2008年12月16日火曜日

Changing Fundamental Conditions For IP Functioning 

知財が機能するための基礎条件の変動
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 知財立国が独リ歩きできるものでないことは、今次経済危機でも超明白に実証され、先端技術集積企業の危殆化が相次いでいる。知財が機能する前提、すなわち、国際価格の相対的変動や商品の需給、為替の騰落等によって、知財は有価値とも無価値ともなる。知財自体が経済価値を生むという錯覚で研究開発の多額投資をした企業が、主としては他の要因のため存続ないし経営の窮地に陥る事例が、これからも続発すると、SANARI PATENTは予測する。

 WTOによる関税率の変動は、上記基礎条件の一つである。昨日(2008-12-15)の経済産業省記者会見における望月事務次官との質疑応答(SANARI PATENT要約)によって、国際状況を見よう。

質疑1.今後のWTO交渉立て直しに、経済産業省はどのように対処するか。
応答1.今週も現地では様々な会合が引続き代表ベースで行われている。体制立て直しの戦略を立てなければならない。

質疑2.保護主義の抑制について、既にロシアでは自動車に対する関税引き上げの動きがあるようだが、具体的にどう対処するか。
応答2.ロシアについては、WTO加盟前の問題だから、引続きロシアに対して各国から、関税率引き上げの取りやめを働きかけてゆくことが重要である。
 WTO加盟国の間では、とにかく1年間、関税障壁の新たな措置導入を取りやめることを誠実に守るよう、固く約定しているから、その上で、途中まで合意ができているわけだから、それについて、もう少し落ち着いた打開策を考えることになる。

質疑3.ロシアは、WTOはまだということは分かるが、ロシアが金融サミットとかAPECには入っており、そこで新たな障壁を設けないという約束をしているにも拘わらず、このような動きをしていることについて、所見はどうか。
応答3.加盟交渉の最中だから、その意味というのは、ロシア自身は十分自覚すべきである。そういう前提で各国が、将来加盟国としてのロシアということを頭に置きながら、ロシアに対して発言してゆくこととなろう。

質疑4. 政府はWTOと、EPAなどの2国間交渉を車の両輪として推進して」きたが、一方のWTOが進まない現況のもとで、EPAはどのように交渉するか。
応答4. 並行して進めるべきである。世界貿易が縮小しかねない時期であるから、来年に向けての明確な交渉予定を立てる必要がある、EPAについては、アジア、アセアンを中心に幾つかの進展があったが、他の優先的なところについても交渉進展を再計画する。

SANARI PATENT所見
 工業品については対新興国輸出、農産品については産業構造。国土構造、雇用構造について、自由・保護両主義の各国益が特に関連し、知財開発の方向性を現実に規定する結果をもたらす。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
WTO、EPA、保護主義。ロシア、関税障壁 

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