2011年2月28日月曜日

就活・人材活用・再就職等々現時点の「人問題」にパソナの取組

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物的需給は先端技術開発で解決、企業維持は売上高低迷下の収益体質構築で解決だが、人の需給、ポスドクや弁護士・公認会計士新人の就職難、大卒就活等々、人事の回復はむしろグローバルに深刻化するから、パソナのような人事企業の動向が注目の的になるのは当然である。そのパソナの2010-06-01~11-30事業報告が届いたが、雇用のミスマッチ解決に益々活躍中である。今次報告では先ず、次のように述べている(SANARI PATENT要約)。
「例えば大学生の就職難について、解決すべき三つのミスマッチがある。
(1) 情報のミスマッチ→ 日本の中小企業は、国際競争力に富むものも多いが、情報発信力に乏しく、学生に自社の良さが伝えられず、大企業の採用枠に多数学生が殺到している。
(2) 教育のミスマッチ→ 事業環境の変化により、企業が求めるスキルや人物像が変化しているが、教育内容が即応していない。
(3) 意識のミスマッチ→ モノづくり産業からサービス産業へと、経済のソフト化が進んでいるが、産業構造の変化について、大学・学生・親ともに認識不足のため、有望な中堅・ベンチャー企業の内定にさえ呼応していない。」
上記に対応するパソナの取組を次のように述べている(同上)。
(1) パソナは2010-04に、就職できなかった新卒大学生を一定期間パソナグル-プの契約社員として採用し、コミュニケーション力などを徹底して教育した上で企業就業を体験させるフレッシュマンキャリア社員制度を発足させた。
(2) 中国での就労希望者に対して、上海・広州・東京で就職セミナを開催した。
(3) ベトナムにITセンタを開設した。
(4) ニューデリー・ムンバイ・チェンナイ・バンガロールに営業拠点を開設した。
(5) 今後更に、「MESIA+G」すなわち、Medical、Environment、Sightseeing、Information /Communication Technology、Agriculture、Globalの6重点分野で、雇用のミスマッチ解消に貢献する。
SANARI PATENT所見→ 在外拠点の開設は、海外で就業する学卒と親とに、身近な安心感を与え、「親代り」的機能を持つことが期待される。
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2011年2月27日日曜日

皮革製の球技ボール関連特許権の無効審決を知財高裁が取消

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国境を超えて球技は、グローバルな親善と愛国心を高揚する国際社会の大産業でもあるから、ボールの構造に関する発明も国際的関心事であり、特許紛争も競技クレームと同様に国境を超えて多発することを免れない。もちろん、一旦付与された特許権が審判で無効とされ、その審決が知財高裁で取消されたりすることは、特許権の法的安定から、それ自体は好ましくないが、特許すべきでない発明を特許してしまったのかどうかは、公益のためにも判断を重ねるべきである。
2011-02-24に知財高裁判決が言渡された「平成22年行ケ10162号審決取消請求事件」において、原告の株式会社モルテン(訴訟代理人・古橋伸茂弁理士ほか)らは「球技用ボール」特許権の登録を2008-07-13に受けたが、被告モルテックスリミテッドこの特許権は無効であると審決請求し、特許庁はこの請求を認容して特許権無効審決を行った(2010-01-19送達)。原告は、この無効審決の取消を知財高裁に訴求し、知財高裁は原告の請求を認容して、特許庁の審決を取消した。
原告の特許発明は、「圧搾空気が封入された球形中空体の弾性チューブと、このチューブ表面全面に形成された補強層と、この補強層上に直接またはカバーゴム層を介して接着された複数枚の皮革パネルとを備えた球技用ボール」に関するもので、請求項は、「皮革パネルの折り曲げ部に設けられた接合部において、隣接する皮革パネルと接着されてなる球技用貼りボール」などで構成されている。
主たる争点は先行技術からの容易想到性の有無であったが、容易想到性なしとして特許権が付与され、容易想到性ありとして特許庁の無効審決がなされ、容易想到性なしとして知財高裁が審決を取消した。技術的に精密な各主張を、判決文によって考察すべきである。
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2011年2月26日土曜日

法人向け総合金融サービス会社へ、興銀リースの業態拡大

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興銀リース株式会社が会社説明会を開催した(2011-02-25 京王プラザホテルで)。産業構造の変容が金融サービス業の業態を変容し、逆にまた、金融サービス業の業態の変容によって産業構造の変容が支援されていることを示す内容(SANARI PATENT要約)であった。
1. 物融分野の展開→ 大企業・中堅企業中心に、そのニーズの変化に即応
1-1 モノの評価・処分能力、会計・税務の専門知識などのノウハウを活かして物融サービスの提供と提案→ 財務マネジメント・事務省力化ニーズに提案→ 技術革新による陳腐化加速に対してリ-スによる加速償却、一時的な高額資金負担発生に対して分割払いによる資金負担軽減、収支バランス管理に対して収入に見合った支払いリース料の設定、所有に伴う事務負担回避に対して税務・保険などの事務受託
1-2 顧客基盤→ 製造業との取引が厚く、ストラクチャードファイナンスやM and Aなど幅広いニーズに対応
2 金融分野の展開→ サービスと対象物件の範囲の拡大
2-1 キャッシュフロー(定期的現金収入)を基に元利返済するファイナンスを強みとし、キャッシュフローの評価・活用の専門性を活かして、事業金融(プロジェクトファイナンス)・債権買取・船舶や賃貸不動産への対象拡大
2-2 例えば、海運会社を実質貸与先とし、船舶担保で船主に融資し、用船料で返済を受ける。
3 資金調達における特徴→ 都銀・地銀。生保・農林系統など幅広い取引関係と、コマーシャルペーパーの機動的発行
4 興銀リースの業績推移
4-1 2008年度は、金融市場混乱の影響を大きく受け減益したが、黒字を維持
4-2 209年度は、市場金利の低下や企業倒産の減少と相俟って、業績が順調に回復
4-3 2010年度も収益回復トレンドを持続する。
SANARI PATENT所見
旧興行銀行の政策的抱負に郷愁を感ずるが、気概はみずほ銀行に潜在し、「興銀リース」に伝統の名を掲げて、物融・金融の両分野にわり、ニーズに機動的に応える多面的金融サービスと提案力、価値評価能力、キャッシュフロー活用能力を業態の変容に発揮し、産業のイノベーションをもたらすことが期待される。
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2011年2月25日金曜日

