2009年8月24日月曜日

Pro-Patent vs. Anti-Patent Relating to Suspension Order and Patent-Troll 

差止め請求行使認容の寛厳と生産保護、パントトロールと差止め請求
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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18.(承前2009-08-23記事)特許権侵害の回避努力にもかかわらず、意図せずに他社の特許権を侵害してしまった場合に、その後ライセンス交渉に誠実に対応しているにもかかわらず事業を差止められるとしたら不当ではないか。
19. 差止請求権の行使に対応し、製品における寄与度の低い特許を回避することは、一定期間であれば容易ではないか。
20. 特許の技術的回避にはそれなりの時間がかかる。差止め実施までの猶予期間を適切に設定できるのであれば、かなりの問題が解決できるのではないか。
21. 有償譲渡された特許権による差止めは、目的が実施料収入や損害賠償である場合が多いと思われ、裁判で和解を勧奨されれば解決するのではないか。(SANARI PATENT考察: パテントトロールの場合は、転売目的だ有償取得するが、関連特許権をセットにして売る場合も多く、回避を困難にする。特許権の取得と販売は特許権流通の基本形態であり、事業化しないことが原則的な大学について、「大学もパテントトロールか」という記事まで見られるようになった。)
22. 小さな企業が市場拡大・独占を目指す場合には、差止請求権が非常に大事である。一方、大企業が小企業の特許を無視して大規模な事業を行った場合に、eBay判決の4要素を考慮したとして、差止め請求が認められ得るのか疑問がある。(SANARI PATENT考察: 指摘されている4要素というのは、特許性すなわち、特許の有効性無効性に関する判断要素であり、司法決着までには事実を要するから、差止め請求が認められずに大企業の生産販売が続行されれば、市場占有が確立してしまうことになる。)
23. 日米の特許保護の状況は同様に見えるが、制度の厚みや深みが異なる。米国は、特許権の効力をかって制限し、その後反省して保護を強化し、さらに揺り戻しが来ているという試行錯誤の歴史を経ている。日本は米国の後を追い、特許権保護を強化したが、今は停滞中である。中国などの国々は、まさに特許制度を整備強化する過程にある。あたかも米国・日本・中国等が一周づつ遅れてらせん階段を登っているかのようである。(SANARI PATENT考察: この螺旋階段の過程で、産業の発展段階に対応する属地主義がどのように作用するかが現実の問題となる。日本で物質特許が認められるに至ったのも、それほど遠い昔ではない。商標については、漢字輸入国である日本には中国由来の地名が多く、特許権と併せて十分検討すべきである。)(以下次号)

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