タカラバイオ、東大と共同して遺伝子治療開発
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
タカラバイオ(マザーズ)が年初来高値を更新して670円に達し(2012-10-12)、4月安値437円の53.3%高に及んだ。タカラバイオは先日(2012-10-11)、「遺伝子治療開発の最前線セミナ」を開催し、タカラバイオ竹迫一任専務がコーディネータを務めたが、うち、「食道癌に対するTCR遺伝子改変T細胞療法」(東大大学院医学系研究科・遺伝子・免疫細胞治療学・珠玖 洋教授)のペーパを要約する。
1.
TCR(T細胞受容体)遺伝子治療は、がん患者の血液から採取したリンパ球に、がん細胞を特異的に認識するTCR遺伝子を体外において導入し、培養によって増殖させてから、患者に戻す治療法である。
2.
TCR遺伝子が導入されたリンパ球が、患者の体内において、がん細胞のみを認識して攻撃し、消滅させる。
3.
TCR遺伝子治療については、米国国立がん研究所のローゼンバーグ博士らのグループが実施した悪性黒腫瘍(メラノーマ)を対象とした臨床試験において、2006年に初めてその有効性がScience誌に発表された。それ以降も、同グループを含む複数の施設において、臨床試験が進められ、滑膜肉腫など、他の種類の癌に対しても有効であることが示されつつある。
4.
タカラバイオと東大病院は、標準的な治療法による効果が期待できない治療抵抗性の食道がん患者を対象とするTCR遺伝子治療の臨床研究を共同で実施している。
佐成重範弁理士所見→産学共同の、最も価値高い実証研究として期待される。
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