エーザイのアルツハイマー型認知症薬関連特許権延長についてエーザイ勝訴

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エーザイが有するアルツハイマー型認知症薬関連特許権について、原告 沢井製薬・シオノケミカル・大正製薬・大洋薬品・東和薬品・日医工・日本薬品・陽進堂は、被告 エーザイ(訴訟代理人・小林 浩弁理士ほか)のアルツハイマー型認知症薬関連特許権延長の無効審決請求を斥けた特許庁審決の取消を知財高裁に訴求したが、知財高裁は原告の請求を棄却し、被告エーザイが勝訴して、その本件特許権延長が有効と判断された(平成21年行ケ10423等審決取消請求事件・2011-02-22判決言渡)。
特許権の存続期間は特許出願の日から20年をもって終了するが、その特許発明の実施について安全性の確保等を目的とする法律の規定による許可その他の処分であって、その処分の目的、手続等から見てその処分を的確に行うには相当の期間を要するものとして政令で定めるものを受けることが必要であるために、その特許発明の実施をすることができない期間があったときは、5年を限度として、延長登録の出願により延長することができる。
エーザイは「環状アミン誘導体」特許について延長登録されたが(2008-06-25)、原告はこの登録の無効審判を知財高裁に請求し、知財高裁がこれを棄却したものである。
エーザイの本件特許権について「処分の対象となった物→塩酸ドネベジル」、「処分の対象となった物について特定された用途」→アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制(ただし、軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制を除く。)である。
知財高裁は、「医薬品が適用される疾患が異なれば、効能・効果が異なるものであること」「軽度及び中等度アルツハイマー型認知症と高度アルツハイマー型認知症は異なる疾患であること」などに基いて、特許庁の審決に誤りはないとし、原告の請求を棄却した。
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2011年2月24日木曜日

前立腺肥大症薬ユリーフのキッセイ薬品工業

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先般、天皇陛下が心臓疾患で東大病院に入院され、数年前には前立腺がんの検診を受けられたことも想起されたが、佐成重範弁理士は数年来、キッセイ薬品の前立腺肥大症薬ユリーフを処方されている。お陰様で現在、排尿障害がなく、可能性ありとされる副作用も全く現れず、長期服用で安心を得ている。シャープの電子辞書には、「膀胱の出口にある前立腺が年齢と共に肥大し、尿道を締めつけるため排尿困難となる病気です」と解説している。
前立腺肥大症薬の一つは、前立腺を刺激し肥大化させるアドレナリンα1受容体の遮断薬で、同受容体をブロックする機序によって作用するが、ユリーフのほか、アステラスのハルナール、日本新薬のエビプロスタット、旭化成のフリバスも同様の機序によると解する。
キッセイ薬品(東証1部)は、「医薬品中堅、好採算の排尿改善薬、糖尿病薬、口腔乾燥症状改善薬を集中育成、海外は導出が基本」と特色づけられる(会社四季報)。今次第3四半期報告によれば、売上高423.2億円で前年同期比2.1%増だが、その内容を見ると、薬価基準引下げによって既存製品の売上高が減少したけれども、排尿障害改善薬、糖尿病治療薬、口腔乾燥症改善薬が引続き伸長し、腎性貧血治療薬新薬の発売、欧州における前立腺肥大症治療新薬の発売、中国で輸入承認を取得した糖尿病治療薬のエーザイによる発売など、新薬開発に成果を収めつつあり、医薬中堅企業としての地歩を強固にして業界の環境変動に対応するものと予想する。
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2011年2月23日水曜日

電力インフラ事業の海外展開におけるJ-POWER

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J-POWER(登記「電源開発」)(東証1部)の事業報告が届いた。電力10社への電力卸が主力だから、民営化後は従来に増して、電力10社以外の電力会社としての現時点における存在意義を周知させるべきであろう。現に、J-POWERの広報活動は極めて活発だが、その重点をどこに置くかが課題である。換言すればJ-POWERの「企業理念」に言う「人々の求めるエネルギーを不断に提供し、日本と世界の持続可能な発展に貢献する」の「世界」にどのような重点志向をするかである。
J-POWERの設立は1952年で、既に60年近く経過し、国家的使命も変遷してきたが、現時点では日本経済成長のためのインフラ産業海外発展においても、パワーを発揮すべきである。例えばアジア新興国のインフラ需要においても、電力インフラは圧倒的に比重が高く、10年間で3兆2670億ドル、全インフラ8兆ドルの41%を占める。しかも3兆1760億ドルが新規投資で更新投資は910億ドルに過ぎない。
現にJ-POWERは、「中国漢江水力発電(持分27%)は5、6号機試運転開始で建設完了、ベトナム(同5%)も今期中に稼働」(会社四季報)で、今次報告にも「アジア・中東など新規導入国も含めた原子力発電所建設ビジネスに、いかに参入強化するかも課題である」と述べているが、東芝・日立などとの連携や、国政のトップセールスとの関係はどうなっているのか、詳細に説明して欲しい。
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2011年2月22日火曜日

三菱総研がインフラ輸出の課題と事例を説明

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発足早々の総務省「ICTグローバル展開懇談会」で三菱総研は、「インフラ輸出において指摘される課題と事例」と題して次のように述べている(SANARI PATENT要約)。
1. 2010年から2020年に至る10年間の、アジアにおけるインフラ投資額は約8兆ドル(7兆9920億ドル)で、内訳は、電力4兆0890億ドルで全体の51.2%、交通輸送が2兆4660億ドルで30.8%、通信が1兆0560億ドルで13.2%、水・衛生が3810億ドルで4.8%を占める。新規設置が5兆4190億ドルで全体の67.8%に達し、2兆5730億ドル(32.2%)が更新である。
2. 全世界のインフラ投資額は、2005年~2030年の25年間に約41兆ドルと推定されている。
3. インフラ市場について各国・企業による市場獲得の取組が活発化しており、日本は、世界の動きにキャッチアップし、インフラ市場獲得に向けて戦略的に取組む必要がある。
4. 世界の鉄道市場規模は年間約12兆円で、その構成は車両37%、インフラ20%、サービス32%、IT高度制御が1.1%→1兆3000億円の投資規模である。
5. 世界鉄道車両工業市場の企業シェアは、ボンバルディエ18%、アルストム16%、シ-メンス14%、日本企業12%、GE9%、GM7%、中国企業6%、アンサルド4%、その他14%である。
6. インフラ輸出のプロセスにおいて指摘される課題としては、
6-1 開発協力の合意→例えばインドについてDMICと開発協力のMOU締結→価格・性能に関する意識の相違の調整→双方企業の協調
6-2 Feasibility Study→ コンソーシアム形成・官民のトップ外交→売れる商材の明確化、個々の技術開発をICTでパッケージ化・システム化→戦略的な企業のコーディネーション
6-3 実証事業→実証実験による技術力の証明→商業化フェーズを見据えた圧倒的なプロモーション、システムアユアランスの重要性
6-4 商業化→事業化成立、他国展開
SANARI PATENT所見
体系的に優れたまとめだが、例えば6-1の合意形成の前提として、相手国との人的関係の構築など潜在的戦略が極めて重要である。
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2011年2月21日月曜日

