2012年5月6日日曜日

懲役2年を振りかざす著作権法改正案

著作権法改正に対する認識と関心を高めるべきだ
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 経済活動における物的製造流通以上に、コンテンツの創作流通が比重を増しつつある現在、著作権法の動向について認識と関心を高めることは極めて重要だが、教育の場においても、著作権法の厳格な規定の文言が強調され、教師・生徒に違反の危険性と罰則の畏怖を過度に生じさせ、先ず「見倣う」ことから始まるべき創作の芽を摘んでいるのではないかと憂える。内閣知財戦略本部も、総合政策のための組織であるから、文部科学省の審議会と議員立法の動きとの調整の結論と、更に大局的な国際調和・コンテンツ普及の重要性と著作権との国家的見地からの総合調整機能を迅速に果たしてほしい。この意味で朝日の文化くらし報道部・木村尚貴記者が「海賊版の受信、拙速な罰則化に違和感」と題した論説で、その結論を「違和感」にとどめたのは、むしろ遠慮気味、控え過ぎ気味に思える。この論説の内容(SANARI PATENT要約)は、 1. 海賊版と知りつつダウンロードした場合、懲役2年以下または200万円以下の罰金を科すことを盛り込んだ著作権法の修正案が、今国会に提出されようとしている。音楽著作権団体などからの要望を受けた自民党・公明党によるものだ。 2. 一方、政権は、写真や映像に他人の著作物が偶然写り込んでしまっても、権利侵害としないとする著作権法改正案を提出している(SANARI PATENT考察: コンテンツ創作振興のため、極めて適切な案である)。 3. 海賊版のダウンロードは、文化審議会での議論を受けて、2年前から違法となったが、罰則化は「時期尚早」と見送られてきた。ユ-ザ-や学識経験者と権利者が議論するプロセスを経ずに、上記1の改正が議員立法という形で、権利者側の意向によって立法措置されようとしている。禍根を残すのではないか。佐成重範弁理士所見→「懲役2年」とまで振りかざしたダウンロード罰則規定の新設という文化普及の根幹に関する問題を、国民は全ての年配を含めて活発に議論し、野党議員立法の動機の適否にも遡るべきである。(コメントは sanaripat@gmail.com  にご送信ください)

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