンズ投信の渋沢 健会長(渋沢栄一氏の直系だが、渋沢雅英氏は佐成重範弁理士の武蔵高校同期生)との対話で両者の理念や体験を惜しみなく交換しているので、実に貴重な内容である。先ずもって、標記の「総合リース国内首位」は、会社四季報が付した「特色」だが、渋沢氏の「オリックスにとって、いわゆる同業者に当たる企業体には、どんな会社があるとお考えでしょうか」という問いかけに対して、「私どもが指向してきたことは、オリックスということだけで、業界何位とかシェア拡大といった仮想敵国を作ることはやめようと言っているうちに、金融危機でライバルが誰もいなくなってしまいました」と応じ、「各部門でベンチマークとなる会社はありますが、同業者と捉える会社はない、というユニークな会社を目指してきました」という答え方をしている。会社四季報的な捉え方からは勿論、類型化した捉え方もできるはずだが、オリックスの社名がORIGINAL+Xに由来し、Xの累加による付加価値の多様性を追求してきた47年余の道程は、それぞれユニークであり続けたと言えよう。
佐成重範弁理士は20年程も以前に、日本リスク研究学会でリスク学(Riskology)の創設を提唱し、リスク・ベネフィットのバランス考量をその中核と論じたのだが、渋沢氏が、「日本ではリスク=危機というイメージが強いのですが、本来、将来不確定なものを指す言葉ですから、反対側に振れれば機会ということになるので、資源を的確配分する経営がリスクマネジメントであり、危機管理は、語訳と思いますが」と投げかけ、宮内氏と、レバレッジの安全性論やリースの機能論を展開しているのも、金融工学不評の折柄、考え方を刷新するために有益な内容を含んでいる。
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2011年7月24日日曜日

「機械メーカー」「化学品商社」一体経営の巴工業が内外好調

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巴(ともえ)工業(東証1部)(10月決算)の上半期決算報告(2010-11-01~2011-04-30)が届いた。巴工業の特色を会社四季報は「中堅化学機械メーカー、デカンター型遠心分離機(SANARI PATENT注: 横型遠心分離機の1種で、円筒部・円錐部から成る回転胴と、組込スクリューの差速で回転し固形分と液体文を分離する)でシェア5割、輸入化学品商材扱い大きい」とし、創業70周年の業績好調については、「中国製合成樹脂が商流変化で減だが、国内で機械が2割増、北米油田向けも堅調」と、一般状勢とやや異質な好調ぶりと、米国や韓国企業とのニッチ分野提携とを強調している。換言すれば、機械メーカー事業と化学品商社事業を内外に併営(海外23%)して、今次報告の上期売上高実績は220億8000万円、前年同期比12.8%増、通期営業利益予想227億円、前期比4.5%増と好調を示す。
巴工業の塩野 昇社長は増収要因として、「北米油田向け遠心分離機の大型商談成立」、「国内官需向け工事売上の増加」、「化学品の幅広い商材売上増」を挙げ、増益については、「化学品事業における円高影響」を挙げている。
SANARI PATENT所見
東日本大震災の復興に向けて、特に下水処理施設が海沿いに設置されていたことに伴う遠心分離機の復旧需要が著増し、また、コンクリート強度向上材(シリカヒューム)について巴工業への供給確保期待が高まると予想される。
中国の化学工業向け遠心分離機供給において特に下水処理、太陽電池製造工程の砥粒回収装置が注目され、北米油田掘削向け大型商談の成立に関連して中南米への拡販が期待される。
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2011年7月22日金曜日

