2008年12月30日火曜日

How to Measure the Results of IP Strategy 

知財戦略の成果をどのように計測するか
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 内閣知財戦略本部は、2009年度・知財推進計画の策定開始を控えて、12月に入ってから、本部会合を始め所属諸専門調査会の報告を集約している。
 改めて知的財産基本法の目的を見ると、「この法律は、内外の経済情勢の変化に伴い、わが国産業の国際競争力の強化を図ることの必要性が増大している状況にかんがみ、新たな知的財産権の創造およびその効果的な活用による付加価値の創出を基軸とする活力のある経済社会を実現するため、知的財産の創造、保護および活用に関し、基本理念およびその実現を図るために基本となる事項を定め、国・地方公共団体、大学等および事業者の責務を明らかにし、並びに知的財産の創造保護および活用に関する推進計画の作成について定めると共に、知的財産戦略本部を設置することにより、知的財産の創造、保護および活用に関する施策を集中的かつ計画的に推進することを目的とする。」
 そして特許法の目的は「産業の発達に寄与すること」、著作権法の目的は「文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もって文化の発展に寄与すること」、コンテンツ創造・保護・活用促進法の目的は「知的財産基本法の基本理念にのっとり、コンテンツの創造・保護・および活用の促進に関し、基本理念を定め、並びに国、地方公共団体およびコンテンツ制作等を行う者の責務等を明らかにすると共に、コンテンツの創造・保護および活用の促進に関する施策の基本となる事項ならびにコンテンツ事業の振興に必要な事項を定めること等により、コンテンツの創造、保護および活用の促進に関する施策を総合的かつ効果的に推進し、もって国民生活の向上および国民経済の健全な発展に寄与すること」である。

 知的財産基本法が平成14年に制定されてから既に6年余を経たのであるから、その実施成果は、特許出願件数・処理件数、知財高裁判決件数、デジタルコンテンツ数の変動等にとどまらず、「知的財産がわが国の国際競争力を強化すること」によって、わが国産業の世界市場における優位や国民所得の水準の向上がどのようにもたらされたか、ないしはもたらされようとしているか、具体例を極力示して報告されることが当然期待されるし、「内閣」の本部であるから、少なくとも「デジタルコンテンツの流通と著作権制限の調整」などについて、いわば「公約」した「2008年度中に結論を得る」はどうなったのか、流通促進の要素となる知的財産権の価値評価(特に定額的価値評価)基準の「確立」はどうなったのか、「請求項など特許出願文書をなるべく分かり易い表現・文脈として発明の理解と権利化を滑らかにする」趣旨はどうなったのか、経過報告がなすべきであると、SANARI PATENTは考える。

 内閣知財戦略本部の12月会合では、「これまでの成果」の確認が、上記の諸点について不充分であったとSANARI PATENTは認識する。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
IP Strategy、知的財産基本法、デジタルコンテンツ、著作権制限

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