総務省の「ICTグローバル展開懇願会」が発足

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総務省の「ICTグローバル展開懇願会」が先般(2011-01-31)発足したが早速、野村総研の村上輝康シニアフェローが「超上流志向のICTグローバル展開」について発言し、韓国の状況を引用しているのが参考になる。要旨(SANARI PATENT要約)は、
1. 韓国のu-Korea推進戦略とIT8・3・9戦略は、8大新規サービスとして「2.3GHzケータイインターネット」「DMB(衛星/地上波)」「Home-Network Service」「Tele-Metrics Service」「RFID活用サービス」「W-CDMAサービス」「地上波DTV」「インターネット電話」、3大インフラとして「Broadband統合網」「u-センサ-ネットワーク」「IPv6導入」、9大新成長動力として「次世代移動通信」「デジタルTV」「Home Network」「IT SoC」「次世代PC」「Independent S/W」「デジタルコンテンツ」「テレメトリクス」「知能型ロボット」を掲げている。
2. 韓国における2008年政権交代とICT政策体制の変化は、情報通信部から複数省庁でのIT政策の移行である。複数省庁は、知識経済部、放送通信委員会、行政安全部、文化部、国土交通海運省。
3. 韓国におけるu-City政策は、「Convenient City」(u-Business, u-Administration, u-Work, u-Traffic, u-Logistics, u-Culture and Tourism)
、「Healthy City」(u-Health and Human Serviceの Hospital, Emergency Rescue, Health Careにおける確保)、Safe City (u-Security, u-Public Facility Management)、Clean City (Air, Soil and Water Pollutionなきu-Environment, u-Residential Area) をもって構成される。
4. 韓国官民一体の都市システム輸出展開を計画している。中国・ロシア・モンゴル・アルジェリア・セネガル・ベトナム・アゼルバイジャン・カンボジア・ガーナ、イエメン等について既に、具体的数値・金額目標が示されている。
SANARI PATENT所見
韓国のSamsungなど、日本企業と国際競争力を競う基盤として、上記ICT政策の省庁統合的展開が存在する。
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2011年2月20日日曜日

デジタルコンテンツの現状を総務省報告

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最新のデジタルメディアの動向について総務省(情報流通行政局情報通信作品振興課)は、次のように述べている(2011-02-17)(SANARI PATENT要約)。
1. 日本のコンテンツ市場は、ここ数年間、約11兆円規模で推移している。
2. 世界のコンテンツ市場の合計は、2008年に約145兆円。2009年は約4%減少して139兆円になったが、2010年から2013年は、年平均6%で成長すると予測する。→ 2010年139.9兆円、2011年147.6兆円、2012年155.7兆円、2013年166.7兆円。米ドルレート104.2円で計算(2008年基準)。ここで対象としているコンテンツの範囲は、映画、テレビ放送、テレビ配信、音声、ラジオ、ビジネス情報、インターネット広告及び接続、ゲーム、新聞、雑誌、書籍。
3. 映像系・音声系・テキスト系コンテンツ市場の構成は、2008年度において、総額11兆8391億円のうち地上テレビ番組25%、衛星・CATV放送6%、映画ソフト5.8%、ビデオソフト2.6%、ゲームソフト5.8%、映像系ネットオリジナル0.9%の計46.1%で(SANARI PATENT考察: この約5割をデジタルコンテンツと解する)、テキスト系ネットオリジナル3.0%、データベース記事2.7%、書籍ソフト6.2%、雑誌ソフト13.2%、コミック4.8%、新聞記事15.8%、ラジオ番組2.0%、音楽ソフト6.0%である。
4. 近時、ケータイのインターネット上で展開されるモバイルビジネス市場が拡大している。映像コンテンツのネットワーク流通は年々拡大しており、特にケータイ上で流通する映像コンテンツの拡大が顕著である。
5. ケータイメディアのコンテンツの伸びを2008~2009年の売上高増加で見ると、アバタ/アイテム販売(SNS等)が157~447億円で2.85倍、ケータイの映像配信が513~553億円で80.6%増(SANARI PATENT考察: 総務省資料のまま記したが、ミスプリントであることは明らかで、実数が正しければ7.8%増)、ケータイの電子書籍は395~500億円で26.6%増、ケータイのニュース・生活情報は628~766億円で22%増、モバイル広告は913億円~1031億円で12.9%増である。
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2011年2月19日土曜日

産業活力再生法改正、海江田経済産業大臣応答

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産業活力再生法改正について海江田経済産業大臣が対記者応答した(最終更新2011-02-17)(SANARI PATENT要約)
Q1 産業活力再生法改正法案を2011-02-14に国会に提出したが、意義と成立見通しはどうか。
A1 活性化の手法の一つとして企業統合に関し、企業の事情で企業が主体的に行うものではあるが、経済産業省が公正取引委員会と協議するについて、政府としてどういう応援の仕方があるか、しっかりと公取側に伝えることに意味がある。予算関連法案だから、野党の同意も得られるようしっかり説明する。
Q2 公取と協議できるところまで企業を応援していくということに関しては、社民党あたりから反対、国民の反発も予想される。更に、米国から色々とターゲットポリシーということが言われた時代があって、現状としてはそういうようなことがあるのかどうか。その辺の懸念について見解はどうか。
A2 その懸念はない。どこから言われたからということではなく、日本自身が考えての選択である。また、社民党が反対かどうか、まだ知らない。もちろん、市場は透明であるべきで、それを公取が番人としてしっかり守っていく必要があるが、従来の「市場」と異なり、外需と内需がシームレスとなっており、海外市場を視野に入れる範囲を考慮して今回の法改正案に至ったことを理解されたい。
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2011年2月18日金曜日

