2008年9月10日水曜日

Union Patent Service Centre Based in Hong Kong Informs

Union Patent Service Centre Based in Hong Kong Informs on Trade Mark Disputes:聯合専利商標事務所(香港)のPatent News Report:「長城」商標、「孔子」商標など
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 連合専利商標事務所のPatent News Reportを頂いた。連合専利商標事務所は1973年、台湾で設立され、現在は香港・東京に事務所を設け、中国を含めて広汎な知財業務を展開されていると承知している。豊富な内容のReportに深く敬意と謝意を表すると共に、早速その内容(SANARI PATENT要約)の一端を考察させて頂きたい。

 先ず、北京市第一中級人民法院の商標権侵害民事判決(2007-中民初第1422号)が紹介されている。ここでは争点のうち、「長城」の文字図形および長城図形商標に関する要点に絞って考察する。

 原告・中国粮油有限公司は1974年に葡萄酒・類似酒類製品について「長城牌Great Wallおよびrrr図形の組合せ商標」の登録を取得している。被告・北京昌黎華夏葡萄酒有限公司は、その商品に、原告の上記商標権を侵害する表示をしているとして、原告がその行為の差止と損害賠償を訴求した。

 判決は、「商標が類似であるか否かの判断は、公衆が普通の注意力の状況下で商標中の文字の発音、字形、概念、図形の構図と色彩等を対比し、2者の全体または主要部分が容易に混同を生じさせるか否かの判断であり、その過程において、商標の顕著性と知名度が考慮されなければならない」と説示した上で、原告の請求を認容している。

 なお、わが国特許庁において、「長城」の文字・図形組合わせによる商標登録は15件(Sept. 9, 2008現在)見られるが、中国からの登録が多い。

 次に、台湾の知的財産局が、「登録を認めた『孔子』商標について再検討した結果、不備を認定して自ら審判を申請した」ことについて、連合専利商標事務所の紹介内容(SANARI PATENT要約)を考察する。

 上記知的財産局説明によれば、「商標法には人名の登録可能性を排除する規定がなく、人名は商品またはサービスの出所を表す商標としての機能を有する。従って原則的に、歴史上の人物は商標として出願登録が可能である。例えば、非常に良く知られている『リンカーン』ブランドの自動車、『フランクリン』ファンド等で、指定商品またはサービスとその著名人物の業績とが無関係であれば許される。ただし、登録を一律に禁止する、国の比較的厳格な基準もある」と述べ、「本件の『孔子』商標は、中国大陸教育部対外漢語教学発展センターが『大陸人民の台湾における特許および商標登録作業要点』の規定により、法に基づいて登録出願したものであるが、一般大衆の関心を引いた」と、経緯を説明し、かつ、「しかしながら、単独に『孔子』の2字の商標は、商品またはサービスの出所の識別機能において不十分と認定し、自ら審判を申請した」と理由を述べている。

 なお、わが国特許庁に「孔子」を含む商標登録は10件見られるが(Sept. 9, 2008現在)、「孔子の里」(食品)「孔子飯荘」など、「孔子」2文字ではない。

 文化遺産、歴史上人物名、地名については、国際関係を含めて、わが国においても検討を深める必要があると、SANARI PATENTは考える。
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Union Patent Service Centre、連合専利商標事務所、長城、孔子、文字商標

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