2011年7月27日水曜日

日本産業の強み、レンズ業界の営業利益著増と中国状況

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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タムロン(JASDAQ)(12月決算)が、2011-12期第2四半期(今年の前半、2011-01-01~06-30)の業績予想を先日(2011-07-21)、大幅に上方修正した。売上高は260億円を281億円に、営業利益を20億円から30億円という著増修正だが、その総括的理由は、「タムロンの関連市場であるレンズ交換方式デジタルカメラ市場が堅調に推移したことや、ユーロが前提に対して円安になった」としているが、予想とは言っても6月は既に経過しているから、確報と見てよい。一方、12月末に至る通期業績予想については、「海外経済の先行きや電力供給問題等が及ぼす経済活動全般への影響に不透明感があることや、新事業関連で製品納入の遅れ等も見込まれることから、2011-02-04の通期業績予想を据え置くとしているが、この予想でも売上高610億円で前期比7.7%増、営業利益56億円で2.6%増である。
会社四季報は、「一眼レフ交換レンズで世界的、デジカメ向けレンズも多く、ケータイ・監視向けレンズ強化」と特色付け(SANARI PATENT要約)、「増益」と見出して、「大震災による客先減産でレンズユニットは出足鈍いが、好採算の一眼レフ交換レンズは2桁増、中国で特に伸びる」と解説している。更に東洋経済誌(2011-06-01)は、「タムロンは労務費が安い中国での生産を積極的に進めてきた」とし、シグマ光機(JASDAQ)と対比して、「同業でレンズ専門のシグマ光機が、国内のみでの生産を続けているのに対してタムロンは、生産の95%を中国工場が手掛け、日本から技術者を派遣し。金型設計からレンズ加工・組立まで一貫生産体制を逸早く構築し、今次災害においても海外調達を推進した」と評している。
対比対象のシグマ光機は、売上高(2011-05期)69億5000万円で、タムロンより小規模だが、前期比15.0%の増、営業利益は6億5000万円で3.3倍だから、「研究開発・製造用レーザー光学部品、ユニット・システムの総合力に強み、発注先ブランド生産の展開も」と特色づけられ(会社四季報)(SANARI PATENT要約)、レンズに薄膜塗布する真空蒸着装置開発に注力している。
SANARI PATENT所見
レンズに関する技術について特許庁公開件数(2011-07-26現在)は18万6306件に達し、うち今年度に入ってからの公開件数のみでも2848件に及ぶ(2011-04-01~2011-07-25)。日本産業の強みの代表分野として、両社の各独自のビジネスメソッドが、それぞれの特長を発揮されることを期待する。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください) 

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