次世代原発「さよならウラン、こんにちはトリウム」の意義

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今日(2011-07-22)の日経ビジネスは「さよならウラン、こんにちはトリウム」と題して次のように述べているが(SANARI PATENT要約)(逸早く2011-04-07発表の再出)、その論旨は、東洋経済(2011-06-11)「旧式フクシマと差は歴然、より小型・より安全にトリウム原子炉の可能性」の論旨とも通ずるものがある。
先ず日経ビジネスは、
(1) 今次福島原発大事故発生に先立つ2011-01-25に、中国科学院は戦略的先端科学技術特別プロジェクトとして、トリウム原発の研究開発を行うと発表した。このように、未来の原発としてトリウム原発には米中印が、福島事故以前から、続々参入している。
(2) トリウム原発は、過熱し始めれば小さな栓が溶けて溶融塩は鍋に排出される。コンピュータも電動ポンプも不要で原発の安全が守られる。大気圧で運転されるから、福島原発のような水素爆発は発生しない。放射能漏れもなく、制御不能状態が長く続くことはあり得ない。
(3) トリウムは連続的にウラン233を生成することによりトリウム自体の燃料を増殖し、同量の燃料からウランの約90倍のエネルギーを生成する。ウラン233の核分裂反応によりプルトニウム(核兵器材料)を発生することがない。トリウム溶融方式では、燃料が最初から溶融しているから、燃料棒のメルトダウンということは起こりえない。
(4) The Wall Street Journal(2011-03-19)も、「今こそ、トリウムのポテンシャルを見出すべきだ」と述べている。
上記東洋経済の記事は、亀井敬史の述作によるが、次のように述べている(SANARI PATENT要約)。
(1) 現在、世界で稼働している原発は第一ないし第三世代の構造だが、第四世代の原発として注目されるのがトリウム原発である。これこそ「本質的な安全性」を持つ原発と考えられている。
(2) トリウム原発の溶融塩炉では、燃料棒も圧力容器も不要で小型化できるため経済的であると共に、燃料の溶融事故は起こり得ない。
(3) 日本のスタンスでは、究極の原発に現実味も定まっていない(SANARI PATENT考察: 認識自体が欠けているのではないか)。
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2011年7月21日木曜日

新興サービスが「成長拡大路線の構築」と「新規事業開発に挑戦」でITの新ステージへ

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業歴58年余の新興サービス株式会社が、「情報通信ネットワークへの革新的なソリューション提供により、新たなビジネス展開を機動的にバックアップします」として先ず、次世代情報社会のニーズに即応する8分野のソリューションを提示している。
(1) ネットワークソリューション→ ビジネスインフラにふさわしいフレキシブルな情報通信環境のデザイン
(2) サーバシステムソリューション→ 肥大化複雑化する企業システムのサーバを処理負荷から開放しトラブルを防止
(3) セキュリティシステムソリューション→ 物理的技術的セキュリティツールによりネットワークを内外の問題から防衛。
(4) バックアップソリューション→ 自然災害や電源トラブルが惹起するデータ消失のリスクに対処
(5) 音響・映像システムソリューション→ リアルタイムな映像情報配信技術で新たなビジネスモデルの可能性を開拓
(6) 施設工事ソリューション→ 機能的コンピューティング環境とストレスフリーなオフィス空間の同時実現
(7) 導入支援ソリューション→ 休業日や夜間に集中するシステム拡張・入替時の負荷軽減
(8) 運用支援ソリューション→ ネットワーク上の全ベンダー製品の疑問・トラブルに対応。
更に、上記サービスについて、「新興サービスは、365日24時間、全国64拠点の自社有資格スタッフが対応するサポート体制により、顧客ニーズに迅速的確円滑に対応する」と述べている。
また、新興サービスは医療系分野の保守ビジネス経験が豊富で、福祉介護分野に取組んでいる。翻って新興サービスの沿革を見れば、総務省(旧郵政省)ほか諸官庁・NTT・KDDI等のテレプリンタ保守に始まり、NEC・三洋電機等の入出力機器保守、総務省窓口会計機器の保守サービス、三洋電機の医療用レセプトコンピュータ保守、NEC製金融端末の保守受託、NEC 販売店契約締結、各種認証を取得と、定立された理念を一貫して強化拡充している。
SANARI PATENT所見
新興サービスの事業は、次世代スマートコミュニティにおいても必須の業態であり、電気通信法制や通信放送融合のグローバルな展開動向把握に練達な国際的人材を迎えて陣容を強化されていることに敬意を表する。
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2011年7月20日水曜日