財団法人・食品薬品安全センター秦野研究所年報

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中国でキリンが販売している牛乳が、中国産の牛乳より遥かに高価であるのに、母親達が挙ってキリンの牛乳を求め、「子供のため、日本製品なら安全安心」と大好評の様子がTV放映されたが、国内で食薬品の安全性を動物実験で確認する極めて重要な業務を、年末年始も祝祭日もなく(実験動物への給餌や観察には休日がない)長期の慢性毒性試験を主体に営んでいるのが、食薬品製造会社の試験所以外の専門国内機構としては唯一の、「財団法人・食品薬品安全センター秦野研究所」である。30年ほど前まで8年間、佐成重範弁理士はその法人の常任監事を務めたので、先日、新しい年報を贈られた。
米国の食薬品局(Food and Drugs Administration)が国家機構で3000名の科学者を擁するのに、日本のこのFDAは、当初建設費を競輪資金で賄ったほか、若干の設備費補助を競輪資金から受けているだけで、全て受託試験料金で運営しなければならない。従って、やはり気になるのは業務量(受注と売上高)の動向だが、日本の製薬業界が新薬開発の高額負担をM and Aなどで代替する傾向が反映して、減少気味であることは憂慮に堪えない。
日本の医療保険システムでも新薬の薬価が高額で開発を促進するけれども、研究開発費用の高さと成功確率の低さは医薬品において極めて著しく、企業規模が国際比較で小さい日本企業にとって過重な場合が多い。売上高規模で、日本トップの武田薬品1兆3000億円、2位3位の第一三共とアステラスの各9300億円に対してファイザーは3兆7500億円、グラクソは3兆3300億円、サノフィアベンティス3兆1000億円、ノバルティス2兆4500億円、ロシュ2兆2700億円で、武田は世界15位である。2010~2011に特許切れ医薬品が相次ぐので新薬開発は企業維持のため急務だが、ジェネリック量産、対ベンチャーM and A、配合剤や効能追加による特許権の実質延長など、純新薬開発の負担を軽減して企業維持を図る経営戦略も理解できるところである。しかし、この傾向が抗体医薬や核酸医薬などの医薬新局面先端医薬の開発にも及ぶことは、日本医薬産業の危機と言っても過言ではない。
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2011年2月17日木曜日

中国の糖尿病患者・潜在巨大人口に武田薬品が対応

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特許切れ続発やジェネリックの多様化で課題が多い医薬品業界だが、武田薬品は「2型糖尿病治療薬SYR-322の中国における臨床第3相試験開始」について発表した(2011-02-09)。糖尿病の知識は随分普及したが、1型はインスリンを分泌できない自己免疫異常による疾患であるのに対して、2型は生活習慣によるインスリン分泌能力の低下やグルコース分泌の増加で血糖値が増加し、様々な合併症を併発する疾患で、栄養過多・運動不足など所得水準の上昇に伴う現象という側面も重要であり、中国巨大人口の1割が潜在該当しても日本全人口に匹敵し、日本の糖尿病潜在患者千数百万人としても桁違いの多さである。自覚症状を伴わず進行する疾病だから、健康意識の向上を待って急速に糖尿病医薬の需要は増加するであろう。今次武田薬品の発表(SANARI PATENT要約)は、
1. 武田薬品と、武田薬品の100%子会社である武田グローバル研究開発センター(アジア)株式会社(所在地シンガポール)は、2型糖尿病治療薬SYR-322(一般名alogliptin)について、中国における臨床第3相試験を開始した。
2. 本薬は、武田薬品の100%子会社であるサンディエゴ株式会社(所在地米国カリフォルニア州)が創薬したジペプチジルペプチターゼ-4阻害薬である。日本ではネシーナ錠として既に発売し、他国域でも承認取得に向けて措置している。
3. この臨床試験は、プラセボ(SANARI PATENT注: 偽薬:剤型など外容は本物と同一で無薬効)を対照とした無作為二重盲検比較試験で、試験結果を中国等における薬事法っ承認申請に用いる。
4. 中国の糖尿病専門家も、「中国の糖尿病患者数は世界の他の地域と同様に急激に増加している。。糖尿病は中国の深刻な健康課題で、新たな治療オプションが待望されている」と述べている。
SANARI PATENT所見
在来の糖尿病治療薬は、食欲の異常亢進などの副作用を伴うものもあり、カロリー厳守を困難にするものも多い。
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2011年2月16日水曜日

原子力発電施設技術輸出等に付帯する水処理技術輸出

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水処理施設は水インフラ自体として輸出対象になると共に、原子力発電施設など、日本の得意分野の施設の必須関連施設として輸出の展望が開けている。2-14記事に引続き、経済産業省に提出された各社レポートでそれぞれの志向を見る。
20. 西島製作所→ ポンプメーカーとしての当社の製品・技術・ソリューションを軸にして、発電・造水・洪水排水等の事業に参入してきたが、インドネシア・アラブ首長国連邦・カタール等で実績を挙げている。
21. ナガオカ→ インド・ベトナムを含むアジア諸国、サウジアラビア等の中近東諸国、その他アフリカ、欧州、中南米など世界37国における地下水取水プロジェクト(飲料用・農業用)において当社独自の技術で輸出実績を積んできた。現在、日本政府のアジア・ゲートウエイ構想の一環として、中国政府の協力を得つつ、取水・膜処理による飲料水モデル事業に参加している。中国ではこのほか東北地方で浅井戸改修や地下水の除鉄・除マンガンなど。
22. 日東電工→ 100%子会社である米国Hydranautics社と共に、海水淡水化や、下排水の再利用で使用される膜を製造販売している。米国・中国に生産拠点を構え、世界20国以上のセールス・テクニカルサービス拠点を有し、シンガポールに新設した研究開発拠点と共にグローバルに事業を展開している。海外での上水事業における海水淡水化で使用されるRO膜(SANARI PATENT注: 逆浸透膜:水を通し、イオンや塩類など水以外の不純物を透過しない性質の膜)では世界トップクラスの納入実績を有する。
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2011年2月15日火曜日

ソフトバンクと楽天(4)-本年度第3四半期の業況

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(承02-14-R Site)本年度第3四半期の業況が各社相次いで報告されたが、報告書の態様に2派あって、ソフトバンクは第1四半期から第3四半期に至る9月間の数値を報告しているのに対して楽天は、第3四半期のみの数値を対前年度同期比で述べている。趨勢の把握においては別段不自由を感じない。
先ずソフトバンクは、2010-04-01~12-31の売上高2兆2499億円(SANARI PATENT考察: リアル物的流通のJR東日本の年間売上高2兆5900億円を遥かに上回る)で対前年度同期比10.0%増、営業利益は1158億3900万円で31.6%増で、移動体通信事業の業績の好調な推移が連結ベースの増収増益を牽引したと説明している。ケータイ契約数が好調に増加し、1契約当たりの平均収入およびケータイ端末の対販売店出荷台数が増加した。ソフトバンクモバイルの2011-01-31時点のケータイ契約数は2460万0500件で1月の月間増加数は24万0600であるが、地域別には東京圏が現契約1100万5200件で全国の44.7%、1月増加13万0300件で全国の54.2%を占めている。なおNTTドコモの2011-01-31時点のケータイ契約数は5721万件で前年同時点比3.2%の増である。
一方、ソフトバンクは、第3四半期報告において、「バランスのとれた多様なビジネスポートフォリオが顧客価値を最大化したこと」「シナジーを通じてサービスの粘着性(SANARI PATENT考察: その意味は良く分からないが)を向上したこと」「革新的かつに対するかい業務水耕能力を具備したこと」「先進的な研究開発を行っていること」「ケータイとスマートフォンの高い技術」を更に向上したこと」「電子取引における注力分野として、ソーシャルショッピング、バーティカル・フラッシュマーケティング物流」を掲げ、第3四半期において売上高・営業利益・EBITDA(SANARI PATENT注: Earnings Before Interest Taxes Depreciation and Amortization→利払い前・税引き前・減価償却前・その他償却前利益)において、第3四半期としては過去最高を記録したと述べている。
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2011年2月14日月曜日

