2012年5月7日月曜日

旭硝子、極薄ガラス国際優位へのライバル

素材革命下の旭硝子と日本板硝子


弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT

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古くは造船、新しくはテレビ・ケータイに至るまで、日本企業の製品世界シェアが激減して、しかし、高機能素材については、外国製品のうちに主要部分を占めて優位を誇り続ける、という、特許技術開発畑の熱い志望は、どう実現しつつあるか。そしてそれは、日本企業の業容に、どのような変革を齎しているか。歴史の古いガラス産業の分野について先ず模様を見よう。

ガラス分野と言えば、旭硝子、日本板硝子、日本電気硝子、セントラル硝子が先ず国内上位に並ぶが、世界シェアにおけるランキングから見ると、ガラスの種別によって顕著な相違が見られる。日経業界地図2012版は、板ガラスについては、旭硝子・日本板硝子共に、世界シェアで各14%、フランスのサンゴバンも14%、米国ガーディアン7%、同PPG4%に続いてセントラル硝子が2%と表示されている。太陽電池保護ガラスの世界シェアでは、旭硝子35%、フランス・サンゴバン29%、日本板硝子11%の順、液晶用ガラスでは世界シェアが韓国サムスン30%、旭硝子25%、日本板硝子21%、米国コーニング19%と序列されていて、各分野の様相が随分異なっている。

国際優位の視点からは、旭硝子の超極薄ガラス、特にスマホパネルガラスが傑出している。しかし、海外では米国コーニング、国内では日本電気硝子などが各技術開発して超極薄ガラスに挑んでおり、競争の推移が注目される。「薄さ」を弾力的に考えれば、これを化学強化した新製品が、スマホタッチパネル始め、ディスプレイ、太陽発電などに高機能するが、化学強化の分野にも、米国コーニングや中国・台湾・韓国企業の競争が及んでくると思われる。

日本板硝子は、英国フルキントンを買収し、意欲旺盛を示したが、板ガラスのグローバルな需要停滞や、ベトナムの太陽電池ガラス生産計画延期など投資抑制の不利環境が響いて赤字拡大も予想されていることはリストラを孕むものの、海外比率が現に74%に達し、世界局面の展開に期待する。

(コメントは sanaripat@gmail.com  にご送信ください) 旭硝子 日本板硝子 極薄ガラス

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