独自技術配電制御システムで海外比率5割の寺崎電気産業

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寺崎電気産業はJASDAQ銘柄だが、JASDAQと言えばベンチャーの先端新進企業と先ずイメージされるのに、寺崎電気産業は、創業88年のスイッチ・ブレーカ名門で、例えば船舶用配電制御システムでは世界トップ級技術と評価(会社四季報)されている。遡れば1923-10に大阪市でスイッチメーカー株式会社寺崎電機製作所を創業し、スイッチを始め分電盤・配電盤を製造し、1040年代前半まで20年余をその拡張に専念したが、後半の至って、日本で初めてMCCB(ブレーカ)を独自開発し、政府の計画造船政策に即応して船舶用電機設備の製造に参入するという着実な発展過程を経ている。従って、1950年代に至り船舶用配電制御システムでトップメーカーの地位を築き、1980-04に現・寺崎電気産業株式会社を設立した。その間、1960年代には世界的な発明「時流ブレーカ」を商品化し、欧州10国に販売代理店を確保した。1970年代には英国・シンガポール・ブラジルに海外拠点を設立、また、海底石油掘削装置用配電制御システムを多数納入した。1980年代にはコージェネレーション用システムの売上が拡大し、マレーシア・スペイン・イタリアにも海外拠点を設立した。1990年代には船舶用総合計装システムを開発し、また、中国広州に海外拠点を設立した。2000年代に入り、スエーデン・中国(上海)に拠点を設立した。
SANARI PATENT所見
最近の寺崎電気産業会長・社長のメッセージも従来路線の技術価値・企業価値創造を強調する地味な発言だが、エネルギー状勢変動に即応して固有の領域を展開していく堅実性に加えて、会社四季報は寺崎電気産業の新分野として、「太陽光・風力など新エネルギー向け直流遮断機を拡販、価格競争力ある遮断機新製品は東南ア・中東市場掘り起こす」と簡明に要点を捉えており、会長・社長のメッセージを聴くより手っとり早い。
寺崎電気産業は勿論、特許開発も活発で、特許庁公開例としては「船用給電パッケージ」(特許庁公開日2009-02-05)→海上輸送用コンテナの設置位置に。船体から張り出さずに設置でき、その上に別のコンテナを搭載できるなどの給電パッケージを提供する、などが見られる。
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2011年7月18日月曜日

「戦略予防法務」のUBICに野村IRの特別企画

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野村IR誌の最近号が特別企画のトップに株式会社UBIC(東京マザーズ)を対象としている。登録社名が英字表記で、「ユービック」と振仮名もしていないが「ユービック」と呼ばれて、中国文・韓国文のホームページでもUBIC(Legal High Technology)の表記だから、グローバルにユービックと発音されよう。対して、株式会社オービック(東証1部)はカタカナ表記の登録社名で、テレビ東京WBSに「システムインテグレーション」のオービックとして派手にCMしているので、混同する消費者もいるかも知れないが、オービックの代表的商品・著名会計ソフトは「OBC」と英字表記されている。
やや余談に走ってしまったが、野村IR誌でUBIC守本正宏社長は「使命は国土の防衛から、企業の海外戦略防衛へ」の錦の御旗のもとで登場している。「膨大な電子データの海から、真実を探し出す」企業であり、「平成市場で活躍するアジア企業への訴訟リスクを独自のIT技術で防衛する」。野村IR誌による紹介の書き出しも、「2007年6月に東証マザーズに上場したUBICの内容を詳しく語れる投資家は、どのくらいいるだろうか。2011-03期売上高で27億円の、上場企業としては小さな部類だが、しかし、UBICの取引先には、誰でも名を知る大型優良企業がずらりと並んでいる」というリマークで始まっている。会社四季報は、「UBICは法的紛争・訴訟の際、証拠保全など電子データ収集・分析を行うコンピュータ解析事業が主」と特色付けるが、更に「主力の訴訟支援サービスはは前半期から米国での価格カルテル調査が増勢」と解説しているので、具体像が浮かんで来る。UBIC自身は戦略予防法務の意味を、「法的リスクを企業戦略に取込み、成長要因に進化させます。UBICはこのコンセプトを戦略予防法務と呼びます」と述べている。
SANARI PATENT所見
中国の企業が新幹線車両関連の特許出願を多発しているとテレビ放映されたが、諸般の分野でグローバルに、特許権関連の国際訴訟が多発する趨勢にある。戦略予防法務も、分野別の専門性が高度かと思うが、このコンセプトは尊重すべきである。
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2011年7月17日日曜日

