2008年6月25日水曜日

From Small To Big, by IP and IT

From Small To Big, by IP and IT: 知財と情報技術で小企業から大企業へ:
CORE(東証1部)とCCC(同)の事例:「IPビジネス」と「ITネット」
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT


 中小企業庁は毎年、モノ作りの優秀中小企業300社のリストを発表して、その知財や情報技術の活用成果を示し、全国50万・中小製造企業と、これからの製造起業者を元気づけているが、さて、中小企業庁は「中小企業を対象とする機構」であるので、優秀な中小企業で中小企業にとどまっているものは300社に列挙されるが、大企業にまで成長してしまうと、経済産業省などの本省に籍が移ってしまう。

 中小企業のままで優秀企業であることは勿論貴重であるが、大企業に成長して優秀性を発揮することも勿論貴重である。ここには中小企業庁の300社対象を超えて東証1部企業として活躍している事例を、それらの今次事業報告によって見る。

1. 株式会社コア
1-1 野村証券・東洋経済の会社四季報最新号によれば、コアは、「携帯電話や情報家電向け組み込みソフト開発が主力。金融向けシステム強い。電子テロップも。組み込みソフトはFA、携帯端末向けに好調。高感度GPSのライセンス提供開始。ASP式IT管理ソフトは銀行向けにパソコンベースで20万以上のライセンス目標。
1-2 日刊工業新聞社主催の20050331産業人クラブ座談会では、「中堅・中小企業のトップ3氏」の一人であったが、その後3年余の成長も著しく、今次報告では、連結売上高262億円、経常利益117億円、資本金4.4億円、従業員数約1500名の第企業であるが、創業者の種村良平氏と種村姓の親族、および株式会社タネムラが計36.42%の議決権比率を有する。
1-3 上記1-2での紹介では、種村良平氏(現会長)は防衛大学卒。1973年コアグル-プ設立。
1-4 今次報告では、「コアグル-プのIP(知的財産)ビジネスの取組」と題して次のように述べている(SANARI PATENT要約)。
1-4-1 高感度GPSチップによるIPビジネスの確立
1-4-2 全国ネット放送局・地方放送局、公共施設向けに各種電子テロップシステムを開発・提供
1-4-3 企業のPCなどの資産管理・脆弱性管理・検疫管理を行う統合IT資産管理ソリューションを提供
1-4-4 製造業全般の設計・製造情報から保守管理情報まで、技術情報管理を一元管理する「製品ライフサイクルマネジメントシステム」を提供
1-4-5 行動分析製品→ 世界130国2000組織以上で採用。膨大・複雑なデータから、その因果関係を解析し、時間軸により可視化。

2. カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(CCC)
2-1 野村証券・東洋経済の会社四季報最新版によれば、CCCは、「レンタル、CD販売TSUYAYAをFCで展開。ネット、カード事業育成。
2-2 増田宗明氏(現在CCCの株式の24%)が1982年に枚方駅前ビルに喫茶店兼貸レコード店を開業。翌年、TSTAYA1号店「蔦屋書店」をオープン。フランチャイズ展開。ビデオ、CD、書籍などのあらゆるパッケージソフトを便利に入手可能というコンセプトの「マルチパッケージストア」を開始。米国の経営者向け雑誌の日本語版発行開始。衛星放送に進出。ゲームソフト、ディレクTV、DVDレンタル、インターネット利用サービスなどを次々に開始。
2-3 ローソンおよび新日本石油と、2003年に、ポイント業務提携。
2-4 TBSと2005年に、DVDコンテンツ企画・制作・販売のエンタメ会社設立。
2-5 デジタルコンテンツクリエータスクールを開始(2005)。
2-6 レンタル用映像商品のPPT事業拡大(2006)。
2-7 当期において、連結売上高2377億円。連結経常利益151億円。資本金317億円。従業員数約3600名。

3. SANARI PATENT所見
東証第1部の大企業に至るまでにも、波乱が見受けられるが、知財とITと新たなビジネスモデルの開発にエネルギーを集中してきたことが、小から大への成長を駆動したと考える。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
CCC、コア、組み込みソフト、種村良平、増田宗明、ポイント

ラベル:

0 件のコメント:

コメントを投稿

登録 コメントの投稿 [Atom]

<< ホーム