2011年4月25日月曜日

映像メディアの将来像とコンテンツ変動

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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生まれ落ちて直ぐから、母親が操作するスマートホーンの映像や産院控室のテレビ映像と親しんで成長する次世代の映像感覚まで見通して、映像メディアの将来像はどのように在るべきか。また当面、テレビ凋落と呼ばれる映像メディア業界に関係者はどう対処するのか。コンテンツ政策の第一歩であるはずだが、内閣知財戦略本部の計画はそこまで踏み込んでない。従って、奥村健太・藤本貴之両氏近著「映像メディアのプロになる」は、映像メディアの構造と技法を含めて、その将来像を真正面から考えた真摯な労作である。
同書は、「ここ数年、急激にテレビ産業の衰退が叫ばれるようになりました。テレビはもう死んでいる、という刺激的なタイトルが雑誌や書籍に載ることも珍しくなくなりました」という書き出しに始まって、先ず次のように指摘している(SANARI PATENT要約)。
1. 日本で、コンテンツ市場規模13兆8282億円(2008)の分野別は映像4兆7834億円(34.6%)、図書・新聞・画像・テキスト6兆1028億円(4.1%)(SANARI PATENT注:「映像」「画像」と区別していることに注意)、音楽・音声1兆7800億円(12,9%)(SANARI PATENT注:「映像」と「音楽・音声」が随伴するのが通常だから、この区分について別途理解することが必要)、ゲーム1兆1621億円(8.4%)である。また、流通メディア別のコンテンツ産業市場規模は、パッケージ流通6兆8079億円(49.2%)、放送3兆9420億円(28.5%)、インターネット流通7758億円(5.6%)、拠点サービス流通1兆7220億円(12.6%)、携帯電話流通5805億円(4.2%)(SANARI PATENT注: ケータイでインターネットを利用するから、上記とも重複計算が疑問)である。
2. 2009-03期連結決算でTBSを除く在京キー局4社が減収となり、特にテレビ朝日とテレビ東京が「初の最終赤字」を出したという衝撃的なニュースが大きく報道され、またTBSも2010-03期の業績予測では初の赤字転落を予測している。
SANARI PATENT所見
実際上、テレビ朝日の売上高は2010-03期2302億3600万円から2011-03期2360-03期2360億円、営業利益は72億1600万円から92億円に増額、テレビ東京も売上高は2011-03期1070億円、営業利益19億円と見込まれ、TBSも2011-03期の営業利益は84億円に達するから、テレビ業界の収益体質緯持は、経費の弾力性によって可能と、SANARI PATENTは考える。「ドラマと広告の融合」(ストーリ中に広告を織り込み、CM時間を消去する)、および、「フィクションを標榜するノンフィクション」のコンテンツ創出が、テレビの再盛況をもたらすと、SANARI PATENTは考える。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください)

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