海外の水インフラ事業へ、大成建設、千代田化工など

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16.(承02-13記事)大成建設→ ゼネコンが世界での活路を求める上で、海外の水インフラ事業への参画は欠かせないと考えており、「水を活かす」「水を浄化する」「水を再生する」「水を解析する」事業に、1873年創業以来携わってきたので、海外事業にこれら技術を展開する。
17. 千代田化工→ プラント関連の用排水施設の建設・管理業務に国内外で携わってきたが、特に海外ではGeneral Utility Plant、大規模Cooling Water Plantなどの水インフラに対応した。
18. 月島機械→ 中国、ベトナム、台湾での下水処理設備、汚泥処理関係設備の納入実績がある。経営方針として環境・エネルギー分野への注力と海外ビジネスの拡大を掲げており、具体的取組として海外水ビジネスを、中国を始めとする新興国において展開したい。乾燥・焼却による汚泥処理、燃料化・ガス利用による処理結果物の利用など。
18. Deloitte→ 実績として、ドイツ・ノルトライン・ヴェストファーレン州水事業管理者に対する下水道施設の売却・リースに関するアドバイス、イギリス北アイルランドの水事業管理運営会社に対して事業効率性におけるベンチマーキングの実施、インドの州住宅・都市開発局に対する河川流域再開発プロジェクトのマネジメントODAなど。
19. 巴工業→ 北米・中国・台湾・マレーシア等に遠心分離型汚泥濃縮機・脱水機および周辺機器の製造販売を行い、営業拠点としてソウル・上海・ジャカルタ・シカゴに事務所を設置している。更に中国では2006年に巴栄工業机械上海有限公司を設立し、小型遠心分離機の製造販売・修理を行っている。イラン製油所排水の処理用の納入実績もある。
20.(以下02-20)
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2011年2月13日日曜日

水インフラ、新日本空調・住友精密・住友ゴム

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13.(承前02-12 B Site)新日本空調→ 既に35年間にわたり東南アジア。中東、アフリカ諸国でビル設備を主体に海外事業に取組んできたが、特にスリラナカ、モルディブでは顧客の要請により水インフラ事業にも取組んできた。スリランカでは1985年から個別浄化槽工事並びに砂濾過、活性炭濾過装置の製造販売を開始し、その後、空港、機内食工場、病院、ホテル等、多数の上下水処理施設を施工した。1991年にはスリランカを基地として、モルディブ、バングラディシュ、ミャンマー等に進出し、リゾートホテル、ODA案件等の上下水処理、海水淡水化装置の設計・施工を開始した。1998年に、スリランカ・シタワカ工業団地の高度上水道処理施設(汚泥固形化処理1万m3/日を施工。2001年にはラトナプラ病院でスリランカ初の緩速濾過・生物浄化法による浄水施設を施工した。
14. 住友精密工業→ オゾン発生機を生産販売しているが、海外展開としては2008年に、中国・上海事務所を開設し、日系企業を中心として民間企業の工場排水処理、井水の工業用水化、ビル・マンションの生活排水の再利用化等、高度処理を必要とする分野をターゲットとし、営業を展開している。
15. 住友ゴム工業→ 港湾関連で船舶のエネルギー吸収材として使用される防舷材(ゴム製)供給の実績が海外案件で多数ある。(SANARI PATENT考察:「防舷材」の原文「防弦材」はミスプリントであろう。「水インフラ」には相違ないが、水関連でどこまで入れるのか、予定しないで議論を始めている)。トンネル関係ではトルコ・ボスポラス海峡およびベトナムのサイゴンハイウェイトンネルで止水工事にゴムガスケット等を納入した。
16.(以下02-14 B Site)
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2011年2月12日土曜日

日本の水パワー世界展開を担う企業群

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11.(2-11 C Siteから)JX日鉱日石エネルギー→ 当社独自の新材料「レコサール」は、硫黄コンクリートであって、一般のコンクリートよりも耐酸性に優れ、過酷な環境になりがちな下水道用パイプとして長期メンテナンスコストを低減できる。今後下水道インフラを整備するアジア諸国に事業展開する日本企業のメリットとなる。(SANARI PATENT考察: 同社が特許権を有する硫黄ポリマをバインダとする土木材料に注目)。これまで、アラブ首長国連邦アルクドラ社と覚書を締結し、レコサールの同国内製造販売も検討している。
12. JFEエンジニアリング→ ジュィリピン・マニラ市の下水道処理場の設計・建設・運転管理を2000来、累計30ケ所以上、実施してきた。マニラ市は人口過密で施設設置スペースが狭く、再生水利用のニーズも高く、今後イオン交換樹脂膜分離活性汚泥法等の需要が増す。
中国では2009年度から、主として汚泥消化設備、汚泥焼却炉、ガス発電設備の受注に取組み、2010年度には、生ゴミのメタン発酵と発電設備を受注した(SANARI PATENT考察: 受注した市の名称を秘しているところが中国的なのかどうか)。
オーストラリアについては2009年度に、NEDO(新エネルギー産業技術総合開発機構)の省水型環境調和型水循環プロジェクトに応募し採択された。現在オーストラリア・ブリスベンの分散型水資源供給事業を推進中である。慢性的なブリスベン近郊フイッツギボン住宅地において、雨水を原水とする水供給事業を立ち上げている。
13.(以下02-13 B Site)
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2011年2月11日金曜日