セブン銀行と野村証券連携の便利度

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セブン銀行(JASDAQ)が月次データを更新して(2011-07-07)、2011年6月のデータを加えたが、年度初の2011年4月に比べても、月末ATM設置台数は6月末1万5635台で1.24%増、月間ATM利用件数は5400万件で3.85%増、毎日1台当たり利用件数は1170件で1.92%増と順調な伸長ぶりである。4年前2007年6月のデータ、1万2145台、4000万件、107.8件に対して、各28.7%増、35.0%増、10.6倍で、特にセブン銀行ATMの利用頻度の著増が目立つ。
生活者利便に直結するATM事業についてセブン銀行は、2011-03期事業報告で次のように述べている(SANARI PATENT要約)。
1 当事業年度も、グル-プ内外でATM設置台数の増加を推進した。加えて、提携金融機関の増加(庄内銀行、三菱UFJ信託銀行、筑邦銀行などを加えて証券会社9社、銀行100行、信用金庫262庫などとなった)、により、ATM利用顧客の利便向上に努めた。
2 ATM設置については、グル-プ内では、セブンイレブン店舗を始めとするグル-プ傘下各店舗への新規設置のほか、利用件数が多いセブンイレブン店舗へのATM増設を推進した。
3 一方、グル-プ外への展開として、パルコを始め、商業施設やオフィスビルに新設したこか、他金融機関のATM肩代わり拡大など、設置場所を拡大すると共に、セブン銀行初の取組として、都内2箇所で自らATMコーナーを開設した。
SANARI PATENT所見
四谷3丁目の大交差点(新宿通り*外苑東通り)に接して、新宿通りを挟んでセブンイレブン2店舗が向かい合っているが、いずれにもセブン銀行ATMが設置され、増加する副都心人口や多様な企業・機関の利便を増進している。特に野村カードによる野村MRFの入出金は、無手数料で利用時間も、日曜・祝日を含めて19時までサービスしており、銀行などの他連携機関に比べて野村カードによる現金出金の利便度は極めて高い。ただし、三井住友銀行は連携内容が他金融機関より進んでいる。
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2011年7月15日金曜日

日新(東大証1部)の国際複合一貫輸送・混載輸送サービス

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野村IRの会社説明会(2011-07-15)に日新が出演し、筒井雅洋社長が73年に及ぶ業歴の発展過程を説明した。日新はグローバル総合物流企業として顧客のニーズに適合する最適輸送ルートや輸送方法の提供を機能とし、多種多様なモノを陸海空を問わず、あらゆる輸送手段を駆使し、世界のどこまでも、より安く、より安全に運ぶことが業務だから、国内市場から巨大なBRICs新興市場を含む全世界のドアからドアまで一貫輸送で運ぶノウハウの蓄積をフル活用することが、わが国産業の今後の展開を支える基幹要素として強く要請される。
輸送の対象は、生鮮食品から電子部品・自動車・工場設備まで多種多様であり、海外209拠点のネットワークで世界のどこまでも運ぶ。現法と拠点は中国には上海高信など6現法・78拠点、他のアジアにはインド日新・シンガポール日新・マレーシア日新・タイ日新・フィリピン日新・ベトナム日新・インドネシア日新など7現法・55拠点、米州には米国日新・カナダ日新・メキシコ日新など3現法38拠点、欧州には英国日新・ドイツ日新・中近東日新・ロシア日新など9現法・38拠点を有する。
日新の社名の通り、新商品新サービスの開拓を日新のDNAとし、例えば、「中国での物流事業に日中国交正常化前の1955年から着手し、中国初の海外商品展示会(東京・大阪)の輸送設置作業実施、1964年設立の日中平和観光株式会社を通じた旅行業務と合わせ中国事業を展開」、「1973年にシベリア鉄道経由、極東・欧州・中近東間のコンテナ複合一貫輸送システム開発」、「1984年、日本の国際輸送業者として初めて欧州向け海上混載輸送サービス開始」、「1990年、モンゴル向け、その後、カザフスタン・ウズベキスタン・トルクメニスタン向け複合一貫輸送サービスを拡大」、「2008年、ベトナム国鉄と提携してカーワゴン輸送サービスを開始」など、「日々新たに」の日新スピリットで新商品・新サービスを開拓拡大してきた業績は、まさに、日本産業がこれから再起するため不可欠なスピリットであり、日本国民全体の行動に浸透すべきである。
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2011年7月14日木曜日

