2012年9月5日水曜日

カネカの発明「多接合型薄膜太陽電池」(8月30日特許庁公開)


「可溶性ポリイミド樹脂フィルムの利用」(屈曲プリント基板の要素)

弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

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昨日(2012-09-04)、カネカ株が年初来最安値380円を付け、今年1月の最安値404円をも下回った。カネカは、「医薬・食品素材が収益柱となり、特に機能性食品素材は米国で増販が進み、営業増益」で、「上向く」と会社四季報も評価している好調ぶりだから、株式市場の方が変調なのであろう。海外重視で、カネカの現海外売上高比率32%だが、「マレーシアで配線板向けフィルムの生産を2013年に開始予定、人工毛髪向け合成繊維は2015年増産など投資集中し、太陽電池の国内販売は住宅向け重視」(同)など、多角製品のグローバル構成を構築している。

研究開発も相変わらず活発で、特許庁公開された発明件数は、今年初来公開されたもののみでも既に294件(2012-01-01~2012-09-04)に達している。最近の特許庁公開事例としては、

1. 「多接合型薄膜太陽電池」(特許庁公開日2012-08-30)(SANARI PATENT要約)→所定の凸凹構造を有る複数凸凹層を要素とする変換ユニットを多接合型薄膜太陽電池に用いることにより、より高効率の光電変換デバイスを作製する。

2. 「可溶性ポリイミド樹脂フィルムの利用」(特許庁公開日2012-08-02)→ポリイミド前駆体を化学イミド化することにより得られる、有機溶媒への可溶性、耐熱性、寸法安定性および透明性に優れたポリイミド樹脂を含有する樹脂溶液にとり形成したポリイミドフィルムを用いたTFT基板、カラーフィルター、電子デバイス材料を提供する。など。

佐成重範弁理士所見→太陽光発電量のエネルギー中シェアを高めるために、光電変換デバイスの効率向上は決定的要素である。また、屈曲するプリント基板の基本構成要素であるポリイミドフィルムの物性イノベーションは、次世代IT社会のイノベーション要素である。

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