日本の水パワーを、どう構成すべきか

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日本の水パワーを世界に輸出することが、技術立国の柱の一つとされているが、経済産業省の「海外水インフラ協議会」が、座長・三菱商事会長、副座長・クボタ常務のもとに、193名の委員列記をもって構成されていることからも窺われる通り、水パワーとしての集合能力・体制ができていない。先ずこの協議会が関係企業から説明された各社の水関係事業状況を、例示的に要約しておく。
1. 荏原エンジニアリングサービス→ ベトナムなど、当社の海外拠点所在国を中心とする案件形成を目指してフィージビリティスタディを行っている。
2. クボタ→ 鉄管は世界最長9m管を武器として、世界70国以上に鉄管を輸出している。2007にインドのタタ財閥と2010-04に、鉄管製造の合弁会社を設立し、インド国内とアジア・中東向け輸出市場をターゲットとしている。ポンプは、上下水、雨水排水など幅広い用途で世界80国以上に輸出している。2010-04に、中国の現地ポンプメーカーと製造・販売の合弁会社を設立した。排水処理用膜は、欧米を中心に約600件の実績をもって、設置個所数で世界1位、水量ベースで2位である。
3. エイト日本技術開発→ 約40年来、JICA業務を中心に途上国の上水道整備プロジェクト、特に地下水等の水源開発事業に注力している。代表的なプロジェクトとして、内戦が長期に及んだシェラレオネ国の地方都市における緩速濾過法の導入など。
4. エスイー→ モロッコ内陸部、特に水資源が乏しいアトラス山脈以南の高塩分濃度地域の脱塩について円借款事業の選定調査に従事した。カーボヴェルデ共和国のサンティアゴ島の海水淡水化実施可能性調査を行った。チュニジア共和国で脱塩事業調査を行った。
5. (以下C Site)
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2011年2月10日木曜日

BizXaaS (NTTデータのクラウドサービス)提供の具体的局面

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NTTデータは上半期報告でBizXaaSについて次のようにQ and Aで補足説明している(SANARI PATENT要約)。
Q1  BizXaaSの特徴は何か。
A1 企業向けに、インフラからアプリケーションまで総合的に提供するトータルクラウドサービスである。クラウドには、特定ユ-ザ-専用にカスタマイズされたクラウド環境を利用するプライベートクラウドと、不特定多数のユ-ザ-がメールやスケジュール管理の機能を共同利用するパブリッククラウドとがある。BizXaaSは、この両クラウドの個別利用のほか、両者を共存させることや、特定の顧客による共用利用型のクラウドなど多様なニーズに合わせたサービスを提供できるのが特徴である。(SANARI PATENT考察: そういうことであれば、冒頭の「企業向けに」という限定は、しない方が良い)。
Q2 競合他社のNTTデータと比較してBizXaaSの強みは何か。
A2 最大の強みは、これまで手掛けてきたシステム構築・運用の豊富な実績とノウハウを持つシステムインテグレータが提供するクラウドサービスだということである。具体的には、「NTTデータは従来、中央官庁や金融機関向けの社会インフラである大規模インターネットシステム・サービスを多数提供しており、安心・安全・高信頼性がある。
また、BizXaaSには構築・運用サービスとプラットフォームサービスの二つのサービスがある。先ず、プライベートクラウドを提供する「BizXaaS構築・運用サービス」では、システムインテグレータとしての実績を活かし、顧客の個別ニーズに柔軟に対応できるし、顧客の既存システムからの移行や連携の要望に充分応え得る。パブリッククラウドを提供する「BizXaaSプラットフォームサービス」の強みは、迅速・安価に利用できる共通メニューの品揃えが豊富なことである。
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2011年2月9日水曜日

新日鉄住金経営統合の狙い・趣旨と公取

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新日鉄住金経営統合について両社は、公取に説明し(2011-02-03)、公取が検討中だが、日本産業の画期的局面だから、両社の言明(SANARI PATENT要約)を記録しておく。
1. 統合の狙い→ 両社は、これまでに培ってきた経営資源を結集し、得意領域の融合と相乗効果を創出してグローバル戦略を加速すると共に、技術・品質・コストなどあらゆる面で世界最高の競争力を実現する。これらの諸施策を通じて、激動の時代に名実共に世界トップクラス総合鉄鋼メーカーに発展し、顧客に貢献し、日本及び世界経済の発展と豊かな社会の創造にも寄与する。
2. 統合の趣旨(SANARI PATENT考察:「狙い」と「趣旨」と別建てで述べているが、「趣旨」には「狙い」を具体的に説明している)→ 新日鉄住金両社は、平成14年のアライアンス開始以降、鉄鋼半製品の相互供給や子会社の事業統合など競争力強化策を推進して大きな成果を挙げてきたが、次のような経営環境の変化に伴って、両社の関係を更に強化することが必須と認識するに至った。「新興国を中心とする世界的な鉄鋼需要の拡大」「エネルギー・環境等の新規需要分野の増加に伴う一層の品質・技術ニーズの拡大」「各国新鋭ミル稼働と世界規模での鉄鋼メーカー間競争の激化」「顧客のグローバル化進展や原材料調達環境の急激な変化」。
3. 統合会社の目標→ 
3-1 グローバル戦略の推進・加速
3-2 世界最高の技術先進性の発揮
3-3 グローバル競争に耐ええるコスト競争力の構築
3-4 製鉄以外の分野での事業基盤の強化
3-5 企業価値の最大化と株主・資本市場からの評価の向上
3-6 総力の結集
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2011年2月8日火曜日

マテリアルハンドリング物流のダイフク、新市場・新事業

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物流システムの専業大手、立体自動倉庫で首位、工場自動化に続き物流自動化を開拓し、海外47%(会社四季報)のダイフク (東証1部)は、「マテリアルハンドリングによる物流ソリューション(物流システム・搬送システム)のトップメーカー」として、先日(2011-01-31)には、空港手荷物搬送事業をグローバルに展開するローガン社(Logan Teleflex UK、Logan Teleflex France、Logan Teleflex USA3社を総称)の株式の100%を取得し子会社化することを取締役会決議し公表した(2011-01-31)。ローガン社については、次のように述べている(SANARI PATENT要約)。
「ローガン社は、欧州を中心に世界80国で400件以上の納入実績があり、チルト・トレイシステム、台車システムなどを主力商品としている。チルト・トレイシステムは、ハブ空港で飛行機乗り継ぎのための仕分けなどに用いられており、ビジネスの幅を広げ、新興国市場を開拓していく上で不可欠の製品である。」
「また、ローガン社は中国に現地資本との合弁子会社を設立して大型受注を獲得しており、今までダイフクの実績が少なかった中国市場への足がかりを築くこともできる。」
既にダイフクは2010-10から、子会社のコンテックグル-プを含めた中国での事業を再編統合し、その中核となる大福中国有限公司の開業式を上海において、中国政府関係者などを招き盛大に開催している。
SANARI PATENT所見
ダイフクは消費者にも身近な存在、というのは、マテハンとかピッキングとか呼ばれるマテリアルハンドリング、商品保管場所から菓子や飲料を小売り店舗単位に選び出すダイフクの機器操作がコンビニなどで広く用いられているからである。
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2011年2月7日月曜日

