2009年8月17日月曜日

Patent Examination Procedure for the Novelty of Medicine Invention 

特定の属性に基づく医薬用途についての判断
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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4(承前2009-08-16記事)また、当事者が当該刊行物の記載及び出願時の技術常識に基づいて、その化合物等を医薬用途に使用できることが明らかであるように当該刊行物に記載されていない場合にも、当該刊行物に医薬発明が記載されているとすることはできない。例えば、当該刊行物に何ら裏付けされることなく医薬用途が単に列挙されている場合は、当業者がその化合物等を医薬用途に使用できることがあきらかであるように当該刊行物に記載されているとは認められず、当該刊行物に医薬発明が記載されているとすることはできない。
5.新規性の判断(SANARI PATENT注:付番は本稿の説明順によって付し、原典と同一ではない。)
 医薬発明の新規性の判断については、「第Ⅱ部1.5.5新規性の判断」及び本章「2.2.1医薬発明に関する新規性の判断の基本的な考え方」に基づき、以下の(5-2)及び(5-2)により判断する。以下で引用発明とは、第29条第1項に掲げる発明として引用する発明をいう。
(5-1) 特定の属性を有する化合物等について
 請求項に係る医薬発明の特定の属性を有する化合物等と、引用発明の化合物等とが相違するときは、請求項に係る医薬発明の新規性は否定されない。(SANARI PATENT考察: 審判請求や知財訴訟で争われるのは、この「相違」の有無自体であって、相違するときは新規性は否定されないことは当然である。知財高裁で「相違」の有無があらそわれた事件について、判断の要旨を記載することが有用である。)
(5-2) 特定の属性に基づく医薬用途について
(5-2-1) 特定の疾病への適用
 請求項に係る医薬発明の化合物等と、引用発明の化合物等とが相違しない場合であっても、請求項に係る医薬発明と引用発明とが、その化合物等の属性に基づき特定の疾病に適用するという医薬用途において相違点がある場合は、請求項に係る医薬発明の新規性は否定されない。例えば、請求項に係る発明が「有効成分Aを含有することを特徴とする疾病Z治療薬」であり、引用発明が「有効成分Aを含有する疾病X治療薬」である場合において、出願時の技術常識を参酌することにより、疾病Xと疾病Zが相違する疾病であることが明らかになれば、請求項に係る医薬発明の新規性は否定さrない。(以下次回)
(コメントは sanaripat@gmail.com にご送信ください)

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