2009年9月1日火曜日

How to Utilize Double Truck for Patent Invalidity Claim 

無効審判請求と特許無効訴訟のダブルトラックの効用と非効用
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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59.(承前2009-08-31記事)ダブルトラックの問題については、米国での議論が参考になる。米国では侵害訴訟において、権利範囲の有効性が問題になる場合、特許庁に再審査(米国において、特許権成立後、他の特許又は刊行物である先行技術を証拠として、米国特許庁に、再度、特許の審査を請求する制度)を請求すれば、訴訟手続の中止が認められる。再審査で提出された主張や証拠には拘束力があり、侵害訴訟で再び争うことはできず、訴訟と同じ証拠・理由に基づく再審査を請求することもできない。従って、ダブルトラックだが判断齟齬が生じない。また、米国では、裁判所には技術専門性の問題があるため。特許法改正案審議において愛新サービス制度の改善について議論中である。
60. 産業界としては、現行のダブルトラックを無くするのではなく、改正する場合には無効審判の迅速化によって判断齟齬を解決することを希望する。
61. 紛争は本来的には、話し合いで解決されることが望ましく、訴訟になったとしても、時間・費用があまりかからず、信頼性の高い制度であるべきである。また、無効審判の機会を制限するようなことにはならない方がよい。(SANARI PATENT考察: 無効判断の機会が複数在ることを、法的安定性を損なうもののように考えるのは、全く誤りである。むしろそれは、真の意味で法的安定性を保障するものである。)
62. 当事者は、無効審判yりも侵害訴訟に力を注いでいる場合が多い。また、特許の有効性の判断は、侵害訴訟に集約する方が効率的であると考える。死力を尽くした侵害訴訟の結果については、現状よりも強い効力を当事者間に及ぼしてもよい。(SANARI PATENT考察: 精神論的な要素を導入することは適切でない。
63. 当事者として、無効審判で判断してもらいたいのは、(1)最先端技術分野について判断が必要な場合、(2)進歩性の判断に関して技術の流れや相場観が必要な場合である。侵害訴訟に一本化する場合には、何らかの形で専門的知識を取り込むことができれば、制度の信頼性も増す。
64. 米国では、裁判所が特許についてリードしている。日本もそういう方向に転換すべきである。産業界としては、無効審判の請求機会を減らすべきではないとの意見があるが、大学や中小企業の意見は異なるはずである。体力のない大学や中小企業が何度も特許を無効とされるリスクの回避に対応しなければならない状況は、イノベーションを阻害する。(SANARI PATENT考察: 視野の狭い見解というほかない。中小企業が無効を主張する場合も極めて多い。)(コメントは sanaripat@gmail.com に御送信下さい)

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