知財立国を支えるべき諸専門職の現況

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知財が経済成長の起動力たるためには、弁理士のみならず、弁護士・公認会計士・科学研究者など多くの専門家の協業を要する。内閣知財戦略本部は発足と同時に、これら専門家の大量増員、当面、倍増を掲げて、弁理士・弁護士・博士の増員が実行過程に急進した。
しかし現在、週刊エコノミスト2010-12-30は「弁護士・会計士たちの憂鬱」特集増刊号を発行し、講談社は「院生・ポスドクのための研究人生サバイバルガイド」副題「博士余り時代を生き抜く処方箋」を発刊(2010-12-20)して、これら専門家の余剰現象を解説している。
特に講談社の上記著作は独立行政法人科学技術振興機構の技術参事現職で特許庁長官奨励賞も受けた菊池俊郎氏によるもので、数値が精確と思われる。今後の参考資料として摘記しておきたい。
1. 大学院在学者数は、1991-05-01時点の9万8650人が2008-05-01時点には26万2686人、2.7倍になった。内訳は、修士課程6万8739人から16万5422人で2.4倍、博士課程+専門職学位課程が2万9911人から9万7264人で3.3倍。
2. 博士号を持つ最高の人材が社会に出て活躍する場が、毎年60%程度にしか与えられてないというのは、科学技術立国を掲げる日本にとって大きな損失だ。さらに、就職できなかった残りの40%ほどの人が、非常勤講師あるいはアルバイト程度の研究補助者、無給の研究生という高学歴ワーキングプアになっている。現在その総数が約1万6000人に達している。
SANARI PATENT所見
先ず「ポスドク」という言葉が、上記書では「博士号を取った後に、任期制の職についている有給研究者もしくはそのポストのこと」と明示している。だから、ポスドクは全て現に満足に就職しており、任期制による任期切れ後の保障が無いことだけが問題である。一般的には「ポスドク」と言えば博士課程の後、すなわち、博士課程修了者を意味し、その就職難が大卒並みであることを言っていると思う。例えば「ポスドクと大卒の未就職者の半ばは、中小企業にでも就職したい、と言い始めた」というように報道されたりしている。
関連する数値は、統計が遅いし、相互に矛盾するように思われる節もあるが、上記書に「弁理士の活用法」まで出ているのを見ると、自分の発明を出願文書に表現することもできない程度の、非実用的博士教育なのかと思ってしまう。
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2011年2月6日日曜日

新日鉄・住金経営統合の技術力

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今次・新日鉄と住金の経営統合検討開始の発表は、国内外の産業界・鉄鋼業界にとって歴史的事件となる重みを持つから先ず、この件についての海江田経済産業大臣声明(2011-02-03)を記録しておく。
1. 本日公表された新日本製鉄株式会社と住友金属工業株式会社の経営統合は、一層厳しさを増す鉄鋼産業におけるグローバル競争の中で、事業の再編・再構築等により国際競争力の強化を図るものである。(SANARI PATENT考察:「経営統合は」という書き出しで、「経営統合の検討を開始」と表現を緩めていないところに、統合実現への気迫の「見える化」を見る)。
2. こうした動きは、強い経済の実現を目指した「新経済成長戦略」と合致しており、事業再編の促進を通じた「世界で戦える企業」の創出の先駆的事例になるものと、高く評価している。
3. 今後とも、産業界において国際競争を勝ち抜くための様々な戦略の構築・実施がなされることを期待すると共に、当省としても、これを最大限支援すべく必要な施策を講じてまいりたい。
SANARI PATENT所見
国際競争力の一つの要素として所有特許権について見ても、新日鉄は特許庁公開件数3万8606件(2011-02-05時点)、住金は1万6131件(2011-02-05時点)に達している。最近の公開事例は02-05C Siteで考察する。
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2011年2月5日土曜日

次回特許法改正の主要項目

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知的財産権制度の国際調和とイノベーション即応の見地から、特許法改正の検討はほとんど年中行事のようになっているが、次期改正の要点は実質的に、経済産業省産業構造審議会知的財産部会制度小委員会の議事(2011-02-01)によって明らかだから、その内容(SANARI PATENT要約)を考察する。
1. 特許権活用の促進について、「ライセンス登録対抗制度の見直し」「独占的ライセンスの在り方」「特許を受ける権利を目的とする質権設定の解禁」
2. 紛争の効率的・適正な解決について、「特許の有効性判断についてのダブルトラックの在り方」「侵害訴訟の判決確定後の無効審判等による再審の取扱」「無効審判ルートにおける訂正の在り方」「同一人による複数の無効審判請求の禁止」「審決・訂正の部分確定/訂正の拒否判断の在り方」
3. 権利者の適切な保護について、「差止請求権の在り方」「冒認出願に関する救済措置の整備」「職務発明訴訟における証拠収集・秘密保護手段の整備」
4. ユ-ザ-の利便性向上について、「特許法条約との整合に向けた救済手続の導入」「大学・研究者等にも容易な出願手続の在り方」「グレースピリオドの在り方」「特許料金の見直し」
以上について所要の改正を行うが、「大学・研究者等にも容易な出願手続の在り方」は、発明振興による経済成長のため特に重要である。発明の内容は、発明者である大学・研究者等が最も熟知しているべきことは当然で、その内容を出願に表現する方法が難渋であることは全く本末転倒である。
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2011年2月4日金曜日

講談社がコンテンツの翻訳奨励と百度検索

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日本コンテンツを海外に発信することは内閣知財戦略本部のソフトパワー戦略だが、講談社の「海外への働きかけ」は、その民間ベース事業として高く評価すべきであろう。講談社は「1905年に創業以来、出版文化を通じて、世界の人々との相互理解を深めるべく、微力を尽くしてまいりました」として、創業100周年記念事業には「大江健三郎賞」を創設し、「可能性・成果をもつ文学の言葉」の「英仏独語への翻訳および世界での刊行」を対象としている。また講談社は、野間文芸翻訳賞を永井荷風選集の中国語訳、日蝕の韓国語訳などをモスクワなど世界各地で授賞している。講談社文芸翻訳奨励基金や野間アフリカ出版賞も、行政の及ばなかったコンテンツ展開の分野を開いている。
一方で講談社は、中国のインターネット検索で独占的な地位を占める「百度」の日本版サイトで、講談社の小説やマンガが無断で公開されているとして「日本の出版界全体に対する暴挙」「断固として削除を求め、改善されない場合は、法的措置も検討せざるを得ません」との声明を2011-02-01に出した。無断で公開されているのは百度が運営する「Baiduライブラリ」で、利用者が投稿した電子文書を別の利用者が自由にダウンロードできるサービスであって、「百鬼夜行シリーズ」「聖星おにいさん」「ハチミツとクローバ」などである(毎日)。ドラゴンポールも(JCASTニュース)。
SANARI PATENT所見
Googleの検索については著作権側との調整も行われ、公取の見解も明示されているが、著作権法の各国間相違もあり、検索によるコンテンツ活用の普及は好ましい一方で、権利制限の在り方に関する国際調和も含む標準化が望まれる。
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2011年2月3日木曜日

