2011年2月3日木曜日

タイ最高裁で神戸製鋼が商標権紛争勝訴

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
C Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog
R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat
Twitter http://twitter.com/sanaripat
アジア新興国は日本企業活躍の場だが、模倣品市場も活発だ。新興国の技術学習の過程でもあるが、放置すべきでもない。神戸製鋼は「タイ最高裁での商標権紛争勝訴確定について」と題して次のように発表した(2011-01-31)(SANARI PATENT要約)。
1-1 神戸製鋼の溶接事業部門は、長年の事業活動を通じて、タイを含む東南アジア地域における溶接材料製品の信用を築き、社名の「KOBE Steel」や{PB-26}などの商標、赤黒のパッケージデザインは、東南アジアの溶接業界において確固たる認知度を誇っている。
1-2 これに対してタイにおいて神戸製鋼溶接材料(溶接棒)の模倣品が出回り、市場に混乱をもたらしたので神戸製鋼は、2005年にタイ中央知的財産国際取引裁判所に模造品業者を提訴し、2007-10に被告行為の商標権侵害を認める判決があった。今次最高裁判決は、それを確認するものである。
翻って神戸製鋼の本年度上半期連結売上高は、対前年度同期比17%増の9220億円、経常損益は442億円の損失から493億円の利益に好転したが、鋼材需要の堅調、アルミ製品・銅製品の好調、コベルト建機(SANARI PATENT注:油圧ショベルが主体)の増収増益に対して、溶接材料の海外堅調を国内低迷が相殺し、資源・エンジニアリング事業部門は売上高は15.1%減だが受注残高は前年同期を上回っている。
積極的な動向として、
(1) 神戸製鋼・三井物産・豊田通商の3社が2010-05に、中国での自動車サスペンション用アルミ鍛造部品の製造販売の合弁事業契約を締結し、2010-06に新会社を蘇州に設立して2012-08に操業開始し、軽量化ニーズに対応すること
(2) クローラクレーン事業の中国進出のため四川州成都市に合弁会社を設立し、202-08に操開を予定していること
(3) 新日鉄との連携の一環として新日鉄広畑構内で製鉄ダストリサイクリングの建設を決定したこと、などが注目される。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください)

ラベル:

0 件のコメント:

コメントを投稿

登録 コメントの投稿 [Atom]

<< ホーム