自動車内装備インテリア部品メーカー河西工業のアジア展開

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野村IRの会社説明会(2011-07-13)に河西工業(東証1部)が出演した。現在の海外比率52%だが、従来の欧米中心から、中国での奇瑞汽車(=自動車)との合弁工場に続き、鄭州日産向け新工場や奇瑞向け第2拠点計画、更にインド進出を検討し、アジアの売上構成比2015年度2割超(現7%)を目指しているから(会社四季報)、海外比率は時流に即して急上昇すると見られる。
日産系列(現・日産向け6割)から独立サプライヤーとして自動車各社との商取引を拡大しつつあるが、「電気自動車でも内装部品への需要は変わりありません」と上記説明会で強調していた通り、次世代自動車に向けての業界構造変革は、河西工業の顧客層を益々拡大していくことは必至である。
「室内空間は人にとって、安全かつ快適であることが、最大の機能であることの実現を目指しKASAIグル-プは、インテリア総合メーカーとして、製品開発を積極的に取組んでまいります」(Safety and comfort are the most critical factors that cabin space can provide. Striving to realize this, KASAI Group has actively been involved in product development)と、内外に宣明しているが、次世代自動車室内空間は、モバイルオフィス・モバイルハウス・情報受発信基地・電力受配電基地として、スマートコミュニティのモバイル要素を担い、「安全快適」と共に「高度機能性」を強度に要求される。
技術開発の方向性については河西工業は、新素材(傷が目立たない樹脂材料の市場投入、海外樹脂メーカーからの材料調達)、機能向上(電気自動車向け開発の促進・エアコン効率向上の遮熱天井・電気モータ用防音カバー)、加工工程(組立工程の自動化・材料同時成形)、環境(薄肉・偏肉発泡成形により軽量化・無接着剤工法・無塗装樹脂成形・リサイクル材活用)を掲げており、グローバルに通用するイノベーション指向として、河西工業の発展基盤を強固にするものとSANARI PATENTは考える。
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2011年7月12日火曜日

エルピーダメモリの業績好調と増資計画

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国内唯一の半導体DRAM企業で世界3位、海外比率85%というユニークな地位を有するエルピーダメモリ(東証1部)が、30ページに及ぶ長文の発表「新株式発行および株式売出並びに転換社債型新株予約権付社債発行」を示した(2011-07-11)(SANARI PATENT注: Dynamic Random Access Memoryは、情報の記憶を電荷により行い、読み書きが自由に入力・消去できる半導体記憶素子)。
)。その目的として、「エルピーダメモリは国内唯一のDRAMメーカーとして誕生以来、先端技術の研究開発やGRAM製造ラインの増設、次世代製造プロセスの導入に加え、台湾生産子会社Rexchip Electronics Corp.の合弁設立で代表されるアライアンスや、産業活力再生法に基づく事業再構築計画の策定・実施など、様々な施策を通じて競争優位性を向上させてきた結果、現在エルピーダメモリは、DRAM市場のLeading Companiesの1社としての地位を獲得し、特にDRAMの低消費電力性や薄小サイズ等の要求が求められるモバイル機器向けの高付加価値DRAM分野において、市場競争力を有し、またエルピーダメモリは2011-05に、世界最先端プロセスとなる25nmプロセスを採用した2GビットDDR 3 SDRAMの開発、2011-06に現在世界最薄となる高さ0.8mmの4段階層DRAMパッケージの量産技術確立に成功したことに加え、貫通電極積層技術を用いたDDR3 SDRAMのサンプル出荷も世界で初めて実現するなど、足元では、競合他社に対して技術的に優位な立場にあるが、その更なる向上のため財務基盤を強化することである(SANARI PATENT要約)」と述べている。
現にエルピーダメモリの2011-03期業績は、売上高5143億円で前期比10.1%増、営業利益358億円で33.3%増と好調だが、経営環境については、「米国では年度央にかけて停滞感があったものの、先進国全体として見れば消費の順調な回復が見られ、また、新興国では活発な経済活動が進行し、インフレ圧力の顕在化や景気の過熱等の懸念がある中でも、多くの国で高成長を記録した」(SANARI PATENT要約)と見た上で、「DRAM業界においては、当期の前半は長期にわたるDRAMメーカー各社の設備投資抑制により供給量が限定的だったこと、また一方で経済の改善に伴って企業のIT投資は回復したことから、パソコンおよびサーバ向けDRAM需要が改善し、販売価格も高水準で推移したが、当期の後半は、需給悪化したけれども、スマホやタブレットの出荷好調によりモバイルDRAMの需要は大幅増加した(SANARI PATENT要約)」と述べている。
SANARI PATENT所見
DRAMの用途が次世代に向けて益々拡大するから、エルピーダメモリの海外比率85%から考えても、その進展はわが国経済にとって必須である。
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2011年7月11日月曜日

