2009年12月30日水曜日

Main Factors for Forecasting China Economy 

「中国経済長期潜在成長力」を野村電子報告
弁理士 佐成 重範 Web検索 SANARI PATENT
C Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog
R Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat
「中国で世界最速列車が武漢・広州間に開通」(2009-12-26)、「中国製クリスマスプレゼント支給でソウツ兵士がブーイング」(2009-12-28)など、中国関連の話題が連日多い(Yahoo)。
 とにかく中国経済の動向が全世界注目の的であるが、電子化された野村証券資産管理誌の野村証券金融経済研究所経済調査部・郭 頴エコノミスト:「中国経済の長期潜在成長力を探る」(2009-12-14寄稿)の要旨(SANARI PATENT要約)を見る。
1. 世界経済の低迷下で、中国は大規模な投資対策により、いち早く回復軌道に乗り始めた。一方、中国の長期的成長力については、様々な懸念が持たれている。投資拡大による経済成長のパターンの持続可能性、今後の労働人口増加率など。以下、資本投入、労働力変動、生産性の推移の3要素から考察する。
2. これまでの中国経済成長については、例えば2000~2008の実質GDP成長率は年平均10.0%であったが、資本投入の寄与率は約6割、要素生産性(生産効率の向上・技術の進歩)が約3割、労働投入が5%となっている。(SANARI PATENT考察: このような3要素分析で、わが国今後の経済成長における「技術進歩」の比重を見定めておくことは、次期事業仕分けの準備になる)。
3. 中国におけるこれまでの高水準投資継続を支えたのは、高い国民貯蓄率である。国民貯蓄率=資本形成率(総資本形成 /GDP)+経常収支/GDPとすると、中国の国民貯蓄率は、2000の37.0%から2008に53.2%と大幅上昇した。これは、日本28.9%、韓国30.7%、米国13.0%など先進国を大幅に超え、ブラジル17.1%、インド35.4%、ASEAN32.7%など、他新興国より高率である。なお、対外資本投資が未だ規制され、高貯蓄率は国内高投資体質に繋がり易い。
4. 中国の潜在成長力推定には、投資見通しが前提になる。「これまでの投資の過剰性の有無」「今後の投資需要予測」を考えるべきだが、先ず、マクロ経済全体として、構造的に深刻な設備過剰が生じているとは断言できない。また、今後の投資については、現在、中国固定資産投資は鉱工業38%、建設・不動産24%、インフラ22%の構成(2008)で、この3部門の投資需要を分析する必要がある。
5. 上記から、今後の中国の潜在成長率は、2004~2008の11%台から減速傾向にあるけれども、1桁台後半の相対的に高い成長を維持する可能性が高い。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください) 

ラベル:

0 件のコメント:

コメントを投稿

登録 コメントの投稿 [Atom]

<< ホーム