2008年12月22日月曜日

Copyright Infringement as an Offence

Subject to Prosecution Only by Complaint 著作権侵害の非親告罪化案に対し著作権者側からも反対意見多数
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
Sub Site http://blogs.yahoo.co.jp/patenttrend 伊藤忠グル-プの生活支援業務展開
Sub Site http://plaza.rakuten.co.jp/manepat  NHKケータイ短歌の日本コンテンツ創造
Sub Site http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog 検索エンジンは社会経済インフラ(文化審)

 政府の知的財産基本計画案策定の時期に入っているので、いわゆる海賊版などの著作権侵害犯罪を、現在の親告罪から非親告罪に改正すべきか検討案についてのPublic Comment(対文化庁)を見たが、一見、法学専門的な親告罪・非親告罪の択一論点にについて、非常に多数の非親告罪化反対意見が提出されていることに先ず注目した。なお後述するように、「海賊版など」の「など」の範囲が最も問題であると、SANARI PATENTは考える。
 この反対多数現象が広く理解されるために、「著作権者として」、一見著作権の強化と思われる非親告罪化に反対する意見の内容(SANARI PATENT要約)を再読する。

「文化的表現は、そもそも本質的に、先行者の影響を受けつつ独自の表現を確立するものであり、特に初学者は、時として先行者のコピーと思われる作品すら世に出してしまうことがある。それは、違法コピーではなく創作における成熟の一過程であり、まねぶことを法的に阻害すれば、文化の発展に重大な支障を来す。」

「また文化の中には、本歌取り、パロディのような本質的にコピーと意味の読み替えを含む分野が存在し、最近のインターネットにおけるマッシュアップ(SANARI PATENT注: 取敢えず「各種コンテンツの組合せ」と定義しておく)もその一分野である。非親告罪化により、マッシュアップの可能性を閉ざすことは、日本文化の衰退にすらつながる。」

「文化は本質的に複製を楽しむという要素を有する。表現者は何人として、自分一人で表現者たるのではなく、先行する表現者の影響を受け、同時代の表現者と相互に刺激し合い、自分の創作物を生み出すものである。相互の影響は時に模倣の域に入ることもあり、独創と模倣は決して峻別できるものではなく、その境界線は曖昧に溶けている。法的規制に馴染むものではない。」(SANARI PATENT考察: 峻別ないし分別できる場合について、著作権者化による著作権保護強化の当否が別論となる)。

「非親告罪化に強く反対する。素人の著作者には有害である。私権である著作権の著作権者が不問に付することを希望しても、その意志を無視すれば、却って著作権の切り下げになる。」

「著作権侵害罪というのは、一般国民が知らず知らずのうちに日常的に犯している可能性が高く、著作権者としても、そのような日常的行為について通常は処罰を望まない。著作権者の意向を無視して発動される。
 
SANARI PATENT所見
 上記のほか多数の「著作権者化反対意見」のうちに、文化庁提示案における「海賊版など」の範囲が不明確であること」を挙げているものが多いが、犯罪の構成要件該当性が明確でなければならないことは当然である。すなわち、示された案には海賊版という語が多用されているが、結びは、「著作権等の侵害の罪を親告罪とすることを維持することが適当か否か、再検討する必要がある」としている。なお、特許権侵害が非親告罪とされたことが引用されているが、特許権と著作権との本質的相違が先ず認識されなければならない。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Copyright、海賊版、親告罪、非親告罪、マッシュアップ

ラベル:

0 件のコメント:

コメントを投稿

登録 コメントの投稿 [Atom]

<< ホーム