2011年7月12日火曜日

エルピーダメモリの業績好調と増資計画

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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国内唯一の半導体DRAM企業で世界3位、海外比率85%というユニークな地位を有するエルピーダメモリ(東証1部)が、30ページに及ぶ長文の発表「新株式発行および株式売出並びに転換社債型新株予約権付社債発行」を示した(2011-07-11)(SANARI PATENT注: Dynamic Random Access Memoryは、情報の記憶を電荷により行い、読み書きが自由に入力・消去できる半導体記憶素子)。
)。その目的として、「エルピーダメモリは国内唯一のDRAMメーカーとして誕生以来、先端技術の研究開発やGRAM製造ラインの増設、次世代製造プロセスの導入に加え、台湾生産子会社Rexchip Electronics Corp.の合弁設立で代表されるアライアンスや、産業活力再生法に基づく事業再構築計画の策定・実施など、様々な施策を通じて競争優位性を向上させてきた結果、現在エルピーダメモリは、DRAM市場のLeading Companiesの1社としての地位を獲得し、特にDRAMの低消費電力性や薄小サイズ等の要求が求められるモバイル機器向けの高付加価値DRAM分野において、市場競争力を有し、またエルピーダメモリは2011-05に、世界最先端プロセスとなる25nmプロセスを採用した2GビットDDR 3 SDRAMの開発、2011-06に現在世界最薄となる高さ0.8mmの4段階層DRAMパッケージの量産技術確立に成功したことに加え、貫通電極積層技術を用いたDDR3 SDRAMのサンプル出荷も世界で初めて実現するなど、足元では、競合他社に対して技術的に優位な立場にあるが、その更なる向上のため財務基盤を強化することである(SANARI PATENT要約)」と述べている。
現にエルピーダメモリの2011-03期業績は、売上高5143億円で前期比10.1%増、営業利益358億円で33.3%増と好調だが、経営環境については、「米国では年度央にかけて停滞感があったものの、先進国全体として見れば消費の順調な回復が見られ、また、新興国では活発な経済活動が進行し、インフレ圧力の顕在化や景気の過熱等の懸念がある中でも、多くの国で高成長を記録した」(SANARI PATENT要約)と見た上で、「DRAM業界においては、当期の前半は長期にわたるDRAMメーカー各社の設備投資抑制により供給量が限定的だったこと、また一方で経済の改善に伴って企業のIT投資は回復したことから、パソコンおよびサーバ向けDRAM需要が改善し、販売価格も高水準で推移したが、当期の後半は、需給悪化したけれども、スマホやタブレットの出荷好調によりモバイルDRAMの需要は大幅増加した(SANARI PATENT要約)」と述べている。
SANARI PATENT所見
DRAMの用途が次世代に向けて益々拡大するから、エルピーダメモリの海外比率85%から考えても、その進展はわが国経済にとって必須である。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください) エルピーダメモリ DRAM スマホ

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