2008年9月19日金曜日

NAND Type Flush Memory Problems of SanDisk

NAND Type Flush Memory Problems of SanDisk Related to Toshiba and Samsung: NAND型フラッシュメモリー世界市場をめぐる東芝、サムスン、San Diskの企業戦略
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 ケータイ等の用いられるFlush Memoryの論理回路として、否定論理積演算回路(全ての真の場合にのみ出力が偽、それ以外の場合は出力が真となる演算)はFlush Memory設計における適格性から広く使用され、NAND Type Flush Memoryの需要はグローバルに拡大している(ただし、米国調査会社Suppliは、iPod売上予想の下方修正に基づいてNAND Type Flush Memoryの需要予想年27%増を1桁成長に修正している:Feb.22, 2008)。NAND Type Flush Memoryの世界市場シェアは現在、Samsung 電子に次いで東芝が2位とされ、従って、Samsung 電子によるSan Disk買収提案の帰趨は業界全体の重大関心事である。

 WikipediaによればSan Diskは、「米国に本拠を置くメモリー製品製造企業である。1988年に現会長Eli Harariを中心とする不揮発性メモリ専門チームによって設立され、1955年にNASDAQに加盟、2005年には収益23億ドルにまで成長した。その日本法人サンディスク株式会社(横浜市)は1992年設立。2006年12月から日本法人のイメージキャラクタとして歌手・元モーニング娘・後藤真紀を起用している。Flush Memoryの製造に際して東芝と共同で投資を行っているものの、半導体製造については基本的にファブレスの方針を貫いている。」

 「半導体事業、東芝が戦略見直しも: 提携先にサムスン攻勢」と題する
Asahi.com(Sept.18; 01:07, 2008)ニュースは次のように報道した(SANARI PATENT要約)
(1)  韓国のサムスン電子が17日、米メモリー大手サンディスクに買収を提案したと発表した(SANARI PATENT注: Samsung 電子のグローバルサイトは、「SAMUSUNG Launches Proposal for Combination with SANDISK in Letter to Board of Directors」という標題で同日発表している )。NAND Type Flush Memoryのシェアで世界トップを確保する狙いだ。San Diskと生産面で提携する同2位の東芝にとって、戦略の見直しを迫られかねない。
(2)  Samsung 電子の提案では、買収総額58億5000万ドルで、San Diskは、「提案は非常に過少評価」として、提案を拒否したとするコメントを発表した。一方Samsung 電子は、San Diskに再考を迫る考えで、「提案は正当で株主に公開すれば必ず支持される」として公表に踏み切った。
(3)  一方東芝は1999年、San DiskとNAND Type Flush Memoryの開発・生産で提携し、四日市工場では建物は東芝が建設し、生産設備は共同出資会社が運営する方式で増産してきた。2009年春の着工b新工場も同様の予定である。

SANARI PATENT所見
 上記のasahi.com報道に先立ってreuters.com(Sept.5; 13:38JST)は、「Samsung 電子、San Diskに関する選択肢を検討」と題して「様々な選択肢が考えられる」と述べ、Samsung 電子にとっての利点についての見方としては次のような見方を紹介した。
(1)  Samsung 電子はNAND Type Flush Memoryで世界最大手だが、San Diskに年間4000億ウォン(3億5380万ドル)のライセンス料を払っており、その節約ができる。
(2)  NAND Type Flush Memory世界2位の東芝と、San Diskは合弁事業を展開しているが、San Diskが合弁事業への投資を継続するか不透明であり、中長期的にはSamsung 電子が市場シェアを拡大できる。
(3)  San DiskはSan Disk買収によってライセンス料支払いの節約と共に市場プレゼンスを高めることができる。

しかし、SANARI PATENTが注目するのは、上記reuters.comが「買収の所期効果を疑問視する見方もある」として、「東芝がSan DiskとのNAND Type Flush Memory合弁事業の生産量を管理している限り、Samsung 電子がSan Diskの筆頭株主になっても、供給に影響ない」という見方である。
 Samsung 電子はロシア進出など益々積極的にグローバル活動し、San Diskは知財訴訟にも長けている。東芝の健闘を期待する。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
San Disk、NAND Type Flush Memory、Flush Memory、Samsung 電子、東芝

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