NTT・東ガス・大ガス共同出資の電力会社・エネットへの期待

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日本の発電能力(kWベース)で3割を占める原発の前途が全く不透明な現状だから、経済回復に即応する電力量供給(kWhベース)の確保と安定性が危惧されることは当然で、中国等が原発等により電力供給を増強するから、中国等に生産立地を移転しようという動きが強まるのは、日本のエネルギー政策の失態によるものとして、諦めるほかないのか。あまり性急に判断しても拙速になるから、東電ほか地域独占的な電力会社のほかに、限定的ながら発電事業を営んでいる「特定規模電気事業者」(PPS)の拡大に注目と期待が集まるのは当然である。PPSの代表的な企業として株式会社エネット(ENNET Corp.)は、今次福島原発事故発生に先立つ時点においては、もっぱら企業コスト低減の見地からPPS利用のメリットを強調していたが、原発問題の深刻化によって、PPSの存在価値が電力供給確保の意味で決定的に高まったことを、全国民が認識すべきである。
上記エネットの会社概要は、設立・2000-07-07、資本金63億円、共同出資者はNTTファシリティーズ・東ガス・大ガス、理念と経営ビジョン(SANARI PATENT要約)は、
(1) エネットは、エネルギーに関するコンサルティングやエンジニアリングを行ってきたNTTファシリティーズと、発電燃料の供給実績を持つ東ガス・大ガスの3社により設立し、2001-04に営業を開始した。
(2) 東ガス・大ガスは、環境に優しい天然ガス発電所を始め、全国の事業者から電力を調達し、茨城県・京都府の自社発電所の電力をミックスすることにより、安定した電力を供給している。
(3) 現在、多数顧客に300万kW以上の電力を供給し、特定規模電気事業者(PPS)の中では約50%のシェアを持っている。
(4) 電力小売市場における競争の進展は、電気料金の低下に大きな役割を果たしてきたが、社名であるENNETは、「EnergyとNetworkの融合」というコンセピトで、3社の強みを組合せて顧客とコラボレートしつつ、顧客本位の新たなシナジー商品・サービスを提供する。
SANARI PATENT所見
エネットの事業規模は1000億円を超え、顧客はオフィスビル、デパート、病院、スーパー、官公庁、大学など6000件に及んでおり、社会福祉や先端技術生産上、計画停電や節電規制の影響を必ず回避すべき電力需要者の利用が、更に急速に拡大することが望まれる。
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2011年7月9日土曜日

日立ソリューションズの柿葉美帆さんが好演の電子メディア教育

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昨深夜(2011-07-08)のテレビ東京WBSが、そのトップに「送れる日本のIT教育」をテーマとして、初等教育から中高教育に至る電子黒板・タブレットなど電子機器を生徒と共に活用するデジタル教育の国際比較を示したことは、競争力強化を経済再生の前提とするわが国にとって、誠に有意義であった。要旨は、「国際競争力を緯持するために不可欠なIT教育。インターネットを活用して必要な情報を検索する力、デジタル読解力で韓国に水をあけられた日本。巻き返しの秘訣はあるのか。政府が推進するIT教育(総務省のフユーチャースクール推進事業)の実証実験に取組む小学校や最新のIT教育機器の展覧会、そしてその先進国である韓国の動きを取材した。」
日本では2009年に麻生内閣で、、公立校での電子黒板(インターネットと接続)完備が企画され2000億円予算が計上されたが、民主党の事業仕分けで否定された状況も放映していたが、東京・横浜など先進的な公立中高校ではモデル的に導入されつつある。
更に、民間企業の熱意が重要で、WBSでも日立ソリューションズの柿葉美帆さんが、教育現場でのタブレットなど教師・生徒・ネット情報一体化の効果的IT活用を好演していたが、佐成重範弁理士が関与してきた鎌倉女学院(私立)は既に数年前にパソコン操作の各自習熟施設を完備し、エクセル活用なども徹底している。
なおWBSが紹介した教育ソソリューション展覧会には、アクティブキーボードなどの新製品がクラウド活用を含めて花盛りであり、実地の活用を待っている。
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2011年7月8日金曜日