タイ最高裁で神戸製鋼が商標権紛争勝訴

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アジア新興国は日本企業活躍の場だが、模倣品市場も活発だ。新興国の技術学習の過程でもあるが、放置すべきでもない。神戸製鋼は「タイ最高裁での商標権紛争勝訴確定について」と題して次のように発表した(2011-01-31)(SANARI PATENT要約)。
1-1 神戸製鋼の溶接事業部門は、長年の事業活動を通じて、タイを含む東南アジア地域における溶接材料製品の信用を築き、社名の「KOBE Steel」や{PB-26}などの商標、赤黒のパッケージデザインは、東南アジアの溶接業界において確固たる認知度を誇っている。
1-2 これに対してタイにおいて神戸製鋼溶接材料(溶接棒)の模倣品が出回り、市場に混乱をもたらしたので神戸製鋼は、2005年にタイ中央知的財産国際取引裁判所に模造品業者を提訴し、2007-10に被告行為の商標権侵害を認める判決があった。今次最高裁判決は、それを確認するものである。
翻って神戸製鋼の本年度上半期連結売上高は、対前年度同期比17%増の9220億円、経常損益は442億円の損失から493億円の利益に好転したが、鋼材需要の堅調、アルミ製品・銅製品の好調、コベルト建機(SANARI PATENT注:油圧ショベルが主体)の増収増益に対して、溶接材料の海外堅調を国内低迷が相殺し、資源・エンジニアリング事業部門は売上高は15.1%減だが受注残高は前年同期を上回っている。
積極的な動向として、
(1) 神戸製鋼・三井物産・豊田通商の3社が2010-05に、中国での自動車サスペンション用アルミ鍛造部品の製造販売の合弁事業契約を締結し、2010-06に新会社を蘇州に設立して2012-08に操業開始し、軽量化ニーズに対応すること
(2) クローラクレーン事業の中国進出のため四川州成都市に合弁会社を設立し、202-08に操開を予定していること
(3) 新日鉄との連携の一環として新日鉄広畑構内で製鉄ダストリサイクリングの建設を決定したこと、などが注目される。
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2011年2月2日水曜日

クラウド*グローバルのNEC事業展開

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(承前0201)NECは中期経営計画の具体化について次のように報告している(SANARI PATENT要約)。
1. 中国・東軟集団とクラウドサービス事業で協業→ NECと東軟集団は、中国でのクラウドサービス事業分野での協業に合意した。中国・大連市に合弁会社を設立し、中国の企業、中国に進出する日系企業・欧米企業に高信頼性の総合的クラウドサービスを提供する。(SANARI PATENT考察:  東軟集団は1993年に中国東北大学の劉 積仁博士が起業し、現在、中国最大のIT開発・サービス企業である。日本企業からも受注している。)      
2. NECのケータイ機事業とカシオ日立モバイルコミュニケーションズを統合し、NECカシオモバイルコミュニケーションズを2010-06に事業開始した。相乗効果を発揮し、国内外に魅力ある商品を提供する。(SANARI PATENT考察:  NECカシオモバイルコミュニケーションズの製品は現在、NECケータイ(ドコモ及びソフトバンク)、カシオケータイ(au及びソフトバンク)、日立ケータイ(au)の各端末機器、及び、ケータイメーカーならではの知識・経験を活かし、コンテンツ事業を通じてユ-ザ-によるケータイ文化の醸成・拡に寄与するとしている。)
3. 小惑星探査機「はやぶさ」に参画→ 衛星システムの開発・製造・試験・運用に参画した。
4. クラウド活用の新しいヘルスケアサービス創造→ NECは、疾患の早期発見や、個々人の医薬品への反応性を検査して、不要な医薬品の処方を減らし、特定の人に作用する新しい医薬品を開発(SANARI PATENT考察: 医薬品のオーダーメイドないしイージーオーダに当たるが、医療保険システムとの整合性が問題)することができる「次世代血液検査サービス」の事業化に取組んでいる。このサービスは、米国Somalogic社の、一滴の血液から疾患に関連するタンパク質の量を確実に測定する技術と、NECのクラウドなどIT技術を組合せて、国内外の製薬会社や研究機関、病院に提供する。
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2011年2月1日火曜日

NECの新局面展開

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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(承前R Site01-31)NECは「C and C クラウド戦略の推進」「グローバル事業の拡大」「新規事業の創出」を中期経営計画の柱としているが、その具体化状況を見る。
1. シンクライアント端末をクラウド型総合教育システムで活用→ NECがアルゼンチンの州当局に納入したクラウドコンピューティング型総合教育システムは、教育省のデータセンタと、教育省の職員や小学校のために設置されたシンクライアント端末を、Wi-Fi技術による広域無線ネットワークで接続している。シンクライアント端末は、ハードディスクを内蔵せず、マウス、キーボード、ディスプレイなど必要最低限の機器で構成した端末である。またWi-Fi技術は、家庭やオフィス内で、無線でデータを送受信する技術の一つである。このシステムを通じて、メールやeラーニングの各種アプリケーションサービスが、教育省から各学校にSoftware as a Service(ネットワークを通じて顧客にアプリケーションソフトウェアの機能を、必要に応じて提供するサービス)形式で提供され、教育省と学校の情報共有や高度な教育プログラムの実施が可能になる。
2. 上海万博にIP電話システムをNECが納入→ NECは、上海万博公式ホテルに認定されている「インターコンチネンタル上海EXPO」に、大規模なIP電話システムを納入した。中国語・英語など5国語に対応し、チェックインシステムと連携して宿泊者名や国籍に応じた言語を自動的に表示する。また、宿泊客は電話機の画面からワンタッチでサービスの発注や案内情報を得る。NECは、同グル-プ傘下の中国内の他のホテルに対しても、IP電話を核とするユニファイドコミュニケーションシステム、すなわち、電話・メール・テレビ会議・Web会議など多様なツールを統合した効率的コミュニケーションシステムを順次展開する。
SANARI PATENT所見
中国の聯想集団とNECの合弁会社設立について、聯想集団が株式を100%買収できるとの契約条項がNECの真意を誤解させていたようだ。
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