2008年12月27日土曜日

PACHISURO(Pachinko Slot-machine)Patent Lawsuit at IP High Court 

パチスロ機器大手のアルゼ特許について、知財高裁がアルゼの請求を棄却(2008-12-25)
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 パチスロは「パチンコ式スロットマシーン」であるから、関連特許数もパチンコに関する特許公開2万2437件(2008-12-26現在)、スロットマシンに関する特許公開6544件(同)、パチスロに関する特許公開831件(同)に達し、意匠やコンテンツの関連知的財産権も同様に多数存在する高度の電子機器である。 アルゼが権利者である特許公開件数も1万件近い(2008-12-26現在9929件)。

 一昨日、知財高裁が判決を言渡した「平成20年(行ケ)10254号・審決取消請求事件は、アルゼの「遊技機の回転リールユニット」発明に関するもので、原告パチスロ、被告・特許庁長官、アルゼは弁護士9名、弁理士11名、計20名の訴訟代理人を擁して、特許庁審決の取消を訴求したが、知財高裁はアルゼの請求を棄却した。

 アルゼが平成16年に設定登録を受けた上記発明に関する特許について、パチスロは平成20年に訂正審判を請求し、特許庁が「請求不成立」との審決をしたので、アルゼがその取消しを知財高裁に訴求した。

 争点は、この「訂正」が特許請求の範囲の縮減を目的とする縮減と言えるか、新規事項の追加に当たるものでないか、進歩性に係る独立特許要件を満たしているか、の3点である。

 さらに今次知財高裁判決に至る経緯をみると、
(1)  アルゼは平成9年に、発明の名称を「遊技機の回転リールユニット」とする特許出願をし、平成16年に設定登録された。これに関しアルゼは、平成20年にこの特許の特許請求の範囲の縮減等を目的とする訂正審判を請求したが、特許庁は「この請求は成り立たない」と審決した。
(2)  なおアルゼの上記特許についてAが平成16年に特許無効審判を請求し、特許庁は平成18年に「パチスロの上記特許を無効とする」旨、審決した。
(3)  パチスロは同年、この審決の取消し訴訟を提起すると共に、訂正審判請求を行った。
(4) 知財高裁は同年、上記審決を取消す旨の決定をしたので、特許庁で特許無効事件の審理が再び続けられることとなった。
(5)  そこでアルゼは同年、訂正請求を行ったが、特許庁は、「訂正を認める。アルゼの上記特許の請求項1、2に係る発明についての特許を無効とする」旨の審決を平成19年に行った。
(6)  この審決の取消しをアルゼが知財高裁に訴求したのが、今次事件である。

SANARI PATENT所見
 特許請求の範囲の変更は、第三者に及ぼす影響が多大であり、「縮減」に該当するか、技術的に精確な判断が求められることは当然である。しかし、技術用語の定義は固定的でなく、新しい用語や語義が付加される場合を認めることを、米国特許審査基準(MPEP)は明定している。
 進歩性の判断については、多様な見解が続出することは、SANARI PATENTがしばしば述べたところである。
Slot Machine、パチスロ、アルゼ、知財高裁、特許無効

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