「我流人生」の光岡自動車(みつおか)が「特別限定の宅配車」

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昨深夜のテレビ東京WBS(2011-07-07)に、光岡自動車が華々しく紹介された。「光岡が配送用新ジャンルEV発表」と題して、「光岡自動車が大手バッテリーメーカーのGSユアサグル-プと共同で、新電気自動車「雷駆T3」を発表した。バイクと軽自動車の間の三輪の自動車で、小回りが利くことを利用して、細い路地での宅配などに強みを見せます」と、WBS独特の簡明な紹介ぶりだが、通販と合わせて宅配が国民生活に浸透し、優秀な若者を含めて宅配業界の就労人口も急増している折柄、全国の注目を集めたWBS放映であろう。ただし、「価格はユーザーの負担が100万円以下になることを目指して、今年度(2011年度)中の発売を目標として開発中である。GSユアサグル-プ側は、電気自動車への新規参入を促すことで市場の拡大を狙う」と続くので、性急に「早速」というわけにはゆかないが、SANARI PATENTとしては、節電の政策見通しが速く確立して、「高度電気利用」の国民福祉を政治と行政が阻害しないよう、切望する。
そこで早速「光岡自動車」もHPを開いた生活者も多いと思うが、「我流人生」を標榜して、「限定生産・孤高の使者」と名付け、「雷駆T3」(ライク)のモニタを募集している。「新感覚のカギを手に入れよう」と推奨しており、応募者殺到と予想される。
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2011年7月6日水曜日

今次特許法改正による「真の発明者の保護強化」

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今次特許法改正(C Site 2011-07-05ご参照)における「真の発明者の保護強化」について衆議院での質疑応答を要約する。
質疑: 最近は共同研究・共同開発・産学官など様々な組合せで創出が続出している。その組合せ中の一員が勝手に特許権を取得すると、例えば大企業と中小企業の共同開発において大企業が特許権を取得してしまうと弱い中小企業は泣き寝入りせざるを得ず、このために中小企業が共同開発を忌避する場合も多い。それでは訴訟提起して権利を取得できるかといえば、そうではなく、無効となって結局、研究開発がオープンになってしまっただけということになる。今次改正により特許法74条に移転の規定を設けたことを評価するが、周知徹底はどうか。日本には中小企業が420万社あり、企業数の99%を占めるが。
答弁: できるだけ多くの研究者が共同研究すること、文殊の知恵を発揮してイノベーションすることが共同開発の目的である。従って、共同開発するに当たっては、お互いに共同でやる前に申し合わせを文書で取り交わすことが必要である。
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2011年7月4日月曜日

新規事業で収益構造転換のデータリンクス(JASDAQ)

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野村IRの発送代行でデータリンクスの事業報告が届いた。「基幹系を得意とするソフト開発会社」だから、一般消費者での知名度が充分ではないが、DTS(東証1部)が50%、NTTデータが17.3%の株式保有率で、売上の7割強がNTTデータ向け」(会社四季報)だから、創業約30年のソフト開発と人材供給の評価は安定している。データリンクス村井一之社長は今次報告で、「この業界においても、情報サービスではIT投資関連は、回復の基調は見られるものの、短納期・低価格など投資パーフォーマンスに対するサービスの要求は高く、人材ビジネス市場では、改正労働者派遣法案の可決見通しが立たない状況下にありながら、法案ニーズが先行する一方、派遣事業主各社の収益環境が悪化する傾向にあります」と、再読を要する環境考察をされた。
ビジネスモデルとしては、「System Solution Service事業」と「Business Process Outsourcing事業」の2本立だが、System Solution Service事業は、Web Integration、Data Mining Solution、および、基幹系System Solutionで構成し、Business Process Outsourcing事業は、人材派遣、人材紹介、および、Outsourcing事業で構成している。
データリンクスは、その事業環境は依然として厳しいと認識し、System Solution Service事業については技術者のキャリアパスを構築し、業務ノウハウを取得し、プライム比率向上とSystem Integrationの強化、Business Process Outsourcing事業については、改正労働者派遣法案に対する取引先のニーズと動向を把握し、Outsourcing事業を深耕するとしており、時流に即する展開が期待される。
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2011年7月3日日曜日

