2008年6月10日火曜日

Cost Target of New Energy Development: 新エネルギー開発のコスト目標としての原油妥当価格
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
このサイト http://sanaripatent.blogspot.com/ 大日本住友製薬の海外研究開発活発・国内ライセンス訴訟(2008-6-10記事Ⅰ)
別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ キッコーマンの米国新ラボ開設発表(2008-6-9記事)

 バイオ燃料、触媒、燃費、軽材料など、新エネルギーおよびエネルギー利用効率向上の課題を解決する発明・特許の開発は、その石油代替・石油利用削減におけるコスト比較によって「産業上利用可能性」の現実的判断がなされる。

 経済産業事務次官の定例記者会見(2008-6-9)では、原油脱価格の見解維持が重ねて示されているので、以下に質疑応答を要約しておく。

1. G8プラス3エネルギー相会合の効果
1-1 質疑
 国際的な省エネ協力の枠組みなど、具体的成果も見られたが、一方で原油価格が週末に139ドル第に上昇しているが、G8プラス3エネルギー相等の会合で合意された各種政策は価格抑制効果を発揮すると見ているのか。
1-2 応答
 現在の原油価格が異常であることについて、11国の認識が共通になった。また、省エネの重要性、クリーンエネルギーの開発、革新的技術開発の有効性は「青森宣言」となった。
 原油については、緊急時対応の備蓄増強の必要性、エネルギー投資の増大、省エネ・代エネ取組の必要性が共同声明された。
 原油価格の高騰は、基本的には需給問題があるが、現時点では投機筋の動きの影響が大きい。ただ、投機というのは何時までも続くものではないから、今次合意内容が少しづつ効果を発揮してゆく、投機の動きに対しては政策の動きは必ずしもミートしているわけではないが、いずれは効果が出てくると期待している。

2.投機資金対策における経済産業大臣と財務大臣
2-1 質疑
投機資金については次のG8・財務相会合での議論に期待するとして先送りされたが、今回なぜ投機資金の問題を十分議論しなかったか。
2-2 応答
 現在の原油価格の異常性の認識と議論はなされたが、価格の問題はファンダメンタルズだけでは説明できない(SANARI PATENT注:「需給」を「ファンダメンタルズ」と換言したと解する)。価格問題は、エネルギー大臣と金融大臣との双方の問題である。今次会合では、現在の価格水準は異常であり、この異常な価格は産油国・消費国の双方にとって有害であるということに意見の一致をみている。従って、投機資金の問題については、財務大臣に期待をもって委ねることとなる。経済産業省は、ファンダメンタルズで説明できるのは60ドルであると言い続ける。

3. SANARI PATENT所見
  上記2-2の「経済産業省は、ファンダメンタルズで説明できるのは60ドルであると言い続ける」という発言が、今後の戦略・政策にどのように作用してゆくか、注目すべきであるが、産業界・知財専門家はまた、その実際の効果予測について見解を持ち、発明・特許の産業上利用可能性を判断すべきである。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
G8、原油価格、省エネ、代エネ、投機資金

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