2009年8月15日土曜日

Amendment of Patent Examination Procedure for Medicine Invention (1) 

医薬発明の特許審査基準改訂案
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 人工多能性幹細胞(iPS)研究が新段階に入ったとして、疾病解明や新薬開発に実用される期待が高まるなど、医薬関連発明に対する関心が特許制度に対する関心となって高まりつつある。特許庁は、「医薬発明」の改訂審査基準案について意見を公募しているが、その提出期限は9月5日に迫っているので、新旧対照しつつ、特許庁案を考察する。

1. 冒頭記述
 改訂案は冒頭に、「ここでいう医薬発明は、ある物の未知の属性の発見に基づき、当該物の新たな医薬用途を提供しようとする「物の発明」である」と定め、次のように注記している。
1-1 「物」とは、有効成分として用いられるものを意味し、化合物、細胞、組織、および、天然物からの抽出物のような化学構造が特定されていない化学物質(群)、並びに、そおらを組合わせたものが含まれる。以下、当該物を「化合物等」という。
1-2 「医薬用途」とは、「特定の疾病への適用」または、「投与時間・投与手順・投与量・投与部位等の用法または用量が特定された、特定の疾病への適用を意味する。
 現行審査基準では、「ここでいう医薬発明とは、第Ⅱ部第2章 新規性・進歩性 1.5.2-2/2において定義された発明のうち、医薬分野に属する「物の発明」を意味する」と記述するにとどまる。
2.「特許を受けようとする発明は明確であることを要件とするから、特許請求の範囲は、一の請求項から発明が明確に把握されるように記載しなければならない」ことについて:
 「種々の表現形式を用いることが可能である」として、改訂案には、事例を付した。すなわち、「製造方法で特定された細胞の医薬用途に特徴を有するもの」について、「解説」として、「請求項記載の工程により得られた細胞の医薬用途(抗癌)が、従来知られていた医薬用途(免疫抑制)と相違するから、この請求項に係る医薬発明は新規性を有する」こと、「そして、免疫抑制効果と血管新生との関係など、本件請求項の工程により得られた細胞を抗癌剤として用いた動機づけとなる先行技術文献が公知でないことから、上記請求項に係る医薬発明は進歩性を有する」としている。(以下次回)
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