2008年9月12日金曜日

Furukawa Electric Develops a System For More Efficient R&D

Furukawa Electric Develops a System For More Efficient R&D:古河電工時報(Sept.5, 2008)で発表された次世代新技術開発の幅広い実用化特性
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 「技術立国」「技術立社」「知財立国」「知財立社」を現代の神風であるかのように信奉して、国家予算や企業計画における研究開発費の規模や特許出願件数を専ら鼓吹する政治家・行政官・経営者が未だ残存しているが、特許発明の質が、収益性との関係で認識・選別されるに至ったと同様、研究開発の質が、収益性・効率性の視点から先ず審査され選別されることが、研究開発資源の有効利用のため、すなわち、国民経済と企業存続のため、極めて重要である。

 古河電工の中野耕作取締役・研究開発本部長は、「古河電工の研究開発ビジョン」の冒頭に、「研究開発の効率性を高める仕組を構築する」と述べ、「研究開発部門に『市場を見る目』を持たせる」、「どんなに優れた技術を生み出しても、市場に出るタイミングが伴わなければ意味がない」、「開発から量産化までを、より確実、sムーズにするための体制づくりに注力する」と強調しているが、わが国産業の国際競争力回復ないし増強には、この視点が最も必要と、SANARI PATENTは考える。

 古河電工時報(Sept.5, 2008)に」掲載された研究開発報告(SANARI PATENT要約)にも、上記の趣旨が活かされている。すなわち、
(1)  フェムト秒パルスを出力する超短パルス光源は、バイオ・医療、計測機器、材料加工など次世代の新技術開発に幅広く応用されるが、これら次世代技術を実用化するため、その光源は、高い安定性、長期信頼性、簡易操作性が要求される。この実需に即応して古河電工は、光通信の研究開発で培った、光ファイバーやEDFA(Erbium-Doped Fiber Amplifier)を始めとするサブシステムの技術を活用し、これらの課題を克服した繰返し周波数可変超短パルス光源の開発に成功した。 → 「ファイバ型繰返し周波数可変超短パルス光源の開発」
(2)  一般的に光ファイバーは、そのガラス質を保護するため、柔らかいプライマリ層と硬いセカンダリ層の2層から成る紫外線硬化樹脂で被覆されている。被覆層形成時に紫外線照射により被覆層は硬化発熱するが、プライマリ層の熱膨張係数がセカンダリー層のそれより大であるため、冷却過程でプライマリ層に負の静水圧が発生し、ガラスからプライマリ層を引き剥がす力となることが知られている。光ファイバの長期信頼性を確保するためには、光ファイバ被覆層に発生する熱ひずみ・熱応力の解析が必要である。 → 「光ファイバ被覆層に発生する熱ひずみ・熱応力の測定方法」
(3)  電子線ホログラフィにより半導体のキャリア分布を観測する場合に、シリコン半導体に比べて研究例が少ない化合物半導体のキャリア分布観察の最適化を行い、特にガリウム・砒素半導体のpm接合の明瞭な観察とn+層・nー層の一層明瞭な判別により半導体製品の特性と信頼性向上に寄与する。→ 「電子線ホログラフィによる化合物半導体のキャリア分布の観察」

最近、大学の独立採算意識が高まり、特許出願件数を誇ることから、特許発明の質として、大学のライセンス収入直結を出願選別の方針とする傾向が顕著になったとSANARI PATENTは考察している。大学研究の本質から、基礎研究目的と実益寄与目的に発明を分別することが適切と、SANARI PATENTは考える。
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Furukawa Electric、古河電工、電子線ホログラフィ、光ファイバ被覆層、フェムト秒パルス

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