2009年2月11日水曜日

IT Performance in Small Sized Enterprises 

中小企業IT経営大賞2009の選定結果発表(経済産業省2009-02-10)
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 選定における評価内容(SANARI PATENT要約)を見ると、わが国中小企業のIT高度化状況を具体的に考察できる。事例として、

1. セル方式による生産革新とITとの統合化(石川県タガミ・イーエクス社)
 産業機械製造事業にセル生産方式を導入し、生産リードタイムの短縮やパートナー企業との同期化を着実に実践するため、生産管理システムやWeb-EDI(SANARI PATENT注下記)を効果的に活用している。これにより、徹底した現場の見える化や改善活動を進めると共に、パートナー企業との情報共有や納期管理を強化し、総合的に生産性を向上している。外注先を含めた、企業の枠を超えた「セル方式による生産革新とITとの統合化」の実現事例として、また、主要取引先である大企業への依存体質に陥っていない、独立企業としての模範事例として高く評価される。支援ITベンダと役割分担して、IT要員の一人体制による効果的なIT経営を推進していることも評価された。

2. 小規模製造業EDI普及協議会設立によるデータセンターの活用(京都府・田中精工社)
 統合型生産管理システムによる全社最適化にとどまらず、パートナー企業と、生産計画・受発注情報の見える化のため「小規模製造業EDI普及協議会」を設立し、データセンターを活用した企業ネットワークを形成している。これによって企業グル-プとして、ダイカスト製造のリードタイムの短縮、品質の向上を図り、また、自社のIT活用の成熟と共にWeb-EDI活用による小規模企業とのネットワーク型企業連携を実現し、大手企業を主要顧客とする中小企業の連携による成功事例として高く評価される。またシステムの自社開発にとどまらず、その活用のための内部人材の育成、パートナー企業の人材育成の支援も評価される。

3. ITシステム統合による全社最適化(大阪市・東海バネ工業社)
 基幹システム、バネ設計支援システム、Web受注システムを統合し、全社最適化された高度システムを活用している。これにより情報の共有や再活用による受注・設計・製造の業務効率化の徹底、Webマーケティングによる新規顧客、取引の拡大を図り、特に、Web活用による攻めのIT活用により多品種小ロットの完全受注生産を可能とし、バネトップメーカーの地位を獲得した。また、社内にIT委員会を設置すると共に、外部専門家やITベンダとの積極的コラボレーションも評価される。

SANARI PATENT所見
 EDI(Electronic Data Interchange)は、情報を標準的な書式に統一して、企業間で電子的に交換する仕組みとして唱導されてきたが、上記事例のようなリード企業の活動によって実現可能であることが実証されている。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
EDI、中小企業、IT化、最適化、Wrb受注

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