2009年8月16日日曜日

Amendment of Patent Examination Procedure for Medicine Invention (2) 

「実施可能要件」「新規性」の審査基準改訂
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
Sub Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog
Sub Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat

2.(承前2009-08-15記事)実施可能要件
 改訂案は先ず次のように定める。現行審査基準に、『』部分を付加する改訂である。
「医薬発明は、一般に物の構造や名称からその物をどのように作り、またはどのように使用するかを理解することが比較的困難な技術分野に属する発明であることから、当業者がその発明を実施することができるように発明の詳細な説明を記載するためには、『出願時の技術常識から、当業者が化合物等を製造または取得することができ、かつ、その化合物等を医薬用途に使用できる場合を除き』、通常、一つ以上の代表的な実施例が必要である。そして、医薬用途を裏付ける実施例として、通常、薬理試験結果の記載が求められる。」
3.新規性判断の基本的考え方
 改訂案は次のように簡明に定める。
  医薬発明は、ある化合物等の未知の属性の発明に基づき、当該化合物等の新たな医薬用途を提供しようとする「物の発明」であり、www発明の新規性は、(1)特定の属性を有する化合物等、及び、(2)その属性に基づく医薬用途の二つの観点から判断される。
4.新規性の判断の手法
 改訂案は、「請求項に係る医薬発明の認定」の項を次のように改めている。
 「請求項に係る発明の認定は、請求項の記載に基いて行う。この場合においては、明細書及び図面の記載並びに出願時の常識を考慮して、請求項に記載された発明を特定するための事項(用語)の意義を解釈する。」
 刊行物に記載された発明の認定について改訂案は、次のように定めている。
 「当業者が当該刊行物の記載及び出願時の技術常識に基づいて、医薬発明に係る化合物等を製造又は取得できることが明らかであるように、当該刊行物に記載されていない場合には、、当該刊行物に医薬発明が記載されているとすることはできない。」(以下次回)

SANARI PATENT所見
 知財高裁で特許性の有無が争われる場合に、その発明と刊行物発明の同一性が争われる場合が極めて多い。現行審査基準と対比して、表現の微細な相違のも注目しておくべきである(「容易に」という用語など)。
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください)

ラベル:

0 件のコメント:

コメントを投稿

登録 コメントの投稿 [Atom]

<< ホーム