2008年6月30日月曜日

Business Process Outsourcing for International Competitiveness

Business Process Outsourcing for International Competitiveness:コクヨ岡本礼三取締役、NTT小畑哲也財務部門部長、ローソン塚原今朝雄ディレクター補佐、三洋電機・中村 淳・総務人事部長ほか計11名(経済産業省研究会)
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
別サイト http://d.hatena.ne.jp/SANARI/ 来る10-1国際石油開発帝石新発足・探査・環境・保安技術(20080629記事)
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog  経済産業省の骨太方針対応(20080629記事)

 エネルギーや食料の資源小国性が社会経済に反映し、国際競争力強化の必要が一層痛切であるが、経済産業省は競争力対策の一環として、BPO(業務プロセスアウトソーシング)研究会を構成して業務プロセスの合理化を考究し、その結果を発表した(20080627)。広く全分野にわたる関心事であるので、内容(SANARI PATENT要約)を考察する。

1. 総務・経理。人事
1-1 欧米企業を中心として、非コア業務のビジネスプロセスをIT活用により外部にアウトソーシングするBPOが、積極的に利用されている。これに伴いグローバルレベルでBPOサービスの市場が拡大している。
1-2 一方国内では、グル-プ企業内でのみビジネスプロセスをシェアする形態での利用にとどまっている。BPOベンダー企業に着目すると、外国企業がグローバルプレヤーの大半を占め、日本企業はBPOベンダーとしても高い国際競争力を有していない。
2 世界のBPO市場
2-1 英国の調査会社Business Insightsによれば、世界のBPO市場は2004年から年平均成長率約8.8%で伸長し、2008年には1441億ドル(14.4兆円)に達する。特に財務・会計・人事分野において高成長が見込まれる。
2-2 The International Association of Outsourcingによれば、アウトソーシング全般のThe Global Outsourcing 100の7割弱を米国企業が占め、インド企業が15社、中国企業が6社、ランクインしている。

3 日本のBPO市場
3-1 IDC JAPANの調査によれば、わが国のBPO市場は、世界のBPO市場の成長速度に及ばないが、今後、年平均5%で成長し、2006年に8246億円であった市場規模が、2011年には1兆650億円規模に達する(SANARI PATENT注:矢野経済研究所によれば、成長率は高いが、実数をIDCより少なく見ている)。
3-2 インド企業の評として、日本企業は業務を個人別に任せ、ノウハウの他者移転が困難である。さらに日本企業は全てをコア業務と考えて囲い込む傾向がある。
3-3 日本企業には、アウトソーシングによる余剰人員の発生やセキュリティへの不安がある。サービスに対する要求水準が高く、自社内で制御できないと不安に思う。
3-4 外国BPOベンダーから見ると、日本では社会保険制度など、特に人事分野の法制度が複雑である。

4.SANARI PATENT所見
この研究会は、「先行してBPOを活用しているグローバル企業は、BPOの戦略的活用により間接部門の生産性を向上させ、経営資源をコア業務に集中指せて競争力を強化している」とし、「BPO産業の成長によって潜在労働力が活躍する場を提供することも可能になる」と指摘している。経済産業省は今次報告に対し、更に考究すべき課題として、「規模の経済の追求(SANARI PATENT注:自治体ごとに存在する提出様式の差異などを問題としている)」「BPOベンダ企業の競争環境」「ユーザー企業とベンダー企業の連携」を掲げ、取組むべき方向性として、「産業活力再生特別措置法の適用」「対象業務プロセスの標準化」などを指摘して、更に検討を深めると述べている。SANARI PATENTとしては、内閣知財戦略本部や総務省が推進しているSaaSやASPによる合理化との比較をも検討対象とすることを要望する。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
BPO、SaaS、コクヨ、NTT、ローソン、三洋電機

ラベル:

0 件のコメント:

コメントを投稿

登録 コメントの投稿 [Atom]

<< ホーム