造水・血糖センサ・スマホ・LED向け高機能分野拡大、東洋紡績

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東洋紡績の今次報告では先ず、造水需要が高い中東湾岸諸国で、東洋紡績の海水淡水化膜が50%以上のシェアを占めたことが注目される。原発などインフラ輸出では他国に敗退例も重なるわが国として、機能段階でのシェアが高いことを誇るべきであろう。
国内外の消費者に身近な分野では、東洋紡績の「血糖センサ用酵素」の開発が重要である。テルモの「家庭用血糖値計」など、高血糖の合併症を予防すべく血糖値の的確な測定が日常的に必要だが、先進国のみならず、所得急上昇の新興国上位階層の大人口が、血糖値計測の日常化に向かっている。東洋紡績は、血糖と反応して血糖値を測定する役割を果たす「血糖センサ用酵素」の開発を続け、特に最近は、ブドウ糖と他の糖との的確な区別に成果を挙げている。
スマホやタブレットで利用が拡大している「タッチパネル用ポリエチレンテレフタレートフィルム」についても東洋紡績は、高透明性に加えて、独自のコーティング技術により、干渉ムラが少ない「タッチパネル向けフィルム」を開発拡販している。
また、節電で利用加速のLED照明について東洋紡績は、LEDの点光源性に伴う眩しさの生理影響を緩和すべく、独自のポリマ混合技術と製膜技術により高効率に光拡散するフィルムを開発し、広汎な照明用途に応需している。
SANARI PATENT所見
会社四季報は東洋紡績の特色として先ず「紡績界名門」と銘打った上で、「機能樹脂など衣料繊維以外の売上高7割超」と続けているが、2011-03期の著増収・著増益実績に立って、不透明な世界経済に対処しつつ、技術革新の恵沢を内外に拡大すると思う。
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2011年7月1日金曜日

経済産業省発表(2011-07-01)の、現時点・社会保障給付の考え方

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経済産業省は今日(2011-07-01)、産業構造審議会基本政策部会の中間取りまとめのポイントを発表した。一般的な状況把握には別段新味がないが、「社会保障給付の在り方」の章には「自助支援を出発点とする」という基本的考え方が示されたことに、SANARI PATENTは新たな動向・方向性を認めるので、これに賛意を表する趣旨で、その部分を以下に要約する。
1. 本当に必要とする方にサービスが提供されること、自助の支援を出発点とし、自助・共助・公助を適切に組合せること、民間活力を積極的に活用することを基本原則として、給付の重点化を進めるべきである。
2. 医療介護については、公的保険外の民間サービスの創出、医療提供体制の重点化、IT利用の促進、民間事業者の参入促進、医療関連産業の高度化と国際競争力強化を推進すること、軽微な療養に対する保険免責制の導入、後発医薬品や市販品類似薬の薬価等を見直し、軽度者を介護保険対象から除外すること、保険者機能を強化し、予防のインセンティブ(お達者ポイント)を付与すること
3. 年金については、高所得者の基礎年金給付を減額して低所得者の基礎年金に充当し、雇用環境整備を条件として年金支給開始年齢を引き上げること、マクロ経済スライドのデフレ下における実施、公的年金・企業年金の運用を強化し、世代会計を導入すること、私的年金を活用すること
4. 子育てについては、保育分野に株式会社の新規参入を促進すること。
SANARI PATENT所見
わが国では北欧の人口500万人前後の人口小国の事例を用いて高福祉社会の仕組みを論ずる者が多いが、米国、中国、インド、ロシア、EUなどの規模大国との産業競争力を緯持することによってのみ、国民の生活水準を向上させることが可能なのだから、これら規模大国における自助原則と給付水準を先ず政策の前提とすべきである。
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