2011年3月8日火曜日

セイコーの時計事業・電子部品事業の売上高回復、セイコーインスル統合

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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セイコーの今次事業報告(2010-04-01~12-31)は、連結売上高2365億9100万円で前期比56.4%増、これは主として、2009-10に実施したセイコーインスツルとの経営統合に伴う影響額853億円によるもので、新興国に牽引されて緩やかながら世界的に景気回復が進み、国内でも一時的に需要回復が見られたものの、欧州でも景気の伸び悩み、米国・中国の景気に陰り、為替不安と、先行き不透明な除状況が警戒されている。
セイコーは日本を代表する企業でもあり続けてきたから、例えば大前研一氏の「最強国家ニッポンの設計図」は、初版発行の2009-06時点では、次のように考察している(SANARI PATENT要約)。
1. 日本は駄目だ、日本経済は斜陽だという重苦しい空気に包まれている。だが、本当にそうなのか。1971年までの1ドル360円から90年代には79円という4倍以上の円高にさらされ、多くの企業家達と共に苦難と闘った私に言わせれば、日本企業の技術・財産・人材は今でも世界に冠たる部分もあり、それが活かされていないだけだ。(SANARI PATENT注: 1971~1994は、大前氏がマッキンゼー在職中)。
2. では何が足りないのか。分かり易い例はセイコーウオッチだ。同社は、スイスなど欧州の時計メーカーに対抗するため、1969年にクオーツ時計という世界一正確な腕時計を発明し、世界一安価で、すなわち、技術力とコストで革命を起こし、以降20年位は、セイコーとシチズンが世界中を席巻した。
3. ところがおの後、中国がシチズンのクオーツモジュールを数百円で買い、1500円位の腕時計に組み込んで売るようになった。(SANARI PATENT注: 現在、新宿のビックカメラで1000円、100円ショップで目覚し置時計が105円)。
4. 欧州の時計メーカーはシチズンのモジュールでブランド時計に磨きをかけ、中途半端な価格のセイコーとシチズンの時計は売れなくなった。シチズンは部品屋として生き残ろうとし、セイコーはアルバという別ブランドのローエンドモデルで中国製品に対抗しようとしたが、「失敗した」(大前氏原文)。
5. セイコーが「失速」(同上)した最大の原因は、世界市場を理解し、適切な戦略を立てる人材が欠如していたことだ。
SANARI PATENT所見
海外比率48%のセイコーの現況(増収増益)を更に多角的に考察する必要がある。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください)

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